JPH0410966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばドリル或はタツプ加工用の複
数本の工具スピンドルをそれぞれ保持し、ギヤト
レインによつて各工具スピンドルを一斉に回転駆
動させて複数加工点を同時加工する複合加工ヘツ
ドに関し、特に一部工具スピンドルを回転ドラム
に保持しこのドラム回転によりヘツド本体に対し
て上記工具スピンドルのインデツクスを行わせ加
工側に対し工具スピンドルを入れ替え可能とした
ものに関する。

（従来技術とその問題点） 従来、この種複合加工ヘツドにおいて、加工に
応じヘツド本体内の工具スピンドルを一部インデ
ツクスさせる構造として、ヘツド本体に回転ドラ
ムを回動自在に設け、この回転ドラムにそれぞれ
複数本の工具スピンドルを保持させ、この回転ド
ラムの回動によつてこのドラム内の工具スピンド
ルをヘツド本体に対しインデツクスさせ加工側と
非加工側に入れ替えていた。そして、この回転ド
ラムを回転駆動および割出しする割出し駆動部
は、例えばラツクやピニオン或はリンク等を用い
て回転ドラムの側方から回転ドラムの軸に対し直
交する方向にシリンダによつて上記ラツク等を進
退動させ、回転ドラムに回転を与えていた。この
ため、ヘツド本体の側方にシリンダやラツク等が
突出し、加工ヘツド全体が大型化するとともに、
加工時他の部分との干渉を引き起こしてしまうと
いう問題点を有していた。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案は回転ドラムへの割出し駆動部
を回転ドラムの側方に回転ドラムと平行状に配設
することにより、ヘツド本体内の空スペースを利
用して収納できるとともに、ヘツド本体の側方へ
の突出部分をなくして比較的ゆとりのあるヘツド
本体の後方向にシリンダ等の駆動部を設け、ヘツ
ド全体が大型化することなくコンパクトな構造で
工具スピンドルのインデツクスが容易に行え、複
数種加工に対応できるようにしたものである。

すなわち、本考案の複合加工ヘツドは、回転ド
ラムの外周に従動ギヤを設け、このギヤと噛合す
る伝動ギヤを外周に有する回動筒を、ヘツド本体
内において上記回転ドラムの側方に平行にかつ回
動自在に設け、この回動筒内に上下方向に進退さ
れる進退ロツドを挿入し、この進退ロツドと回動
筒を所定ねじれ角のリードスクリユーで係合さ
せ、回転ドラムと平行方向の進退動を回転に変換
して回転ドラムをインデツクスさせるように構成
したものである。

（実施例） 第１図は本考案の複合加工ヘツドの一例を示す
ヘツド本体内部のギヤトレインの展開図、第２図
は同上要部の垂直断面図、第３図はヘツド本体後
部における進退ロツドの駆動部を示す断面図、第
４図は同上複合加工ヘツドの前面図である。

まず第１図において、１は複合加工ヘツドのヘ
ツド本体、２はヘツド本体１に設けられた図示し
ない電動モータのモータ軸、３，４，５，６はタ
ツプ加工用の工具スピンドル、７，８，…，１
６，１７はギヤトレインを構成するギヤ、１８は
回転ドラム、、１９は進退ロツドである。

ヘツド本体１は上記４本の工具スピンドル３，
４，５，６を有し、このうちの２本の工具スピン
ドル３，４は第２図のように、ヘツド本体１に回
動自在に取付けられた平行する２本のギヤ軸Ｇに
対し同軸上にそれぞれ取付けられている。

この各ギヤ軸Ｇはそれぞれ上記ギヤ１０，１１
を一体に有し、下端内周にスプラインＳが形成さ
れている。この各スプラインＳに上記各工具スピ
ンドル３，４の上端部がそれぞれスプライン係合
され、かつヘツド本体１に固定された送り用のナ
ツト部材Ｎにそれぞれ工具スピンドル３，４に形
成された親ねじＭが螺合され、上記スピンドル
３，４はヘツド本体１に対しそれぞれ回動かつ軸
方向に進退動自在に支持されている。そして、こ
の２本のスピンドル３，４は常時加工側に対応さ
れている。

次に、他の２本の工具スピンドル５，６は第２
図のように、上記回転ドラム１８内に保持されて
いる。この回転ドラム１８はヘツド本体１にすべ
り軸受を介して回動自在に取付けられ、ヘツド本
体１に回動自在に支持された回動支軸としてのギ
ヤ軸２０を中心として回動支持されている。この
ギヤ軸２０は上記ギヤ１４，１５を一体に有して
いる。そして、一方のギヤ１５と噛合する上記ギ
ヤ１６，１７を上端にそれぞれ一体に有する２本
のギヤ軸２１，２２が、上記回転ドラム１８内に
それぞれ回動自在に取付けられている。このギヤ
軸２１，２２の下端内周にはそれぞれスプライン
Ｓが形成されている。この各スプラインＳに上記
スピンドル５，６の上端部がスプライン係合さ
れ、かつ上記各ギヤ軸２１，２２と同軸上に回転
ドラム１８内に固定された送り用のナツト部材Ｎ
に、上記各スピンドル５，６に形成された親ねじ
Ｍが螺合され、スピンドル５，６は回転ドラム１
８に対しそれぞれ回動かつ軸方向に進退動自在に
支持されている。

この２本のスピンドル５，６はたがいに異種の
工具を有し、加工に応じて両者のインデツクスに
より、加工側と非加工側に対し入れ替え可能とな
つている。第２図および第４図においては、一方
のスピンドル５が加工側に対応されており、他方
のスピンドル６はワークから外れた非加工側に対
応されている。

また、上記回転ドラム１８の外周部には従動ギ
ヤ２３が形成されている。そして、この回転ドラ
ム１８の一側方において、この回転ドラム１８と
平行に位置して回動筒２４がヘツド本体１内に軸
受を介して回動自在に支持されている。この回動
筒２４は下端外周に上記回転ドラム１８の従動ギ
ヤ２３と噛合する伝動ギヤ２５を有しており、か
つ内周面に例えばリード角45°の螺合部２６が形
成されている。

そして、この回動筒２４内に軸方向に上記進退
ロツド１９が挿入されている。この進退ロツド１
９はヘツド本体１にすべり軸受を介して軸方向に
摺動自在に支持されており、下部外周には上記螺
合部２６と係合するリード角45°のリードスクリ
ユー２７が形成され、この進退ロツド１９の上記
回転ドラム１８と平行方向の進退動作を回動筒２
４の回転動作に変換させている。

この進退ロツド１９の上端は、第３図に示すよ
うに、ヘツド本体１後面部に固定された取付枠２
８に支持された駆動部としての油圧或は空圧駆動
シリンダ２９のピストンロツド３０に結合されて
いる。したがつて、このシリンダ２９の作用によ
つて進退ロツド１９は進退動され、リードスクリ
ユー２７を介して回動筒２４を所定回転させ、さ
らにギヤ２５，２３を介して回転ドラム１８を両
方向に所定角度αインデツクスさせる。これによ
り、回転ドラム１８内の２本のスピンドル５，６
を加工側と非加工側にたがいに位置交換させるよ
うになつている。

また、この両位置の位置決めは第４図に示すよ
うに、回転ドラム１８の底面に固定したストツパ
ー部材３１とヘツド本体１側に設けた２箇所の係
止ボルト３２，３３との接合によつてなされる。
すなわち、上記ストツパー部材３１には一側に突
出した係止部３４が形成され、この係止部３４が
回転ドラム１８の回転によつてその側面で上記係
止ボルト３２，３３のいずれかと当接することで
回転ドラム１８の２位置に対応する回転ドラム１
８の角度が設定されている。

この２位置検知は、第３図で示すように、上記
進退ロツド１９と一体の２個のドグ３６，３７
と、これらに対応するヘツド本体１側の２個のリ
ミツトスイツチ３８，３９によつて行つている。
上記２個のドグ３６，３７は、上記進退ロツド１
９に一体に固着されたアーム４０の一端に上記進
退ロツド１９と平行に支持されたドグ軸３５に設
けられている。また、上記アーム４０は他端のガ
イド筒４１によつて、ヘツド本体１に設けたガイ
ドバー４２に沿つて回り止めされかつ進退ロツド
１９と一体に進退案内される。

そして、上記各スピンドル３，４，５，６は、
第１図で示すギヤトレインによつて駆動モータ２
からの回転力が順次伝送され、各ギヤ軸を介して
スピンドル３，４，５，６は一斉に回転駆動され
る。このギヤトレインによる伝送経路は第１図に
矢印で示す通り、以下のようになる。

モータ軸２→ギヤ７→ギヤ１２→ギヤ８→ギヤ８
ａ→ギヤ９→ギヤ９ａ→ギヤ１０，１１→スピン
ドル３，４ ギヤ１２→ギヤ１３→ギヤ１４→ギヤ１５→ギヤ
１６，１７→スピンドル５，６ そして、これらのスピンドル３，４，５，６の
各切削送り量はそれぞれの親ねじＭのリードと軸
の回転量の設定によつて決められるが、その進退
限と後退限の２位置検知は上記ギヤ１３と同軸上
の位置検知ロツド４３によつて行つている。

つまり、この位置検知ロツド４３は、上記ギヤ
１３のギヤ軸の下端にスプライン係合され、かつ
図示しない親ねじを介して上記ギヤ１３の所定回
転量で設定量進退送りされる。このロツド４３に
は連結アーム４４を介してこのロツド４３と平行
なドグ軸４５が一体に取付けられており、このド
グ軸４５に設けられた前後それぞれ一対ずつのド
グ４６と、これらドグ４６に対応してヘツド本体
１側に設けられた前後それぞれ一対ずつのリミツ
トスイツチ４７によつて、正確な位置検知がなさ
れている。

以上の構成により、ワークの加工種類に応じて
回転ドラム１８を回転させることにより、この回
転ドラム１８内の２本のスピンドル５，６のいず
れかを選択的に加工側にもつてくることが可能で
あり、一個の加工ヘツドで２種類の加工が選択的
に行える。

なお、工具スピンドルはワーク種類或は加工種
類によつていろいろ異なり、種類、本数、レイア
ウトは第１図で示すものに限らない。また、回転
ドラム１８は２本以上の工具スピンドルを保持さ
せることもでき、この場合それに応じた回転ドラ
ムの回転割出し角度を設定すれば、さらに多種の
加工に対応することが可能である。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、ヘツド本体内
において、回転ドラムへの回転伝動部をこの回転
ドラムの側方に回転ドラムと平行に配設し、回転
ドラムと平行に進退動される進退ロツドからリー
ドスクリユーを介して同軸上の回動筒を回動さ
せ、ギヤを介して上記回転ドラムをインデツクス
させることで回転ドラムに保持された複数本の工
具スピンドルを加工側と非加工側に対応する所定
の位置に位置交換させるようにしているので、ヘ
ツド本体内における回転ドラムの側方の極めて小
さい空スペース内に割出し駆動部を収納すること
ができ、ヘツド本体の側方に突出部が生じること
なく、また装置が大型化する必要もなく、しかも
進退ロツドの小さな変位でドラムに大きな角度変
位を与えることができ、コンパクトな構造で非常
に安価に工具スピンドルのインデツクスが行え、
複数種加工に容易に対応させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の複合加工ヘツドの一例を示す
ヘツド本体内部のギヤトレインの展開図、第２図
は同上要部の垂直断面図、第３図はヘツド本体後
部における進退ロツドの駆動部を示す断面図、第
４図は同上複合加工ヘツドの前面図である。 １……ヘツド本体、２……駆動モータのモータ
軸、３〜６……工具スピンドル、７〜１７……ギ
ヤトレインを構成するギヤ、１８……回転ドラ
ム、１９……進退ロツド、２０……回動支軸とし
てのギヤ軸、２３……従動ギヤ、２４……回動
筒、２５……伝動ギヤ、２９……駆動部としての
シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の工具スピンドルをそれぞれ回動かつ進
   退動可能に保持し、駆動モータからギヤトレイン
   を介して各工具スピンドルを一斉に回動駆動する
   ようにした複合加工ヘツドにおいて、ヘツド本体
   に支持された回動支軸を中心に上記ヘツド本体に
   対し回動自在に設けられ外周に従動ギヤを有する
   回転ドラムと、この回転ドラム内にそれぞれ回動
   かつ進退動可能に保持され上記ギヤトレインによ
   つてそれぞれ回動駆動される複数本の工具スピン
   ドルと、上記回転ドラムの側方に回転ドラムと平
   行に位置して上記ヘツド本体に対し回動自在に設
   けられかつ外周に上記回転ドラムの従動ギヤと噛
   合する伝動ギヤを有するとともに内周に所定ねじ
   れ角の螺合部を形成した回動筒と、この回動筒内
   に挿入され外周に上記螺合部と螺合するリードス
   クリユーを形成し上記ヘツド本体に対し摺動自在
   に設けられ上記回転ドラムと平行方向に進退動さ
   れる進退ロツドと、この進退ロツドを進退駆動さ
   せる駆動部とを具備したことを特徴とする複合加
   工ヘツド。