JPH04109508A - マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、マイクロ波帯で使用される擬似人体用複合誘
電体、すなわち、人体の筋肉や脂肪等と同等の物理特性
を有する擬似人体用複合誘電体に（従来の技術） 近年、医療分野などにおいて、例えば、ハイパーサーミ
アによるガン治療等におけるように、マイクロ波帯を中
心とする高周波領域における電磁界と人体の相互作用を
調査する研究が活発に行なわれている。

マイクロ波が人体に与える影響を調査するのに、人体を
直接測定対象にすることは危険が大きすぎ、したがって
、人体の物理特性と同等の特性をもつ擬似人体用材料を
使用するのが一般的である。ちなみに、人体のマイクロ
波特性は、例えば筋肉では、ＩＧＨｚで比誘電率（ε、
）が５０、誘電損失（ｔａｎδ）が５０％程度であり、
脂肪では、同周波数で比誘電率が６、誘電損失が３０％
程度である。また、比熱はＯ１３ｃａｌ／ｇ・℃程度と
されている。

（発明が解決しようとする課題） このような用途に使用できる材料としては、例えば寒天
状の材料等が提供されているが、この材料は時間の経過
とともに形状が崩れてくるなと、耐久性に難かある。

また、これら従来の材料に比較して、より耐久性があり
特性的にもすぐれた材料として、セラミクス、樹脂、あ
るいは炭素粉末などがある。

このうち、セラミクスは高い誘電率を有するものの、人
体に近い６〜１００の誘電率をもつ材料では誘電損失が
１％以下で小さくなりすぎる。また、樹脂は一般に誘電
率が小さすぎ、４以下である。さらに、炭素粉末は１０
−８Ω・ｃｍ程度の低抵抗率であることから、マイクロ
波帯で大きな誘電損失を有するが、比熱が極端に小さく
なりすぎる。

すなわち、これらの材料は単体では擬似人体用材料とは
なり得ないものである。

一方、セラミクスと樹脂の混合系からなる複合材として
、特開昭４８−２９０００号公報や特開昭５８−１６６
６０７号公報などに示されたものがある。

しかしながら、この従来技術に開示の組成は、いずれも
マイクロ波帯での誘電損失が小さいという特徴を有する
もので、もっばらコンデンサ等の電子部品に用いられる
ものであり、人体と同等の物理特性を有する擬似人体用
複合誘電体について着目したものではなかった。また、
セラミクスと樹脂からなる複合材では、比誘電率の大き
な複合材をつくっても、誘電損失が比較的小さく、擬似
人体用複合誘電体としての要求特性を満足するものでな
い。

発明者等は、これら各材料を混合し、その混合材料の特
性を有効に利用することにより、人体と同等の物理特性
を有する擬似人体用の複合材としてすぐれた特性をもつ
材料を見出したものである。

これによりマイクロ波帯を中心とする高周波領域におけ
る電磁界の人体に対する影響を調査することが可能な、
耐久性にすぐれた擬似人体用複合誘電体を提供すること
を目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は、樹脂が３０〜９０容量％と、高誘電率系セラ
ミクス粉末が０〜６０容量％と、炭素粉末が１０〜７０
容量％と、からなることを特徴とする複合誘電体である
。

上記した構成のうち、樹脂は、例えばポリフッ化ビニリ
デンなどのフッ素系樹脂である。

また、高誘電率系セラミクス粉末としては、チタン酸バ
リウム系セラミクス、鉛系複合ペロブスカイト系セラミ
クス、ビスマス系セラミクスなどがあり、マイクロ波帯
で大きな誘電損失をもつ材料が望ましい。

さらに、炭素粉末については、粒径の小さいものや大き
なもの、また形状についても球状のものや針状のものな
ど、さまざまな種類のものが存在するが、いずれの形状
についても、それぞれの特性を生かして使用することが
できる。

複合誘電体の各構成材料の混合割合を上記した範囲に限
定した理由は、以下のとおりである。

すなわち、樹脂が３０容量％未満では成形が困難になり
、９０容量％を越えると誘電率が小さくなりすぎる。し
たがって、樹脂については３０〜９０容量％とした。

また、高誘電率系セラミクス粉末が６０容量％を越える
と、誘電率が大きくなるわりには誘電損失が大きくなら
ない。また、高誘電率系セラミクス粉末を混合させなく
ても、比誘電率、誘電損失の特性が擬似人体用複合誘電
体に要求される値を満足させることができる。したがっ
て、高誘電率系セラミクス粉末については０〜６０容量
％とした。

さらに、炭素粉末が１０容量％未満では、誘電損失が小
さすぎて人体と同等の値に近付けることができず、逆に
７０容量％を越えると、樹脂の量が３０容量％以下とな
るので成形ができなくなる。

したがって、炭素粉末については１０〜７０容量％とし
た。

次に、高誘電率系セラミクス粉末としては、その誘電率
が１０００以上のものを用いるのが望ましい。これはそ
の他の構成成分である樹脂や炭素粉末と一緒に混在させ
たとき、上記の混合割合において、人体の物理的特性と
同じ特性にするために必要な値を得るためである。

（作用） 本発明にかかる擬似人体用複合誘電体によれば、その物
理特性が、測定周波数ＩＧＨｚで比誘電率が５〜６０．
誘電損失が１０〜１００％であり、また比熱が０　、　
３　ｃａｌ／ｇ・℃程度であり、人体の物理的特性と同
程度のものが得られる。

（効果） 本発明の擬似人体用複合誘電体は、人体の物理特性と同
等の特性を有するものであるため、マイクロ波帯を中心
とする高周波電磁界が人体に与える影響を測定するとき
、この擬似人体用複合誘電体が使用でき、電磁波が人体
に与える影響を正確に測定することができる。

（実施例） 以下、本発明を実施例にしたがって詳細に説明する。

誘電率が１０００以上でマイクロ波帯での誘電体損失の
大きな高誘電率系セラミクス粉末として、次の組成およ
び特性からなるものを準備した。

組成　　　：　（Ｂａｏ、　５ａＢｉｏ、　ｏｚ）（Ｔ
ｉｏ、　５ｓｓｎｏ、　ａｓ）Ｏａ誘電率（ε）　　　
：２５００ 誘電損失（ｔａｎδ）：１％（ＩＫＨ２）比熱　　　　
　　０　、　１　ｃａｌ／ｇ−’Ｃまた、樹脂として、
フッ素系樹脂のポリフッ化ビニリデンを用いた。

このポリフッ化ビニリデンの特性は以下のとおりである
。

誘電率（ε）：３ 誘電損失（ｔａｎδ）；１０％（ＩＧＨｚ）比熱　　　
　　　：　０　、　３　ｃａｌ／ｇ−０Ｃさらに、炭素
粉末としては、抵抗値か１０−８Ω・ｃｎ＋のちので、
平均粒径が小（２０μｍ）、中（５０μｍ）、大（１０
０μｍ）の炭素粉末を用いた。

そして、これら各材料を第１表に示すように所定の割合
に秤量して混合した。次に、この混合原料を、熱プレス
を用い、成形圧力２６０　Ｋｇ／　ｃｍ２の圧力で大き
さが外径７ｍｍφ、内径３ｍｍφ、長さ５ｍｍに成形し
、測定試料とした。

試料の測定については、同軸線を使用したＳパラメータ
法により９００ＭＨｚ近傍での比誘電率（ε、）、誘電
損失（ｔａｎδ）を測定し、その結果を第１表に併せて
示した。表中、＊印は本発明の範囲外のものである。

（以下、余白） 第１図は、第１表の結果から比誘電率（ε、）と誘電損
失（ｔａｒｌδ）の関係を図示したものである。

このようにこの混合物を用いれば、筋肉の特性である比
誘電率＝５０、誘電損失＝５０％を中心に、図の実線で
囲まれた任意の比誘電率と誘電損失の関係をもつ擬似人
体用複合誘電体を得ることができる。また、人体の筋肉
と同等の誘電特性をもつ試料番号９の比熱を測定したと
ころ、０．２ｃａｌ／ｇ・０Ｃであった。

なお、図中の試料番号１は樹脂のみのもので、比誘電率
が４以上にならないことから、特許請求の範囲から除外
したものである。また、試料番号１１は炭素粉末を含ま
ない樹脂とセラミックの混合体からなるもので、比誘電
率の増大に見合うだけの誘電損失の増大が見込めないこ
とから、これも特許請求の範囲から除外したものである
。

第２図は、本発明の実施例にかかる擬似人体用複合誘電
体の各成分である樹脂と、高誘電率系セラミクス粉末と
、炭素粉末の混合領域を示したものであり、実線で囲ま
れた領域が特許請求の範囲である。

以上の実施例から、本発明の擬似人体用複合誘電体は、
測定周波数ＩＧＨｚで、誘電率（ε）が５〜１００程度
のものが得られ、誘電損失（ｔａｎδ）が１５〜２００
％のものが得られており、人体の物理特性と同等の特性
を示す。したがって、この擬似人体用複合誘電体を用い
ることにより、マイクロ波帯を中心とする高周波領域に
おける電磁波と人体の相互作用を調査することが可能と
なる。

また、本発明の擬似人体用複合誘電体によれば、耐久性
にもすぐれており、時間の経過とともに形状がくずれる
というおそれもない。

なお、高誘電率系セラミクス粉末として、誘電。

率が２００００のものを使用したが、上記した実施例と
ほぼ同程度の特性が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施例における高誘電率系セラミクス粉末、
ポリフッ化ビニリデン、および炭素粉末の混合割合を変
化させたときの比誘電率（ε）と誘電損失（ｔａｎδ）
の相互関係を示したものである。 第２図は、高誘電率系セラミクス粉末、ポリフッ化ビニ
リデン、および炭素粉末の混合割合を示した三元状態図
である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）樹脂が３０〜９０容量％と、高誘電率系セラミク
   ス粉末が０〜６０容量％と、炭素粉末が１０〜７０容量
   ％と、からなることを特徴とする複合誘電体。
2. （２）樹脂はフッ素系樹脂である特許請求の範囲第（１
   ）に記載の複合誘電体。
3. （３）高誘電率系セラミクス粉末は、チタン酸バリウム
   系セラミクス、鉛系複合ペロブスカイト系セラミクス、
   ビスマス系セラミクスのいずれかからなる粉末である特
   許請求の範囲第（１）に記載の複合誘電体。