JPH0410904B2 - - Google Patents

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JPH0410904B2
JPH0410904B2 JP59041444A JP4144484A JPH0410904B2 JP H0410904 B2 JPH0410904 B2 JP H0410904B2 JP 59041444 A JP59041444 A JP 59041444A JP 4144484 A JP4144484 A JP 4144484A JP H0410904 B2 JPH0410904 B2 JP H0410904B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、陽イオン交換基をもつ高分子poly
と陰イオン交換基をもつ高分子poly +とイオン
交換基をもたない高分子polyとから構成される
ブロツク共重合体それのみからなる管状両性イオ
ン交換膜およびその製造方法に関する。
本発明で言う両性イオン交換膜とは、幅広いPH
領域において、陽イオン交換容量と陰イオン交換
容量とを同時に有する膜である。
かかる両性イオン交換膜は、カチオンおよびア
ニオンそれぞれの透過経路を有することができ、
これによりイオンの透過性を飛躍的に増大させる
ことが可能となる。このため、海水の淡水化や
種々の有機物質の脱塩・精製等への応用が期待さ
れている。
両性イオン交換膜の製造方法は、従来から数多
く考案され、実際に試みられてきた。しかし、実
用に十分耐えられる膜は現在まで得られておら
ず、イオンに対し高い透過性を有し、かつ、十分
な機械的強度を有する両性イオン交換膜の開発が
要望されている。
両性イオン交換膜のイオン透過性を向上させる
には、ポリイオンコンプレツクスを形成させるこ
となく、陽イオン交換領域と陰イオン交換領域の
中心間距離を小さくして、それぞれを膜中に多数
存在させる必要がある。このため、従来のイオン
交換膜等に比べてその製造方法は格段に難しいも
のとされてきた。
例えば、シリコーン膜中に陽イオン交換樹脂と
陰イオン交換樹脂を埋め込む方法(Weinsteinと
Caplan、サイエンス、161巻、70頁、1968年)で
は、陽および陰イオン交換領域間の中心間距離を
あまり小さくできない上に、イオン交換領域とシ
リコーン基質との接合に問題が残り、性能の優れ
た膜を得ることが難しい。また、陽イオン交換膜
と陰イオン交換膜を交互に重ねて垂直に切断する
方法(LeitzとShorr、OSW、R&DPレポート、
No.775、1972年)や部分的に膜の化学処理を施す
方法(Leitzら、OSW、R&DPレポート、No.
152、1969年)も考案されたが、優れた膜は得ら
れなかつた。
一方、陽イオン交換基を導入可能な高分子と陰
イオン交換基が導入可能な高分子とをブレンド
し、製膜後、イオン交換基を導入する方法
(PlattとSchindler、Angew.Makromol.Chem.、
19巻、135頁、1971年)あるいは高分子電解質と
高分子ラテツクスとを混合した後、分散したラテ
ツクスに残る片方のイオン交換基を導入する方法
(Leitzら、デザリネーシヨン、14巻、11頁、1974
年および江口と下川、公開特許公報昭53−18482、
1978年)では、それ自体で十分な機械的強度を有
する両性イオン交換膜を得ることが不可能であ
り、多孔質支持膜上に塗布して用いなければなら
ない。また、陽イオン交換基が導入可能な高分子
と陰イオン交換基が導入可能な高分子とイオン交
換基を導入させない高分子とが結合してなるブロ
ツク共重合体を製膜後、ミクロ相分離したそれぞ
れの領域に陽および陰イオン交換基を導入する方
法(藤本ら、特許公開公報昭56−76408、1981年)
においては、膜面積を大きくしようとする場合、
機械的強度が十分ではない。
この場合、適当な芯材を用いることが必要とな
る。しかし、支持膜や芯材を用いることは、これ
らと両性イオン交換材料との接着に問題を起すば
かりでなく、膜透過性能を劣化させるので、あま
り好ましくない。
これまで知られている両性イオン交換膜は全て
平面状であり、管状あるいはホローフアイバー状
のものについての報告はまだされていない。
両性イオン交換膜の脱塩性能を向上させるに
は、原液側に圧力を加えつつその反対の膜面を絶
えず新しい水で洗い流せばよい。このためには、
両性イオン交換膜は管状でしかも支持膜を用いず
に作製されたものであることが最も望ましい。
本発明者らは、鋭意研究の末、特定の構造のブ
ロツク共重合体を用いることにより、かかる管状
の両性イオン交換膜が作製可能であることを見い
だした。本発明は、両性イオン交換膜の性能の向
上と用途の拡大を約束するものである。
即ち、本発明者らは陽イオン交換基が導入可能
な高分子polyAと陰イオン交換基を導入可能な高
分子polyBとイオン交換基を導入させない高分子
polyCとからなるブロツク共重合体を含有する溶
液を棒状または管状の支持体の外面に塗布し、溶
媒を蒸発せしめた後、支持体の除去、陰イオン交
換基の導入、架橋、陽イオン交換基の導入を行う
ことにより、塩透過性と機械的強度の優れた管状
イオン交換膜が得られることを見い出した。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、陽イオン交換基をもつ高分子poly
と陰イオン交換基をもつ高分子poly +とイオン
交換基をもたない高分子polyとから構成される
ブロツク共重合体それのみからなる管状両性イオ
ン交換膜およびその製造方法に関する。
この管状両性イオン交換膜は、陽イオン交換基
を導入可能な高分子polyAと陰イオン交換基が導
入可能な高分子polyBとイオン交換基を導入させ
ない高分子polyCとから構成される原ブロツク共
重合体を含有する溶液を棒状または管状の支持体
の外面に塗布し、溶媒を蒸発させることにより、
その支持体の外面に原ブロツク共重合体膜を形成
せしめた後、支持体を除去する工程、 polyAに陽イオン交換基を導入してpoly -
する工程、polyBに陰イオン交換基を導入して
poly +とする工程、およびpolyCを架橋して
polyとする工程とを任意の順序で行うことによ
つて得られる。
よく知られているように、ブロツク共重合体を
構成する異種高分子は互いに混じり合ず、それぞ
れの分子の長さによつて決まるサイズのミクロド
メインに相分離する。本発明においては、まず原
ブロツク共重合体から、管状の支持体を用いて、
溶媒蒸発法により、ミクロ相分離構造を有する管
状成型物を作製し、その後、それぞれのドメイン
へのイオン交換基の導入を行うところに特徴があ
る。
ここで言う原ブロツク共重合体とは、例えば、
陽イオン交換膜を導入可能な高分子polyAと陰イ
オン交換基を導入可能な高分子polyBとイオン交
換基を導入させない高分子polyCとが、polyA−
polyB−polyC,polyB−polyA−polyC,polyA
−polyC−polyBの如く結合した3元ブロツク共
重合体あるいはpolyA−polyB−polyC−polyA,
polyA−polyB−polyC−polyB,polyC−polyA
−polyB−polyC,polyB−polyA−polyC−
polyA,polyB−polyA−polyC−polyB,polyC
−polyA−polyC−polyB,polyA−polyC−
polyB−polyCの如く結合した4元ブロツク共重
合体あるいはpolyA−polyB−polyC−polyB−
polyA,polyA−polyC−polyB−polyC−
polyA,polyB−polyA−polyC−polyA−
polyB,polyB−polyC−polyA−polyC−polyB,
polyC−polyA−polyC−polyB−polyC等の如く
結合した5元ブロツク共重合体あるいは(polyA
−polyC−polyB−polyC)oや(polyB−polyC−
polyA−polyC)o(nは2以上の整数)の如く結
合した多元ブロツク共重合体である。
また、polyA−polyC型2元ブロツク共重合体
をグラフトしたpolyB,polyB−polyC型2元ブ
ロツク共重合体をグラフトしたpolyA,polyC−
polyA−polyC型3元ブロツク共重合体をグラフ
トしたpolyB,polyC−polyB−polyC型3元ブロ
ツク共重合体をグラフトしたpolyA等も本発明の
管状両性イオン交換膜用の原ブロツク共重合体と
して使用可能である。
上記原ブロツク共重合体のうち、polyAと
polyBとがpolyCによつて分け隔てられていてし
かも直鎖状のブロツク共重合体が両性イオン交換
膜用の材料としてより好ましい。即ち、このよう
な材料を用いた場合、最終的に得られる両性イオ
ン交換膜において、陽イオン交換領域と陰イオン
交換領域とが中性領域によつて分け隔てられる
上、それぞれの領域が連続相を形成し易いので、
膜の塩透過性が向上する。
また、本発明で用いる原ブロツク共重合体は、
陽イオン交換基を導入可能な高分子polyAと陰イ
オン交換基を導入可能な高分子polyBとをそれぞ
れ重量比で5%以上含有する必要がある。それぞ
れの含有率がこれより少ない場合、最終的に得ら
れる膜において、両方のイオン交換領域が存在す
ることによる効果が著しく薄くなつてしまう。さ
らに望ましくは、polyAとpolyBとをそれぞれ重
量比で20%以上有するブロツク共重合体を用いる
のが良い。
さらに上記原ブロツク共重合体のうち、イオン
交換基導入後の膜の強度を大きくするためには、
イオン交換基を導入させない高分子polyCを重量
比で10%から90%含む必要がある。また、膜の塩
透過性を大きくするためには、polyCの重量比が
25%から50%であることが望ましい。この理由
は、polyCの重量比が50%以下のブロツク共重合
体から得られた両性イオン交換膜において陽およ
び陰イオン交換領域が連続相を形成し易くなるか
らである。
本発明で用いる原ブロツク共重合体を構成する
陽イオン交換基を導入可能な高分子polyAは、例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルナフタレン、α−ハロゲン化スチ
レン、ジフエニルブタジエン、o,m,p−クロ
ルスチレン、o,m,p−ヒドロキシスチレン、
o,m,p−ヒドロキシスチレン誘導体(例え
ば、o,m,p−メトキシスチレン、o,m,p
−アセトキシスチレン、o,m,p−tert−ブト
キシスチレン等)等公知の方法で容易にスルホン
化可能な芳香族環を有するモノマーの重合物、あ
るいはアクリル酸エステル類、メタクル酸エステ
ル類、クロトン酸エステル類、共役ジエン系カル
ボン酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル
類あるいはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニリデンシアニド等のシアノ基をもつモノ
マーあるいはアルキリデンマロン酸エステル類あ
るいはα−シアノアクリル酸エステル等加水分解
によつて容易にカルボン酸基を導入できるモノマ
ーの重合物であれば良い。
また、本発明で用いる原ブロツク共重合体を構
成する陰イオン交換基を導入可能な高分子polyB
は、例えば、ビニルピリジン類(2−ビニルピリ
ジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビ
ニルピリジン等)、ビニルピリジン類、ビニルキ
ノリン類、ビニルカルバゾール類、あるいは (nは1から3の整数、R1とR2は各々炭素数が
1から12のアルキル基)で表わされるo,m,p
−ビニルベンジルアルキルアミン類等のスチレン
誘導体アミン類、あるいは (R3は水素あるいは炭素数1から12のアルキル
基、R1とR2は各々炭素数が1から12のアルキル
基)で表わされるアルキルアミノアクリレート類
(R3は水素あるいは炭素数1から12のアルキル
基、R1とR2は各々炭素数1から12のアルキル基)
で表わされるジアルキルアクリルアミンの重合物
であれば良い。これらの高分子はアルキルハロゲ
ン化合物(ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ジヨー
ドブロパン、ジヨードブタン、臭化エチル等)を
用いて容易に4級化することができる。また、
polyBは、クロロメチル化ポリスチレンをはじめ
とするハロメチルスチレン重合物であつても良
く、これらは公知の手法によつて容易にアンモウ
ム塩とすることができる。
また、本発明で用いる原ブロツク共重合体を構
成するイオン交換基を導入させない高分子polyC
は、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン等ジ
エン系モノマーの重合体であれば良く、これらは
公知の方法により容易に架橋が可能である。ま
た、両性イオン交換膜を作製する過程において、
スルホン化を行なわない場合、polyCはスチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ビニ
ルキシレン等の芳香系モノマーの重合物であつて
も良い。
上記の原ブロツク共重合体から管状の両性イオ
ン交換膜を作製するには、まず、原ブロツク共重
合体を適当な溶剤に溶解し、これを棒状あるいは
管状の支持体の外面に塗布し、溶剤を蒸発させた
後に支持体の除去、陽イオン交換基の導入、架
橋、陰イオン交換基の導入を適当な順で行えば良
い。
原ブロツク共重合体の溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、四塩化炭素、1,1,1−トリジクロロエ
タン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、二硫化炭
素、酢酸エチル、酢酸イソアミル等、揮発性に富
む有機溶剤が望ましい。塗布溶液は、原ブロツク
共重合体を重量比で1%から50%、望ましくは3
%から40%、さらに望ましくは5%から30%含有
すれば良い。
棒状あるいは管状の支持体は外径が0.1mmから
50mmの範囲であり、望ましくは、0.5mmから10mm
である。その支持体は、上述の溶剤に対して常温
で十分耐性がありしかも原ブロツク共重合体と強
固に結合や接着をしないものでなくてはならな
い。その材質として好ましいものは、四ふつ化エ
チレン樹脂、四ふつ化エチレン−バーフロロアル
キルビニルエーテル共重合樹脂、四ふつ化エチレ
ン−六ふつ化プロピレン共重合樹脂、四ふつ化エ
チレン−エチレン共重合樹脂、三ふつ化塩化エチ
レン樹脂、クロロトリフルオロエチレン−エチレ
ン共重合樹脂、ガラス入四ふつ化エチレン樹脂、
ふつ化ビニリデン樹脂等のふつ素系樹脂であり、
これらふつ素系樹脂をコーテイングしたガラスや
金属も好ましい。
さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ガラ
ス、金属(白金、鉄、ステンレス、銅、黄銅等)
等から作製された支持体も使用可能である。
上記支持体にブロツク共重合体溶液を塗布し溶
剤を蒸発させた後支持体を容易に除去するには、
ブロツク共重合体膜で被われた支持体をそのブロ
ツク共重合体を溶解しない液体(例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コール等のアルコール類、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、流動パラフイン等のパラフイン類)中に
浸漬すれば良い。また、陰イオン交換基または陽
イオン交換基あるいはそれら両方を導入した後に
支持体を除去する場合は、ブロツク共重合体膜を
酸性あるいは中性あるいはアルカリ性の塩水溶液
または純水に膨潤させれば良い。このようにして
得られる管の内径は0.1mm〜50mm、望ましくは0.5
mm〜19mm、肉厚は5〜300μm、望ましくは30〜
200μmである。管の内径が50mmより大きくなつ
た場合又は肉厚が300μmより厚くなつた場合は
分離性能に悪影響を及ぼす。(電解質の透過性が
悪くなる。)また、内径が0.1mm以下あるいは肉厚
が5μm以下の場合は管としての形状を保つのが
難しくなる。
以下、本発明を実施例により説明する。
なお、実施例において、陽イオン交換容量は、
水洗した膜を1Nの塩酸に24時間浸漬し、水洗後、
1Mの食塩水に48時間浸漬し、遊離した水素イオ
ンを酸−塩基滴定法により定量し、求めた。ま
た、陰イオン交換容量を求めるには、水洗した膜
を1Mの塩化カリウム溶液に20時間浸漬し、水洗
後、1Mの硝酸ナトリウム水溶液に浸漬し、遊離
した塩素イオンをホルハルト法により定量した。
膜の乾燥重量は、膜を0.5Mの食塩水に10時間浸
漬した後、水洗し、約80℃で2時間真空乾燥して
求めた。管の肉厚は、0.5M/の食塩水で膨潤
させた状態で測定した。
実施例 1 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼンを溶
媒、sec−ブチルリチウム1.8×10-4molを開始剤
として、イソプレン5.1g、スチレン7.3g、ブタ
ジエン5.1g、4−ビニルベンジルジメチルアミ
ン(4−VBDMA)11.3g、イソプレン5.2gを
この順に20時間毎に5段階で重合槽中に投入して
重合を行い、polyC−polyA−polyC−polyB−
polyC型(ただし、中央のpolyCと両端のpolyC
とは異なる)の5元ブロツク共重合体を得た。
(重合についての詳細は、特許出願昭56−173810
に書かれている。) この5元ブロツク共重合体を重合比で10%含有
するキシレン溶液中に、外径1.0mm、長さ15cmの
四ふつ化エチレン樹脂(テフロン)製の棒を浸漬
した後、ゆつくりと引き上げ、キシレン雰囲気下
でゆつくりとキシレンを蒸発させた。この5元ブ
ロツク共重合体で被われたテフロン棒をメタノー
ル中に浸した後テフロン棒を引き抜いたところ長
さ14mm、内径約1mm、膜厚が約50μmの管状の5
元ブロツク共重合体成型物が得られた。
この管状成型物を2%の四塩化オスミウム水溶
液で染色して、透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリスチレンドメイン(S)、ポリブタジエ
ンあるいはポリイソプレンドメイン(D)、およびポ
リ(4−VBDMA)ドメイン(A)とが−D−S−
D−A−の繰り返し単位でラメラ状に配列してい
ることが確認された。これら3種類の層それぞれ
の厚さは100から150オングストロームであつた。
上記管状成型物をヨウ化メチル蒸気中に25℃で
約10時間放置して、A部分を4級化し、続いて20
体積パーセントの一塩化硫黄のニトロメタン溶液
で25℃にて3時間処理し、D部分を架橋、さらに
2体積パーセントのクロロスルホン酸のクロロホ
ルム溶液で25℃にて10分間処理してS部分をスル
ホン化した。
これら化学処理によつて管の長さと直径は初め
よりわずかに増加するが、管の形状が大きく変わ
つたり、き裂が生じることはなかつた。そして、
最終的に得られた管状膜の陽および陰イオン交換
容量は、乾燥膜1gあたりそれぞれ1.10ミリ当量
と1.02ミリ当量であつた。管の肉厚は約90μmで
あつた。
こうして得られた管状両性イオン交換膜を10本
束ねてポリ塩化ビニル製の管(長さ10cm)の内部
に装置し、両性イオン交換膜の内側に食塩を
0.2Mとシヨ糖を0.2M含有する水溶液を25ml/分
の流速で流し、両性イオン交換膜の外側に純水を
100ml/分の流速で流したところ、両性イオン交
換膜の内側から外側へ透過する食塩とシヨ糖の速
度は、それぞれ、5.8×10-4mol/cm2・hrと1.8×
10-5mol/cm2・hrであつた。
実施例 2 実施例1において、四ふつ化エチレン樹脂製の
棒の外径を5mm、長さを20cmとした他は実施例1
と同様にして管状両性イオン交換膜を得た。この
陽および陰イオン交換容量は、それぞれ、乾燥膜
1gあたり1.05ミリ当量と0.99ミリ当量であり、
管の肉厚は約90μmであつた。き裂やピンホール
等の欠陥はなかつた。
実施例 3 実施例1において得られた5元ブロツク共重合
体を重量比で5%含有するキシレン溶液中に、テ
フロンコーテイングした直径0.5mmで長さ10cmの
ステンレスワイヤーを浸漬した後、このステンレ
スワイヤーをゆつくり引き上げ、ゆつくりとキシ
レンを蒸発させた。この5元ブロツク共重合体で
被われたテフロンコーテイングステンレスワイヤ
ーをヨウ化メチル蒸気中に25℃で約5時間放置
し、続いて、20体積パーセントの一塩化硫黄のニ
トロメタン溶液で25℃にて3時間処理し、さら
に、2体積パーセントのクロロスルホン酸のクロ
ロホルム溶液で25℃にて10分間処理した後、水に
浸し、テフロンコーテイングステンレスワイヤー
を引き抜き、管状の両性イオン交換膜を得た。肉
厚は約60μmであつた。
この管状両性イオン交換膜の陽および陰イオン
交換容量は、それぞれ、乾燥膜1gあたり1.20ミ
リ当量と1.05ミリ当量であり、き裂やピンホール
等の欠陥はなかつた。
実施例 4 実施例3で得られた管状両性イオン交換膜を10
本束ねてポリ塩化ビニル製の管(長さ7cm)の内
部に装置し、両性イオン交換膜の内側に食塩を
0.2Mとシヨ糖を0.4M含有する水溶液を20ml/分
の流速で背圧弁により5気圧の圧力を加えつつ流
し、両性イオン交換膜の外側に純水を100ml/分
の流速で流したところ、両性イオン交換膜の内側
から外側へ透過する食塩とシヨ糖の送度は、それ
ぞれ、7.5×10-4mol/cm2・hrと4.0×10-5mol/
cm2・hrであつた。
実施例 5 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼンを溶
媒、sec−ブチルリチウム2.1×10-4molを開始剤
として、スチレン13.0g、ブタジエン24.0g、4
−VBDMA19.0gをこの順に20時間毎に3段階で
重合槽中に投入して重合を行い、polyA−polyC
−polyB型の3元ブロツク共重合体を得た。
この3元ブロツク共重合体を重量比で20%含有
するベンゼン溶液中に、外径1cm、長さ5cmのガ
ラス棒を浸漬し、ガラス棒をゆつくり引き上げ、
ゆつくりとベンゼンを蒸発させた。この3元ブロ
ツク共重合体で被われたガラス棒をジヨードブタ
ン蒸気中に25℃で約70時間放置し、続いて、20体
積パーセントの一塩化硫黄のニトロメタン溶液で
25℃にて3時間処理し、さらに、2体積パーセン
トのクロロスルホン酸のクロロホルム溶液で25℃
にて15分間処理した後、水酸化ナトリウムを
0.01N、メタノールを25体積パーセント、食塩を
1M含有する水溶液中に浸漬し、ガラス棒を引き
抜き、管状の両性イオン交換膜を得た。肉厚は約
120μmであつた。
得られた管状両性イオン交換膜の陽および陰イ
オン交換容量は、それぞれ、乾燥膜1gあたり
0.98ミリ当量と0.88ミリ当量であり、き裂やピン
ホール等の欠陥はなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 陽イオン交換基をもつ高分子poly -と陰イ
    オン交換基をもつ高分子poly +とイオン交換基
    をもたない高分子polyとが結合してなる架橋さ
    れたブロツク共重合体のみからなる、内径0.1〜
    50mm、肉厚5〜300μmの管状両性イオン交換膜。 2 イオン交換基をもたない高分子部分が架橋さ
    れている特許請求の範囲第1項に記載の管状両性
    イオン交換膜。 3 陽イオン交換容量が乾燥膜1gあたり0.1か
    ら4ミリ当量である特許請求の範囲第1項に記載
    の管状両性イオン交換膜。 4 陰イオン交換容量が乾燥膜1gあたり0.1か
    ら4ミリ当量である特許請求の範囲第1項に記載
    の管状両性イオン交換膜。 5 陽イオン交換基を導入可能な高分子polyAと
    陰イオン交換基を導入可能な高分子polyBとイオ
    ン交換基を導入させない高分子polyCとからなる
    原ブロツク共重合体を含有する溶液を棒状または
    管状の支持体の外面に塗布し、溶媒を蒸発せしめ
    た後、支持体を取り除く工程、polyA部分に陽イ
    オン交換基を導入する工程、polyB部分に陰イオ
    ン交換基を導入する工程、polyC部分を架橋する
    工程を任意の順序で行うことを特徴とする管状両
    性イオン交換膜の製造方法。
JP4144484A 1984-03-06 1984-03-06 管状両性イオン交換膜およびその製造方法 Granted JPS60186537A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5811791A (ja) * 1981-07-14 1983-01-22 Asahi Glass Co Ltd イオン交換膜にフレア−を設ける方法
JPS5876145A (ja) * 1981-10-30 1983-05-09 Toyo Soda Mfg Co Ltd 両性イオン交換体及びその製造法

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