JPH04108361U - 回転電機の固定子構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転電機固定子の冷却向上と振動防止、コス
ト低減を目的とする。 【構成】 フレームわくの内側に等配に固定子鉄心１を
支持する突起５ａを設け、この突起５ａにより支持され
る固定子鉄心１の突起５ａと対応する背中位置に通風孔
１ａを設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転電機の冷却及び振動防止のための固定子構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、回転子を省略した回転電機の固定子を示すもので、固定子鉄心１の内 側には固定子巻線２が施され、固定子鉄心１の外周（背中）側にはフレーム骨３ を介してフレームわく５が配置され、フレームわく５の外周にはフレーム外板６ が備えられている。そして、固定子鉄心１とフレームわく５との間のフレーム骨 ３による空隙は、固定子鉄心１背中側の通風路４となっている。換言すれば、通 風空間を確保すべくフレーム骨３が複数個備えられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記図２に示す固定子構造では次の問題がある。 １） 通風空間４を確保するためのフレーム骨３を設けることにより、フレー ム全体の製作部材が増えると同時に製作工程（溶接工程等）も増加し、製作コス トが大きくなっていた。 ２） 固定子の冷却は、固定子巻線２と鉄心１の損失による熱の一部が一度固 定子鉄心１の背中まで伝導されて、その後固定子鉄心１の背中の通風空間４を流 れる空気の熱伝達によって発散させられるので、固定子巻線２や鉄心１の冷却効 率が低かった。 ３） 運転中に於ける固定子鉄心１の振動がフレーム骨３を介して直接フレー ム外板６に伝わるため、振動増大をもたらし問題となることが多々生じていた。

【０００４】 本考案は製作が簡単で部品も少なく、冷却効率も良く、更に振動も防止し得る 回転電機の固定子構造の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する本考案は、フレームわくの内側に固定子鉄心を備えた固 定子において、上記フレームわくに複数の突起を等配に形成し、この突起にて外 周が支持される上記固定子鉄心の上記突起に相応する背中位置に冷却用通風孔を 備えた、 ことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

突起と突起に対応する冷却用通風孔とにより、フレーム骨などの如き別部品を 用いず、フレームわくと固定子鉄心のみの構造となり、また突起相互間の空隙と 冷却用通風孔により冷却面積が増大し、しかも突起に対応して冷却用通風孔を形 成したことによりその部分の剛性が適度に低下し振動の吸収が可能となる。

【０００７】

【実施例】

ここで、図１（ａ）を参照して本考案の実施例を説明する。なお、図１にて図 ２と同一部分には同一符号を付す。図１（ａ）において、１は固定子鉄心であり 、この固定子鉄心１の外周側（背中側）には通風孔１ａが複数個周方向等配に設 けられている。なお、この通風孔１ａは後述のフレームわくの突起に対応して形 成される。

【０００８】 固定子鉄心１の内側には固定子巻線２が配置されている反面、固定子鉄心１の 外周側は、突起５ａを有するフレームわく５により支持されている。この場合、 突起５ａはフレームわく５の内周側に周方向に等配に形成され、しかも固定子鉄 心１の通風孔１ａと対応して形成される。

【０００９】 固定子鉄心１の通風孔１ａの大きさは、冷却性能を勘案して冷却面の大小によ って決定されると共に、通風孔１ａによって固定子鉄心１の支持部分の剛性（ば ね定数）が加減されるため適度な剛性を得るために決められる。 また、冷却は突起５ａ間の空隙（通風路４）の大きさにも係り、剛性も通風孔 １ａの大きさや形状と共に突起５ａの幅等により加減される。

【００１０】 図１（ｂ）（ｃ）は通風孔１ａの変形例を示したもので、設計条件に応じて形 状，大きさ，数量が決定され、図１（ｂ）では突起５ａの狭むようにして２個の 通風孔１ａが備えられ、図１（ｃ）では円孔の通風孔１ａを突起５ａを中心とし て複数個形成されている。こうして、フレームわく５の突起５ａに対応する位置 及びそれ以外の位置に設けらる。こうして、突起５ａによって外周を支持される 部位に相当する鉄心内の外周近くに通風孔１ａを設けたことによってこの部位で の鉄心の剛性が適度に低下し、これにより鉄心の振動が吸収されてフレームへの 振動の伝達が大巾に減少するという大きな効果が得られると共に、冷却効果も大 となった。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、次の効果を奏する。 （１） 固定子鉄心背中の通風孔により、鉄心冷却面積の増加及びその冷却面 が鉄心中に設けられていることにより、冷却性能を大巾に向上させることが出来 た。 （２） 固定子鉄心背中通風孔の形状，大きさ等を調整することにより、固定 子鉄心支持部の剛性（バネ定数）を適度なものにしてやることで固定子鉄心の振 動、特に電磁振動をフレームに伝達しにくくすることが可能となる。特別な固定 子支持部品を付加することなしに振動絶縁効果が付加できる。 （３） 従来の如くフレーム骨を設けなくてもよいので部材（骨）が減り、同 時に製作工程が減り製作コストが低減する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の構成図である。

【図２】従来例の構成図である。

【符号の説明】

１ 固定鉄心 １ａ 通風孔 ４ 通風路 ５ フレームわく ５ａ 突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームわくの内側に固定子鉄心を備え
   た固定子において、上記フレームわくに複数の突起を等
   配に形成し、この突起にて外周が支持される上記固定子
   鉄心の上記突起に相応する背中位置に冷却用通風孔を備
   えた、ことを特徴とする回転電機の固定子構造。