JPH04108121U - ガスバーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バーナキャップを水洗いした後の点火不良を
解消する。 【構成】 混合管に連なる分布室の上面に開口を設けた
バーナ本体と、周部下面に多数の歯片を設けたバーナキ
ャップとでガスバーナを構成する。このバーナキャップ
の歯片の下面でバーナ本体の周壁上面に載置して各歯片
との間にガス炎口を形成する。ガス炎口の外側に庇を設
ける。該一部の庇の奥行きを他の庇の奥行きより大きい
大庇とする。大庇の下面に点火器を臨ませて該大庇の内
側に位置するガス炎口を点火炎口部とする。大庇の下面
を内側が高くなる傾斜面に構成して、大庇に付着する水
滴が点火炎口部の外側に流込むことがないようにし、更
に点火炎口部の両側に位置する歯片の内端を、点火炎口
部の内端より内方に突出させ、又は該点火炎口部の両側
に位置する歯片の内端に折曲部を設けて、水滴が点火炎
口部の内端に及ばないようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガスコンロ用ガスバーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】

混合管に連なる分布室の上面に開口を設けたバーナ本体と、外周部下面に多数 の歯片を設けたバーナキャップとからなり、該バーナキャップをその歯片の下面 でバーナ本体の開口の外周壁上面に載置して各歯片との間にガス炎口を形成し、 且つこれらガス炎口の外側に庇を設け、該一部の庇ｆの奥行きを他の庇の奥行き より大きい大庇とし、該大庇の下面に点火器を臨ませると共に該大庇の内側に位 置するガス炎口を点火炎口部とし、かくて該大庇によって点火器に煮汁がかから ないようにしたものは知られる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、かゝるガスバーナにあっては、該バーナキャップｂを水洗いした後、 不充分な水きりの状態で該バーナ本体ｄ上に載置すると、大庇ｆの下面に付着す る水滴が該点火炎口部ｃの外側の大庇ｆの下面の傾斜に沿って点火炎口部ｃに流 れて、第８図ａ，ｂに示すように該点火炎口部ｃを外側から塞ぐ、この結果、点 火器ｈからの火花による点火が良好に行われないことがある。 又、ガス炎口ａの天井面がガス炎口の内方に向かって下降する傾斜面とし、且 つ該点火炎口部ｃを構成する歯片ｅ´を他の歯片ｅより内方にずらして大庇を形 成したたものでは、バーナキャップｂの下面に付着する水滴が第９図ａ、ｂに示 すように該点火炎口部ｃの両側のガス炎口ａを経てこれと連なる点火炎口部ｃの 内端ｇに流込み、該水滴で点火炎口部ｃを内側から塞ぐ、この結果、点火器ｈか らの火花による点火が良好に行われないことがある。 本考案は、かゝる不具合を解消したガスバーナを得ることをその課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案はかゝる課題を達成するため、第１の手段は、混合管に連なる分布室の 上面に開口を設けたバーナ本体と、周部下面に多数の歯片を設けたバーナキャッ プとからなり、該バーナキャップをその歯片の下面でバーナ本体の開口の周壁上 面に載置して各歯片との間にガス炎口を形成し、且つこれらガス炎口の外側に庇 を設け、該一部の庇の奥行きを他の庇の奥行きより大きい大庇とし、該大庇の下 面に点火器を臨ませると共に該大庇の内側に位置するガス炎口を点火炎口部とし たものに於いて、該大庇の下面を内方が高くなる傾斜面に構成して成る。 第２の手段は、混合管に連なる分布室の上面に開口を設けたバーナ本体と、周 部下面に多数の歯片を設けたバーナキャップとからなり、該バーナキャップをそ の歯片の下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置して各歯片との間にガス炎口 を形成し、これらガス炎口の外側に庇を設け、且つ、該ガス炎口を構成する歯片 の一部を他の歯片より内方にずらして該ガス炎口の外側に形成される庇の奥行き を他の庇の奥行きより大きい大庇とし、該大庇の下面に点火器を臨ませて、該大 庇の内方に位置するガス炎口を点火炎口部とし、更にガス炎口の天井面が該ガス 炎口の内方に向かって下降する傾斜面としたものに於いて、該点火炎口部の両側 に位置する歯片の内端を、該点火炎口部の内端より内方に突出させて成る。 第３の手段は、混合管に連なる分布室の上面に開口を設けたバーナ本体と、周 部下面に多数の歯片を設けたバーナキャップとからなり、該バーナキャップをそ の歯片の下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置して各歯片との間にガス炎口 を形成し、これらガス炎口の外側に庇を設け、且つ、該ガス炎口を構成する歯片 の一部を他の歯片より内方にずらして該ガス炎口の外側に形成される庇の奥行き を他の庇の奥行きより大きい大庇とし、該大庇の下面に点火器を臨ませて、該大 炎口内方に向かって下降する傾斜面としたものに於いて、該点火炎口部の両側に 位置する歯片の内端に折曲部を設けて成る。

【０００５】

【作用】

上記第１の手段を備えるガスバーナにあっては、バーナキャップをその歯片の 下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置したとき、大庇の下面に付着する水滴 は、大庇の下面が内方が高くなるように傾斜しているため、該水滴が点火炎口部 に流込むことはない。従って従来のように水滴で点火炎口部が塞がれることがな くなる。 上記第２の手段並びに第３の手段を備えるガスバーナにあっては、点火炎口部 を構成する歯片の内端に水滴が及ぶのを防ぎ得られる。 即ち、第２の手段を備えるガスバーナにあっては、点火炎口部の両側に位置す る歯片の内端を、該点火炎口部の内端より内方に突出させたため、該歯片の内端 が点火炎口部の内端より低くなって、水滴の該点火炎口部の内端へのに回り込み がなくなり、第３の手段を備えるガスバーナ装置にあっては、該折曲部によって 水滴が受け止められ、該折曲部から落下する。従って点火炎口部の内端へ回り込 むことはない。 従って該点火炎口部の内端に水滴が侵入することによって点火炎口部が塞がれ ることがなくなる。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図示するものに付き説明する。 図面で１は混合管２の上部に連なる環状の分布室３を備え該分布室３の上面に 開口３ａを備えるバーナ本体、４はセラミック材又は金属材からなる外周部下面 に多数の歯片５を備えるバーナキャップを示し、第１図乃至第４図に示す実施例 では、該バーナキャップ４を歯片５の下面でバーナ本体１の開口３ａの外周壁上 面６に載せて、各歯片５の間に該分布室３と連なり外周に開口する多数のガス炎 口７を形成し、これらガス炎口７の外側に庇９を設け、該庇９の一部の奥行きを 他の庇９ａの奥行きより大きい大庇９ｂとし、該大庇９ｂの下面に点火器１０を 臨ませた。そして該大庇９ｂの内側に位置するガス炎口を点火炎口部８とし、該 点火炎口部８から吐出するガスに該大庇９ｂの下面に臨ませた点火器１０によっ て点火させるようにし、該大庇９ｂの下面を内方に向かって高くなる傾斜面に構 成した。 又、ガス炎口７の天井面は内方に向かって下降する傾斜面とした。 図示するものに付更にこれを詳述すれば、点火炎口部８は、他の歯片５に比べ て内方にずらせた２本の歯片５ａ、５ａ間と、その歯片５ａ、５ａ間と、その両 外側に位置し該歯片５ａ、５ａの内端位置まで内端を延長させた歯片５ｂ、５ｂ との間に構成し、該２本の歯片５ａ、５ａを内方にずらせることでその外側に大 庇９ｂが形成される。 そして該大庇９ｂの下面を内方が高くなる傾斜面に構成させ、該大庇９ｂの下 面に臨む点火器１０より、該大庇９ｂの下面に形成した突起４ｂに火花が飛ぶよ うにした。 尚、１４は大庇９ｂの外側に位置するバーナキャップ４の周縁４ａから下方に 突出させ煮汁が鍋等から直接大庇９ｂ、点火炎口部８、突起４ｂ等にかかるのを 防ぐ舌片を示す。 このように該大庇９ｂの下面を内方が高くなる傾斜面に構成すれば、大庇９ｂ の下面の水滴が点火炎口部８の前端に及ぶことがない。 尚、バーナキャップ４は鍛造等の型成形によって製作するもので、この場合上 述のように舌片１４や突起４ｂを設けると、この部分の構造が複雑となって脱型 が難しくなる。そこで舌片１４に連続し該大庇９ｂの外側下面に下方に膨出する 段部１５を設けた。かくするときは、該段部１５が他の庇９ａの下面より下方に 膨出するため、他の庇９ａに在る水滴が該下面を伝って該段部１５に集まり易く 、この水滴も該点火炎口部８側に流れる恐れがあるが、上述のように大庇９ｂの 下面を内側が高くなる傾斜面に構成すれば、この水滴が点火炎口部８の前端に及 ぶこともない。 尚、上述の実施例は、内方にずらせた２本の歯片５ａ、５ａの外側に大庇９ｂ を形成したが、大庇９ｂは、このように２本の歯片５ａ、５ａ内方にずらすこと なく、２本の歯片５の外側を外方に膨出させることで形成させることも出来る。 又、上述のごとく各歯片５ａを他の歯片５より内方にずらして、大庇９ｂを形 成するとき、該点火炎口部８の内端が他のガス炎口７の内端より内側になり従っ てより低くなって、点火炎口部８の両側のガス炎口７の天井面の傾斜に沿って流 れる水滴があると、該水滴が該点火炎口部８の内端に及び、点火炎口部８の内端 を塞ぐ恐れがある。 そこで第５図に示す実施例では、該点火炎口部８の両側に位置する歯片５ｂ， ５ｂの内端を前記歯片５ａ、５ａの内端１３の両側より内方に延長させた。かく するときは、歯片５ｂ，５ｂの内端が点火炎口部８の内端より内側になり従って より低くなるため、該点火炎口部８の両側に位置するガス炎口７に沿って流れる 水滴があってたとしても該点火炎口部８の内端に回り込まず、点火炎口部８の内 端を塞ぐことはない。 尚、この該点火炎口部８の内端への水滴の侵入を防ぐことは、第６図並びに第 ７図に示すごとく点火炎口部８の両側に位置する歯片５ｂの内端に折曲部５ｂー １を設けることによっても行える。即ち、該天井面の傾斜に沿って流れる水滴が あっても、その水滴は該折曲部５ｂー１によって受け止められ、該折曲部５ｂー １から落下する。従って点火炎口部８の内端へ回り込むことはない。 尚、該折曲部５ｂー１の稜線５ｂー２が最も低くなるように構成し、該稜線５ｂ ー２で水切を行うようにすれば、より確実に点火炎口部８の内端へ回り込みを防 げる。 該点火炎口部８の内端への水摘の侵入を防ぐには、第４図に示すごとく炎口部 ８の内端の両外側の部分イの天井面を内方が内高となるように傾斜すことによっ ても防げる。即ち、該天井面を内方が高くなるように傾斜することによって、前 述するごとく点火炎口部８の両側に位置するガス炎口７に沿って流れる水滴があ ってたとしても、水滴は該部分イの天井面の傾斜によってその移動を阻止され、 歯片５ｂ、５ｂの先端までは流れず、従って該点火炎口部８の内端への水摘の侵 入はない。 本考案の実施例の点火炎口部８を構成する歯片５ａ間並びに歯片５ａ、５ｂの 溝は、第４図で良く分かるように他の歯片５間の溝より浅く構成して各点火炎口 部８の幅を大きく取り、特に中央の点火炎口部８の幅を大きくして、該バーナ本 体１にバーナキャップ４を載せるとき、該突起４ｂに対向する点火器１０が多少 ずれ、従って点火器１０と突起４ｂとの間に形成される火花が中央の点火炎口部 ８から多少ずれるようなことがあっても確実な点火が行われるようにした。 尚、該点火炎口部８の外端に水滴が及んで、点火炎口部８の外端を塞ぐことと 、該点火炎口部８の内端に水滴が及んで点火炎口部８の内端を塞ぐこととが、同 時に発生することは希であり、しかも点火炎口部８の外端又は内端を塞がれるこ とのいずれか一方を防げば、これらが同時に塞がれるよりは点火不良となること が減る。 尚、上述の実施例では、環状の分布室の外周にガス炎口が開口するガスバーナ につき説明にしたが、これは環状の分布室の内方にガス炎口が開口する式のガス バーナにも適用出来る（図示しない）。即ちこれらガス炎口の外方即ちバーナの 中央側に庇９を設け、該庇９の一部の奥行きを他の庇９ａの奥行きより大きい大 庇９ｂとし、該大庇９ｂの下面に点火器１０を臨ませると共に該大庇９ｂの内側 に位置するガス炎口を点火炎口部８としたガスバーナにも適用出来る。

【０００７】

【考案の効果】

上記する構成を備える本考案にあっては次のような効果を奏する。 第１の手段を備えるガスバーナにあっては、バーナキャップを水洗いした後、 充分水分を切らずに該バーナ本体上に設置したとき、大庇の下面に付着する水滴 は、大庇の下面が内側が高くなるように傾斜しているため、大庇の下面に付着す る水滴が点火炎口部の外側に流込むことはない。従って従来のように該点火炎口 部に流込む水滴によって生じる点火不良を解消出来る。 上記第２の手段並びに第３の手段を備えるガスバーナにあっては、点火炎口部 の内端に水滴が及ぶのを防げる。 即ち第２の手段を備えるガスバーナにあっては、点火炎口部の両側に位置する 歯片の内端を、該点火炎口部の内端より内方に延長させたため、該点火炎口部の 両側のガス炎口を伝って水滴が流れて来ても、該歯片の内端が該点火炎口部の内 端より低くなり、従って点火炎口部の内端に該水滴が回り込むことはない。従っ てこれに伴う点火不良を解消できる。 又第３の手段を備えるガスバーナ装置にあっては、該点火炎口部の両側に位置 する歯片の内端に折曲部を設けたので、該点火炎口部の両側のガス炎口を伝って 水滴が流れて来ても、該折曲部を伝って落下する。従って点火炎口部の内端に該 水滴が回り込むことはない。従ってこれに伴う点火不良を解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施の１例の平面図

【図２】 バーナキャップの裏面図

【図３】 図１のＡ−Ａ截断面図

【図４】 バーナキャップの裏面の一部の斜面図

【図５】 他の実施例のバーナキャップの１部の裏面図

【図６】 他の実施例のバーナキャップの１部の裏面図

【図７】 図６の斜面図

【図８】 従来の欠点を説明する説明図その１

【図９】 従来の欠点を説明する説明図その２

【符号の説明】

１ バーナ本体 ２ 混合管 ３
分布室 ４ バーナキャップ ５ 歯片 ６
外周壁上面 ７ ガス炎口 ８ 点火炎口部 ９
庇 ９ａ 庇 ９ｂ 大庇
１０ 点火器 １３ 点火炎口部の内端

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 混合管に連なる分布室の上面に開口を設
   けたバーナ本体と、周部下面に多数の歯片を設けたバー
   ナキャップとからなり、該バーナキャップをその歯片の
   下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置して各歯片と
   の間にガス炎口を形成し、且つこれらガス炎口の外側に
   庇を設け、該一部の庇の奥行きを他の庇の奥行きより大
   きい大庇とし、該大庇の下面に点火器を臨ませると共に
   該大庇の内側に位置するガス炎口を点火炎口部としたも
   のに於いて、該大庇の下面を内方が高くなる傾斜面に構
   成して成るガスバーナ。
2. 【請求項２】 混合管に連なる分布室の上面に開口を設
   けたバーナ本体と、周部下面に多数の歯片を設けたバー
   ナキャップとからなり、該バーナキャップをその歯片の
   下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置して各歯片と
   の間にガス炎口を形成し、これらガス炎口の外側に庇を
   設け、且つ、該ガス炎口を構成する歯片の一部を他の歯
   片より内方にずらして該ガス炎口の外側に形成される庇
   の奥行きを他の庇の奥行きより大きい大庇とし、該大庇
   の下面に点火器を臨ませて、該大庇の内方に位置するガ
   ス炎口を点火炎口部とし、更にガス炎口の天井面が該ガ
   ス炎口の内方に向かって下降する傾斜面としたものに於
   いて、該点火炎口部の両側に位置する歯片の内端を、該
   点火炎口部の内端より内方に突出させて成るガスバー
   ナ。
3. 【請求項３】 混合管に連なる分布室の上面に開口を設
   けたバーナ本体と、周部下面に多数の歯片を設けたバー
   ナキャップとからなり、該バーナキャップをその歯片の
   下面でバーナ本体の開口の周壁上面に載置して各歯片と
   の間にガス炎口を形成し、これらガス炎口の外側に庇を
   設け、且つ、該ガス炎口を構成する歯片の一部を他の歯
   片より内方にずらして該ガス炎口の外側に形成される庇
   の奥行きを他の庇の奥行きより大きい大庇とし、該大庇
   の下面に点火器を臨ませて、該大庇の内方に位置するガ
   ス炎口を点火炎口部とし、更にガス炎口の天井面が該ガ
   ス炎口内方に向かって下降する傾斜面としたものに於い
   て、該点火炎口部の両側に位置する歯片の内端に折曲部
   を設けて成るガスバーナ。