JPH04106920U - ねぎ掘取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 根深かねぎのようなねぎを掘取るのに用い
るねぎ掘取り装置であって、特に、ねぎの栽培畝に対
し、ねぎの側方から高畝の土壌を斜めに掘取って抜取り
易くし、ねぎの葉が回転軸に巻き付かないように改良す
る。 【構成】 掘取り刃９を、回転軸７に取付けられる取
付け部１１に対し、放射方向に延びる複数の支持アーム
１２と、これら各支持アーム１２の先端部に、回転方向
に鋭利な刃を有設けられる外刃１４及び内刃１５と、外
刃１４の外周とほぼ等しい外周で、鋸刃状の刃を形成し
て全体として円に近い外周となり、支持アーム１２に対
し着脱可能の掘取り・切断刃１６と、により構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、根深かねぎのようなねぎを掘取るのに用いるねぎ掘取り装置に関し 、特に、ねぎの栽培畝に対し、ねぎの側方から高畝の土壌を斜めに掘取る形式の 掘取り装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のねぎ掘取り装置として、走行機体から垂下された伝動ケースか ら、機体の進行方向と直交し、かつほぼ水平方向に突出する回転軸を設け、この 回転軸の軸端部に、ねぎの栽培畝に対し下部がねぎの根部に接近し、上部がねぎ の茎部から離れるように傾斜する回転面で回転する掘取り刃を配設し、この掘取 り刃から伝動ケース側寄りの回転軸に、掘取り刃により掘取られた土壌を他側に 移動させる移動刃体を設けたものが、例えば、実開昭５１−１４６２０１号公報 （耕耘ロータリー）により知られている。この先行技術のものの掘取り刃及び移 動刃体は、いずれも耕耘爪により構成されており、そのうちの掘取り刃において は偏心爪を用いたりしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように掘取り刃を耕耘爪により構成していると、掘取り作業がきれいに 行われない上、掘取り刃が回転するとき畝上に垂れ下がっているねぎの葉を巻き 込み、これが回転軸に巻き付いて掘取り作業を中断せざるを得ない、といった問 題点があった。 本考案は、上記の問題点を解決することを目的になされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案のねぎ掘取り装置は、走行機体から垂下 された伝動ケースから、機体の進行方向と直交し、かつほぼ水平方向に突出する 回転軸を設け、この回転軸の軸端部に、ねぎの栽培畝に対し下部がねぎの根部に 接近し、上部がねぎの茎部から離れるように傾斜する回転面で回転する掘取り刃 を配設し、この掘取り刃から伝動ケース側寄りの回転軸に、掘取り刃により掘取 られた土壌を他側に移動させる移動刃体を設けたねぎ掘り取り装置において、 上記掘取り刃は、回転軸に取付けられる取付け部に対し、放射方向に延びる複 数の支持アームを設け、これら各支持アームの先端部に、回転方向に鋭利な刃を 有する外刃及び内刃を設けると共に、外刃の外周とほぼ等しい外周で、鋸刃状の 刃を形成して全体として円に近い外周となる掘取り・切断刃を、支持アームに対 し着脱可能に設けたことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

上記の構成によって、外刃、内刃及び掘取り・切断刃が、ねぎの栽培畝に対し 下部がねぎの根部に接近し、上部がねぎの茎部から離れるように傾斜する回転面 で回転して、ねぎの側方の土壌をきれいに掘取って側方に放出する。従って、ね ぎを容易に抜き取ることができる。また、掘取り刃が回転するときに、ねぎの畝 上に垂れ下がっているねぎの葉は、外刃及び掘取り・切断刃により切断されて掘 取り刃に巻き込むことがなく、ねぎの葉が回転軸に巻き付いて掘取り作業を中断 するようなことがない。さらに、掘取り・切断刃が損傷したときは、損傷したも のだけを取り替えればよい。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付の図面に基づいて具体的に説明する。 図２において、符号１は歩行型の耕耘機で、走行機体２の前部上側にエンジン ３を搭載し、このエンジン３により駆動される左右一対の走行車輪４を走行機体 ２の下側に装備すると共に、エンジン３の後ろ側の走行機体２から後方に延びる 操向ハンドル５を備えている。また、走行車輪４の後方に、図３にも示すように 走行機体２から伝動ケース６を垂下して設け、この伝動ケース６の下端部から左 右両側に、走行機体２の進行方向と直交し、かつほぼ水平方向に突出する回転軸 ７を設けている。

【０００７】 上記回転軸７の一側側の軸端部に、斜め軸８を介して、ねぎＡの栽培畝Ｂに対 し下部がねぎＡの根部ａに接近し、上部がねぎＡの茎部ｂから離れるように傾斜 する回転面で回転する掘取り刃９を配設し、この掘取り刃９から伝動ケース６側 寄りの回転軸７に、掘取り刃９により掘取られた土壌を他側に移動させる移動刃 体（螺旋刃）１０を設けている。そして掘取り刃９は、図１に示すように、回転 軸７に取付けられる取付け部１１に対し、放射方向に延びる複数（４本）の支持 アーム１２をボルト・ナット１３，１３…により着脱可能に設け、これら各支持 アーム１２の先端部に、回転方向に鋭利な刃を有する外刃１４及び内刃１５を設 けると共に、外刃１４の外周とほぼ等しい外周で、鋸刃状の刃を形成して全体と して円に近い外周となる掘取り・切断刃１６を、支持アーム１２に対しボルト・ ナット１７，１７により着脱可能に設けている。

【０００８】 上記回転軸７、掘取り刃９、移動刃体１０の上方は掘取り部カバー１８で覆わ れており、このカバー１８の後部の左右中央位置に、掘取り刃９の耕深調節を行 う耕深調節用車輪１９が設けられている。なお、回転軸７、掘取り刃９、移動刃 体１０は、図で矢印方向に回転するように支持されるが、この実施例の耕耘機１ は、作業時には後進状態で、耕深調節用車輪１９を先頭にして走行して、ねぎＡ の掘取り作業を行うようにしている。もちろん、耕耘機１を後進状態にしても掘 取り作業ができることはいうまでもない。

【０００９】 このように構成されたねぎ掘取り装置においては、耕耘機１を圃場に導入して ねぎ掘取り作業を行うとき、回転軸７、掘取り刃９、移動刃体１０を矢印方向に 回転させ、耕耘機１は後進状態でゆっくり走行しながら、掘取り刃９の外刃１４ 、内刃１５及び掘取り・切断刃１６により、ねぎＡの栽培畝Ｂに対し下部がねぎ Ａの根部ａに接近し、上部がねぎＡの茎部ｂから離れるように傾斜する回転面で 回転して、ねぎＡが植生している側方の土壌を、きれいな溝を形成しながら掘出 す。この掘出された土壌は、移動刃体（螺旋刃）１０によって側方に送られる。 そして、ねぎＡを手で持って、土壌が掘取られた溝側にわずかに倒すようにして 引き抜くことにより容易に収穫できる。

【００１０】 上記のようなねぎ掘取り作業時に、ねぎＡの根部ａがよく張っていたり、また 、ねぎＡの栽培畝Ｂ上にねぎの葉ｃが垂れ下がっていても、掘取り刃９の外刃１ ４及び掘取り・切断刃１６により根部ａや葉ｃが切断されて、ねぎＡの抜取りが 容易となり、また、ねぎの葉ｃが支持アーム１２や回転軸７に巻き付くことがな い。特に、掘取り・切断刃１６は外刃１４の外周とほぼ等しい外周で、鋸刃状の 刃を形成して全体として円に近い外周となるように構成されているので、掘取り 溝をきれいに掘り上げ、また、ねぎの根部ａや葉ｃの切断性がよく、ねぎの葉ｃ が支持アーム１２や回転軸７に巻き付くのを確実に防止する。従って、従来のよ うなねぎの葉が回転軸に巻き付いて、これを除去するために作業を中断するよう な事態は生じない。 また掘取り刃９は、取付け部１１に対し支持アーム１２がボルト・ナット１３ により着脱可能であり、また、支持アーム１２に対し掘取り・切断刃１６がボル ト・ナット１７，１７により着脱可能なので、外刃１４、内刃１５が損傷したと きは支持アーム１２自体を、また、掘取り・切断刃１６が損傷したときには支持 アーム１２に対し掘取り・切断刃１６を、それぞれ取り替えればよい。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したとおり本考案のねぎ掘取り装置によれば、外刃、内刃及び掘取り ・切断刃からなる掘取り刃が、ねぎの栽培畝に対し下部がねぎの根部に接近し、 上部がねぎの茎部から離れるように傾斜する回転面で回転して、ねぎが植生して いる側方の土壌をきれいな溝を形成して掘取って側方に放出する。従って、ねぎ を容易に抜き取ることができる。 また、掘取り刃が回転するときに、ねぎの根が張っていたり、ねぎの葉が畝上 に垂れ下がっていたりしても、これらを掘取り刃の外刃及び掘取り・切断刃によ り切断して、ねぎの抜取りを容易にし、ねぎの葉を掘取り刃に巻き込んで回転軸 に巻き付き、掘取り作業を中断するようなことがない。 さらに、掘取り・切断刃が損傷したときは、損傷したものだけを取り替えれば よく、全体を取り替える必要がないので経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】掘取り刃の斜視図である。

【図２】本考案のねぎ掘取り装置を装備した耕耘機全体
の斜視図である。

【図３】作業状態の要部の斜視図である。

【符号の説明】

１ 歩行型の耕耘機 ２ 走行機体 ３ エンジン ４ 走行車輪 ５ 操向ハンドル ６ 伝動ケース ７ 回転軸 ８ 斜め軸 ９ 掘取り刃 １０ 移動刃体 １１ 取付け部 １２ 支持アーム １３，１７ ボルト・ナット １４ 外刃 １５ 内刃 １６ 掘取り・切断刃 １８ 掘取り部カバー １９ 耕深調節用車輪 Ａ ねぎ Ｂ ねぎの栽培畝 ａ ねぎの根部 ｂ ねぎの茎部 ｃ ねぎの葉

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行機体から垂下された伝動ケースか
   ら、機体の進行方向と直交し、かつほぼ水平方向に突出
   する回転軸を設け、この回転軸の軸端部に、ねぎの栽培
   畝に対し下部がねぎの根部に接近し、上部がねぎの茎部
   から離れるように傾斜する回転面で回転する掘取り刃を
   配設し、この掘取り刃から伝動ケース側寄りの回転軸
   に、掘取り刃により掘取られた土壌を他側に移動させる
   移動刃体を設けたねぎ掘取り装置において、上記掘取り
   刃は、回転軸に取付けられる取付け部に対し、放射方向
   に延びる複数の支持アームを設け、これら各支持アーム
   の先端部に、回転方向に鋭利な刃を有する外刃及び内刃
   を設けると共に、外刃の外周とほぼ等しい外周で、鋸刃
   状の刃を形成して全体として円に近い外周となる掘取り
   ・切断刃を、支持アームに対し着脱可能に設けたことを
   特徴とするねぎ掘取り装置。