JPH04106101U - タレツト旋盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工の多様化を図る。 【構成】 本考案に係るタレット旋盤は、回転自在かつ
上下動自在な主軸チャック３と、その駆動装置１０，２
０と、主軸チャック３に対して接近・離反可能なタレッ
ト４とを備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工具装着用の複数のステーションを有するタレットを備えたタレッ ト旋盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ワークに各種加工を効率良く行う加工機として、タレット旋盤が用いられてい る。このタレット旋盤は、一般に、ワークを把持する回転可能な主軸チャックと 、工具が装着される複数のステーションを有する多角形状のタレットと、一端が タレットに固定され、回転可能かつ主軸チャック方向に移動可能なタレット軸と を備えている。

【０００３】 ワークの加工の際には、ワークが把持された主軸チャックを回転させるととも に、タレット軸の回転によりタレットを回転させ、所望の工具が装着されたステ ーションを割り出す。次に、タレット軸を主軸チャック方向に移動させることに より、タレットを主軸チャックに接近させる。そして、タレットの工具によりワ ークに加工が行われる。次に、タレット軸の移動によりタレットを主軸チャック から離反させ、タレット軸の回転によりタレットを回転させて、次に使用すべき 工具が装着されたステーションを割り出す。そして、再びタレットを主軸チャッ クに接近させ、タレットの工具によりワークに加工が行われる。

【０００４】 以下、同様にして、使用すべき工具が装着されたステーションをタレットの回 転により次々と割り出し、複数の工具を用いた加工が連続してワークに施される 。

【０００５】 また、タレットの一ステーションには、例えばタップヘッドやミリングヘッド 等の回転工具装置が取り付けられる。これらの回転工具装置は、独自の駆動系を 有している。

【０００６】 この回転工具装置を用いて加工を行う際には、まず、タレットの回転により、 回転工具装置が装着されたステーションを割り出す。そして、回転工具装置の駆 動により、先端の回転工具を回転させるとともに、タレットの移動により回転工 具装置をワークに接近させる。なお、このとき、主軸チャックはロックされ回転 不能状態におかれている。タレットの主軸チャック方向への移動を送りとして、 ワークにタップ加工やミリング加工等が施される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のタレット旋盤では、タレットと主軸チャックとの中心位置高さが一 致しており、いずれも上下方向には移動できない。このため、前記回転工具装置 による加工は、ワークのセンタ部分の加工に限られてしまう。

【０００８】 本考案の目的は、加工の多様化を図れるタレット旋盤を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るタレット旋盤は、主軸チャックと、駆動装置と、タレットとを備 えている。前記主軸チャックは、ワークを把持する回転自在かつ上下動自在なも のである。前記駆動装置は、主軸チャックを駆動するものである。前記タレット は、主軸チャックに対して接近・離反可能に設けられ、工具が装着される複数の ステーションを有するものである。

【００１０】

【作用】

本考案では、加工の際には、駆動装置により主軸チャックを回転駆動するとと もに、タレットを主軸チャックに接近させる。これにより、タレットのステーシ ョンに装着された工具によってワークに加工が行われる。

【００１１】 また、この加工の際、駆動装置により主軸チャックを上下動させることによっ て、ワークに各種の加工を行うことが可能となり、加工の多様化を図ることがで きる。

【００１２】

【実施例】

図２は、本考案の一実施例によるタレット旋盤を示している。 このタレット旋盤１は、ワーク２を把持する主軸チャック３と、これに並列に 配置されたタレット４と、一端がタレット４に固定されたタレット軸５とを備え ている。

【００１３】 加工機本体１ａ内には、図１に示すように、主軸チャック３を駆動するための 回転駆動装置１０と、昇降駆動装置２０とが設けられている。回転駆動装置１０ は、主軸チャック３に連結されたモータ１１を有している。モータ１１は、ベー ス１２上に固定されている。また、加工機本体１ａ内には、上下に支軸１３が配 設されており、これらの支軸１３はベース板１２を挿通している。これにより、 ベース板１２は、支軸１３に沿って上下動自在になっている。ベース板１２の後 端部には、ボールナット２１が固定されている。一方、加工機本体１ａ内には上 下方向にボールねじ２２が配設されている。ボールねじ２２の一端は回転駆動用 のサーボモータ２３に連結され、他端はサポーター２４によって回転自在に支持 されている。ボールナット２１はボールねじ２２に螺合している。

【００１４】 タレット４は、多角形状に形成されており、工具を装着するための複数のステ ーションを有している。タレット４の各ステーションには、工具が固定された工 具台６が取り付けられている。また、タレット４の一ステーションには、回転工 具ヘッド（ここではドリル）が取り付けられている。回転工具ヘッド７内には、 工具の回転駆動用のモータが内蔵されている。タレット軸５は、加工機本体１ａ を挿通して設けられており、加工機本体１ａ内に設けられた駆動装置（図示せず ）に連結されている。この駆動装置により、タレット軸４は回転可能、出没可能 、及び水平方向移動可能になっている。

【００１５】 次に動作について説明する。 ワークの加工の際には、モータ１１の駆動により主軸チャック３を回転させる とともに、タレット軸５の回転によりタレット４を回転させ、所望の工具を有す る工具台６が取り付けられたステーションを割り出す。なお、この場合には、主 軸チャック３のセンタ位置高さと、タレット４のセンタ位置高さとが一致してい るとする。次に、タレット軸５を主軸チャック３方向へ移動させることにより、 タレット４をワーク２に接近させる。そして、タレット４の工具によりワーク２ に外周加工等の旋削加工が施される。次に、タレット軸５の移動によりタレット ４をワーク２から離反させる。そして、タレット軸５の回転によりタレット４を 回転させ、次に使用すべき工具を有する工具台６を割り出す。そして、再びタレ ット４をワーク２に接近させ、タレット４の工具によりワーク２に加工が施され る。

【００１６】 以下、同様にして、タレット４の回転により使用すべき工具を順次割り出しつ つワーク２の加工が連続して行われる。

【００１７】 次に、回転工具ヘッド７を用いて加工を行う際には、同様にタレット４の回転 により、回転工具ヘッド７が取り付けられたステーションを割り出す。一方、主 軸ヘッド３の回転を停止させ、主軸ヘッド３を回転不能状態に置く。また、サー ボモータ２３を駆動してボールねじ２２を回転させることにより、ボールナット ２１を介してベース１２を上方又は下方へ移動させる。これにより、主軸チャッ ク３のセンタ位置とタレット４のセンタ位置との間に上下方向のオフセットが生 じる。次に、回転工具ヘッド７を駆動して先端の工具を回転させるとともに、タ レット軸５の移動によりタレット４をワーク２に接近させる。すると、ワーク２ には、図３に示すように、ワークセンサＣからずれた位置に軸方向と直交する穴 ３０が形成される。また、回転工具７の取り付け姿勢が図示のものと直交する方 向、例えばワーク２の軸方向に向いている場合には、回転工具ヘッドの駆動及び タレット４の移動により、図４に示すように、ワークセンタＣからずれた位置に 軸方向穴３１が形成されることになる。

【００１８】 このような本実施例では、主軸チャック３が上下方向に移動することにより、 各種の加工を行うことができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案に係るタレット旋盤によれば、主軸チャックが上下動するので、加工の 多様化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例によるタレット旋盤の主軸チ
ャックの駆動装置を示す一部切欠き側面図。

【図２】前記タレット旋盤の斜視部分図。

【図３】前記タレット旋盤による加工の一例を示す図。

【図４】前記タレット旋盤による加工の他の例を示す
図。

【符号の説明】

１ タレット旋盤 ２ ワーク ３ 主軸チャック ４ タレット １０，２０ 駆動装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークを把持する回転自在かつ上下動自在
   な主軸チャックと、前記主軸チャックを駆動する駆動装
   置と、前記主軸チャックに対して接近・離反可能に設け
   られ、工具が装着される複数のステーションを有するタ
   レットと、を備えたタレット旋盤。