JPH0410550Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ガス炉あるいは電気炉として選択
的に使用できるようにしたガス・電気併用炉に関
する。

（従来の技術） 炉にはガス炉のように燃料を燃やす燃焼加熱炉
と、電気炉のように物理的手段により加熱する物
理的加熱炉とがある。

前者のガス炉は、ガスの燃焼により得た高温空
気を炉内に循環させてその加熱を図るもので、特
色としてエアー調節により被加工物への酸化・還
元作用を自由に調節できることの他、発熱量が大
きく作業時間が短縮でき、燃費がよいことがあげ
られる。

一方、後者の電気炉は、通電により生ずる電気
発熱体の放射熱によつてその加熱を図るもので、
ガス炉に比べ煙が出ないことを大きな特色として
おり、例えば、酸化でも還元でもない中性煙にお
いて使用可能な釉薬によつて製品に特殊な色を出
すことができる。また、電気炉では深夜電力を利
用し加熱コストを抑えることができる。

このように両者の炉にはそれぞれ特色があり、
作業内容に合つた最も適当なタイプを選択して使
用することが本来望ましい。

しかるに、従来においてはガス炉と電気炉とで
は加熱手段が全く異なるためにそれぞれ別個な炉
として構成されているので、各炉の特色を十分に
活用するためには二種類の炉が必要であつた。し
かしながら、二つの炉を用いるということは、ス
ペース上不利であり、また設備投資に多大な費用
がかかるなど多くの問題点がある。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上述の問題点に鑑みて提案されたも
のであつて、その目的とするところは、ガス炉あ
るいは電気炉として適宜選択使用できるようにし
たガス・電気併用炉を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するためにこの考案は、開口
部を有する炉本体と前記開口部に開閉自在に設置
された閉鎖部材からなり、前記炉本体にはその内
壁に電気発熱体が備えられ、かつ底部に煙突と連
通する煙道が形成されているとともに、ガスバー
ナーが備えられていることを特徴とするものであ
る。

（実施例） 以下この考案の実施例を図面にしたがつて説明
する。添付の図面第１図はこの考案の第一実施例
を示したガス・電気併用炉の正面図中央断面図、
第２図はその右側面図断面図、第３図は第二実施
例のガス・電気併用炉の右側面図断面図、第４図
は第三実施例のガス・電気併用炉の右側面図断面
図である。

第１図および第２図に図示したように、第一実
施例のガス・電気併用炉１０は、上部に開口部１
２を有する炉本体１１と、前記開口部１２に開閉
自在に設置された閉鎖部材５０からなつている。

炉本体１１には、直方体形状の炉室Ｒがレンガ
等の耐火耐熱材１３からなる内壁２０，２１，２
２，２３によつて形成されている。この炉本体１
１において、その内壁２０，２１，２２，２３に
は電気発熱体２７，２８，２９が備えられ、かつ
底部に煙道３０が形成されている。とともに、ガ
スバーナー４０が備えられている。

電気発熱体２７，２８，２９は、実施例ではリ
ボン形状を有する３組から構成されていて、炉本
体１１の内壁２０，２１，２２，２３に周設され
ている。炉の加熱温度の調節はこれら電気発熱体
２７，２８，２９の一部あるいは全部に通電する
か否かの組合せによつて、また通電する電力の大
きさを変えて行なわれる。

煙道３０は炉本体１１の底部に煙突３５と連通
して形成されている。第２図に図示したように、
この煙道３０は長手方向の内壁２１，２３の底部
に設けた段部２５によつてその側面が形成されて
おり、前記段部２５上に底板部材１４が間隙を有
するように列設されて炉室Ｒと区画されるととも
に、該炉室Ｒと連通されている。なお、煙突３５
にはダンパ３６が備えられていて、炉室Ｒを外気
から遮断できるようになつている。また、煙突３
５には吸気フアンを設けてもよい。

ガスバーナー４０は、炉本体１１の張出し部１
５においてその下側に設けた吹込口１６より加熱
空気を吹き込ませるように備えられている。張出
し部１５のチヤンバＣは、炉室Ｒに内壁２３の上
部開口部２４によつて連通されている。図示され
ないがこのガスバーナー４０は炉本体１１の長手
方向に複数設置されている。図の符号４１はバー
ナー口、４３は火量調節コツク、４５はガス供給
管である。

閉鎖部材５０は、上述した炉本体１１の開口部
１２に、蝶番５１を介し開閉自在に設置されてい
て、被加工品の搬入搬出ならびに炉のメンテナン
ス等が行なわれる。なお、この閉鎖部材５０には
開閉自在な通気部を設けてもよい。図の符号５３
は耐火耐熱のためのグラスウールである。

第３図には第二実施例のガス・電気併用炉が図
示される。このガス・電気併用炉１０Ａは、上述
した第一実施例と同様に、上部に開口部１２Ａを
有する炉本体１１Ａと、前記開口部１２Ａに開閉
自在に設置された閉鎖部材５０Ａからなり、前記
炉本体１１Ａにはその内壁２０Ａ，２１Ａ，２３
Ａ，……に電気発熱体２７Ａ，２８Ａ，２９Ａが
備えられ、かつ底部に図示しない煙突と連通する
煙道３０Ａが形成されている。このガス・電気併
用炉１０Ａにおいてガスバーナー４０Ａは、炉本
体１１Ａの側部に設けた吹込口１６Ａより加熱空
気を吹き込ませるように備えられている。

第４図は第三実施例のガス・電気併用炉１０Ｂ
を図示したものである。この併用炉１０Ｂは、側
部に開口部１２Ｂを有する炉本体１１Ｂと、前記
側部開口部１２Ｂに開閉自在に設置された閉鎖部
材５０Ｂからなつている。炉本体１１Ｂにはその
内壁２０Ｂ，２１Ｂ，２３Ｂ，……に電気発熱体
２７Ｂ，２８Ｂ，２９Ｂが備えられ、かつ底部に
図示しない煙突と連通する煙道３０Ｂが形成され
ている。このガス・電気併用炉１０Ｂにおいてガ
スバーナー４０Ｂは、第一実施例と同様に、炉本
体１１Ｂの張出し部１５Ｂの下側に設けた吹込口
１６Ｂより加熱空気を吹き込ませるように備えら
れている。

（作用） 上のガス・電気併用炉は、ガス炉として使用さ
れた際にはガスバーナー４０，４０Ａ，４０Ｂに
よる加熱空気は炉室Ｒ内を循環して被加工品を加
熱した後、底部の煙道３０，３０Ａ，３０Ｂを通
つて煙突３５に導かれ外部に排出される。被加工
物の酸化還元作用は、ガスバーナー４０，４０
Ａ，４０Ｂのバーナー口４１，４１Ａ，４１Ｂに
おける燃焼具合の調節ならびに、前記バーナー口
４１，４１Ａ，４１Ｂと吹込口１６，１６Ａ，１
６Ｂとの距離を調節するなどにより行なわれる。

これに対し、電気炉として使用する際には、電
気発熱体２７，２８，２９，２７Ａ，２８Ａ，２
９Ａ，あるいは２７Ｂ，２８Ｂ，２９Ｂに通電す
れば、その放射熱によつて被加工品は加熱され
る。この際ガスバーナーのための吹込口１６，１
６Ａ，１６Ｂを閉鎖してもよい。

（効果） 以上図示説明したように、この考案はガス炉と
電気炉の両方の機能をそれらの特色を損なうこと
なく備えたガス・電気併用炉を提供することがで
きたものである。従つて、この考案のガス・電気
併用炉によれば、スペースや経済上の問題を生ず
ることなく一つの炉でガス炉と電気炉のそれぞれ
の特色を生かすことができ、これまでにない使用
者の便宜を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一実施例を示したガス・
電気併用炉の正面図中央断面図、第２図はその右
側面図断面図、第３図は第二実施例のガス・電気
併用炉の右側面図断面図、第４図は第三実施例の
ガス・電気併用炉の右側面図断面図である。 １０，１０Ａ，１０Ｂ……ガス・電気併用炉、
１１，１１Ａ，１１Ｂ……炉本体、１２，１２
Ａ，１２Ｂ……開口部、２７，２８，２９，２７
Ａ，２８Ａ，２９Ａ，２７Ｂ，２８Ｂ，２９Ｂ…
…電気発熱体、３０，３０Ａ，３０Ｂ……煙道、
３５……煙突、３６……ダンパ、４０，４０Ａ，
４０Ｂ……ガスバーナー、５０，５０Ａ，５０Ｂ
……閉鎖部材、Ｒ……炉室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部を有する炉本体と前記開口部に開閉自在
   に設置された閉鎖部材からなり、前記炉本体には
   その内壁に電気発熱体が備えられ、かつ底部に煙
   突と連通する煙道が形成されているとともに、ガ
   スバーナーが備えられていることを特徴とするガ
   ス・電気併用炉。