JPH04102729U - タツピング治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下孔に正確に工具先端を同軸状に心決めする
ことができ、タッピングガイドとの間のガタつきを防止
することができるタッピング治具を得る。 【構成】 下端に半径方向外方に突出する環状フランジ
３を有する円筒形の固定ガイドブッシュ２と、環状フラ
ンジに設けた磁石４と、固定ガイドブッシュ２に同心状
に摺動可能かつ回転可能に嵌合接触する可動ブッシュ５
と、可動ブッシュに同心状に圧嵌固定し、かつタップの
シャンク部7aを可動ブッシュ５に保持するクランプブッ
シュ９とを具え、固定ガイドブッシュ２の下方部分の一
部には覗き窓としての切欠き部13を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、工作物の下孔にねじ山を形成するタップを案内位置決めするタッピ ング治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のタッピング治具としては、実開平２−２６号公報に記載のようなタッピ ングガイドがある。この公報に記載のタッピングガイドは、図１に示したように 、ほぼ円筒形の固定ガイドブッシュ２と、この固定ガイドブッシュ２を包囲する 円筒形の磁石４とにより構成する。この磁石により、固定ガイドブッシュ２を工 作物６の表面８に正確に位置決め固定し、これによりタップ又はドリル12を工作 物の下孔10に同軸状に案内することができるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述の従来のタッピングガイドの場合、ガイドブッシュがタップ又は 切削工具のシャンク部から切削作用部全体を包囲するためタップ又はドリルが下 孔の軸線に同軸状になっているかを確認することができなかった。従って、ねじ 山が下孔に正確に同軸状に形成されない不具合を生ずることがあった。

【０００４】 更に、タップ又はドリルの切削作用部は下孔の径に対応して異なる外径を有す る。従って、従来のタッピングガイドでは外径の異なるタップ又はドリル毎に専 用のタッピングガイドを用意する必要があった。タップにぴったり適合したタッ ピングガイドでないと、タップとタンピングガイドとの間に大きな遊びを生じ、 タップがタンピングガイド内でガタつく場合もあった。

【０００５】 従って、本考案の目的は、下孔に正確に工具先端を同軸状に心決めすることが でき、タッピングガイドとの間のガタつきを防止することができるタッピング治 具を得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案によるタッピング治具は、下端に半径方向外 方に突出する環状フランジを有する円筒形の固定ガイドブッシュと、前記環状フ ランジに設けた磁石と、前記固定ガイドブッシュに同心状に摺動可能かつ回転可 能に嵌合接触する可動ブッシュと、この可動ブッシュに同心状に圧嵌固定し、か つタップのシャンク部を前記可動ブッシュに保持するクランプブッシュとを具え 、前記固定ガイドブッシュの下方部分の一部には覗き窓としての切欠き部を設け たことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案によるタッピング治具によれば、固定ガイドブッシュの下方部分の覗き 窓から、クランプブッシュにより可動ブッシュにシャンク部を保持したタップの 先端が下孔にほぼ同軸状になっているかを確認しつつ固定ガイドブッシュを工作 物の表面に位置決めし、この位置に磁石によって固定する。クランプブッシュを 介して可動ブッシュによって緊密に固定されたタップは、固定ガイドブッシュと 可動ブッシュとの間のガタのない摺動及び回転により、下孔にねじ山を形成する 。このとき生ずる切削屑は、切削工具の作用部と固定ガイドブッシュとの間の大 きな環状空間及び／又は固定ブッシュの覗き窓に排出される。また固定ガイドブ ッシュの覗き窓は、切削を円滑に行うための注油開口として利用することもでき る。

【０００８】

【実施例】

次に、図面につき本考案の好適な実施例を説明する。

【０００９】 図２に示すように、本考案の好適な実施例によるタッピング治具１は、円筒形 の固定ガイドブッシュ２を有し、この固定ガイドブッシュ２の下端に半径方向外 方に突出する環状フランジ３を設ける。この環状フランジには、環状単一の又は 環状フランジ３に沿って等間隔に配列した複数個の磁石４を設ける。固定ガイド ブッシュ２内には、可動ブッシュ５を同心状に摺動可能かつ回転可能に嵌合可能 にする。

【００１０】 可動ブッシュ５には、樹脂製のクランプブッシュ９を介してタップ７のシャン ク部7aを同心状に圧嵌固定する。クランプブッシュ６のシャンク部7aの収容開口 には、図３に示すようにセレーション11を設ける。可動ブッシュ５とシャンク部 7aとの間に、このようなセレーション付きのクランプブッシュ９を圧嵌すること により、タップ７をガタなく可動ブッシュ５に固定することができる。

【００１１】 固定ガイドブッシュ２の下方部分の一部には、図４に示すように、覗き窓とし ての切欠き部13を設ける。

【００１２】 この覗き窓としての切欠き部13から覗いて、工作物６に設けた下孔10に対する シャンク部7aの先端の正確な心合わせ状態を確認して固定ガイドブッシュ２を工 作物６の表面８に磁石４により固定する。

【００１３】 図２に示すように心合わせした状態で、タップのシャンク部7aを可動ブッシュ ５と一体に回転させつつ、固定ガイドブッシュ２に沿う可動ブッシュ５の摺動に よりタップの切削作用部7bが工作物６の下孔10に対して同軸状にねじ山を形成す る（図５参照）。この切削作業で生ずる切削屑は、切削工具の作用部と固定ガイ ドブッシュとの間の大きな環状空間及び／又は固定ブッシュの覗き窓即ち、切欠 き部13に排出される。更に切削作業中、固定ガイドブッシュの覗き窓から切削を 円滑に行うための注油を行うことができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、可動ブッシュにシャンク部をクランプし、この可動ブッシュ を磁石付きの固定ガイドブッシュに回転摺動案内する構成とし、かつこの固定ガ イドブッシュに切欠きを設けたため、タップと下孔との正確な心合わせを行うこ とができ、かつ切削屑の排出を容易にし、従って、良好なタッピングを行うこと ができる。

【００１５】 更に、工作物の下孔が深孔の場合でも初期タッピングが正確に同軸状に形成さ れるため、その後のタップ回しが容易かつ正確に行うことができる。更にまた、 工作物の表面が傾斜していても、下孔への同軸状の正確なタッピングが可能とな る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のタッピング治具の説明図である。

【図２】本考案によるタッピング治具の実施例にタップ
をセットし、工作物の下孔に心合わせした状態を示す一
部断面とする側面図である。

【図３】図２に示すタッピング治具の可動ブッシュの平
面図である。

【図４】図２に示すタッピング治具の固定ガイドブッシ
ュの拡大斜視図である。

【図５】タッピング作業完了状態を示す図２と同様の一
部断面とする側面図である。

【符号の説明】

１ タッピング治具 ２ 固定ガイドブッシュ ３ 環状フランジ ４ 磁石 ５ 可動ブッシュ ６ 工作物 7,12 タップ 7a シャンク部 7b 切削作用部 ８ 表面 ９ クランプブッシュ 10 下孔 11 セレーション 13 切欠き部（覗き窓） 14 ねじ山

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下端に半径方向外方に突出する環状フラン
   ジを有する円筒形の固定ガイドブッシュと、前記環状フ
   ランジに設けた磁石と、前記固定ガイドブッシュに同心
   状に摺動可能かつ回転可能に嵌合接触する可動ブッシュ
   と、この可動ブッシュに同心状に圧嵌固定し、かつタッ
   プのシャンク部を前記可動ブッシュに保持するクランプ
   ブッシュとを具え、前記固定ガイドブッシュの下方部分
   の一部には覗き窓としての切欠き部を設けたことを特徴
   とするタッピング治具。