JPH039789Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ユニツト型エアフイルターに関し、
更に詳しくは、家庭用空気清浄機や、パツケージ
型エアーコンデイシヨナー、フアンコイルユニツ
ト、あるいは、中央空調方式等に最適な、多くの
ひだを有し過面積の大きい材の容易且つ堅固
な取付けや材交換を可能とし、しかも、リーク
の生じない構造のユニツト型エアフイルターに関
する。

［従来の技術および問題点］ 従来よりユニツト型エアフイルターは定期的な
材交換を必要とし、その材交換も専門技術者
ではなく誰にでも容易且つ確実に交換できること
を必要とする。

このため、本出願人等は先に過容量の比較的
小さいものに対して好適なフイルターとして実願
昭60−109858号に示す「カセツトフイルター」や
同60−180204号に示す「Ｖバンクフイルター」を
開発し、従来のユニツト型エアフイルターの欠点
である重量構造や作業性不良等の問題を解決して
きた。

上記の出願に関するものは何れも実質的に材
の外枠を不要とすることで軽量化や作業性の改善
を達成したものであり、非常に有用なものであ
る。しかしながら、より完全な密封取付け構造を
必要としたり、あるいは、大風量でフイルターユ
ニツトの堅牢性を必要とする場合には、フランジ
と外枠とが連結されが構造が、材の耐久性や形
状保持の点から望まれる。

従来これらの材外枠とフランジとを有する構
造のフイルターユニツトは、外枠として硬質ポリ
ウレタ注型物や合板あるいは金属板の組立て物を
利用し、金属製のＵ字あるいはＬ字鋼材からなる
フランジに挿入してリベツトやボルトナツト等に
より結合されたものが利用されているが、これら
は、加工が複雑でしかもリークが発しやすいとい
う欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、フランジを有する外枠内に材が設
置された構造のユニツト型エアフイルターにおい
て、該フランジと該外枠とがフランジに設けられ
たシール材の配された嵌着溝により連結された構
造であることを特徴とするユニツト型エアフイル
ターに関する。

［作用及び実施例］ 以下本考案のユニツト型エアフイルターを図面
に基づいて説明するが、本考案はこれらの図面や
後に述べる実施例に限限定されるものではない。

第１図は本考案のユニツト型エアフイルターの
一例を示す斜視図であり、第２図はシール材とし
てホツトメルト系接着剤を、第３図はシール材と
して発泡弾性材を用いた場合のそれぞれ部分拡大
断面図を示す。

第１図において、内部にシール材を有するフラ
ンジ１と内側に材５が設置された外枠４とが嵌
着溝により連結されている。本考案のフランジ１
は、フイルターユニツトのユニツト収納部への取
付けを容易且つ確実にする作用と、ユニツト全体
の耐久性や保形性を向上せしめる作用、及び、密
封取付けを可能としてリークを防止する作用を有
する。

これらのフランジ１は軽量で、風圧で変形しな
い程度の剛性材料であれば何でも良いが、本考案
で用いるフランジはシール材２と嵌合溝３とを必
須の構成要件とするため、押し出し成型部材を利
用することが有利であり、第２図乃至第３図示す
ような断面形状の材料が得やすい熱可塑性合成樹
脂を利用することが最も有利である。

フランジ１及び嵌着溝３の形状は任意に設計で
きるが、第２図ａや第３図ｂに示すようにフラン
ジの強度を向上せしめ、且つ、接着剤の使用量を
減らしたり、外枠４を圧接したりすることのでき
る仕切６を設けた構造や、あるいは、外枠４が弾
性体である場合には、第２図ｂに示すように外枠
の厚みよりもやや小さな間隔の嵌着溝３を設けて
外枠４を強制的に押込むことのみでリークを防止
できる構造としたものも有利なものと言える。

又、本考案に利用できるフランジの最も簡単な
ものとしては、第３図ａに示すもののように単な
る平板を略四角柱に屈曲加工したものをフランジ
として利用することも可能である。これらの場合
は材の材質や形状に応じて適宜加工を行うこと
ができるため、経済性に優れたものであり、押出
し成形のものと比べてリーク防止の安定性は若干
劣るが、厳格な気密取付けを必要としない一般空
調には有用なものである。

フランジ１に内蔵されるシール材２は、フラン
ジ１と外枠４との間の空隙を塞いで気流のリーク
を防ぐとともに、フランジ１と外枠４との連結を
しつかりと固定する作用を有する。このシール材
としては、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体等
のホツトメルト系接着剤、クロルプレンエラスト
マー等の発泡弾性材料、あるいは、シリコングリ
ース等のゲル状体等が利用できるが、シール作用
と結合作用の両者の信頼性の点においてホツトメ
ルト系接着剤を利用するとが最適である。

又、外枠４が第３図に示すように屈曲すること
が容易なものであれば、気流の方向と、嵌着溝３
の角度とが直交するため、フランジ内に発泡弾性
材料６を挿入して外枠を嵌着することのみでシー
ル作用と強固な結合作用が得られため、これらも
適用可能な方法である。

次に、本考案で利用する外枠４について説明す
ると、外枠４は例えば第１図に示すようなＶバン
クフイルター等であねば、材５の襞を固定しユ
ニツトの風圧による変形等を防ぐ作用と、フイル
ターユニツト収納部への装着を容易にして、取付
けの確実性とリーク防止の補助的作用を有しす
る。

これらの外枠として従来はポリウレタン注型物
や金属あるいは合板の組立て物が利用されてきた
が、何れも高価且つ重量が大きいため好ましいも
のではなく、本考案においては、前記実願昭60−
109858号に示される不織布等の弾性材料や、発泡
板状体で厚みが２乃至10mm、見掛け密度が0.5
ｇ／cm³のものを利用することが軽量且つ作業性に
優れるので好適である。本考案はこの外枠とフラ
ンジとを嵌着する構成のため、比較的剛性の高い
発泡炭酸カルシウム板や発泡ポリスチレン板等の
発泡板状体を利用することが有利であり、特に炭
酸カルシウムをポリ塩化ビニルやフエノール樹脂
等と共に発泡せしめたた発泡炭酸カルシウム板は
軽量で剛性を有し、しかも極めて優れた難燃性を
具備するので最適のものといえる。

又、外枠の、フランジと嵌着される部分に、外
枠の表裏に連通する穴７を設けておくと、シール
材としてホツトメルト系樹脂を利用した場合にこ
れらの穴にも樹脂が充填され、良好なアンカー効
果が得られて、外枠とフランジとをより強固に結
合することができる。又、同様に外枠が屈曲可能
なものであれば嵌着される部分を折曲げて戻り止
めを設けることもフランジとの連結安定性を高め
るため有効である。

材５は、使用目的に応じて適宜選択して使用
され、特に限定されものではなく、又、材５と
外枠４との接着も例えば前記実願昭60−109858号
等に示されようにホツトメルト接着剤等を利用し
て任意に行うことができる。

以下、本考案を実施例に基づいて、更に具体的
に説明する。

〔実施例１〕 材として平均デニールが２デニールのモダク
リル繊維及びポリクラール繊維からなるウエブを
塩化ビニリデン系の接着剤で結合した、目付120
ｇ／m²、厚み1.0mmの不織布と、メルトブロー法
による繊維径が10μ以下の目付40ｇ／m²のポリオ
レフイン系不織布とを積層した２層構造の材を
利用して、第１図に示すように襞折り加工を行つ
た後、この材と、厚みが４mmで見掛け密度が
0.2ｇ／cm³の発泡炭酸カルシウム板からなる外枠
とをポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂にテルペン
系の粘着付与剤を添加した溶融温度が120℃のホ
ツトメルト樹脂より接着して、外枠の間口が25×
40cmのものを作成した。

一方、フランジとして、第２図ａに示したポリ
塩化ビニル製の押し出し成形材を用いて、上記外
枠サイズと嵌着溝とが一致するように組立てた。

尚、この外枠は肉厚が1.0mmで長辺が25mm短辺
が15mmのものであつた。

次いで、嵌着溝内に、融点が110℃で低溶融粘
度のポリエチレン−酢酸ビニルを部分鹸化したホ
ツトメルト接着剤を注入し、該樹脂が流動性を残
存している間に前記の外枠を嵌着した後、樹脂を
冷却固化して本考案によるユニツト型エアフイル
ターを得た。

得られたユニツト型エアフイルターは、外枠と
フランジとが強固に結合されており、リークの生
じる恐れも全くない高品質の製品であり、従来の
物に比べて非常に軽量で、フイルターの交換や取
付け作業性にも優れ、しかも、25m³／minという
大風量のフアンコイルユニツトに適用した場合に
も、フイルターの変形やリークの発生も皆無のも
のあつた。

〔実施例２〕 材として平均デニールが1.5デニールのポリ
エステル繊維及びポリクラール繊維からなるウエ
ブを塩化ビニリデン系の接着剤で結合した、目付
150ｇ／m²、厚み1.2mmの不織布の材を利用し
て、実施例１と同様に襞折り加工を行つた後、こ
の材と、厚みが５mmで見掛け密度が0.1ｇ／cm³
の難燃性発泡ポリスチレンシートからなる一端が
第３図に示すごとく部分加熱により屈曲成形され
た外枠とをポリエステル系の溶融温度が100℃の
ホツトメルト樹脂により接着して、外枠の間口が
25×25cmのものを作成した。

一方、フランジとして、厚み0.7mmのポリ塩化
ビニル板を第３図ａに示した形状になるようにま
ずＵ字形に屈曲加工し、形成された溝内部にクロ
ルプレン系の発泡弾性材を挿入し、次いで、この
弾性材が挿入された嵌着溝に前記の外枠の屈曲部
を嵌込みながらフランジを四角柱になるように更
に折曲げて、本考案によるユニツト型エアフイル
ターを得た。

得られたユニツト型エアフイルターは、極めて
生産性に優れ、簡単な構造でありながらリークが
全くじないもので、実施例１と同様に、従来の物
より格段に軽量であり、フイルターの交換や取付
け作業性にも優れ、しかも、大風量の個別空調用
ユニツトに適用した場合にも、フイルターの変形
のない優れた品質のものであつた。

［考案の効果］ 本考案によるユニツト型エアフイルターは、シ
ール材が内在する嵌着溝を有するフランジに外枠
を嵌込むという、極めて簡単な構成であるが、従
来のものでは得ることが出来なかつた優れたリー
ク防止作用を有し、この結果、これらのユニツト
型エアフイルターの適用が困難であつた高度の気
密性を必要とする医療産業や食品産業等への適用
が可能となり、利用分野を拡大するものである。

又、従来外枠とフランジとの結合は螺子やリベ
ツトを用いて手作業で行つていたため生産性の悪
いものであつたが、本考案では、予めフランジの
嵌着溝内に配されたシール材によりフランジと外
枠とを連結する構成のため、単に押込むのみで十
分な結合状態が得られ、生産性に優れ、且つ、品
質の安定度も高いものである。

しかも、本考案では、従来においてフランジと
の結合強度に劣るため利用することが困難であつ
た発泡弾性材を外枠として利用することができる
ため、軽量で材交換やメンテナンスに非常に優
れた製品を得ることができる。

従つて、本考案によるユニツト型エアフイルタ
ーは、フイルターとして必要な機能を全て具備
し、且つ、経済性、作業性、汎用性等において従
来のものよりも格段に優れ、しかも、極めて高品
質の理想的なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のユニツト型エアフイルターの
一例を示す斜視図であり、第２図はシール材とし
てホツトメルト系接着剤を、第３図はシール材と
して発泡弾性材を用いた場合のそれぞれ部分拡大
断面図を示す。 図中の数字は、１……フランジ、２……シール
材、３……嵌着溝、４……外枠、５……材、６
……仕切、７……穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) フランジを有する外枠内に材が設置された
   構造のユニツト型エアフイルターにおいて、該
   フランジと該外枠とがフランジに設けられたシ
   ール材の配された嵌着溝により連結された構造
   であることを特徴とするユニツト型エアフイル
   ター。 (2) シール材がホツトメルト系接着剤である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のユニツト型エ
   アフイルター (3) 外枠が厚み２ないし10mmで見掛け密度が0.5
   ｇ／cm³以下の発泡板状体である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のユニツト型エアフイルタ
   ー。 (4) 発泡板状体が、炭酸カルシウム発泡板である
   実用新案登録請求の範囲第４項記載のユニツト
   型エアフイルター。