JPH039208B2 - - Google Patents
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- JPH039208B2 JPH039208B2 JP61025718A JP2571886A JPH039208B2 JP H039208 B2 JPH039208 B2 JP H039208B2 JP 61025718 A JP61025718 A JP 61025718A JP 2571886 A JP2571886 A JP 2571886A JP H039208 B2 JPH039208 B2 JP H039208B2
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- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は炭素繊維の製造法に関し、特に繊維状
前駆体(以下、プレカーサという)を酸化性雰囲
気中で加熱して得られる酸化繊維または耐炎化繊
維糸条(以下、耐炎化繊維糸条という)のラージ
パツケージ化を可能とし、該耐炎化繊維糸条に良
好な集束性を付与して炭化工程における毛羽、糸
切れの発生を防止し、糸条解舒性、糸条走行性を
大きく向上、改良する炭素繊維の製造法に関す
る。〔従来の技術〕 従来、炭素繊維の工業的製造法として、プレカ
ーサを酸化性雰囲気中で加熱、酸化して耐炎化繊
維糸条に転換し、得られた耐炎化繊維糸条を一旦
ボビンなどに巻上げてパツケージ化し、次いでこ
の巻上げられたパツケージから耐炎化繊維糸条を
引出して炭化乃至黒鉛工程に供給し、炭化または
黒鉛化した炭素繊維を製造する方法が知られてい
る。このような炭素繊維の製造法における原料原
単位の低減のためには、プレカーサの製糸速度お
よび該プレカーサの耐炎化速度の増大に加えて耐
炎化繊維糸条の巻き取りパツケージを大型化し、
巻上げ作業に起因する工程簡素化および不良パツ
ケージの減少などが技術的な課題になる。 このような観点から特開昭55−122021号公報に
は、耐炎化繊維糸条の巻上げ時点で、この耐炎化
繊維糸条にポリエチレングリコールおよび高級ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物などを主成
分とする組成物を付与することによつて、パツケ
ージの形状および安定性を改良し、このパツケー
ジからの耐炎化繊維糸条の解舒性や糸条の走行性
を改良し得ることが記載されている。 しかしながら、プレカーサに付与されている油
剤、特に耐炎化工程などでの単繊維相互間の融
着、毛羽、糸切れなどの防止に優れた効果を奏す
るといわれている、オルガノシリコン系油剤を付
与したプレカーサ(たとえば特開昭51−116225号
および特開昭52−148227号公報など)から得られ
る耐炎化繊維糸条は、パツケージの巻上げ径の増
大と共に巻上げパツケージの形状が悪化し易く、
大量の糸量を巻上げることが困難になる。特に耐
炎化繊維糸条の構成単繊維本数が増大するにつれ
て耐炎化繊維糸条の集束性が低下し、パツケージ
端面部がふくれ出し、ついにはパツケージの形状
が保持できなくなり、巻上げ不能になるという問
題がある。 このパツケージの端面のふくらみは、ワインド
比、巻上げ糸張力、ワインダーの面圧などのワイ
ンダーの条件によつて、ある程度軽減することが
できる。しかし、このワインダーの条件のみでは
不充分であり、糸条に油剤を付与して糸条の見掛
の摩擦係数、集束状態を適性にすることが必要で
ある。 本発明者らは、このように耐炎化繊維糸条、特
に前記プレカーサ油剤として、オルガノシリコン
系油剤を使用して得られた耐炎化繊維糸条のラー
ジパツケージ化に大きな関係を有する油剤につい
て鋭意検討した結果、 (1) 耐炎化繊維糸条の間に適度な粘着性を与え、
該糸条に集束性を付与し、金属、セラミツクな
どからなるガイド、ローラ類と接触した場合に
摩擦によつて繊維が損傷を受けないこと、 (2) さらに重要なことは、耐炎化繊維糸条を高温
の不活性雰囲気中で加熱する炭化工程で炭素繊
維の特性、特に強度に悪影響を及ぼさない油剤
であること、に着目し、このような観点から鋭
意、検討を進めて本発明を見出すに至つたもの
である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記耐炎化繊維糸条のラージ
パツケージ化を可能とし、耐炎化繊維糸条に適正
な見掛の摩擦係数および集束性を与え、優れた機
械的強度を有する炭素繊維の製造を可能にするこ
とにある。他の目的は、このような糸条の解舒性
および糸条の走行性に優れたラージパツケージ化
を可能にする耐炎化繊維糸条に付与される油剤を
提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 このような本発明の目的は、酸化繊維糸条をパ
ツケージに巻上げるに先立つて、エチレンオキサ
イド付加量が5〜15の範囲量であるブタンジオー
ルのエチレンオキサイド付加物および/またはト
リメチロールプロパン・エチレンオキサイド付加
物を必須成分とする組成物を0.2〜5重量%付与
し、しかる後、炭素化ないし黒鉛工化することに
よつて達成することができる。 本発明の特徴は、前記耐炎化繊維糸条に付与す
る油剤として、エチレンオキサイド付加数が5〜
15の範囲であるブタンジオールのエチレンオキサ
イド付加物および/またはブタンジオールのトリ
メチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物
を必須成分とする油剤を耐炎化繊維糸条に付与
し、次いで炭化ないし黒鉛化することにある。 このような本発明のブタンジオールのエチレン
オキサイド付加物および/またはブタンジオール
のトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド
付加物の物性を従来の油剤の必須成分と比較して
示すと第1表の通りになる。
前駆体(以下、プレカーサという)を酸化性雰囲
気中で加熱して得られる酸化繊維または耐炎化繊
維糸条(以下、耐炎化繊維糸条という)のラージ
パツケージ化を可能とし、該耐炎化繊維糸条に良
好な集束性を付与して炭化工程における毛羽、糸
切れの発生を防止し、糸条解舒性、糸条走行性を
大きく向上、改良する炭素繊維の製造法に関す
る。〔従来の技術〕 従来、炭素繊維の工業的製造法として、プレカ
ーサを酸化性雰囲気中で加熱、酸化して耐炎化繊
維糸条に転換し、得られた耐炎化繊維糸条を一旦
ボビンなどに巻上げてパツケージ化し、次いでこ
の巻上げられたパツケージから耐炎化繊維糸条を
引出して炭化乃至黒鉛工程に供給し、炭化または
黒鉛化した炭素繊維を製造する方法が知られてい
る。このような炭素繊維の製造法における原料原
単位の低減のためには、プレカーサの製糸速度お
よび該プレカーサの耐炎化速度の増大に加えて耐
炎化繊維糸条の巻き取りパツケージを大型化し、
巻上げ作業に起因する工程簡素化および不良パツ
ケージの減少などが技術的な課題になる。 このような観点から特開昭55−122021号公報に
は、耐炎化繊維糸条の巻上げ時点で、この耐炎化
繊維糸条にポリエチレングリコールおよび高級ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物などを主成
分とする組成物を付与することによつて、パツケ
ージの形状および安定性を改良し、このパツケー
ジからの耐炎化繊維糸条の解舒性や糸条の走行性
を改良し得ることが記載されている。 しかしながら、プレカーサに付与されている油
剤、特に耐炎化工程などでの単繊維相互間の融
着、毛羽、糸切れなどの防止に優れた効果を奏す
るといわれている、オルガノシリコン系油剤を付
与したプレカーサ(たとえば特開昭51−116225号
および特開昭52−148227号公報など)から得られ
る耐炎化繊維糸条は、パツケージの巻上げ径の増
大と共に巻上げパツケージの形状が悪化し易く、
大量の糸量を巻上げることが困難になる。特に耐
炎化繊維糸条の構成単繊維本数が増大するにつれ
て耐炎化繊維糸条の集束性が低下し、パツケージ
端面部がふくれ出し、ついにはパツケージの形状
が保持できなくなり、巻上げ不能になるという問
題がある。 このパツケージの端面のふくらみは、ワインド
比、巻上げ糸張力、ワインダーの面圧などのワイ
ンダーの条件によつて、ある程度軽減することが
できる。しかし、このワインダーの条件のみでは
不充分であり、糸条に油剤を付与して糸条の見掛
の摩擦係数、集束状態を適性にすることが必要で
ある。 本発明者らは、このように耐炎化繊維糸条、特
に前記プレカーサ油剤として、オルガノシリコン
系油剤を使用して得られた耐炎化繊維糸条のラー
ジパツケージ化に大きな関係を有する油剤につい
て鋭意検討した結果、 (1) 耐炎化繊維糸条の間に適度な粘着性を与え、
該糸条に集束性を付与し、金属、セラミツクな
どからなるガイド、ローラ類と接触した場合に
摩擦によつて繊維が損傷を受けないこと、 (2) さらに重要なことは、耐炎化繊維糸条を高温
の不活性雰囲気中で加熱する炭化工程で炭素繊
維の特性、特に強度に悪影響を及ぼさない油剤
であること、に着目し、このような観点から鋭
意、検討を進めて本発明を見出すに至つたもの
である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、上記耐炎化繊維糸条のラージ
パツケージ化を可能とし、耐炎化繊維糸条に適正
な見掛の摩擦係数および集束性を与え、優れた機
械的強度を有する炭素繊維の製造を可能にするこ
とにある。他の目的は、このような糸条の解舒性
および糸条の走行性に優れたラージパツケージ化
を可能にする耐炎化繊維糸条に付与される油剤を
提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 このような本発明の目的は、酸化繊維糸条をパ
ツケージに巻上げるに先立つて、エチレンオキサ
イド付加量が5〜15の範囲量であるブタンジオー
ルのエチレンオキサイド付加物および/またはト
リメチロールプロパン・エチレンオキサイド付加
物を必須成分とする組成物を0.2〜5重量%付与
し、しかる後、炭素化ないし黒鉛工化することに
よつて達成することができる。 本発明の特徴は、前記耐炎化繊維糸条に付与す
る油剤として、エチレンオキサイド付加数が5〜
15の範囲であるブタンジオールのエチレンオキサ
イド付加物および/またはブタンジオールのトリ
メチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物
を必須成分とする油剤を耐炎化繊維糸条に付与
し、次いで炭化ないし黒鉛化することにある。 このような本発明のブタンジオールのエチレン
オキサイド付加物および/またはブタンジオール
のトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド
付加物の物性を従来の油剤の必須成分と比較して
示すと第1表の通りになる。
【表】
本発明の目的とする耐炎化繊維糸条のラージパ
ツケージ化のためには、耐炎化繊維糸条を良好な
形状に保持して巻上げるべきことは勿論、極力少
量の油剤付与量で耐炎化繊維糸条を集束すること
が炭素繊維の製造費用の低減の上で重要である
が、本発明の油剤は極く少量の付着量で耐炎化繊
維糸条相互間に適度の粘着力を与えるこができ
る。そして、油剤の付与方法として、タツチロー
ル法を適用した場合は、油剤の付着量を同一にす
るために、タツチロールの回転数を低速とする必
要があるが、低速回転になると、繊維糸条の長手
方向に油剤の付着ムラが発生し、糸条の集束性の
バラツキを生じ、結果としてパツケージ巻上げ形
態の不良をもたらすが、本発明の油剤にはこのよ
うな欠点がない。 また、上記耐炎化繊維糸条に対する油剤付着量
は、炭素繊維の機械的強度の向上に密接な関係を
有しており、油剤付着量の増大は炭素繊維の強度
低下を大きくするが、本発明は油剤付着量を少な
くすることができ、かつ第1表に示したように加
熱残渣量が少ないから油剤に起因する強度の低下
を抑制することができる。 さらに工業的に、耐炎化繊維糸条をパツケージ
巻上げる場合に、巻上げは所謂オープン糸条であ
ることが、作業性、操業性の上で有利であるが、
このようなオープン糸条に油剤を付与するに際し
ては、油剤の発揮性が低いことが望ましい。すな
わち、耐炎化炉から出た直後の糸条は、比較的高
温の状態にあり、油剤付与の後も耐炎化繊維糸条
の熱量で油剤の揮発が促進され、油剤付与時やワ
インダー周辺の油剤揮発分が拡散し、作業環境を
悪化させる。このため、油剤付与時やワインダー
周辺の給排気を強化して作業環境の悪化を防止す
る必要があるが、給排気の強化は走行繊維糸条の
周辺の空気流を乱し、結果として耐炎化繊維糸条
を乱れさせ、巻上げパツケージの形状不良をもた
らすのである。しかるに本発明の油剤では、第1
表に示すような揮発性が低いため、このような問
題がない。 このような本発明の油剤の優れた効果の相乗的
作用が、本発明方法における耐炎化繊維糸条のラ
ージパツケージ化に大きく寄与するのである。 第1〜3図は、本発明のラージパツケージ化の
効果を説明する図であり、第1図はパツケージ形
態の良否の一尺度を示すK値を説明するためのパ
ツケージPの断面図、第2図はK値と耐炎化繊維
糸条のパツケージにおける巻上げ高さHとの関係
を示すグラフ、第3図AおよびBはそれぞれパツ
ケージPの端面のむくらみによる巻上げ不良の一
例を示すパツケージの断面図および側面図であ
る。 耐炎化繊維糸条のラージパツケージ化のために
は、パツケージPの巻上げ高さHができる限り大
きいことが望ましいが、高性能炭素繊維の製造に
有利とされている前記オルガノシリコン系油剤を
使用する場合は、従来の耐炎化繊維糸条に対して
施されていた油剤、たとえばポリエチレングリコ
ール系油剤では多量に付与させる必要がある。具
体的には、このオルガノシリコン系油剤を付与し
たプレカーサから得られた耐炎化繊維糸条の巻上
げ高さHを少なくとも15cmになるようにするため
には、ポリエチレングリコール系油剤の場合、約
17重量%の付着量を必要とする。 第1図においてAはパツケージPの一方の端部
のふくらみ幅を示し、Bは他方の端部のふくらみ
幅を示す。 K値は巻上げ高さHが15cmの時の値で、次式に
よつて定義される値で示され、この値が小さいほ
どパツケージの巻上げ形態は良好である。 K値=(A+B)/2H 第2図は、このK値とHとの関係を示すグラフ
であり、第2図からHが高くなるにつれて、K値
は急激に大きくなり、ついにはパツケージ崩れを
生じて巻上げ不能になる。換言すれば、Hが小さ
いときは、K値も小さいが、Hが大きくなると値
も大きくなり、Hの増大に対するK値の増大、す
なわちその勾配は急激に大きくなることが判る。
通常、HとKとの関係は、H=15cmの場合にK値
は0.15以下が好ましい。これよりも大きくなる
と、例えば第3図AおよびBに示すように、Bが
2.25cm程度になり、パツケージ端面のふくらみの
先端の糸条Yが巻上げ本体からはみ出して浮遊状
態になる。この巻上げパツケージから耐炎化繊維
糸条を取出し炭化工程に供給すれば、パツケージ
からの糸条の解舒性が著しく不良となり、C部分
まで糸条が解舒されたときに、そのC部分から糸
条Yが崩れ落ち、解舒不能になつてしまうのであ
る。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき本発明の効果を具体的に
説明する。 実施例1〜2、比較例1〜5 アクリロニトリル(以下、ANと略す)98%か
らなるアクリロニトリル系重合体からなる単繊維
本数が、3,000本の繊維にジメチルポリシロキ
サンを必須成分とする油剤を2重量%付与したプ
レカーサを表面温度が200〜350℃の範囲に保たれ
た複数の加熱ロール表面に150m/分の速度で供
給し、該加熱ロール表面で加熱し、耐炎化繊維糸
条を作成した。 得られた耐炎化繊維糸条に第2表に示す各種油
剤を付与し、ワインダーでパツケージ形態に巻上
げた。その第2表に巻上げ高さHとパツケージ形
態の関係を示した。
ツケージ化のためには、耐炎化繊維糸条を良好な
形状に保持して巻上げるべきことは勿論、極力少
量の油剤付与量で耐炎化繊維糸条を集束すること
が炭素繊維の製造費用の低減の上で重要である
が、本発明の油剤は極く少量の付着量で耐炎化繊
維糸条相互間に適度の粘着力を与えるこができ
る。そして、油剤の付与方法として、タツチロー
ル法を適用した場合は、油剤の付着量を同一にす
るために、タツチロールの回転数を低速とする必
要があるが、低速回転になると、繊維糸条の長手
方向に油剤の付着ムラが発生し、糸条の集束性の
バラツキを生じ、結果としてパツケージ巻上げ形
態の不良をもたらすが、本発明の油剤にはこのよ
うな欠点がない。 また、上記耐炎化繊維糸条に対する油剤付着量
は、炭素繊維の機械的強度の向上に密接な関係を
有しており、油剤付着量の増大は炭素繊維の強度
低下を大きくするが、本発明は油剤付着量を少な
くすることができ、かつ第1表に示したように加
熱残渣量が少ないから油剤に起因する強度の低下
を抑制することができる。 さらに工業的に、耐炎化繊維糸条をパツケージ
巻上げる場合に、巻上げは所謂オープン糸条であ
ることが、作業性、操業性の上で有利であるが、
このようなオープン糸条に油剤を付与するに際し
ては、油剤の発揮性が低いことが望ましい。すな
わち、耐炎化炉から出た直後の糸条は、比較的高
温の状態にあり、油剤付与の後も耐炎化繊維糸条
の熱量で油剤の揮発が促進され、油剤付与時やワ
インダー周辺の油剤揮発分が拡散し、作業環境を
悪化させる。このため、油剤付与時やワインダー
周辺の給排気を強化して作業環境の悪化を防止す
る必要があるが、給排気の強化は走行繊維糸条の
周辺の空気流を乱し、結果として耐炎化繊維糸条
を乱れさせ、巻上げパツケージの形状不良をもた
らすのである。しかるに本発明の油剤では、第1
表に示すような揮発性が低いため、このような問
題がない。 このような本発明の油剤の優れた効果の相乗的
作用が、本発明方法における耐炎化繊維糸条のラ
ージパツケージ化に大きく寄与するのである。 第1〜3図は、本発明のラージパツケージ化の
効果を説明する図であり、第1図はパツケージ形
態の良否の一尺度を示すK値を説明するためのパ
ツケージPの断面図、第2図はK値と耐炎化繊維
糸条のパツケージにおける巻上げ高さHとの関係
を示すグラフ、第3図AおよびBはそれぞれパツ
ケージPの端面のむくらみによる巻上げ不良の一
例を示すパツケージの断面図および側面図であ
る。 耐炎化繊維糸条のラージパツケージ化のために
は、パツケージPの巻上げ高さHができる限り大
きいことが望ましいが、高性能炭素繊維の製造に
有利とされている前記オルガノシリコン系油剤を
使用する場合は、従来の耐炎化繊維糸条に対して
施されていた油剤、たとえばポリエチレングリコ
ール系油剤では多量に付与させる必要がある。具
体的には、このオルガノシリコン系油剤を付与し
たプレカーサから得られた耐炎化繊維糸条の巻上
げ高さHを少なくとも15cmになるようにするため
には、ポリエチレングリコール系油剤の場合、約
17重量%の付着量を必要とする。 第1図においてAはパツケージPの一方の端部
のふくらみ幅を示し、Bは他方の端部のふくらみ
幅を示す。 K値は巻上げ高さHが15cmの時の値で、次式に
よつて定義される値で示され、この値が小さいほ
どパツケージの巻上げ形態は良好である。 K値=(A+B)/2H 第2図は、このK値とHとの関係を示すグラフ
であり、第2図からHが高くなるにつれて、K値
は急激に大きくなり、ついにはパツケージ崩れを
生じて巻上げ不能になる。換言すれば、Hが小さ
いときは、K値も小さいが、Hが大きくなると値
も大きくなり、Hの増大に対するK値の増大、す
なわちその勾配は急激に大きくなることが判る。
通常、HとKとの関係は、H=15cmの場合にK値
は0.15以下が好ましい。これよりも大きくなる
と、例えば第3図AおよびBに示すように、Bが
2.25cm程度になり、パツケージ端面のふくらみの
先端の糸条Yが巻上げ本体からはみ出して浮遊状
態になる。この巻上げパツケージから耐炎化繊維
糸条を取出し炭化工程に供給すれば、パツケージ
からの糸条の解舒性が著しく不良となり、C部分
まで糸条が解舒されたときに、そのC部分から糸
条Yが崩れ落ち、解舒不能になつてしまうのであ
る。 〔実施例〕 以下、実施例に基づき本発明の効果を具体的に
説明する。 実施例1〜2、比較例1〜5 アクリロニトリル(以下、ANと略す)98%か
らなるアクリロニトリル系重合体からなる単繊維
本数が、3,000本の繊維にジメチルポリシロキ
サンを必須成分とする油剤を2重量%付与したプ
レカーサを表面温度が200〜350℃の範囲に保たれ
た複数の加熱ロール表面に150m/分の速度で供
給し、該加熱ロール表面で加熱し、耐炎化繊維糸
条を作成した。 得られた耐炎化繊維糸条に第2表に示す各種油
剤を付与し、ワインダーでパツケージ形態に巻上
げた。その第2表に巻上げ高さHとパツケージ形
態の関係を示した。
【表】
【表】
実施例3〜4、比較例6〜7
AN98%のアクリロニトリル系重合体からなる
単繊維本数が、3,000本の繊維に、ジメチルポ
リシロキサンを必須成分とする油剤を2重量%付
与したプレカーサを、表面温度が200〜350℃の範
囲に保たれた複数の加熱ロール表面に150m/分
の速度で供給し、その加熱ロール表面で加熱し、
耐炎化繊維糸条を作成した。 得られた耐炎化繊維糸条に第3表に示す種類お
よび付着量の油剤を付与し、それぞれ別々にワイ
ンダーでパツケージ形態にボビンに巻上げ、高さ
H=15cmに巻上げた。同第3表に巻上げパツケー
ジのK値および耐炎化繊維糸条の糸切れ個数を示
す。 これらの巻上げパツケージボビンから耐炎化繊
維糸条を引出し、それを温度が1300℃の窒素雰囲
気中で加熱炭化して炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の物性を同じく第3表に示した。
単繊維本数が、3,000本の繊維に、ジメチルポ
リシロキサンを必須成分とする油剤を2重量%付
与したプレカーサを、表面温度が200〜350℃の範
囲に保たれた複数の加熱ロール表面に150m/分
の速度で供給し、その加熱ロール表面で加熱し、
耐炎化繊維糸条を作成した。 得られた耐炎化繊維糸条に第3表に示す種類お
よび付着量の油剤を付与し、それぞれ別々にワイ
ンダーでパツケージ形態にボビンに巻上げ、高さ
H=15cmに巻上げた。同第3表に巻上げパツケー
ジのK値および耐炎化繊維糸条の糸切れ個数を示
す。 これらの巻上げパツケージボビンから耐炎化繊
維糸条を引出し、それを温度が1300℃の窒素雰囲
気中で加熱炭化して炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の物性を同じく第3表に示した。
【表】
第1図はパツケージ形態の良否の一尺度を示す
K値を説明するためのパツケージの断面図、第2
図はK値と耐炎化繊維糸条のパツケージにおける
巻上げ高さHとの関係を示すグラフ図、第3図A
およびBはそれぞれパツケージ端面のふくらみに
よる巻上げ不良の一例を示すパツケージの断面図
および側面図である。
K値を説明するためのパツケージの断面図、第2
図はK値と耐炎化繊維糸条のパツケージにおける
巻上げ高さHとの関係を示すグラフ図、第3図A
およびBはそれぞれパツケージ端面のふくらみに
よる巻上げ不良の一例を示すパツケージの断面図
および側面図である。
Claims (1)
- 1 酸化繊維糸条をパツケージに巻上げるに先立
つて、エチレンオキサイド付加量が5〜15の範囲
量であるブタンジオールのエチレンオキサイド付
加物および/またはトリメチロールプロパン・エ
チレンオキサイド付加物を必須成分とする組成物
を0.2〜5重量%付与し、しかる後、炭素化ない
し黒鉛化することを特徴とする炭素繊維の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2571886A JPS62184121A (ja) | 1986-02-10 | 1986-02-10 | 炭素繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2571886A JPS62184121A (ja) | 1986-02-10 | 1986-02-10 | 炭素繊維の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62184121A JPS62184121A (ja) | 1987-08-12 |
JPH039208B2 true JPH039208B2 (ja) | 1991-02-07 |
Family
ID=12173571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2571886A Granted JPS62184121A (ja) | 1986-02-10 | 1986-02-10 | 炭素繊維の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62184121A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5560539A (en) * | 1978-10-27 | 1980-05-07 | Bridgestone Corp | Improved rubber composition for tread |
JPS5586827A (en) * | 1978-12-26 | 1980-07-01 | Bridgestone Corp | Improved rubber composition for tread |
JPS56110753A (en) * | 1980-02-08 | 1981-09-02 | Bridgestone Corp | Rubber composition for tire |
-
1986
- 1986-02-10 JP JP2571886A patent/JPS62184121A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5560539A (en) * | 1978-10-27 | 1980-05-07 | Bridgestone Corp | Improved rubber composition for tread |
JPS5586827A (en) * | 1978-12-26 | 1980-07-01 | Bridgestone Corp | Improved rubber composition for tread |
JPS56110753A (en) * | 1980-02-08 | 1981-09-02 | Bridgestone Corp | Rubber composition for tire |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62184121A (ja) | 1987-08-12 |
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