JPH039202B2 - - Google Patents

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JPH039202B2
JPH039202B2 JP63195375A JP19537588A JPH039202B2 JP H039202 B2 JPH039202 B2 JP H039202B2 JP 63195375 A JP63195375 A JP 63195375A JP 19537588 A JP19537588 A JP 19537588A JP H039202 B2 JPH039202 B2 JP H039202B2
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JP
Japan
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fiber
carbide
fabric
melt
heat
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Shunsaku Oji
Masanori Fujimoto
Tsunekatsu Furuta
Katsuhiro Inoe
Kenichi Kamemaru
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DESANTO KK
YUNICHIKA KK
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DESANTO KK
YUNICHIKA KK
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  • Multicomponent Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、保温性が要求される防寒衣料やスポ
ーツ、レジヤー用衣料あるいはカーテンなどのイ
ンテリア用品、テントなどのレジヤー用品などと
して有用な太陽光選択吸収性保温繊維に関するも
のである。 従来の技術 従来から、冬期に屋外で行なわれるスキー、ス
ケート、登山、釣などのスポーツ、レジヤー用衣
料、防寒衣料、あるいはテントなどの室外レジヤ
ー用品、カーテンなどのインテリア用品などには
保温性を付与する目的から種々の処置が施されて
いる。たとえば、表地と裏地の間に中綿を入れた
三層構造を形成し、中綿の空気層の厚みによつて
保温性を得てきた。このような三層構造の布帛は
特に動き易さを要求するスポーツ衣料では、重く
かさばり自由な動きが阻害されるという欠点を有
していた。近年は、アルミニウムやチタンなどの
金属を蒸着した布帛を裏地として用いることによ
り、体からの熱を裏地の表面で反射させ、衣服の
外に逃げる熱を減少させる保温効果を利用するこ
とにより、用いる中綿の量を少なくしたり、ある
いは全く用いないようにし、さらにまた金属、誘
電体物質、半導体物質などによる多層膜を布帛表
面に形成することにより、太陽熱を効率的に吸収
しかつ光線の反射を防止するような処置が行なわ
れている。 発明が解決しようとする課題 しかし、上記のような保温効果のある蒸着裏地
では、アルミニウムやチタンなどの金属を布帛表
面に蒸着加工しているので、蒸着加工にともなう
コストアツプや、蒸着加工前の準備工程における
布帛の微妙な取扱いによる蒸着班の発生などの問
題がある。また金属、誘電体物質、半導体物質な
どによる多2膜の形成は、通常太陽熱吸収材とな
る物質の微粉末をたとえばポリウレタン、ポリア
クリル酸エステルその他適宜な樹脂系バインダー
に混合して均一に分散させ、この分散混合物を布
帛表面に塗布あるいは印捺することにより行なわ
れている。しかし多層膜系の被膜形成は塗布ある
いは印捺を反復しなければならないため、工程が
複雑化するうえに、形成被膜と布帛表面との接合
密着度合の関係から往々にして屈伸をともなう部
位から界面剥離を生じるという問題がある。 本発明は上記の問題を解決するもので、蒸着加
工や被膜形成のような後加工方法を用いずに良好
な保温性を有する太陽光選択吸収性保温繊維を提
供しようとするものである。 課題を解決するための手段 本発明は、衣服原料となる繊維そのものに高性
能の太陽光選択吸収特性を付与することによつて
従来技術の問題点を解消したものである。 すな
わち本発明により提供される太陽光選択吸収性保
温繊維は、周期律表第族に属する遷移金属の炭
化物粉末またはこれとアルミニウムの混合粉末と
熱可塑性合成線状重合体との混練組成物を溶融紡
糸するか、前記混練組成物と熱可塑性合成線状重
合体を溶融複合紡糸して得られる繊維物質、およ
び周期律表第族に属する遷移金属の炭化物粉末
をレーヨン、アセテートなどの繊維素系化学繊維
の紡糸原液に混合し、紡糸して得られる繊維物質
である。 太陽放射スペクトルは0.5μmの波長近辺にピー
クが存在し、0.3〜2.0μmの間に全エネルギーの95
%以上を含んでいる。このため、太陽光を選択的
に吸収させる物質としては、0.3〜2.0μmの波長域
で吸収が大きく、吸収された光が転換された後の
2.0μm以上の赤外域では熱の放射率が小さい(反
射率が大きい)ことが材質上の必要条件となる。 本発明で適用する周期律表第族に属する遷移
金属の炭化物、TiC,ZrC,HfCなどは上記の材
質条件を満足するが、これら物質のうちZrCが最
も効率的な選択吸収性を有するため有効に用いら
れる。TiC,ZrC,HfC等の炭化物は単独の粉末
またはこれにアルミニウムを加えた混合粉末とし
て使用に供される。粉末の状態は可及的に細かい
ことが良く、粉径15μm以下の微粉末として用い
ることが望ましい。特に、1μm以下の粉径の微粉
末を用いるのが好ましい。粒子が大きすぎると、
後述する繊維に含有させる場合、製糸工程での濾
材の目詰まりや、糸切れなどによる可紡糸の低下
などの問題が生じ、たとえ紡糸できても延伸工程
での糸切れ発生の問題がある。また炭化物とアル
ミニウムの配合比率は1:0.3〜1.0の範囲に設定
される。 熱可塑性合成線状重合体としては、アクリルあ
るいはナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタノール、ポリブチレン
テレフタレートなどのポリエステルおよびポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン等
から選択されるが、特にナイロン6,66のよう
なポリアミド、ポリエチレンテレフタレートのよ
うなポリエステルが有効に用いられる。 また繊維素繊維としてはレーヨン、アセテート
などのいわゆる人造繊維が有効に用いられる。
TiC,ZrC,HfC粉末またはこれとAの混合粉
末と熱可塑性合成線状重合体との混練組成物は、
溶融状態にある重合体に粉末を添加混合する通常
の方法で形成することができる。この場合、重合
体成分に対する炭化物粉末またはこれとA混合
粉末の添加率は、0.1重量%以上20重量%以下、
好さしくは0.3重量%以上10重量%以下が適当で
ある。 特にZrCの場合には0.3重量%以上、好ましくは
0.5重量%以上7.0重量%以下で画期的な効果が認
められ、実質的に5重量%以下でも極めてすぐれ
た効果を奏しこれは驚くべきことである。前記
TiC,ZrC,HfC粉末またはこれとAの混合粉
末の添加率が0.1重量%を、下廻ると太陽光吸収
性能を十分に付与することができず、また20重量
%を越える配合状態とすると重合体の流動性が低
下し、紡糸性が悪化すると同時に強度劣化をもも
たらす。 混練組成物はそのまま常法により溶融紡糸する
か、前述したポリアミド、ポリエステルなどの熱
可塑性合成線状重合体と溶融複合紡糸する。溶融
紡糸法には、通常のスクリユー型またはプレツシ
ヤーメルト型の押出紡糸装置を用いることができ
るが、複合紡糸する場合には太陽光吸収成分を含
む混練組成物を芯、熱可塑性合成線状重合体を鞘
とする芯鞘構造となるように行なう。 また人造繊維中に上記TiC,ZrC,HfCなどの
炭化物を含有させる方法としては前記人造繊維の
原料中に直接混合して紡糸する方法、あらかじめ
原料の一部を用いて高濃度に含有させたマスター
バツチを製造し、これを紡糸時に所定の濃度に希
釈調整してから紡糸する方法で行なう。 このようにして紡糸したフイラメントは単独あ
るいは他の繊維と混用して編織され目的とする用
途商品に加工される。他繊維と混用する場合は、
混織、合糸、合撚、交織、交編その他のあらゆる
手段を用いることができる。 繊維中に前記周期律第4族に属する遷移金属の
炭化物(以下、炭化物という。)微粒子を含有さ
せた態様を、繊維の断面図によつて説明する。 第1図は繊維1の全体に炭化物微粒子を均一に
含有させた状態を示し、第2図〜第8図は繊維の
特定部分だけに炭化物微粒子を均一に含有させた
状態を示している。第2図〜第8図において、第
2図、第3図はいずれも芯鞘構造のもので、第2
図は芯部2、鞘部3のうち芯部2に、第3図は鞘
部4、芯部5のうちの鞘部4にそれぞれ炭化物微
粒子を均一に含有した状態を示し、第4図は含有
しない繊維本体6の表面の3箇所の部分7a,7
b,7cに含有させた状態を示し、第5図は16分
割の分割構造であり、含有した部分8と含有しな
い部分9とを交互に配置した状態を示し、第6図
は同心3層構造で、含有した中層部10と含有し
ない中心部11aおよび外層部11bからなる状
態を示し、第7図はサイイドバイサイド3層構造
であり、含有した中央部12と含有しない両側部
13a,13bからなる状態を示し、第8図は海
島構造で、含有した島部14が含有しない海部1
5の中に複数箇所点在した状態を示している。 上記の断面構造の繊維のうち、第1図に示す繊
維はその断面の全体に均一に炭化物微粒子を含有
しているので、ある程度強力的に低い水準の繊維
となるのは止むを得ないが、この点第2図〜第8
図に示す繊維はそれぞれ炭化物微粒子を含有して
いない部分3,5,6,9,11a,11b,1
3a,13b,15を有しているので、その程度
に応じて炭化物微粒子を含有するとによる強度低
下が軽減されるという利点を有している。また第
2図、第6図、第8図に示す繊維は、炭化物微粒
子を含有している芯部2、中層部10、島部14
がそれぞれ繊維の内部にあつて表面に露出してい
ないので、繊維の製造時や織編物の製造時に繊維
中の炭化物微粒子が紡糸機や織機、編機のローラ
やガイドなどを摩擦によつて損傷したりすること
がないという利点を有している。また第4図、第
5図、第7図に示す繊維は、炭化物微粒子を含有
している部分の7a,7b,7c,8,12がそ
れぞれ繊維の表面に露出しているとはいえ、露出
の程度が第1図に示す繊維より少ないので、の程
度に応じて上記の摩擦損傷の問題も低減する。こ
れら第2図〜第8図に示す繊維では、炭化物微粒
子を含有している部分と、含有していない部分が
異種の繊維原料であつても差し支えない。 なお繊維中へ炭化物微粒子を含有させる態様
は、第1図〜第8図に示すほか種々のものがあ
る。 本発明の遠赤外線反射能力を有する炭化物微粒
子を含有した保温性を有する繊維は、ふとんの中
綿やキルテイング、寝袋、足温器の中綿などに用
いるが、またこの繊維は織物、、編物、不織布な
どの布帛として、広汎な用途に用いる。なおこの
繊維は同様に炭化物微粒子を含有する異種の繊維
あるいは他の通常の繊維などと混繊、混紡、交
撚、交繊、交編などにより混用することもでき
る。また布帛は必要に応じて染色、樹脂加工など
の種々の加工処理を施して各種の用途に供する。
得られた布帛はすぐれた保温性を有しているの
で、保温性が要求されるスキージヤケツト、スキ
ー用ワンピース、スキーパンツなどのスキーウエ
ア(表地、裏地のいずれにも使用可能)をはじ
め、スウエツトウエア、スウエツトシヤツ、シヤ
ツ、タイツ、ウインドブレーカ、トレーニングウ
エア、アンダーウエア、水着、ウエツトスーツ、
ウエツトスーツの内張りなどのスポーツ衣料、登
山、フイツシング、ハンテイングなどのアウトド
アスポーツ用防寒衣料(表地、裏地のいずれにも
使用可能)、ウインタースポーツ用シユーズのラ
イニング、中敷、帽子や手袋の表地、裏地などの
スポーツ用グツズ、、日常使用する防寒衣、作業
着、冷え防止肌着、腹巻、ソツクスなどの一般衣
料品、靴・ブーツ・手袋などの内張り用材、毛
布、電気毛布、シーツ・マツトレス、敷ぶとんな
どの寝装具、カーテン、カーペツト、ホツトカー
ペツト用生地、こたつ掛け、こたつ敷、膝掛け、
座ぶとんなどのインテリア製品、テント、寝袋、
農業用保温材、保温用カバー材、手袋合皮基布な
どの各種各様の用途に用いることができる。 作 用 TiC,ZrC,HfCあるいはこれとAの混合成
分は、約0.6ev以上の光エネルギーを吸収し、そ
れより低エネルギーの光は反射する性質があり、
これは波長0.3〜2.0μmの太陽エネルギーを選択吸
収するために有効作用する。したがつて、このよ
うな優れた太陽光吸収成分を組織内部に含有する
繊維は、編織することにより全体として太陽エネ
ルギーの効率的な吸収と放射損失を防ぐ機能を持
つ布生地となり良好な保温性を示す。 実施例 1 粒径10μm以下のZrC粉末を融解したナイロン
6に2重量%の添加率で配合し、十分混練して均
一に分散した混練組成物を調整した。この混練組
成物をスクリユー型溶融紡糸機により70Dのフイ
ラメントとして吐出した。紡糸の段階でで糸切れ
などの問題は発生せず、製糸性も良好であつた。 上記の太陽光選択吸収性保温繊維を原糸として
平織のタフタに製織した。このようにして得た生
地試料と太陽光吸収性能を付与しないナイロン生
地(ブランク材)を対象に保温特性を測定した。
結果を第1表に表した。なお、特性項目のうち消
費熱量および熱伝導率はサーモラボ試験機を用
い、透湿性はJISL−1099のカツプ法によつた。
【表】 また、上記の生地試料とブランク材につき、
1.5mの距離をおいて500Wの写真用照明ランプで
照射し、約3分後にサーモビユアカメラにより布
面の熱分布状態を撮影した。第9図はそのサーモ
パターンを示したもので、第9図は生地試料、
第9図はブランク材のものである。 保温特性とサーモパターンの結果から、本発明
の太陽光選択吸収保温繊維により製織した生地試
料はブランク材に比べて高い熱伝導と光を熱に転
換する性能を有することが認められる。 実施例 2 粒径3μm以下のZrC粉末5部に粒径1μm以下の
A粉末3部を配合して混合粉末をつくり、この
混合粉末をナイロン6に5重量%の添加率で混合
し、二軸押出機により溶融混練したのち水中に押
出してペレツトとした。このペレツト状混練組成
物とナイロン66を用い通常の複合紡糸法により
混練組成物を芯、ナイロン66を鞘とする芯鞘構
造の複合フイラメントを製造した。 得られた太陽光選択吸収性の複合フイラメント
を原糸として実施例1と同様に平織しタフタを製
織した。 上記の生地試料とナイロン6のみで製織したブ
ランク材につき、実施例1と同様にしてサーモビ
ユアカメラにより熱分布のパターンを測定して第
10図に示した。第10図のは本発明繊維によ
る生地試料、はブランク材の各サーモパターン
である。 実施例 3 粒径0.7μmの炭化ジルコニウム(ZrC)微粒子
を20重量部と固有粘度1.15のナイロン6を80重量
部の割合で均一に溶融混合して炭化物混合組成物
を調整した。この炭化物混合組成物と固有粘度
1.15のナイロン6を重量比15:85の割合で均一に
溶融混合して紡糸し、冷却固化後4000m/minの
速度で捲取つて70デニール/24フイラメントのマ
ルチフイラメント糸を得た。紡糸、捲取りの工程
中において糸切れ、巻付きなどの問題は発生しな
かつた。得られたマルチフイラメント糸を経糸、
緯糸の双方に用いて製織し、経糸密度116本/イ
ンチ、緯糸密度78本/インチの平織物を得た。 本実施例と比較のため、下記比較例1の試料を
作製した。 比較例 1 上記実施例3において用いたのと同様のナイロ
ン6を用い、炭化ジルコニウムを混入しないほか
は実施例3と同一の方法、条件で紡糸し、製織し
て、ナイロン6マルチフイラメント70デニール/
24フイラメント使いの同一規格の平織物を得た。 上記の実施例3および比較例1の平織物の保温
性を測定し、その結果を合わせて第2表に示し
た。
【表】 第2表から明らかなように、実施例3の織物は
比較例1の織物に比べ光源のエネルギーをよく吸
収して逃がさず、生地の表面温度が上昇し、高い
光吸収性能を有し、良好な保温性を示した。 実施例 4 粒径0.7μm炭化ジルコニウム微粒子4重量部と
固有粘度0.8のポリエチレンテレフタレート96重
量部を均一に溶融混合し、炭化物混合組成物を調
整した。この炭化物混合組成物と固有粘度0.8の
ポリエチレンテレフタレートを重量比50:50の割
合で、300℃にて前者が芯部となる第2図に示す
ような同心円型芯鞘構造の複合フイラメトを溶融
紡糸し、冷却固化後1000m/minの速度で捲取
り、延伸して芯鞘型の炭化物含有マルチフイラメ
ント糸50デニール/24フイラメントを得た。 前記マルチフイラメント糸をフロント糸に用
い、セラミツクを含有していない通常のポリエチ
レンテレフタレートマルチフイラメント糸50デニ
ール/36フイラメントをバツク糸に用いてコース
数50本/インチ、ウエール数33本/インチのトリ
コツトハーフを編立てた。 本実施例4と比較のため下記比較例2の試料を
作製した。 比較例 2 上記の実施例4において用いたのと同様のポリ
エチレンテレフタレートを用いて炭化ジルコニウ
ムを添加することなく単独で実施例4と同様の方
法、条件で溶融紡糸、捲取り、延伸して、ポリエ
チレンテレフタレートマルチフイラメント糸50デ
ニール/24フイラメントを得た。このマルチフイ
ラメント糸をフロント糸に用いて実施例4と同様
に編成して同一規格のトリコツトハーフを得た。 上記の実施例4および比較例2のトリコツトハ
ーフについて保温性を測定し、その結果を合わせ
て第3表に示した。
【表】 第3表に示す結果から明らかなよう実施例4の
布帛は光源のエネルギーをよく吸収して逃がさ
ず、生地の表面温度が上昇し、良好な保温性を示
した。 実施例 5 粒径0.9μmの炭化チタン微粒子4重量部と固有
粘度0.8のポリエチレンテレフタレート96重量部
を均一に溶融混合し、炭化物混合組成物を得た。
この炭化物混合組成物と固有粘度0.8のポリエチ
レンテレフタレートを重量比30:70の割合で300
℃にて前者が芯部となる第2図に示すような同心
円型芯鞘構造の複合フイラメントを溶融紡糸し、
冷却固化後1000m/minの速度で捲取り、延伸し
て芯鞘型の炭化物含有マルチフイラメント糸150
デニール/48フイラメントを得た。 前記マルチフイラメント糸150デニール/48フ
イラメントを仮撚加工機LS−6型(三菱重工業
(株)製)にて、仮撚数2370T/M、第1ヒータ温度
200℃、第2ヒータ温度180℃、第1オーバーフイ
ード率0%、第2オーバーフイード率15%の条件
で仮撚加工を行ない、得られた炭化物含有仮撚加
工糸を裏針抜きのリバーシブル編地の裏組織に用
い、表組織には別に用意した光沢のある通常の三
角断面ポリエステル仮撚嵩高加工糸150デニー
ル/36フイラメントを用いて、豊田自動織機(株)製
のKJ−36型丸編機(30インチ×22G)にて裏針
抜きのリバーシブル編地を編成した。 本実施例5と比較のため下記比較例3の試料を
作製した。 比較例 3 上記の実施例5におて用いたのと同様のポリエ
チレンテレフタレートを用いて炭化チタンを添加
することなく単独で実施例5と同様の方法、条件
で溶融紡糸、捲取り、延伸してポリエチレンテレ
フタレートマルチフイラメント糸150デニール/
48フイラメントを得た。このマルチフイラメント
糸を用い実施例5と同様の方法によりポリエチレ
ンテレフタレート繊維使いの同一規格のリバーシ
ブル編地を得た。 上記の実施例5と比較例3のリバーシブル編地
の保温性を測定し、その結果を合わせて第4表に
示した。
【表】 第4表に示す結果から明らかなように、実施例
5の布帛は光源のエネルギーを吸収して逃がさ
ず、生地の表面温度が上昇し、良好な保温性を示
した。 発明の効果 本発明によれば、太陽光を効率的に選択吸収す
るとともに熱放射の小さい物質が組織中に均一に
介在した繊維が提供されるから、衣服にした際の
性状は皮膜形成による従来技術にみられる界面剥
離のような現象は全く発生せず、常に安定した太
陽光選択吸収性能を保持することができる。 また本発明の太陽光選択吸性収保温繊維におい
ては、炭化ジルコニウムのような太陽光を選択的
に吸収し遠赤外線反射能力を有する炭化物微粒子
を含有しているので、太陽エネルギーの95%以上
を含む波長0.3〜2.0μm領域の太陽光を選択的に吸
収し、これを波長2.0〜20μm(遠赤外線)の熱エ
ネルギーに転換する能力と、前記波長2〜20μm
の熱エネルギーを反射する能力を有し、これによ
り一旦吸収したエネルギーを内部で効率よく反射
するとともに、身体からの熱エネルギーを遮断し
て外部への漏れを抑制するので極めて保温性がす
ぐれており、従来のような後加工によるコストア
ツプもなく、また皮膜と生地との間の界面剥離の
ような問題が生じることもなく、性能むらもな
い。 したがつて本発明の太陽光選択吸収性保温繊維
は、繊維、糸条あるいは布帛などの形態で、保温
性を要求するスポーツ、レジヤー用衣料をはじ
め、カーテンなどのインテリア用品あるいはテン
トなどの室外レジヤー用品などに適用してすぐれ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は、本発明の太陽光選択吸収性
保温繊維において遠赤外線反射能力を有する炭化
物微粒子を含有する態様を摸式的に示した概略横
断面図、第9図は本発明の実施例1で得た織物
の保温特性の測定におけるサーモパターンを示す
図、第9図はブランク材における同じくサーモ
パターンを示す図、第10図は本発明の実施例
2で得た織物の保温特性の測定におけるサーモパ
ターンを示す図、第10図はブランク材におけ
る同じくサーモパターンを示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 周期律第族に属する遷移金属の炭化物粉末
    またはこれとアルミニウムの混合粉末と熱可塑性
    合成線状重合体との混練組成物を溶融紡糸する
    か、前記混練組成物と熱可塑性合成線状重合体を
    溶融複合紡糸して得られる太陽光選択吸収性保温
    繊維。 2 溶融複合紡糸の形態が、混練組成物を芯、熱
    可塑性合成線状重合体を鞘とする芯鞘構造である
    請求項1記載の太陽光選択吸収性保温繊維。 3 周期律表第族に属する遷移金属の炭化物が
    ZrCである請求項1または請求項2記載の太陽光
    選択吸収保温繊維。 4 周期律表第族に属する遷移金属の炭化物粉
    末を繊維素系繊維に含有せしめてなる太陽光選択
    吸収性保温繊維。
JP19537588A 1987-08-05 1988-08-05 太陽光選択吸収性保温繊維 Granted JPH01132816A (ja)

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JP62-195629 1987-08-05
JP62-198488 1987-08-07
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JPH01132816A JPH01132816A (ja) 1989-05-25
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