JPH039181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、デイスクの記録面に記録された情報
を再生するデイスクプレーヤに係り、特に、情報
の読取り動作をするピツクアツプが搭載されたス
ライダを摺動自在に支持するデイスクプレーヤの
スライダ支持装置に関する。

〔技術的背景ならびに従来技術〕

第５図（背面図）、第６図（側面断面図）はコ
ンパクトデイスクプレーヤにおける従来のスライ
ダ支持装置を示すものである。

ターンテーブル１に載置されたコンパクトデイ
クス２が回転すると、これに同期してスライダ３
がコンパクトデイスク２のトラツクを横切る方向
へ移動する。その間、このスライダ３に搭載され
たピツクアツプ４が上記コンパクトデイクス２の
記録面２ａに記録されデジタル情報を読取り再生
する。

このスライダ３の両側にはシヤフトホルダ３
ａ，３ｂが一体に形成されている。一方のシヤフ
トホルダ３ａには摺動軸受６が圧入されており、
この摺動軸受６はメインシヤフト５ａに挿通され
ている。また、他方のシヤフトホルダ３ｂにはオ
ーバル軸受７が圧入されている。このオーバル軸
受７はサブシヤフト５ｂに挿通されている。スラ
イダ３はメインシヤフト５ａを基準に移動する。
オーバル軸受７はサブシヤフト５ｂに対し、左右
および上下方向に多少の間隙を有して挿通されて
おり、シヤフト間の平行度の誤差ならびにシヤー
シのシヤフト取付部の寸法のばらつきなどを吸収
できるようになつている。この場合、第６図に示
すように、サブシヤフト５ｂの底面は、リーフス
プリング８の先部８ａによつて押圧されており、
このリーフスプリング８の押圧力によりサブシヤ
フト５ｂとオーバル軸受７との間にがたが生じな
いようになつている。

〔従来技術の問題点〕

しかし、上記従来のスライダ支持装置には以下
に列記する問題点がある。

(1) リーフスプリング８の先部８ａがサブシヤフ
ト５ｂを押圧する力は、スライダ３が移動する
際の負荷抵抗となる。この負荷抵抗により起動
トルクが増大し、始動時のピツクアツプの読取
り動作に遅れが生じるなどの不都合がある。

(2) また、このリーフスプリング８の押圧力を弱
めれば、外部からの振動や衝撃などによつてス
ライダ３にがたが発生し、ピツクアツプの正確
な読取り動作がなされなくなる。

(3) 特に、最近は車載用のデイスクプレーヤの開
発も進められており、耐震性に優れしかも負荷
抵抗の少ないスライダ支持装置の開発が臨まれ
ている。しかしながら、従来のものでは、車体
に加わる振動などに対してリーフスプリング８
が共振しやすくなつている。したがつて、この
リーフスプリング方式では外部の振動に対する
耐久性能がきわめて悪いことになる。

(4) 従来のものはオーバル軸受７とサブシヤフト
５ｂとの間のクリアランスが大きいので、外部
から振動が与えられたときに、リーフスプリン
グ８が撓んで、上記クリアランス分だけスライ
ダ３が振動することになる。よつて、耐振性能
が劣つている。

〔本考案の目的〕

本考案は上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、耐震性に優れ、しかも、負荷抵抗が
少なく、ピツクアツプの読取り動作が迅速にな
り、その上、車載用としても充分に採用できるデ
イスクプレーヤのスライダ支持装置を提供するこ
とを目的としている。

〔本考案の構成〕

本考案によるスライダ支持装置は、シヤーシ
に、デイスクを回転駆動するデイスク支持部材
と、互いに平行なメインシヤフトとサブシヤフト
とが配設されており、且つデイスクに対向するピ
ツクアツプを搭載したスライダの両側が、メイン
シヤフトを基準として前記両シヤフトに摺動自在
に支持されているデイスクプレーヤにおいて、前
記スライダの一側には前記サブシヤフトと交差す
る穴が穿設されており、この穴に球形の摺動自在
な軸受が挿通されており、この軸受の中心に前記
サブシヤフトが挿通されているものであり、メイ
ンシヤフトとサブシヤフトとの高さあるいは平行
度にずれが生じた場合、このずれは上記軸受が穴
内を移動することによつて吸収されるようにした
ものである。

〔本考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図〜第４図の図面
によつて説明する。

第１図は第３図のＡ部拡大図、第２図は第１図
の側面断面図、第３図はスライダの背面図、第４
図はデイスクプレーヤの要部平面図である。

（実施例の構成） 第４図において、図中の符号１０はシヤーシで
ある。このシヤーシ１０にはスピンドルモータ１
１が固設されている。このスピンドルモータ１１
の上部にターンテーブル１が固設されている。こ
のターンテーブル１にコンパクトデイスク２がセ
ツトされる。

シヤーシ１０には正方形の大きな穴１０ａが穿
設されており、この穴１０ａの両側に上記スピン
ドルモータ１１を挟んで互いに対向するメインシ
ヤフト５ａとサブシヤフト５ｂとが配設されてい
る。この両シヤフト５ａ，５ｂの両端はシヤーシ
１０上に止め具１２を介して固定されている。

（特徴部分の説明） 符号１３はスライダである。このスライダ１３
の両側にはシヤフトホルダ１３ａと１３ｂが形成
されている。一方のシヤフトホルダ１３ａにはメ
タルブツシユ１４が圧入されている。このメタル
ブツシユ１４は上記メインシヤフト５ａに隙間な
く挿通されている。

他方のシヤフトホルダ１３ｂには第１図に示す
ように、横長の穴１３ｃが前方から後方へ貫通さ
れて形成されている。さらに、この横長の穴１３
ｃに直交して大径の穴１３ｄが側方から所定の深
さに穿設されている。なお、この大径の穴１３ｄ
の入口１３ｅは拡開されている。この大径の穴１
３ｄには摺動性を有する含油軸受１５が挿通され
ている。この含油軸受１５は球形であり、且つ２
箇所の平坦面１４ａが互いに対向して形成されて
いる。この平坦面１４ａの中心に孔が穿設され、
この孔が上記サブシヤフト５ｂに隙間なく挿通さ
れている。

この含油軸受１５と上記大径の穴１３ｄとは、
すきま嵌め程度の嵌め合い公差内で精度よく精密
に形成されており、含油軸受１５は穴１３ｄにて
隙間なく回転ならびに移動できるようになつてい
る。また、この大径の穴１３ｄは上記横長の穴１
３ｃの幅よりもスライダ１３の内方へ深く穿設さ
れている。

第４図に示すように、スライダ１３はシヤーシ
１０の穴１０ａに臨まされて両側のシヤフトホル
ダ１３ａと１３ｂがメインシヤフト５ａとサブシ
ヤフト５ｂに支持されている。スライダ１３はこ
の穴１０ａ内にて図の一点鎖線で示す位置から実
線で示す位置、すなわち、コンパクトデイクス２
のリードインゾーンからリートアウトゾーンまで
を往復動する。

また、スライダ１３のシヤフトホルダ１３ａの
下方に形成された、側方へ開口するコの字形の溝
１３ｆには送りシヤフト１６が挿通されている。
この送りシヤフト１６に刻設された螺旋溝（図示
せず）にねじ受け部材１７が係合されている。こ
のねじ受け部材１７は溝１３ｆ内にてスライダ１
３に装着されている。送りシヤフト１６の両端は
シヤーシ１０に枢支されている。さらに、この送
りシヤフト１６は送りモータ１８にベルト１９を
介して連結されている（第４図参照）。

また、符号２０は光学式ピツクアツプである。
この光学式ピツクアツプ２０は上記スライダ１３
に搭載されている。この光学式ピツクアツプ２０
上にはレンズ鏡筒２０ａが突設されており、この
レンズ鏡筒２０ａ内に対物レンズ２０ｂが収納さ
れている。この対物レンズ２０ｂはコンパクトデ
イクス２の記録面２ａに所定間隔を介して対向さ
れている。

（実施例の作用） 次に、上記構成によるデイスクプレーヤの動作
について説明する。

初期状態のスライダ１３は第４図の一点鎖線で
示す位置にある。このとき、光学式ピツクアツプ
２０の対物レンズ２０ｂはコンパクトデイクス２
のリードインゾーンに対向している。

再生動作は、まず、スピンドルモータ１１が駆
動して、ターンテーブル１上にセツトされたコン
パクトデイクス２が回転する。同時にスライダ１
３を駆動する送りモータ１８が、このスピンドル
モータ１１に同期して回転する。この送りモータ
１８の駆動力は、ベルト１９を介して送りシヤフ
ト１６に伝達される。送りシヤフト１６の回動力
はねじ受け部材１７を介してスライダ１３に伝達
される。

スライダ１３の両側に形成されたシヤフトホル
ダ１３ａと１３ｂは、メタルブツシユ１４および
含油軸受１５を介してメインシヤフト５ａとサブ
シヤフト５ｂにそれぞれ支持されている。スライ
ダ１３は上記送りシヤフト１６の駆動力を受けて
コンパクトデイクス２のリードアウトゾーンの方
向へ移動するが、このとき、スライダ１３はメイ
ンシヤフト５ａを基準として移動する。

この際、メインシヤフト５ａとサブシヤフト５
ｂとの高さあるいは平行度などにばらつきが生じ
ている場合、サブシヤフト５ｂを支持する含油軸
受１５が大径の穴１３ｄ内を移動してそのずれを
吸収する。すなわち、両シヤフト５ａ，５ｂの平
行度のばらつきによる左右方向のずれに対しては
含油軸受１５が穴１３ｄ内にて内外へ適正に移動
して、このずれが吸収される。また、サブシヤフ
ト５ｂの上下方向の傾きは含油軸受１５が穴１３
ｄ内にて回転することによつて吸収される。この
含油軸受１５と大径の穴１３ｄはすきま嵌めの嵌
め合い寸法で形成されているので、この両者間に
がたが生じることはなく、スライダ１３はスムー
スにシヤフト５ａ，５ｂを移動する。また、この
含油軸受１５は、サブシヤフト５ｂに抵抗負荷を
印加していないので、起動トルクが増大すること
もない。

そして、この間、光学式ピツクアツプ２０によ
つてコンパクトデイクス２の記録面２ａに記録さ
れた情報が再生され、対物レンズ２０ｂがコンパ
クトデイクス２のリードアウトゾーン（第４図の
実線で示す位置）に達すると、再生動作は終了す
る。

（変形例） なお、図においてはシヤフトホルダ１３ｂに横
長の穴１３ｃが穿設され、サブシヤフト５ｂはこ
の横長の穴１３ｃに挿通されているが、この横長
の穴１３ｃの一端はシヤフトホルダ１３ｂの側方
に開口されていてもよく、この場合、スライダ１
３をサブシヤフト５ｂに組付ける際の作業が簡単
になる。

〔本考案の効果〕

以上のように本考案によれば以下に列記する効
果を奏するようになる。

(1) スライダの一側には前記サブシヤフトに交差
する穴が穿設されており、この穴に球形の摺動
自在な軸受が挿通され、この軸受の中心に上記
サブシヤフトが挿通されているので、スライダ
の他側を支持するメインシヤフトと上記サブシ
ヤフトの間の高さあるいは平行度にずれが生じ
た場合、上記軸受が穴内を移動してそのずれが
吸収される。このとき、軸受と穴とを隙間なく
組合わせておけば、この両者間にがたが生じる
ことはなくスライダがスムースに動作できるよ
うになる。

(2) また、従来の如きサブシヤフトを押圧する部
材を必要とせず、その分、部品点数の削減が図
れる。

(3) よつて、サブシヤフトに負荷抵抗を印加する
部材が無くなり、スライダの起動性能が向上
し、読取り動作が迅速に開始される。

(4) 以上の如く本考案によるスライダ支持装置は
耐震性に優れ、しかも、サブシヤフトに対する
負荷抵抗がすくないので、車載用としても充分
に採用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の実施例を示すもので
あり、第１図は第３図のＡ部拡大図、第２図は第
１図の側面断面図、第３図はスライダの背面図、
第４図はデイスクプレーヤの要部平面図、第５
図、第６図は従来例を示すものであり、第５図は
スライダの背面図、第６図はスライダの部分断面
側面図である。 ２……デイクス、５ａ……メインシヤフト、５
ｂ……サブシヤフト、１０……シヤーシ、１１…
…モータ、１３……スライダ、１３ｄ……穴、１
４……基準となる軸受、１５……球形の軸受、２
０……ピツクアツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤーシに、デイスクを回転駆動するデイスク
   支持部材と、互いに平行なメインシヤフトとサブ
   シヤフトとが配設されており、且つデイスクに対
   向するピツクアツプを搭載したスライダの両側
   が、メインシヤフトを基準として前記両シヤフト
   に摺動自在に支持されているデイスクプレーヤに
   おいて、前記スライダの一側には前記サブシヤフ
   トと交差する穴が穿設されており、この穴に球形
   の摺動自在な軸受が挿通されており、この軸受の
   中心に前記サブシヤフトが挿通されていることを
   特徴とするデイスクプレーヤのスライダ支持装
   置。