JPH039014B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 ［産業上の利用分野］ この発明は栓体に関し、詳しくは輸液、流動
食、経口栄養剤等の液状物のための栓体付容器の
栓体に関するものである。

［従来の技術］ 近年、この種の容器として、従来のガラス容器
と並んで第２図に示すような袋容器が用いられて
いる。

即ち、袋容器２の底３に容器内外を貫通して形
成された孔１０の周縁においてプラスチツク製の
栓体１をヒートシール等の手段によつて取付けた
ものであり、内容物を充填シールして保存し、内
容物を使用する時には、この栓体１にプラスチツ
ク製の比較的太い中空針を先端に有する内容物取
出しのプラグ４（第４図）を挿通し、内容物を容
器外へ導くものである。容器外に出た内容物は、
第３図に示すように、点滴筒５、クランプ６即ち
チユーブの流量調節用締金、接続具７をチユーブ
９で結んだアダプター１１内を流れ、更に、接続
具８で接続具７と接続するカテーテル１２を経て
体内へと流入する。

この発明は、この栓体１に関するものである。

従来上記用途に供されていた栓体には、例えば
第５図に示す栓体１０１があり、栓体１０１は、
「軸AB方向に貫通し内容物取出し用のプラグ４
を流体密に挿通し得る貫通孔１０２を有する栓筒
部１０３と栓筒部１０３の外周部に形成された環
状のフランジ部１０４とを有し合成樹脂で構成さ
れた栓本体１０５と、貫通孔１０２の一端１０６
に貼着して一端１０６を閉塞しかつプラグ４を刺
通して破壊することができる内貼材１０７と、及
び貫通孔１０２の他端１０８に剥離可能に貼着さ
れて他端１０８を閉塞するタブ材１１１とを有す
ることを特徴」としていた（昭和59年実用新案登
録願第164431号参照）。

［発明が解決しようとする問題点］ このように構成された栓体１０１は、構造が簡
単でコストが低く、かなり太いプラグをも容易に
挿通し得るから、内容物の粘度が高い場合でも円
滑に内容物を取出すことができ、取扱いが簡単で
衛生的であるが、第６図に示すように貫通孔１０
２の内壁の形状によつては、内容物を取出し中に
貫通孔１０２の壁とプラグ４の間に僅かな隙間１
１２を生じて、この隙間１１２から内容物が漏出
することが、懸念されるという問題があり、その
解決が望まれている。

この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、貫通孔内壁が内容物取出し用プラグ
と確実に密着嵌合し、内容物漏出の恐れのない栓
体を提供することを目的としている。

(ロ) 発明の構成 この目的に対応して、この発明の栓体は内容物
取出し用のプラグを流体密に挿通し得る孔を有す
る栓胴部と前記栓胴部の外周部に形成された環状
のフランジ部とを有し合成樹脂で構成された栓本
体を備え、前記孔は一端が前記プラグを刺し通し
て破壊することができる薄肉体によつて閉塞され
ており他端が前記栓本体に剥離可能に貼着されて
いるタブ材によつて閉塞されており、かつ前記孔
はその途中に前記プラグの径よりも小さい内径を
なす環状小径部を少なくとも一ケ所形成され前記
環状小径部は弾性変形可能な材料で構成されてい
て前記孔の前記一端と前記他端との中間よりも前
記他端側に形成されていることを特徴としてい
る。

以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面に
ついて説明する。

第１図ａにおいて１は栓体である。栓体１は栓
本体１３、薄肉体２２及びダブ材１４とからな
る。

栓本体１３は、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の弾性を有する合成樹脂で構成され、栓胴部１
５とフランジ部１６とを有する。

栓胴部１５はほぼ円筒状をなし軸方向に孔１７
が形成されており、栓胴部１５の一端１８側の外
周部には袋容器２の底３に取付けるための環状の
フランジ１６が形成されている。

孔１７には内容物取出し用のプラグ４を流体密
に挿通し得る。即ち、孔１７の内壁はプラグ４の
外形とほぼ一致する形状をなすが、途中にプラグ
４の径より小さい内径の環状小径部１９，２１
を、軸方向に間隔をあけて形成されている点が重
要である。

環状小径部１９，２１は、縦断面形状が内側に
突出する円弧状をなし、この部分の内径は一定で
はないがプラグ４の挿通を弾性変形により許容
し、このとき環状小径部１９，２１においてはそ
の内壁のほぼ全体がプラグ４の側面に密着するよ
うに構成されている。この環状小径部１９，２１
は孔の一端１８と他端２３との中間よりも他端２
３側にある。

環状小径部１９，２１の縦断面形状は、第１図
ｂに示す栓体１ａの環状小径部１９ａ，２１ａの
ように、内側に突出する三角形ないし台形、或は
その他の形状とすることができるが、内壁の弾性
変形によりその部分の内壁のほぼ全体がプラグ４
の側面との密着性を保持し、この密着性が、使用
中にプラグ４と栓本体１３との軸が僅かにずれて
傾斜した状態になつた場合でも保たれるような形
状とする。

栓胴部１５の一端１８には、栓胴部１５と同じ
材料でシート状に形成された内貼材である薄肉体
２２が位置して、孔１７の一端を閉塞しており、
薄肉体２２はプラグ４を刺し通して破壊すること
ができる厚みと強度とを有する。

薄肉体２２としては、第１図ｃに示す栓体１ｂ
の薄肉体２２ａのように、栓胴部１５と一体に構
成することもできる。

タブ材１４は栓胴部１５の他端２３に剥離可能
に貼着されて孔１７の他端の開口を閉塞してい
る。

［作用・効果］ このように構成された栓体１を袋容器２の底３
にヒートシール等の手段によつて取付け、内容物
を充填シールしたものの内容物を使用する時に
は、タブ材１４を剥離し、プラグ４を孔１７に挿
通する。挿通したプラグ４の先端は薄肉体２２を
刺し通し、内容物がプラグ４の内部を通つて袋容
器２の外に流出する。このときプラグ４の側面は
環状小径部１９，２１を弾性変形させつつその内
壁に密着しており、プラグ４が栓体１に対して僅
かに相対変位し両者の軸が傾斜した場合でもその
密着性は保持され内容物がプラグの外面に漏出す
ることがない。

栓体１ａ，１ｂも同様の作用・効果を奏する。

環状小径部は孔の一端と他端との中間よりも他
端側にあるので、突出量が小さくてもプラグとの
密着を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはこの発明の一実施例に係わる栓体を
示す縦断面図、第１図ｂはこの発明の他の実施例
に係わる栓体を示す縦断面図、第１図ｃはこの発
明の更に他の実施例に係わる栓体を示す縦断面
図、第２図ａはこの発明の栓体を取付けた袋容器
の斜視図、第２図ｂは第２図ａに示す袋容器の一
部破断斜視図、第２図ｃは第２図ａに示す袋容器
の一部破断側面説明図、第３図は第２図ａに示す
袋容器の内容物の使用状態を示す説明図、第４図
は内容物取出し用プラグを示す正面図、第５図は
従来の栓体を示す縦断面図、及び第６図は第５図
に示す栓体を取付けた袋容器の内容物使用状態を
示す縦断面図である。 １…栓体、２…袋容器、３…底、４…プラグ、
５…点滴筒、６…クランプ、７…接続具、８…接
続具、９…チユーブ、１０…孔、１１…アダプタ
ー、１２…カテーテル、１３…栓本体、１４…タ
ブ材、１５…栓胴部、１６…フランジ部、１７…
孔、１８…一端、１９…環状小径部、２１…環状
小径部、２２…薄肉体、２３…他端、１０１…栓
体、１０２…貫通孔、１０３…栓筒部、１０４…
フランジ部、１０５…栓本体、１０６…一端、１
０７…内貼材、１０８…他端、１１１…タブ材、
１１２…隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内容物取出し用のプラグを流体密に挿通し得
   る孔を有する栓胴部と前記栓胴部の外周部に形成
   された環状のフランジ部とを有し合成樹脂で構成
   された栓本体を備え、前記孔は一端が前記プラグ
   を刺し通して破壊することができる薄肉体によつ
   て閉塞されており他端が前記栓本体に剥離可能に
   貼着されているタブ材によつて閉塞されており、
   かつ前記孔はその途中に前記プラグの径よりも小
   さい内径をなす環状小径部を少なくとも一ケ所形
   成され前記環状小径部は弾性変形可能な材料で構
   成されていて前記孔の前記一端と前記他端との中
   間よりも前記他端側に形成されていることを特徴
   とする栓体。