JPH038803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生活排水、原油、重油、各種化学薬
液、各種ガスなどの自動洗浄に用いられた廃液、
等の液体のストレーナ詳しくは、液体移送用ポン
プの吸込部用ストレーナとして好適な自動ストレ
ーナに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、回転過式ストレーナとして、ケーシン
グ内に円筒状の過用の多孔性エレメントを固定
配備すると共に、該エレメントによる捕捉物をエ
レメントから除去して排出するための清掃部材と
してエレメント内周面擦洗用の回転ブラシを設け
たものが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記従来の自動ストレーナでは
以下の問題点があつた。

(1) 布、プラスチツクフイルム、木片等の大きな
異物、毛髪、糸屑等の繊維状の異物は前記清掃
部材により円滑にエレメント外に排出すること
が難しく、また、特に繊維状の異物は回転ブラ
シとエレメントとの間隙に詰まり易い。このた
め、エレメントの通液孔が上記異物によつて閉
塞されてエレメントの過機能が著しく低下し
たり、清掃部材の回転不良により清掃部材駆動
用モータの過負荷が頻発し、上記異物を同伴す
る液体過用には使用が困難である。

(2) このストレーナを被過液の移送用ポンプの
吐出側に接続配備する場合、該移送用ポンプと
して異物を円滑に移送しうる特殊なポンプが必
要で設備費が高価となり、維持管理も面倒であ
る。

前記異物を同伴する液体を過するに当たつて
は、ポンプ吸込ケーシング内にグラインダインペ
ラを備えたグラインダインペラポンプ（特開昭58
−38396号公報等を参照）を上記液体中に設置し、
該ポンプの吐出部を従来型のストレーナと連結す
ることも考えられるが、ポンプの羽根車と異物切
断用の切刃を共通軸に設けてあるため、羽根車の
流体力学的効果と切刃の切断最適トルクを加味し
た、前記共通軸の回転数の設定が難しい問題点が
ある。

本発明は、従来のものの上記問題点を解消し
た、高性能かつ、構造簡単で安価なストレーナを
提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するため、予め被
過液中の異物（固形物）をエレメントの液体流入
側領域において切断破砕し、しかるのちエレメン
ト内に導入して過しうるように構成したもので
ある。

本発明は、円孤状の多孔性エレメントをケーシ
ング内に固定配備し、液体を前記エレメントの一
端の開口部から流入させ、エレメント内を流過さ
せつつ液体中の固形物を捕捉し、透過液を前記ケ
ーシングに設けた開口部から流出させると共に、
清掃部材をエレメントの内周面に沿つて走行させ
て前記捕捉物を除去し、該捕捉物をエレメントの
他端の開口部を介して排出させるようにしたスト
レーナにおいて、前記エレメント内かつその軸方
向に沿つて回転軸を、その一端部をエレメントの
前記液体流入側の開口部外に突出させて設け、こ
の回転軸に前記清掃部材を固定配備する一方、回
転刃を備えた回転カツターを前記回転軸の突出部
に固着すると共に、固定刃を備えた固定カツター
を前記回転カツターと協働可能に配備して前記液
体流入側に固形物破砕機構を構成し、さらに前記
回転軸をモータにより強制回転可能としたことを
特徴とする自動ストレーナである。

前記固形物破砕機構としては、実開昭49−6504
号公報、特公昭58−38396号公報あるいは実開昭
61−39493号公報等に開示されたグラインダ（イ
ンペラ）ポンプに配備された切断機構と同等又は
類似の構造のものを適用することができる。

具体的には、例えば後記する第１図例のように
前記清掃部材の回転軸の軸端に該清掃部材と一体
で回転する、前記回転カツターとしてのグライン
ダインペラと、該インペラを囲繞する前記固定カ
ツターとしてのグラインダリング（グラインダデ
イスク）とにより構成される。

前記モータすなわち、清掃部材の回転駆動機構
の配備要領としては、第１図例のように前記ケー
シングに直接又は間接的に固定し、このモータ軸
を清掃部材の回転軸端部に直結してもよいし、第
４図例のようにモータをストレーナと離隔して配
備し、チエーンやベルト等の動力伝達機構を介し
て清掃部材の回転軸を回転させるようにすること
もできる。

いずれにしても、エレメントの液体流入側で液
体中の固形物を破砕し、該破砕物を同伴する液体
をエレメント内に導入し、破砕物をエレメントの
他端の開口部たる捕捉固形物排出側の開口部から
排出できるように流路を形成することが必須の要
件である。例えば第１図例では、グラインダイン
ペラとグラインダリングとの間隙（実質的にはグ
ラインダリング３３の刃溝３３₁）により液体流
入流路が形成され、モータ（本体）とその固定用
フレームとの環状間隙、及び該フレームに形成し
た開口部により捕捉固形物の排出流路が形成され
ている。

前記清掃部材は、ストレーナ本体たる前記エレ
メントにより捕捉された固形物つまり捕捉物をエ
レメントから除去したり、エレメント内面を洗浄
するためのものであるから、清掃部材の先端部が
エレメント内周面に接近した状態で、又は好まし
くは該内周面に接触した状態で回転走行するよう
に構成するべきである。後者の場合では、前記先
端部にナイロン等の軟質材料による刷毛を設けて
ブラシを形成することにより、洗浄効果の増大と
エレメント内周面損傷の回避を同時に達成できる
利点がある。前者の場合の刷毛は特に必要ではな
く、清掃部材全体を金属材料で構成することがで
きる。上記のうちいずれを採用するかは処理する
液体の性質やこれに同伴する固形物の形状、大き
さ、量、粘着性等つまりエレメント内面の洗浄効
果の必要度合等に基づいて選定すればよい。

また、清掃部材はエレメント内周面の実質的全
体を清掃でき、かつエレメント内の液体（及び同
伴する固形物）の流過を防げない形状・寸法のも
のとすることが大切であるが、実施例のように所
定方向に回転することによりエレメント内の液体
に流過推進力を賦与できるものとするのが極めて
好ましい。その為には、例えば清掃部材をスクリ
ユーコンベヤ型のものとすればよいが、スクリユ
ー羽根の形は第１図例のものとしてもよく、リボ
ン型のものや、スクリユー外周を切り欠いたカツ
トフライト型のものも適用できる。第３図例もス
クリユーコンベヤと実質的に同一の作用をなすも
のである。

〔実施例〕

本発明の各実施例を図面に基づいて説明する
と、まず第１図、第２図に示す自動ストレーナ１
は、エレメントによる捕捉物をスクリユーコンベ
ヤ型の擦洗式清掃部材で除去及び移送・排出しう
るように構成したものである。

すなわち、軸方向各端部にそれぞれフランジ１
３，１４を有し軸方向中間部に透過液の流出管８
を有する円筒状ケーシング２内に同心状に、円筒
状の多孔性エレメント３が前記２枚のフランジに
跨がつて固定配備されている。

さらに、このエレメント３内には同心状に回転
軸５が設けられ、この回転軸にスクリユーコンベ
ヤ型の清掃部材４が固定配備されている。この回
転軸５は円柱状のものであつて、前記フランジ１
３の中央開口部内に設けた十文字の板体からなる
ステー１０₁により支持される軸受１１と、前記
フランジ１４と接合されるフランジ１５の中央開
口部内に設けた、前記ステー１０₁と形状・構造
が同様のステー１０₂により支持される軸受１２
とにより支承されている。前記清掃部材４は、直
径したがつて頂上部の高さが回転軸５の軸方向に
均等なスクリユー羽根を等ピツチに形成して構成
されたものであり、キー（図示せず）及び止めね
じ２１により円筒状のボス２０を介して回転軸５
に固定されており、前記スクリユー羽根の頂上部
には、エレメント３の内周面を擦走（擦過清掃）
しうるブラシ４₁が付設されている。

前記回転軸５はエレメント３の中心部を貫通し
ているが、その一端部すなわちエレメント３の液
体流入側の開口部外に突出している部分には、グ
ラインダインペラ３１がキー（図示せず）及び止
めねじ２２により固定配備されている。

さらに、フランジ１３にはリング３２が溶接等
の手段により固着され、このリングにグリンダリ
ング３３が六角穴付ボルト３４により固定されグ
ラインダインペラ３１を囲繞している。なお、こ
のグラインダリングのフランジ１３と対面する端
面は該フランジの面と密着状態にある。

このように、この実施例ではグラインダインペ
ラ３１が回転刃を、グラインダリング３３が固定
刃をそれぞれ構成し、これら両刃の協動作用によ
り固形物の切断が可能となつていて、これら両刃
間の間隙（実質的にはグラインダリング３３に形
成した半円形の刃溝３３₁）がエレメント３内へ
の液体流入流路３５を形成している。

一方、清掃部材４を回転させるためのモータ４
１は、フレーム４２を介してフランジ１５に固着
され、モータ軸４３のエレメント側端部は清掃部
材４の回転軸５に直結されている。前記フレーム
４２は円筒状のものであつて、幅が大の開口部４
２₁が複数、モータ軸４３の周りに放射状に形成
され、モータ４１の外周面とフレーム４２の内周
面との間隙、及び前記開口部４２₁により捕捉固
形物排出流路４４が形成されている。

なお、第１図及び第２図中１７，１８及び１９
はボルト・ナツトであり、流出管８に設けたフラ
ンジ１６はポンプの吸引側と直接または間接的に
接続できるものとなつている。２３は必要に応じ
てフランジ１３に固定配備される、極く粗目の貫
通孔を有するガードであつて、グラインダインペ
ラ３１とグラインダリング３３により構成される
固形物破砕機構を、特に固い固形物から保護する
ためのものである。また３１₁は回転刃、３１₂及
び３３₂は刃先、４５はケーシング、４６は固定
子、４７は回転子、４８₁及び４８₂は軸受、４９
はケーブルである。

一方、第３図の実施例は第１図におけるスクリ
ユーコンベヤ型の清掃部材に代えて傾斜板型の清
掃部材５１を適用したものである。即ち、清掃部
材５１は平板状の基板５２と、この基板に固着さ
れたブラシ５１₁とにより構成され、回転軸５に
３枚固定配備されているが、基板５２は平板状の
取付金具５３にボルト・ナツト５４を介して取り
付けられ、さらにこの取付金具はボス５５を介し
て回転軸５に固定され、しかも、これらの清掃部
材は相互に120゜の角度間隔をあけて、かつ回転軸
５の軸線に対し同一角度（交角）で傾斜させて配
設され、ブラシの先端部はエレメント３内周面に
当接している。

この場合、清掃部材５１の回転軸５に対する傾
斜の向きは、回転軸５が回転したときに、エレメ
ント３内の液体を液体流入側から捕捉物排出側に
向けて移送しうる流過推進力を賦与できるものに
設定することが重要である。また、前記交角θ
は、前記流過推進力の大きさと、液体流過時の流
過抵抗の大小とを勘案し、液体及びこれに同伴す
る固形物が可及的円滑に流過できる値に設定され
る。前記基板５２や取付金具５３の長さや幅（エ
レメント３の直径方向の寸法）を設定する場合に
おいても同様の配慮をすることが大切である。な
お、第３図中５６はキー、５７は止めねじであ
る。

さらに、第４図例は、第３図例のストレーナを
河川の水中に浸漬配備すると共に、陸上に陸用ポ
ンプ６０とモー７０を配置して取水装置を構成し
たものであり、モータ７０によりチエーン７１を
介して清掃部材５１を回転させる一方、エレメン
ト３１による透過水を陸用ポンプ６０により吸引
し、適宜個所に給水できるようにしたものであ
る。なお、７２及び７３はスプロケツトホイール
であるが、モータ７０としては電動式の外にエン
ジン駆動式のものを適用することができる。この
実施例ではモータが液中に浸漬されていないので
その維持管理が簡便となる利点がある。

また、本発明のストレーナ及び移送用ポンプを
陸上に設置すると共に前記フランジ１３に流体流
入管（図示せず）を接続し、この流入管の先端開
口部を河川の水中に浸漬して取水装置を構成する
こともできる。

次に、各実施例の作用効果について説明する
と、第１図例において液体中の異物はグラインダ
インペラ３１の回転刃３１₁とグラインダリング
の固定刃つまり刃先３３₂との協動作用により切
断破砕されて小粒径の破砕物となり、液体と共に
エレメント３内に流入し、透過液は流出管８を経
て外部に流出する。この間に液体中の異物の一部
は一旦エレメント３により捕捉されるが、異物は
充分小粒径のものとなつているため、その透過液
孔が異物により閉塞したり清掃部材４に絡み付い
たりすることはなく、清掃部材４のブラシ４₁に
より的確に剥離されると共に、エレメントの過
面がこのブラシにより擦洗される。かくて、前記
捕捉・剥離された異物と、その他の異物は清掃部
材４のスクリユー羽根で円滑に移送され、捕捉固
形物排出流路４４を経て外部へ排出される。

なお、第３図例のものは、清掃部材４の構成が
異なるが、その作用効果は第１図例と同様であ
る。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明の自動ストレーナで
は、液体中の異物は予め切断破砕されるものであ
るからエレメントの過機能、清掃部材の回転及
びこれによるエレメント内周面の洗浄効果は効率
の良いものに維持され、汎用性が著しく向上し、
しかも清掃部材駆動用のモータには無理な負荷が
掛からず、自動ストレーナの運転・維持管理が大
幅に合理化され、構造簡単で安価に提供できるな
どの実益をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の縦断面図、第２図は
ガードを取り外した場合の第１図についての右側
面図、第３図は別の実施例の部分縦断面図、第４
図は第３図例のものの使用の態様を示すフローシ
ートである。 １…自動ストレーナ、２…ケーシング、３…エ
レメント、４…清掃部材、４₁…ブラシ、５…回
転軸、８…流出管、１０₁，１０₂…ステー、１
１，１２…軸受、１３〜１６…フランジ、１７〜
１９…ボルト・ナツト、２０…ボス、２１，２２
…止めねじ、２３…ガード、３１…グラインダイ
ンペラ、３１₁…回転刃、３１₂…刃先、３２…リ
ング、３３…グラインダリング、３３₁…刃溝、
３３₂…刃先、３４…六角穴付ボルト、３５…液
体流入流路、４１…モータ、４２…フレーム、４
２₁…開口部、４３…モータ軸、４４…捕捉固形
物排出流路、４５…ケーシング、４６…固定子、
４７…回転子、４８₁，４８₂…軸受、４９…ケー
ブル、５１…清掃部材、５１₁…ブラシ、５２…
基板、５３…取付金具、５４…ボルト・ナツト、
５５…ボス、５６…キー、５７…止めねじ、６０
…陸用ポンプ、７０…モータ、７１…チエーン、
７２，７３…スプロケツトホイール、θ…交角。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒状の多孔性エレメントをケーシング内に
   固定配備し、液体を前記エレメントの一端の開口
   部から流入させ、エレメント内を流過させつつ液
   体中の固形物を捕捉し、透過液を前記ケーシング
   に設けた開口部から流出させると共に、清掃部材
   をエレメントの内周面に沿つて走行させて前記捕
   捉物を除去し、該捕捉物をエレメントの他端の開
   口部を介して排出させるようにしたストレーナに
   おいて、 前記エレメント内かつその軸方向に沿つて回転
   軸を、その一端部をエレメントの前記液体流入側
   の開口部外に突出させて設け、この回転軸に前記
   清掃部材を固定配備する一方、回転刃を備えた回
   転カツターを前記回転軸の突出部に固着すると共
   に、固定刃を備えた固定カツターを前記回転カツ
   ターと協働可能に配備して前記液体流入側に固形
   物破砕機構を構成し、さらに定前記回転軸をモー
   タにより強制回転可能としたことを特徴とする自
   動ストレーナ。 ２ 前記ケーシングの透過液流出開口部に、液体
   移送用ポンプの吸込側開口部と接続しうる管継手
   を設けた特許請求の範囲第１項記載の自動ストレ
   ーナ。 ３ 前記清掃部材は、スクリユーコンベヤ型に構
   成され、その回転により前記エレメント内の固形
   物に、前記液体流入側の開口部から前記捕捉物排
   出側の開口部に向かう方向の流過推進力を賦与し
   うるものである特許請求の範囲第１項又は第２項
   記載の自動ストレーナ。 ４ 前記清掃部材は、前記エレメントの内周面を
   擦走するブラシを備えている特許請求の範囲第１
   項、第２項又は第３項記載の自動ストレーナ。