JPH038545B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般の文献以外に、摘出した臓器の
ような立体物をも複写し得る電子写真装置に関す
る。

外科的手術あるいは司法解剖等により患者ある
いは遺体等から摘出した臓器は、一部標本として
保存されるが、多くは病理診断書あるいは報告書
とともに保存できるよう通常は専用の臓器撮影器
を用いてシート上に記録される。ところが、この
種の撮影器は、現像、焼付けに時間がかかりその
場で出来映えが確認できないため、万一必要部分
が十分に写つていないような場合には撮り直しが
きかないこと、及び写真からでは臓器等の大きさ
が正確に把握できず、しかもその上に必要な事項
を書込むことができないといつた不都合を有する
ほか、使用目的が限られているため、高価な装置
であるにもかかわらず、効率的に稼動させ得ない
といつた問題を有している。

本発明は、かかる問題点に鑑み、一般の文献複
写はもとより、摘出した臓器その他必要とする立
体物を、それぞれの複写条件に合わせて正確、か
つ鮮明に普通紙上に複写し得る新たな電子写真装
置を提供することを目的とするものである。

そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。

第１図は、本発明の一実施例を示すもので、１
は、透明な底板と、白色等の光の反射をよくした
側板とによつて形成した臓器収容トレイで、複写
機本体のコンタクトガラス３上に載置可能に構成
され、その内部には、複写すべき立体物、例えば
患者等の体内から摘出した臓器Ａを、空気よりは
るかに屈折率のよい透明液体Ｗとともに収容し、
その上から可撓性の圧板２で臓器Ａを被覆するよ
う構成されている。４はコンタクトガラス３の下
面に沿つてその一端から他端に移動しつつ複写す
べき臓器Ａに光を照射する露光ランプで、像から
の反射光は図示しない結像光学ユニツトを介して
感光体ドラム６の表面に結像される。５はこの光
路の途中に可回動的に取付けられた遮光板で、周
知の如く、複写機上の適宜の個所が設けられた濃
度調整ツマミ５１によつて操作されるようワイヤ
５２を介して接続されているが、同時に、立体物
複写モードと通常の複写モードに切換え得るよう
後述する濃度切換え機構によつても操作されるよ
う構成されている。

第２図は、この濃度切換え機構を示すもので、
ベルクランク型をなす切換レバー５３は、遮光板
５と濃度調整ツマミ５１との間に張設されたワイ
ヤ５２の近傍に可回動的に枢支され、通常はその
一端に作用するコイルバネ５３ａにより図中時計
方向の付着力を得てワイヤ５２から離れて位置し
ているが、臓器収容トレイ１がコンタクトガラス
３の上に載置されると、その一部により押下げら
れて臓器収容トレイ１が載置された状態を検出す
る作動レバー５４によりコイルバネ５３ａの付勢
力に抗して図中反時計方向に回動し、他端のプー
リ５３ｂをもつてワイヤ５２のバス長を変えて、
感光体ドラム６への入射光量が多くなるよう遮光
板５を回動するよう構成されている。

再び第１図に戻つて、符号８は感光体ドラム６
上に形成された潜像面を液体現像剤によつて現像
する湿式現像ユニツトで、感光体ドラム６に近接
してその表面を覆うように設けられた現像皿、つ
まり対向電極板８１は、第４図に示したように、
感光体ドラム６との間隙を変え得るよう揺動可能
に枢支され、複写機本体の適所に設けた調整ツマ
ミ８２とワイヤ８３によつて接続している。な
お、第１図中符号７はメインチヤージヤ、９は転
写チヤージヤ、１０はクリーニングユニツトをそ
れぞれ示している。

上述した実施例において、いま、複写すべき立
体物、例えば患者等の体内から摘出した臓器Ａを
複写するには、臓器収容トレイ１内に水あるいは
ホルマリン等の透明液体Ｗと臓器Ａを収納してこ
れをコンタクトガラス３上に載置する。これによ
り、複写機本体の上面に突出した作動レバー５４
は押下げられ、これとともに切換えレバー５３も
反時計方向に回動してレバー５３先端のプーリ５
３ｂによりワイヤ５２のパス長を変えて遮光板５
を図中一点鎖線方向、つまりスリツト巾を拡げる
方向に回動させる。一般に、面画像として複写さ
れる立体物は、線画像が主体の文献等に較べて反
射光量が少いから、上述した操作は感光体ドラム
６への入射光量を立体複写モードに応じて補正し
たことになる。

次に、このような状態のもとで濃度調整ツマミ
５１を操作すれば、ワイヤ５２を介して連結した
遮光板５は、第３図に示したように、立体物複写
モードの範囲内においてさらにスリツト巾を調整
するよう回動し、これによつて、画像濃度は臓器
Ａの色等に応じて調整される。以上の操作を行な
つた後、圧板２の上から臓器Ａを押圧し、これを
トレイ１の底板に密着させて図示しないスタート
ボタンを押せば、臓器Ａの下面は露光ランプ４に
よつて露光走査され、この反射光は図示しない結
像光学ユニツトを介して均一に帯電した感光体ド
ラム６上に結像し、ここに臓器Ａに応じた潜像が
形成される。

このようにして形成された潜像は、次いで湿式
現像ユニツト８によつて現像されるが、液体現像
法特有の電気泳動作用と、対向電極板８１のバイ
アス電界下で、エツジ効果を生じることなく階調
性のすぐれた像として現像され、さらに転写部に
おいてシート上に転写される。

ところで、病理診断書等に添付する複写物に
は、臓器の表面のシワあるいは病巣等が忠実かつ
鮮明に写し出されていなければならないから、こ
の場合には、第４図に示す調整ツマミ８２を操作
して対向電極板８１を感光体ドラム６の表面から
遠ざけ、潜像面に作用するバイアス電界の強度を
弱めることによつて、これらをくつきりと画き出
すようにする。なお、この実施例ではマニユアル
操作によつてプアーの再現切換えを行うようにし
ているが、複写すべき立体物が臓器のみに限られ
る場合には、さきに述べた濃度切換え機構と同様
に、臓器収容トレイ１の一部によつて自動的に対
向電極板８１を感光体ドラム６の表面から遠ざけ
るように構成する。また第５図に示したように、
臓器収容トレイ１の一部に永久磁石Ｍを、また複
写機本体の上記永久磁石Ｍと対応する部分に磁気
感応型リードスイツチＳを配設し、臓器収容トレ
イ１が載置された状態を検出する。このリードス
イツチＳがONになつた場合には、電圧変換回路
を介して露光ランプ４に通常の複写モード以上の
電圧を印加し、同時に、バイアス電圧変換回路を
介して湿式現像ユニツト８の対向電極板８１に通
常の複写モード以下の電圧を印加するようにし
て、自動的に臓器複写モードに切換え得るよう構
成したものであるが、この切換えは複写すべき立
体物に応じていずれか一方のみにすることもで
き、また、一方もしくは両方をマニユアルによつ
て切換え得るよう構成することも可能である。

以上述べたように本発明によれば、一般の電子
写真装置によつて立体物を複写し得るようにした
ので、等寸大の立体像をその場で手にしてその出
来映え等をチエツクすることができるばかりでな
く、安価な普通紙上への複写が可能となるため、
必要な事項等を手軽に書込むことができる。

しかも、露光、現像等の作像手段の複写条件
を、立体物収容容器がコンタクトガラス上に載置
されることによつてその状態を検知する検知手段
により、感光体への光路巾拡開動作、光源への入
力電圧昇圧動作、現像バイアス電圧の降圧動作及
び現像対向電極板の感光体からの離隔動作のうち
の少なくとも１つの動作を自動的に行わせるよう
にしたので、通常の複写モード、立体物の複写モ
ードに応じて被写体の像を正確かつ鮮明に記録紙
上に複写することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す装置の構成
図、第２図は、同上装置における濃度切換え機構
の拡大図、第３図は、立体物複写モードと通常の
複写モードでの濃度調整関係を示す図、第４図
は、感光体ドラムと現像対向電極板との間隙変更
機構を示す構成図、第５図は、本発明の他の実施
例を示す装置の構成図である。 １……臓器収容トレイ、４……露光ランプ、５
……遮蔽板、５１……濃度切換えツマミ、５３…
…切換えレバー、５４……作動レバー、６……感
光体ドラム、８……湿式現像ユニツト、８１……
対向電極板、８２……調整ツマミ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 立体物収容容器がコンタクトガラス上に載置
   された状態を検知する検知手段と、該検知手段の
   検知動作に応動して通常の複写モードから感光体
   への光路巾拡開動作、光源への入力電圧昇圧動
   作、現像バイアス電圧の降圧動作及び現像対向電
   極板の感光体表面からの離隔動作のうちの少なく
   とも１つの動作を行う立体物複写モードへの切換
   手段を備えた電子写真装置。