JPH0381503A - 蒸気タービン動翼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、蒸気タービンの回転軸に取付けられた複数枚
の動翼を連結するためのレーシングワイヤ一連結構造に
関する。

（従来の技術） 一般に蒸気タービンの低圧段落の動翼はその翼長が大き
くなっているので、運転中は動翼の共振が重要な問題で
ある。特に最終段落および最終前段落の動翼はその翼長
が大きく、その固有振動数とタービン回転数との共振を
回避するためにレーシングワイヤが装着されている。

従来、第４図に示すように、各動翼１に貫通する孔２を
穿設し、その孔２にレーシングワイヤ３と称する捧ある
いは管を挿通して複数枚あるいは全周のタービン動翼を
互いに連結せしめるレーシングワイヤ連結構造が用いら
れている。レーシングワイヤ３と動翼１との取付は構造
には、銀ろうで固定する場合と、固定せずに適切な間隙
をもたせて組立てるいわゆるルースとする場合がある。

銀ろうで固定する場合、銀ろう付は時の不適切な条件や
銀ろう付は作業が手作業で行われるためのばらつきなど
によって、ワイヤ３に残留応力が発生し、長期間の使用
においては、ろう付は部分に亀裂が発生する恐れがある
。このため、レーシングワイヤ３は動翼１とを固定せず
に取付ける構造が比較的多く採用されている。

ルースレーシングワイヤの取付は構造を第５図に示す。

レーシングワイヤ３と、動翼１のレーシングワイヤ３を
挿通させる孔２とは、わずかな間隙４がある。そのため
、レーシングワイヤ３が動き、動翼１の孔２内面で摺動
することによってダンピング効果が生じ、共振を防止す
ることができるのである。

第６図は、運転中のレーシングワイヤ３と動翼３− 孔２との関係を示す。図示の如く、ワイヤ３は遠心力に
よって孔２上面に押し付けられ、下面には間隙４が生じ
ている。このため、この間隙４には蒸気中に含まれる腐
蝕性不純物の付着、濃縮さらには錆等の発生がありレー
シングワイヤ３の動きが鈍くなり、最悪の場合には固定
された状態と同じになって局部的に過大な応力が発生し
、ワイヤ３の折損あるいは動翼孔部２の亀裂発生に至る
ことも考えられる。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は上記従来技術の不具合に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、動翼孔内面に錆の発生することが
なく、従って長期間の運転においてもレーシングワイヤ
や動翼孔部に亀裂発生その他のトラブル発生の恐れが極
めて少なく、信頼性の高いレーシングワイヤ連結構造を
提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明は、蒸気４− タービン動翼のレーシングワイヤ挿通孔内面を動翼材料
よりも電気化学的に卑な材料で被覆したことにある。

（作用） 動翼材料として広く用いられている１２％クロム鋼の金
属表面は、通常薄い酸化生成物被覆に覆われ、腐蝕に対
して安定ないわゆる不動態の状態にある。しかし、金属
材料に高応力が負荷され塑性変形するとその表内に微小
すべりが生じ、酸化生成物被覆が破壊され活性化した金
属面が露呈する。この時、その金属新生面に腐蝕性不純
物が付着すると、電気化学的作用によって局部電池が生
じ腐蝕が開始される。この初期局部腐蝕は、通常は再不
動態化して腐蝕の進行は停止する。しかし、塩素イオン
、水酸イオン、硫酸イオンなどが多量に存在する厳しい
腐蝕環境下では再不動態化が妨げられ、腐蝕の進行が継
続する。材料表面が腐蝕すると錆の発生があるのみなら
ず、その材料の疲労強度は著しく低下するうえ、高応力
場にあっては応力腐蝕割れが発生する恐れがある。とこ
ろで、電気化学的系列上で動翼材料よりも電気陽性な（
イオン化傾向の大きな）、すなわち金属的に卑な材料、
たとえば動翼材料のベースメタルである鉄に対して電気
陽性なアルミニウムなどがその表面に存在すると、腐蝕
性雰囲気中ではアルミニウムは犠牲陽極となって動翼金
属表面を防蝕することが知られている。

（実施例） 以下、本発明による蒸気タービン動翼の第１の実施例を
第１図を参照して説明する。なお、従来と同一部分は同
一符号を用いる。符号５は、動翼１のレーシングワイヤ
押通孔２内面のアルミニウム被膜層である。アルミニウ
ム被覆層５は、たとえば、アルミニウムの溶融状微粒子
をレーシングワイヤ挿通孔２の内面に吹き付けて形成さ
れる。

このとき、運転中レーシングワイヤが押し付けられる上
面側には薄く、隙間の生ずる下面側トこは厚く被覆する
。

このように構成されたルースレーシングワイヤの取付は
構造においては、レーシングワイヤ３と、動ｘ１のレー
シングワイヤ挿通孔２との間隙４に腐蝕性不純物が付着
してもアルミニウム被覆層５が犠牲陽極となり、動翼材
料金属は溶出することがなくなり、従って動翼貫通孔２
の内面は錆びることがない。しかもアルミニウム被覆層
５は動翼貫通孔２の上面５ａと平曲５ｂで厚さを調整し
ているので、運転中レーシングワイヤ３と動翼貫通孔２
との摺動によるダンピング効果には影響がなく、不純物
の堆積しやすい下面側では腐蝕の発生が抑制される。

第２図は本発明の第２の実施例を示す説明図である。符
号６は、レーシングワイヤ挿通孔２の下面側に設けられ
た溝であり、その曲率単重ｒはワイヤ半径Ｒよりも充分
小さくかつ切欠きとなって動翼貫通孔まわりの応力集中
とならないように決定される。レーシングワイヤ挿通孔
２の内面は溝６を含めて、上記第１の実施例と同様アル
ミニウムで被覆されている。溝６の曲率半径はレーシン
グワイヤ３のそれよりも小さくしたので、レーシングワ
イヤが完全に動翼孔２の上面に押付けられ７− ない場合でも、ｉ′ｇ６の中のアルミニウム被覆層が削
り取られ完全に無くなってしまうことがなくなり、防蝕
効果がより持続する。

第３図は本発明の第３の実施例を示す説明図である。符
号７は、レーシングワイヤ挿通孔２に挿入されたアルミ
ニウム管である。アルミニウム管７とレーシングワイヤ
３とは適当な間隙を有しルースレーシングワイヤの取付
は構造であることには変わりはない。レーシングワイヤ
３と、アルミニウム管７との隙間４に腐蝕性不純物が付
着してもアルミニウム管７が犠牲陽極となり、前記第１
の実施例と同じ効果を奏する。なお、アルミニウム管７
の両端７ａ、７ｂは適当な方法で折曲げるなどして動翼
貫通孔２に固定するが、例えアルミニウム管７と動翼貫
通孔２内血との間に生ずる組立て上平可避な微小な隙間
８に腐蝕性物質が侵入しても腐蝕の恐れがないことはす
でに述へた通りである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、動翼のレーシングワイヤ押通孔を動翼
材料よりも電気化学的に卑な材料で被覆したので、腐蝕
環境下では被覆材料が犠牲陽極となり、動翼孔内向に錆
の発生することがなく、従って長期間の運転においても
動翼孔内でのレーシングワイヤの動きが確保され、ルー
スレーシングワイヤ本来の目的であるダンピング効果が
十分に期待できる。一方、動翼孔内に錆の発生がなくな
り、従ってレーシングワイヤが固着することがないので
レーシングワイヤに過大な曲げ応力が発生せず、レーシ
ングワイヤや動翼孔部に亀裂発生その他のトラブル発生
の恐れが極めて少なく、信頼性がさらに向上するという
多大な効果を有するものである。

なお、上述の実施例ではアルミニウムを例にして説明し
たが、本発明の意図するところは犠牲陽極作用を有する
材料で動翼孔内向を被覆することであり、これを満足す
る材料であれば他の材料であってもよいことは言うまで
もない。

【図面の簡単な説明】

第工図は本発明の蒸気タービン動翼の第１実施例のレー
シングワイヤ挿通孔部の拡大正面図、第２図（ａ）は本
発明の第２の実施例のレーシングワイヤ挿通孔部の拡大
正面図、第２図（ｂ）は第２図（ａ）のｎ−ｎ矢視断面
図、第３図（ａ）は本発明の第３の実施例のレーシング
ワイヤ挿通孔部の拡大正面図、第３図（ｂ）は第３図（
ａ）のｍ−ｍ矢視断面図、第４図はレーシングワイヤ連
結構造を悦えたタービン動翼を示す斜視図、第５図は第
４図における■−■断面図、第６図は第５図の■方内部
分矢視図である。 工・・・動翼 ２・・動翼のレーシングワイヤ挿通孔 ３・・・レーシングワイヤ　　４・・・間隙５・・・ア
ルミニウム被覆層 ６・・・溝

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１）並設された複数の動翼それぞれに貫通孔を穿設し
   、これらの貫通孔にレーシングワイヤを挿通することに
   よって、上記複数の動翼を相互に連結した蒸気タービン
   動翼において、上記貫通孔の内面には、動翼材料よりも
   電気化学的に卑な材料からなる被覆がほどこされ、しか
   もその被覆と上記レーシングワイヤの間には間隙が存在
   することを特徴とする蒸気タービン動翼。 （２）前記被覆はアルミニウム層であることを特徴とす
   る請求項１の蒸気タービン動翼。（３）前記被覆は、下
   面側を厚く、上面側を薄く施したことを特徴とする請求
   項１の蒸気タービン動翼。 （４）前記貫通孔下面に溝を設け、その溝はレーシング
   ワイヤの曲率半径よりも小さくかつレーシングワイヤ挿
   通方向に形成されたことを特徴とする請求項１の蒸気タ
   ービン動翼。 （５）前記被覆は、前記貫通孔内面に接して挿入された
   金属製の管であることを特徴とする請求項１の蒸気ター
   ビン動翼。