JPH038047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 磁石式発電機などの発電機や変圧器その他の電
磁装置に用いられる積層鉄心に関する。

〔従来の技術〕

従来、磁石式発電機などの発電機や変圧器その
他の電磁装置に用いられる積層鉄心は、ケイ素鋼
板等を特定形状に打ち抜いた積層板を複数積層す
るために、上記打ち抜きと同時にそれぞれの積層
板に孔部を設け、重ね合わせた後に、該孔部にリ
ベツト類を挿入しかしめて構成され、さらに上記
積層鉄心を接地する場合には、上記積層板とは別
個にアース端子を用意し、該アース端子を上記リ
ベツト類により積層板とともにかしめていた。

すなわち、磁石式発電機の積層鉄心を例にとつ
て説明すれば、第４図示の如く、磁石式発電機の
積層鉄心Ｃは積層板７を複数枚重ね合わせた後、
上記積層板７上に設けた孔部８，９にそれぞれリ
ベツト１０，１１を挿入しかしめていた。なお、
アース端子を設ける場合には図示の如く、アース
端子１２を同時にかしめていた。

しかしながら、上述したように積層鉄心を接地
しようとした場合には、別個にアース端子を用意
しなければならず、製造に不便であり、また、リ
ベツト類の使用によつてその頭部が積層鉄心の両
側に少なからず突出してコイルの取付けの邪魔に
なる場合があり、さらにコストアツプは免れない
という欠点があつた。また、リベツト類用の孔部
が積層鉄心の磁気特性に悪影響を与えていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記従来技術の欠点を除去するもの
であり、鉄心を接地する場合にも、別個にアース
端子を用意する必要がなく、製造が容易で、かつ
リベツト類を使用しないため、その頭部が積層鉄
心の両側面に突出することもなく、コイルの取付
け等も簡単であり、さらに積層鉄心の磁気特性の
向上を図ることができるものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するため、本考案は、適位置
の両側を打抜いてその間を一側面に突出させて凸
部を構成し、他側面に凹部が構成された複数枚の
積層板が、その凹凸部を順次適合させて重合さ
れ、その凸部側の最外側面には上記複数の積層板
と同形で、上記凸部と適合する孔部を有する積層
板が重合され、上記凹凸部及び孔部をかしめて一
体とされてなり、いずれかの最外側面の積層板に
はアース端子となる切起し片を設けた構成とした
ものである。

〔作 用〕

本考案によれば、最外側面の積層板上に設けた
切起し片をアース端子とすることができ、該切起
し片は上記最外側面の積層板の形成時に打ち抜き
加工され、それを折曲げることによつて容易に構
成される。

したがつて、別個にアース端子を用意する必要
がなく、またリベツト類も使用する必要がないた
め、従来の如くその頭部が積層鉄心の両側面に突
出することもなく、製造工程が簡略化されるとと
もに部品点数の減少が図れ、安価に提供でき、さ
らに、リベツト類用の孔部を設ける必要がないた
め積層鉄心の磁気特性が向上する。

〔実施例〕

第１図イに本考案の一実施例として磁石式発電
機の積層鉄心Ａが示されている。すなわち、積層
板２と１で構成されている。

２はケイ素鋼板等からなる積層板で、同図ニ，
ホに示す如く、適位置（実施例では３ケ所）の両
側ａ，ｂを打抜いて、その間を上面に突出させて
凸部４を構成すると、必然的に他側面に凹部６が
構成される。

また、１はアース端子を構成した積層板で、同
図ロ，ハに示す如く上記積層板２と同形であり、
上記積層板２の各凸部と適合する孔部３が打抜か
れ、さらに、切起し片５が上記孔部３の打抜きと
同時に打抜き加工され、それを折り曲げることに
よつてアース端子とされる。

そして、積層鉄心Ａは、上記積層板２の複数が
順次各凸部４及び凹部６を適合させて重合され、
さらに凸部４側の最外側面に上記積層板１が重合
され、上記凸部４、凹部６及び孔部３が適合させ
られその部分をかしめて一体に構成される。

その結果、第２図示の如く、重合された積層板
２にあつては隣接する積層板２の凸部４が隣接す
る積層板２の凹部６にきつく適合し、最外側面の
凸部４′が積層板１の孔部３にきつくはまり込み
全体が一体に構成される。

なお、切起し片５の形状は積層鉄心の磁気特性
を低下させないよう定められるとともに、アース
端子として用いられるのでリード線等の半田付け
の作業性向上のための熱容量が小さくなるよう定
められる。

なお、切起し片５は最外側上面の積層板１では
なく最外側下面の積層板２に設けてもよい。

第３図は他の実施例を示し、積層鉄心Ｂが積層
鉄心Ａと異なるところは切起し片５′の形状であ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、最外側面の積層板上に切起し
片を設けたことによつて、積層鉄心を接地する場
合にも、別個にアース端子を用意する必要がな
く、リベツト類も使用する必要がないため、従来
の如くその頭部が積層鉄心の両側に突出すること
もなくコイル等の取付けが簡単になる。また、製
造工程が簡略化されるとともに部品点数の減少が
図れ、安価に提供できる。さらに、リベツト類用
の孔部を設ける必要がないため、磁気特性が低下
させられることがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すもので、イは
全体斜視図、ロは積層板の正面図、ハはそのＸ−
Ｘ線断面図、ニは他の積層板の正面図、ホはその
Ｙ−Ｙ線断面図、第２図は第１図イのＺ−Ｚ線断
面図、第３図は他の実施例を示す全体斜視図、第
４図は一従来例を示すもので、イは全体斜視図、
ロは積層板の正面図である。 １，２……積層板、３……孔部、４……凸部、
５，５′……切起し片、６……凹部、Ａ，Ｂ……
積層鉄心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適位置の両側を打抜いてその間を一側面に突出
   させて凸部を構成し、他側面に凹部が構成された
   複数枚の積層板が、その凹凸部を順次適合させて
   重合され、その凸部側の最外側面には上記複数の
   積層板と同形で、上記凸部と適合する孔部を有す
   る積層板が重合され、上記凹凸部及び孔部をかし
   めて一体とされてなり、いずれかの最外側面の積
   層板にはアース端子となる切起し片を設けたこと
   を特徴とする積層鉄心。