JPH0380263B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、生化学的分析や免疫学的分析を簡
易に行う自動分析装置に係り、特に所謂シングル
マルチ方式の自動分析装置の改良に関する。

〔従来技術とその問題点〕

近年、地域における血液検査の充実化を図る目
的から、小病院でも簡易に血液検査を行うことが
できる小型で低価格の自動分析装置が種々提案さ
れており、そのほとんどのものが所謂シングル方
式のものか、シングルマルチ方式のものである。

シングル方式の自動分析装置は、異なる測定項
目を一つの反応ラインで連続して分析するもの
で、反応容器を別途手段で洗浄するのでキヤリー
オーバ発生の虞れは少ないが測定項目に対応する
光波長の切換え等が複雑で分析結果を得るまで長
時間かかるという問題を有していた。

またシングルマルチ方式の自動分析装置は、そ
のほとんどのものが反応容器の洗浄装置を備えて
いるが、同一の反応容器で異なる項目の分析を行
うことから反応容器でのキヤリーオーバが発生し
易く、また装置も洗浄装置を配設した分装置が大
型・複雑化して高価となるという問題を有してい
た。

〔発明の目的〕

この発明は、かかる現状に鑑み創案されたもの
であつて、その目的とするところは、患者別など
に分別した検体の異なる項目を短時間で分析で
き、しかも反応容器でのキヤリーオーバが発生す
る虞れも生じない、シングル方式とシングルマル
チ方式との長所を併せ持つ小型で低コストの汎用
型自動分析装置を提供しようとするものである。

〔発明の構成〕

上記目的を達成するため、この発明にあつて
は、自動分析装置を所要数の反応容器を保持する
ターレツト状の反応容器ホルダと、この反応容器
ホルダを複数個保持するターレツト状のホルダ保
持装置と、複数のサンプル容器を保持するターレ
ツト状サンプラー並びに測定項目に対応する試薬
類を保持するターレツト状試薬ボトルホルダを上
記反応容器ホルダに対して対称位置に配設し、こ
のホルダ保持装置を所要タイミングで回転駆動し
て各反応容器ホルダを順次検体分注位置、試薬分
注位置及び光学測定位置まで移送する間欠駆動装
置と、検体分注位置、試薬分注位置及び光学測定
位置まで移送された反応容器ホルダを同各位置で
回転駆動制御するホルダ駆動装置とを配設して構
成したものである。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す一実施例にもとづき、こ
の発明を詳細に説明する。

この実施例に係る自動分析装置Ｘは、所要数の
反応容器１を等間隔に保持するターレツト状の反
応容器ホルダＡと、この反応容器ホルダＡを所定
角度毎に複数個（図示の実施例では120゜毎に３
個）保持してなる大ターレツト状のホルダ保持装
置Ｂと、この保持装置Ｂを所要タイミングで120゜
づつ間欠回動させることで該保持装置Ｂに保持さ
れた反応容器ホルダＡを順次検体分注位置、試薬
分注位置及び光学測定位置まで移送する間欠駆動
装置Ｃと、検体分注位置、試薬分注位置及び光学
測定位置に移送された反応容器ホルダＡを同各位
置で回動させるホルダ駆動装置Ｄと、サンプラＳ
及び検体分注装置Ｅと、試薬装置Ｒ及び試薬分注
装置Ｆと、光学測定装置Ｇと、これら各装置Ａ乃
至Ｇを駆動制御して所定の生化学分析を連続して
自動的に処理する制御装置CPUとから構成され
ている。尚、ホルダ保持装置Ｂは、第１図に示す
例では３個の反応容器ホルダＡを保持している場
合を例にとり説明しているが、ホルダ保持装置Ｂ
と反応容器ホルダＡとの直径によりその保持個数
は相対的に決定されるものである。

サンプラＳは、複数個のサンプル容器１内に測
定すべき検体（血清）が所要量収容されており、
各サンプル容器２はターレツト状のサンプルホル
ダ３に等間隔毎に保持され、図示外の公知構成よ
りなる間欠駆動装置によつてサンプル分注位置ま
で所定のタイミングで間欠移送される。

このようにしてサンプル分注位置まで所定のサ
ンプル容器２が移送されると、同容器２内の検体
はサンプル分注装置Ｅを介して後記する反応容器
１に所要量分注される。

また試薬供給装置Ｒには、測定項目に対応する
第１試薬叉は第２試薬等の試薬を所要量収容して
なる試薬ボトル５がターレツト状のボトルホルダ
６に平面からみて放射状に保持されており、同ホ
ルダ６は図示外の回転駆動装置によつて測定項目
に対応する試薬が収容された試薬ボトル５を試薬
分注位置まで正逆回転して移送されるよう駆動制
御されている。

このようにして試薬分注位置まで測定項目に対
応する試薬ボトル５が移送されると、同ボトル５
内の試薬は試薬分注装置Ｆを介して試薬分注位置
に到来した前記反応容器１に所要量分注される。

尚、前記サンプル分注装置Ｅと試薬分注装置Ｆ
は、吸排ポンプと、ピペツトと、ピペツトをサン
プル吸引位置叉は試薬吸引位置まで移送する移送
装置と、上記ピペツトを昇降案内する昇降装置と
から構成され、上記ピペツトは各吸引位置に移送
された後下降してサンプル叉は試薬を吸引した後
上昇してサンプル吐出位置叉は試薬吐出位置まで
回動して移送された後再び下降してサンプル叉は
試薬を反応容器１に吐出し、この後さらに上昇し
てピペツト洗浄部まで移送された後、上記各作業
を順次繰り返すよう構成されており、これら各部
の構成及び駆動制御装置の構成・作用は公知のサ
ンプル分注装置と試薬分注装置の構成・作用と同
様であるので、その詳細な説明をここでは省略す
る。

反応容器ホルダＡは、第２図と第３図から明ら
かなように縦断面横倒コ字状の本体部１０と、本
体部１０の周方向に沿つて等間隔に配設され反応
容器１が保持される所要数の有底状保持孔７と、
該保持孔７の長軸と直交する方向に開設され反応
容器１を横断して測定光ｌを受光器１５へと導く
導光孔８と、本体部１０の上面中心部から垂直方
向に突設された縦断面Ｔ字状の把持部９と、本体
部１０の下面中心部から垂直下方向に突設された
筒状の差込み部１１とから構成され、該差込み部
１１の下端部には縦割り状のスリツト１２が穿設
され該差込み部１１は軸心方向に弾性を有して縮
径可能に構成されている。

ホルダ保持装置Ｂには、第１図から明らかなよ
うに、120゜毎に上記反応容器ホルダＡを保持する
逆凸状のホルダ穴２０が形成されており、これら
各ホルダ穴２０には、第３図に示すようにベアリ
ング２１を介して断面Ｉ字状の回転体２２が回転
可能に配設され、該回転体２２の軸芯部には有底
状の保持孔２３が開設されているとともに、下部
のフランジ部２４下面には係合孔２５が穿設され
ている。保持孔２３は、その内径が前記反応容器
ホルダＡに形成された差込み部１１の常態時にお
ける外径よりも若干小径に形成されている。従つ
て、反応容器ホルダＡは、その差込み部１１が縮
径された状態で保持孔２３に挿着され、回転体２
２と一体的に回転する。また係合孔２５には反応
容器ホルダＡを回転制御するホルダ駆動装置Ｄの
フランジ３０に突設された爪片３１が係合され
る。

さらに、上記ホルダ穴２０の側壁部２６には、
ホルダ保持装置Ｂの外周壁を貫通して導光孔２７
が水平に開設されており、同孔２７は、反応容器
ホルダＡをホルダ穴２０に保持したときに、反応
容器ホルダＡの導光孔８の軸心とその軸心が合致
するよう開設されている。また、上記ホルダ穴２
０の底面部２８であつて上記側壁部２６方向には
垂直導孔２９が同底面部２８を貫通して形成され
ている。尚、ｍは測定光ｌを受光器３４方向へと
反射する反射鏡であり、各ホルダ穴２０の底面部
２８より突設して夫々配設されている。

ホルダ駆動装置Ｄは、図示はしないが検体分注
位置、試薬分注位置及び光学測定位置に夫々配設
されており、これら各装置ＤはモータＭと、この
モータＭの回転軸先端に配設された上記フランジ
３０と、このフランジ３０の上面に突設され、前
記係合孔２５と係合する爪片３１と、図示はしな
いがモータＭを昇降動させる昇降装置とから構成
されており、これら各ホルダ駆動装置Ｄは、所定
の反応容器ホルダＡが上記各位置に到来した状態
を検知してモータＭを上昇させ、爪片３１が回転
体２２の係合孔２５と係合するよう夫々駆動制御
され、かつ検体及び試薬分注位置では反応容器ホ
ルダＡを１ピツチ（反応容器１の配設間隔と同じ
間隔をいう。以下同じ）づつ間欠回動させ、また
光学測定位置では、所定の等速度で回転駆動させ
るよう駆動制御される。

光学測定装置Ｇは、光源３２と、この光源３２
から照射された測定光ｌを反射鏡ｍまで導く導光
体３３と、受光器３４とから構成され、導光体３
３は、所定の反応容器ホルダＡが光学測定位置に
到来したときに、図示外の昇降装置を介して上昇
案内されて垂直導孔２９内に挿入され、その先端
が反射鏡ｍに当接する直前の位置まで上昇案内さ
れ、また同ホルダＡの光学測定が終了するとホル
ダ保持装置Ｂの間欠回動の支障とならない位置ま
で下降される。また受光器３４は、受光された測
定光ｌを測定項目に対応する波長毎に分光し、こ
の分光された波長光の吸光量を電圧変換して検体
の反応度を分析するもので、公知の構成よりな
る。

尚、上記ホルダ保持装置Ｂに保持される３個の
反応容器ホルダＡは、ホルダ１個につき、一つの
項目分析、例えば生化学分析の分析項目GOT、
GPT、ALP分析（勿論これらの分析に限定され
ず、CA分析やCRNN分析等他の分析項目であつ
てもよい。）が行われるものとする。また一のホ
ルダに保持された反応容器１の半分で一の分析を
行い他の半分の反応容器１で他の一の分析を行う
ように構成し、さらには、一のホルダで三以上の
項目分析を行うよう構成してもよい。

次にこのように構成された自動分析装置Ｘの作
用を説明すると、各反応容器ホルダＡに、別途装
置等により洗浄された反応容器１をセツトした
後、該反応容器１がセツトされた各反応容器ホル
ダＡをホルダ保持装置Ｂのホルダ穴２０に、その
差込み部１１が回転体２２の保持孔２３に密に嵌
合保持されるよう差し込まれ、反応容器ホルダＡ
の導光孔８の軸心とホルダ保持装置Ｂの導光孔２
７の軸心とが同軸となるようセツトされる。

この状態からスタートスイツチSWをオンする
と、間欠駆動装置Ｃが始動して、一の反応容器ホ
ルダＡを検体分注位置まで間欠移送すると共に、
サンプラＳ及びサンプル分注装置Ｅも始動し、サ
ンプル容器２内の検体が所要量秤取された後各反
応容器１内に順次分注される。この場合における
反応容器１の間欠移送はホルダ駆動装置Ｄの間欠
駆動によつて行われる。

このようにして検体が全て分注された反応容器
１を保持する反応容器ホルダＡが間欠移送されて
試薬分注位置に到来すると、試薬分注装置Ｒを介
して測定項目に対応する例えばGPT分析用の第
１試薬及び必要に応じて第２試薬がホルダ駆動装
置Ｄによつて間欠移送される各反応容器１に順次
分注される。この場合、測定項目に対応する試薬
が収容された試薬ボトル５は、検体が試薬分注位
置に到来するのに同期して試薬分注位置に到来す
るよう図示外の駆動制御装置を介してボトルホル
ダ６を駆動制御される。

このようにして反応容器ホルダＡに保持された
全ての反応容器１に検体及び測定項目に対応する
試薬が分注し終えると、この終了タイミングを検
知してホルダ保持装置Ｂは間欠駆動装置Ｃを介し
て駆動し、上記試薬が分注された反応容器ホルダ
Ａを光学測定位置まで間欠移送する。

光学測定位置では、上記反応容器ホルダＡの移
送終了を検知して導光体３３が垂直導孔２９に挿
入され、光源３２から照射された測定光ｌは反射
鏡ｍで反射された後、測定光ｌは反応容器ホルダ
Ａの導光孔８に導かれ反応容器１内の反応液（検
体と試薬の反応液）内を透過した後ホルダ保持装
置Ｂの導光孔２７を通つて受光器３４に受光さ
れ、測定項目に対応する波長の増減量が検知さ
れ、制御装置CPUで所定の分析が行われる。尚、
他の反応容器ホルダＡに保持された反応容器１に
も上記手順に従つて検体・試薬の分注が自動的に
なされ、その後上記と同様の光学測定が行われ
る。

このようにして反応容器１に収容された検体と
試薬との反応液の光学測定が終了すると、把手９
を把持して反応容器ホルダＡをホルダ保持装置Ｂ
の保持孔２３から引き抜き、各反応容器１を各反
応容器ホルダＡの収容孔７から取り外し、これら
取り外された各反応容器１は別途設けられた洗浄
装置叉は手作業により洗浄された後各反応容器ホ
ルダＡにリセツトして再使用される。

尚、上記実施例では、ホルダ駆動装置Ｄをモー
タＭで構成し、該モータＭを昇降動制御すること
で反応容器ホルダＡを回転させるよう構成した場
合を例にとり説明したが、ホルダ保持装置Ｂ側に
永久磁石を配設し、各検体・試薬分注位置及び光
学測定位置に電磁石を配設し、この電磁石の磁界
を制御することで反応容器ホルダＡを回転制御す
るよう構成しても同様の効果を得ることができ
る。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したように、複数の反応容
器ホルダ毎に一以上の項目測定が行なわれるよう
に構成され、しかもこの分析は反応容器ホルダが
セツトされると最後の反応容器ホルダに保持され
た反応容器の測定分析が終了するまで連続的に行
なわれるので、複数の血液分析情報を短時間に得
ることができるとともに、取扱いが容易であり、
また同一の反応容器で異なる項目の分析を行なわ
ないのでキヤリーオーバーが発生する虞れが全く
なく常に信頼性のある血液データを得ることがで
きる他、洗浄装置が組み込まれていないので自動
分析装置全体を小型化でき、しかも構成がターレ
ツト状サンプラー、ターレツト状試薬ボトルホル
ダが複数のターレツト状反応容器ホルダを持つタ
ーレツト保持装置を中心に対称に配設され、分注
装置がそれに対応して駆動制御されているので、
効率的で簡易であるので低価格で提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の第１実施例に係る自動分析
装置の構成を概略的に示す平面図、第２図は反応
容器ホルダを示す斜視図、第３図は第１図−
線拡大断面図である。 Ｘ……自動分析装置、Ａ……反応容器ホルダ、
Ｂ……ホルダ保持装置、Ｃ……間欠駆動装置、Ｄ
……ホルダ駆動装置、Ｅ……検体分注装置、Ｆ…
…試薬分注装置、Ｇ……光学測定装置、１……反
応容器、ｌ……測定光。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所要数の反応容器を保持するターレツト状の
   反応容器ホルダと、上記反応容器ホルダを複数個
   保持するターレツト状保持装置と、複数のサンプ
   ル容器を保持するターレツト状サンプラー並びに
   測定項目に対応する試薬類を保持するターレツト
   状試薬ボトルホルダを上記反応容器ホルダに対し
   て対称位置に配設し、上記ホルダ保持装置を所要
   タイミングで回動駆動する各反応容器ホルダを順
   次検体分注位置、試薬分注位置及び光学測定位置
   まで移送し、上記各位置で回動制御するホルダ駆
   動装置を備えてなる自動分析装置。