JPH0380075A - フィロケイ酸塩系人工培地 - Google Patents

フィロケイ酸塩系人工培地

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JPH0380075A
JPH0380075A JP21501889A JP21501889A JPH0380075A JP H0380075 A JPH0380075 A JP H0380075A JP 21501889 A JP21501889 A JP 21501889A JP 21501889 A JP21501889 A JP 21501889A JP H0380075 A JPH0380075 A JP H0380075A
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phyllosilicate
potassium
magnesium
water
artificial medium
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JP21501889A
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Masahide Ogawa
小川 政英
Teiji Sato
悌治 佐藤
Masanori Tanaka
正範 田中
Noriyuki Takahashi
範行 高橋
Haruo Ogawa
小川 春夫
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無菌培養や組織培養に必要な人工培地の床材
に関し、より詳細には、フィロケイ酸マグネシウム・カ
リウムを有効成分として水にコロイド状分散させたフィ
ロケイ酸塩系人工培地に関する。
[従来技術] 従来、動物あるいは植物の組織培養に使用されてきた固
定床人工培地の床材としては、寒天が一般に多用されて
きた。
また、寒天以外にも種々の有機化合物や無機化合物が提
案されている。
例えば、特開昭60−203181号公報には海草より
精製したカラギーナンとガラクトマンナンの組み合わせ
等が開示されており、特開昭61−78380号公報に
は水酸化アルミニウム、水酸化鉄、ベントナイト、合成
ヘクトライト等を人工培地として使用することが開示さ
れている。
また、本発明者等は合成スチブンサイトを有効成分とす
るゲル状人工培地を提案している(特願昭63−178
2291 。
[発明が解決しようとする問題点] 寒天は古くより人工培地として一般的に使用されてきた
。しかし、寒天を人工培地として用いる時は透明度、溶
解性、経時変性(酸化や腐敗)、価格等の点で問題があ
り、特に透明性のある培地を必要とする時は苦慮してお
り、バイオチクノロシイの進歩と共にその改良が求めら
れている。
また、他の有機系の化合物を用いた人工培地では、培地
の前処理として高温高圧下で行われる滅菌操作が必須で
あり、この条件に有機系化合物は弱く、また酸化や腐敗
など条件に対しても劣化がひどく、さらに乾燥等の条件
下における保水性にも劣る。したがってこれら有機化合
物には長期にわたる安定した人工培地を期待することは
できない。
ベントナイトは天然に産出する鉱物であり、膨潤性のあ
る無機化合物として知られているが、天然品であるが故
にさまざまな不特定な不純物の混入は避けられない。し
かちこのベントナイトを水性媒体に分散させる時は、ベ
ントナイトに不溶性化合物が含有されることから懸濁し
てしまい、透明性のある培地床材が得られず、しかも色
調の点でも劣る。さらに、ベントナイトの水分散液は比
較的大きい増粘性は示すが、しオロジー特性の一つであ
るヂクソトロビーの点でもやや劣るという問題がある。
一方、保水性に優れた無機化合物としてスチブンサイト
やヘクトライトとして知られているフィロケイ酸塩類の
スメクタイト鉱物がある。これら層状化合物であるスメ
クタイト鉱物の水分散液は透明性およびチクソトロピー
特性の点では優れている。しかし、天然に産出されるス
チブンサイトは鉄、マンガン等の着色成分を含有してお
り、培地に対する不純成分の混入やそれにともなう着色
性の点で満足の行くものではない。
また、合成スメクタイトとしては既に種々の方法で合成
された鉱物が知られておりれており、例えばクレイズ・
アンド・クレイ・ミネラルズ誌。
第27巻、第4号、第253乃至260頁(19791
には、セビオライト−水系を熱処理して、スチブンサイ
トが合成されることが記載されている。
しかしながら、上記公知合成法で製造されたスチブンサ
イトは、未反応のセビオライトがかなりの量で含まれて
おり、人工培地としては適当でない。しがち、これら合
成スメクタイトは1価金属酸分としてリチウムやナトリ
ウム、ならびにアニオン成分としてフッ素イオンを必須
成分として含有している。これらリチウム、ナトリウム
、フッ素等のイオンは培養しようとする生物体ちしくは
組織体へ悪影響を及ぼずことが一般に知られており、こ
のような悪影響を及ぼす元素を含有している材料をわざ
わざ人工培地に使用することは有効でない。
したがって人工培地に採用する材料としては、こうした
生物体もしくは組織体へ悪影響を及ぼすような元素成分
を含有していない安全で安定した無機化合物が求められ
ている6 即ち、本発明の目的は、トリオクタヘドラル型スメクタ
イト族の粘土鉱物を水にコロイド状分散せしめ、固定床
の人工培地として用いる時は、般に人工培地に求められ
ている機能性を充分に満足させ、安全で安定したフィロ
ケイ酸塩系人工培地が提供されることにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、人工培地床材に関する研究を重ねた結果
、実質上カリウム、マグネシウム、ケイ素、水素および
酸素元素のみから構成されるトリオクタヘドラル型スメ
クタイト族の粘土鉱物を、水にコロイド状に分散せしめ
人工培地の床材とすることによって、透明性に優れ、上
述した従来の人工培地の問題点が解消された安全なフィ
ロケイ酸塩人工培地を見出した。
本発明によれば、実質上カリウム、マグネシウム、ケイ
素、水素および酸素元素のみから構成され、しかもトリ
オクタヘドラル型スメクタイトに特有のX線回折像と2
0ミリ当量/IO[1g以上の陽イオン交換容量とを有
するフィロケイ酸マグネシウム・カリウムが水にコロイ
ド状分散しているフィロケイ酸塩系人工培地が提供され
る。
本発明で用いるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
理想的には、実質上、下記式 Kx Mg1−v Si<  OIo  foll)□
・n1lzO−(1)式中、Xは式2Y≧X≧Yを満足
する数であり、Yは0乃至0.2の数であり、nはゼロ
より大きい数である、 で表わされる化学組成を有する合成鉱物粉末として提供
される。
[作用] 本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムのX
線回折像を添付図第−図に示す。第一図のX線回折像か
らフェロケイ酸塩は2θで3〜10度、18〜21度お
よび33〜37度に回折ピークを有することがらスメク
タイト族粘土鉱物に属すること、ならびに面指数(06
)の回折ピークが59乃至61度に表われることからト
リオクタヘドラル型に属することがわかる。
本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは、
水素や酸素を除いた金属成分が実質上マグネシウム、カ
リウムおよびケイ素の三成分で構成されており、このフ
ィロケイ酸マグネシウム・カリウムの化学組成は、−6
9に次のA表に示す通りである。
A表 一般的範囲(%) 好適範囲(%) Mg0     20〜3525〜29に201〜15
   2〜1O 3iO□    50〜6553〜62灼熱減量   
 5〜15   8〜18また、このフィロケイ酸マグ
ネシウム・カリウムは、一般に20ミリ当量/l口Og
以上、特に30乃至100ミリ当量7100gの範囲の
陽イオン交換容量を有する。実験の結果、この交換容量
はフィロケイ酸塩を構成しているカリウムイオン量にほ
ぼ匹敵する量であることから、本発明のフィロケイ酸塩
においてはカリウムイオンは構成する結晶の基本骨格に
組み込まれることなく、実質上基本層間に存在している
ことが判明した。
トリオクタヘドラル型スメクタイト族粘土鉱物は、二価
の金属例えばマグネシウムの酸化物からなる八面体層を
二層のシリカ四面体層でサンドウィッチされた三層構造
を基本層単位とした積層構造から成っており、前記八面
体層の基本単位中に三個の二価の金属(Mgl原子が存
在し、その基本化学構造は、例えば式 %式%(2) で表わされる。本発明によるフィロケイ酸マグネシウム
・カリウムでは、八面体層中のマグネシウムの一部が空
位(空隙)と成っており、その電荷の不足を補うために
カリウムが層間に存在している。即ち、このフィロケイ
酸マグネシウム・カリウムは理想的には式 %式%(11 X、 Y、 nは前述した意味を有する。
で表わされる。上記式(2)において、層間に存在する
カリウムの量Xを2Y≧X≧Yと規定しているのは、八
面体層中のマグネシウム空位の部分にはプロトン(H+
)が存在している場合があり、全空位にプロトンが存在
する場合はx=Yの時、また全空位にプロトンが存在し
ない場合にはY=2Xで電荷のバランスが保たれること
による。
なお、式(2)から導かれる理論的なイオン交換容量と
実測されたイオン交換容量とは厳密には一致せず、実測
値の方が大きい値を示すが、このことはフィロケイ酸塩
にイオン結合しているカリウム以外にもカリウム成分が
存在していることによるものと思われる。
本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは、
−Mに知られているスチブンサイト型フィロケイ酸マグ
ネシウム・ナトリウムのアルカリ金属成分のナトリウム
が見掛は上カリウムで置換された化合物に相当すると誤
解されるおそれがある。しかしながら、フィロケイ酸マ
グネシウム・ナトリウムと本発明のフィロケイ酸マグネ
シウム・カリウムとは化学構造上っぎの点で異なってい
る。即ち、フィロケイ酸マグネシウム・ナトリウムにお
いては層間にイオン結合しているアルカリ金属成分(ナ
トリウム)以外に結晶の基本骨格である八面体層中に組
み込まれたアルカリ金属成分(ナトリウム)が存在して
いる。これに対して、本発明におけるフィロケイ酸マグ
ネシウム・カリウムにおいては、実質上全てのアルカリ
金属成分 0 (カリウム)が層間に存在している。このように、ナト
リウムは基本骨格に組み込まれるが、カリウムは組み込
まれないという相違が両者の間に生しる理由は未だ充分
には解明されていないが、ナトリウムに比べてカリウム
が大きいイオン半径を有していることにも関連している
ものと思われる。
しかも、本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリ
ウムは、これに水を混合すると、フィロケイ酸塩の基本
層(板状体)同士の層間にまず水が入り膨潤してゆき、
やがては基本層がバラバラになって、微細粒子のコロイ
ド状に分散して透明な流動状態(状態■)を形成する。
この流動状態(状態■)にある液体を静置しておくと、
基本層同士の吸引反発により、カード・ハウス構造が形
成され、高度に増粘されるかあるいは流動性を消失し固
化したゲル状態(状態TI )を形成する。
しかし、本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリ
ウムの水分散液は、−皮形成したゲル状態の状態IIか
ら流動状態の状態Iに復帰させるこ1 とが可能であり、本発明においてはこの状態IIから状
態■の状態に変化させるに必要な撹拌等の剪断応力を「
ゲル応力」と定義する。
本発明で用いるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
、このゲル応力、即ち、下記測定法、固形分濃度4重量
%の濃度でファンVG回転粘度計を用い、600回転/
分で10秒間回転させ、回転を止めて10秒間放置後、
3回転/分の回転をさせて測定される剪断応力(ff 
b/1oOft2) で定義されるゲル応力が極めて大きく、一般に5以上、
特に10乃至100の範囲にあり、安定したゲル状の同
化状態を形成する特性を有している。このことは、本発
明で用いるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムが超微
粒子であることから、単位容積あたりに形成されるカー
ド・ハウス構造の数が多く、したがって、形成される構
造が緻密であり、強度のある安定した状態にあることを
物語っている。
またこのゲル応力は、値が大きくなればなるは2 どチクシトロビーであることを意味しており、このこと
から、本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリウ
ムの水分散液は、著しく大きいチクソトロピー的性質を
有することが理解される。
本発明におけるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
、上述したごとく構成している金属成分がマグネシウム
、カリウム、ケイ素の三成分のみであることに鑑み、水
にコロイド分散させて調製した人工培地は、そこに培養
する生物体もしくは組織体へ悪影響を与えるような元素
成分を含有しておらず、また着色するようなことはなく
、しかも乳濁したり白濁したりすることなく透明状態が
維持できて人工培地用床材として優れた機能特性を発揮
する。
(発明の好適態様 ) フィロケイ酸マグネシウム・カリウム 本発明で用いるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
塩基性炭酸マグネシウムと、ケイ酸カリウムまたは非晶
質シリカと水酸化カリウムの組合せの中から選ばれた水
性混合物を水熱処理に賦す3 ることにより得られる。
マグネシウム原料としては塩基性炭酸マグネシウムを選
択することにより、フィロケイ酸マグネシウム・カリウ
ムの合成が可能となる。塩基性炭酸マグネシウムとして
は、任意のものを使用し得るが、炭酸マグネシウムや、
水酸化マグネシウムあるいはこれらの混合物を使用した
のではフィロケイ酸マグネシウム・カリウムを高収率な
らびに高純度で製造することは期待できない。塩基性炭
酸マグネシウムとしては、ハイドロマグネサイトを使用
するのが特に望ましく、このものは下記式4式%(3) で示される化学組成と、ASTM52−513に帰属さ
れるX線回折像とを有する。
ケイ素ならびにカリウム成分の原料としては、ケイ酸カ
リウム水溶液が有利に使用されるが、非晶質シリカと水
酸化カリウムおよび非晶質シリカとケイ酸カリウムとの
組合せを使用することもできる。ケイ酸カリウムとして
は式 n 5102  ・Na2O・=・=・−(4)式中、
■は1乃至5の数、特に2.0乃至45の数である、 のケイ酸カリウムが使用される。また、非晶質シリカと
しては、シリカのヒドロシル、シリカのヒドロゲル、キ
セロゲルや、湿式性非晶質シリカあるいは気相法非晶質
シリカ等が使用される。
塩基性炭酸マグネシウムと、ケイ酸カリウムまたは非晶
質シリカと水酸化カリウムとの配合割合は、マグネシウ
ム成分とケイ素成分との原子比(Mg : Si)で3
ニア乃至5:5の範囲で使用するのがよく、またカリウ
ム成分はフィロケイ酸マグネシウム・カリウムの組成上
必要な化学量論酌量以上に用いるのがよい。ケイ酸カリ
ウムを使用するときには、格別に水酸化カリウムを添加
する必要はなく、カリウム成分は系中に充分過剰に存在
することになる。
配合原料は水熱反応に先立って可及的に均一に混合させ
、均質化した水性スラリーを形成さぜることがJIR率
および純度向上の見地から望ましい。
5 この均質混合は強剪断撹拌下に行なうのがよく、この目
的に使用される混合機は、高速剪段ミキザ、ボールミル
、ザンドミル、コロイドミル、超音波照射等を使用する
ことができる。
配合された水性混合物中の固形分濃度は、−49に1乃
至30重量%、特に5乃至15重量%の範囲にあること
が望ましい。
均質に混合された配合物をオートクレーブに仕込み、水
熱処理を行なう。水熱処理条件は比較的温和な条件であ
ってよく、例えば一般に100乃至300℃、特に15
0乃至200℃の温度で、0乃至100 kg/cm2
(ゲージ)、特に6乃至40kg/cm2Gの圧力下で
反応を行なうのがよい。反応時間は一般に0.5乃至2
0時間のオーダーで十分である。反応により生成したフ
ィロケイ酸マグネシウム・カリウムは濾過等の方法によ
り固−液分離を行い、水洗、乾燥して製品とする。
本発明によるフィロケイ酸マグネシウム−カリウムは、
すてに述べた通り、層状の基本層間にナトリウムよりイ
オン半径の大きいカリウムイオン6 を含有しており、その結果、前述した範囲のイオン交換
容量を有する。したがって、本発明のフィロケイ酸マグ
ネシウム・カリウムは種々のカチオン類の交換吸着を可
能とする。
また、本発明によるフィロケイ酸マグネシウム・カリウ
ムは、X線回折法で求めて、一般に10乃至30nm、
特にlO乃至17nmオーダーの超微細な結晶粒子径か
ら構成されている。このように微細な結晶粒子であるこ
とに鑑み、フィロケイ酸マグネシウム・カリウムの比表
面積はBET法で測定して一般にl[)0乃至6[1(
l m27gと大きい値を示す。
里−謔 本発明に用いるフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
、水あるいは水とメタノール、エタノール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアル
コール類:アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類
:メチルエーテル、エチルエーテル、テトラヒドラフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類:セルソルブ系溶媒:酢
酸エチル等エステル類等の水混和性有機溶媒との混 7 合液により膨潤し、透明なコロイド状増粘液乃至ゲル状
固体を与える。
このように、ここに製造したフィロケイ酸マグネシウム
・カリウムは、水あるいは水混和性有機溶媒との混合液
に分散させる111は、チクソトロピー的性質を付与し
、あるいは透明なコロイド状増粘液乃至ゲル状固体を付
与することから、動物や植物の組織培養成は植物の成長
培養の床材として用いることができる。
このフィロケイ酸マグネシウム・カリウムと、水あるい
は水混和性有機溶媒との混合液との混合割合は、培養床
材に要求されるチクソトロピー的性質によっても相違す
るが、一般には、最終の水を含有した培養床材当たり0
.5乃至10重量%、特に1乃至8重量%の範囲が適当
である。
ここに製造したフィロケイ酸マグネシウム・カリウムは
、水あるいは水混和性有機溶媒と混合させ、チクソトロ
ピー特性を発揮させるためには、フィロケイ酸マグネシ
ウム・カリウムを水あるいは水混和性有機溶媒の混和液
と十分よく混合し、8 コロイド状分散液とすることが重要である。
コロイド状分散液とする条件は、常温乃至加熱下で、撹
拌の常套手段を用いることによって行なうことができる
。またこの分散は加圧下で行なうことち可能であり、培
地に求められる加熱加「下での滅菌操作と同時に行なう
ことも出来る。−射的に撹拌時の温度は常温から200
°Cの範囲とすることが好ましく、撹拌時間は5乃至1
20分の範囲とするのが良い。
コロイド状分散液は、最低10分間以上静置しておくこ
とにより、ゲル状態とすることができる。
本発明によれば、このフィロケイ酸マグネシウム・カリ
ウムを水あるいは水混和性有機溶媒の混合液と混合する
に際して、水溶性重合体を組み合わせて使用すると、チ
クソトロピー特性の付与効果を一段と向上させ得る。
合成スチブンサイトと水溶性重合体との組み合わせ比率
は、広範囲に変化させ得るが、一般に10:0乃至2.
8、特に9:1乃至5:5の重量比で用いることが好ま
しい。
 9 水溶性重合体としては、各種デンプン、シアンエチル化
デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
(CMC1,l−ラガントゴム、アラビヤゴム、アルギ
ン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ酢
酸ビニル、部分アセタール化ポリビニルアルコール、ポ
リビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリルアミド、水溶性アクリル樹脂等の1種または2
種以上の組み合わせを挙げることができる。 これらの
うちでも、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セル
ロース誘導体が好ましい。
本発明のゲル状人工培地は、無菌培養や組織培養の床材
として用いる時には、必要に応じて他のゲル化剤、増量
剤、栄養成分等を含有することができる。
例えば、ゲル化剤としては、寒天、カラギーナン、ファ
セレラン等を、増量剤としては、多糖類等を、栄養成分
としては、グルコース、蔗糖の炭水化物、植物ホルモン
(成長調整物質)、ビタミ 0 ン、アミノ酸、天然物(ココナツトミルク、バナナ、ジ
ャガイモ等)、無機塩類(窒素、リン酸、カリウム等が
既に配合された市販肥料)等が挙げられる。これらの具
体的培地としての配合例示は実施例中で示す。
この合成スチブンサイトを水あるいは水混和性有機溶媒
の混合液とのコロイド状分散液は、ゲル状人工培地とし
て、透明性に優れ且つゲル状態が安定していることから
、各種の細菌、酵母、かび類の培養ならびに保存用、動
物および植物の細胞培養、植物の実生、胚、器官、組織
等の培養、園芸類の繁殖や育種用、各種病理研究用等の
床材として、好適に使用することができる。
[発明の効果 J 本発明によれば、フィロケイ酸マグネシウム・カリウム
を、水にコロイド状に分散せしめ人工培地とする時は、
生物体もしくは組織体に悪影響を及ぼすような元素成分
の混入を心配することなく透明性に優れ、安全で安定し
たフィロケイ酸塩系人工培地が提供される。
1 [実施例コ 本発明を次の具体例で説明する。なお、本実施例は、適
用できる多くの培養培地のほんの一例に過ぎず、この培
地が多方面で有用に採用される例を示すに過ぎない。
合成スチブンサイトに対する試験方法は、下記の方法に
したがった。
(1)X線回折 理学電気(株)製型X線回折装置(X 綿発生装装置4
036A1.ゴニオメータ−2125D1.計数装置5
071)を用いた。回折条件は下記の通り。
ターゲット        Cu フィルター       Ni 検出器         SC 電圧          35 KVP電流     
     15mA カウントーフルスケール 8000C/S時定数   
      1sec 走査速度        2°/ minチャート速度
      2 cm/min 2 放射角         1゜ スリット巾       0.3mm 照角           6゜ (2)ゲル応力 固形分濃度で4重量%になるようにフィロケイ酸マグネ
シウム・カリウム粉末を水に分散せしめて25°Cの恒
温槽に24時間保存する。この試料液をミキサーを用い
て1500rpmの回転数で1分間解砕分散せしめる。
次いて、ファンVG回転粘度計を用い、まず600rp
mで10秒間回転させた後回転を止めて10秒間放置す
る、ついで3rpmの回転をさせて剪断応力(ff b
/1oOft2)を測定する。
(3)透明性 ゲル応力を測定した試験液に、更に水を加え、固形分濃
度で2重量%の試料液を調整する。この試料液を、光路
長10mmの光学セルに入れ、620nmにおける透過
率を、純水を比較として測定し、透過率%をちって示す
(4)経時変化 固形分濃度で2重量%の試料液を調整し、この3 試料液50gを100m1の三角フラスコに採り、アル
ミホイルでキャップし、オートクレーブに入れ、120
℃で20分間水蒸気滅菌を行なう。
次いで滅菌された試験液を、クリーンベンチ内でシャー
レに移し放冷する。シャーレ内の試料液がゲル化しプレ
ートを生成していることを確認した後、シャーレを転倒
させ、31℃の保温器内に保存する。2週間経過後、シ
ャーレ内のゲル状プレートにひび割れが生じているかど
うかを肉眼で観察し、ひび割れの無いものを経時変化に
対して安定であり、良好であるとした。
フィロケイ酸マグネシウム・カリウムの調製調製例−1 市販塩基性炭酸マグネシウム(徳山曹達製TT11.1
4kg(MgO:0.471kg相当)とケイ酸カリウ
ム水溶液1.43kg (SiO□:0.269g、K
QH:0.148g相当)を154の水に加えて撹拌混
合し、さらにシリカヒドロゲル1.92kg(Si02
:0.693kg相当)と水を加えて全体を2512と
し、撹拌混合して原料分散スラリーを調合する。
 4 この原料分散スラリーを、内容積30℃のオートクレー
ブに入れる。撹拌しながら180°Cて3時間水熱処理
をする。途中発生する気体を時々排気する。反応終了後
、放冷してから内容物を濾過、水洗した後乾燥し、1.
612kgの生成物(試料番号1−A)を得た。
内容積50m、9サンプルビンに1.0gの生成物を採
取し、 25m℃の水を加えて振盪し、生成物を水中に
充分分散させて、人工培地のベースfA)とした。この
時の人工培地ベースは静置しておくと流動性を失いゲル
状の固定床となり、このゲル状の固定床を強力剪断応力
により撹拌すると流動性のある液状態に戻り、ゲル状態
と液状態を可逆的に選択して形成し得ることが確認され
た。
なお、上記フィロケイ酸マグネシウム・カリウム粉末の
X線回折スペクトルを第一図に示す。
調製例−2 市販塩基性炭酸マグネシウム(徳山曹達製TTI27g
(MgO:lO,0g相当)とシリカヒドロゲル67g
(SiO7:24g1とを家庭用ミキサーに採り、高剪
断力5 にて撹拌し金櫃スラリーを得る。このスラリーに水酸化
カリウム水溶液8g(KOHニアg相当)と水とを加え
て全体を80On+12とし、撹拌混合して原料分散ス
ラリーを調合する。
この原料分散スラリーを、内容積1℃のオートクレーブ
に入れ、前記調製例−1の場合と同様の条件にて44.
0gの生成物(試料番号1−B)を得た。
内容積50m12のサンプルビンに1.0gの生成物を
採取し、25+nj2の水を加えて振盪し、生成物を水
中に充分分散させて、人工培地のベース(B) とした
。 この時の人工培地ベースFB)は、上記fA)の場
合と同様に、ゲル状態と液状態を可逆的に選択して形成
し得ることが確認された。
調製例−3 上記の方法で調製したフィロケイ酸塩粉末試料(A)に
水を加え撹拌し、固形分濃度10重量%になるようにの
調製し、この調製液180gに1重量%のカルボキシメ
チルセルローズ液(ダイセル化学工業■製115014
20gを加え、水溶性重合体の配合された人工培地のベ
ース(C)とした。
6 この時の人工培地ベースTC)も、上記[A)の場合と
同様に、ゲル状態と液状態を可逆的に選択して形成し得
ることが確認された。
止校放旦旦遷量 比較例として粉末状寒天(和光純薬玉業■製)を選び、
この寒天20gに水300nlを加え加熱撹拌し均質に
溶解せしめた。さらに水を加えて全体量が500gとな
るようにして、比較試料の寒天溶液(HD)を調製した
実施例1 上記で調製した人工培地ベース(A1.(Blおよび(
C)、ならびに比較試料の寒天溶液(HD+についてそ
れぞれゲル化応力、透明性、経時変化の各特性について
測定し、その結果を第−表に表示した。
第 表 * * 2 : ○・・−ひび割れ無し、×・・・ひび割れ有りゲル化状
態(状態II )から流動状態(状態■)に戻れない。
実施例2 上記の方法で調製された人工培地ベース(Bl 80g
に、M、S、 (Murashige Skoog)培
地用水溶液(主成 8 分:第二表参照112(1mlを加え、混合撹拌し人工
培地とした。
第二衣 Murashige Skoog液(mg/ElCaC
1□・2H20440 KNO3190O NILN0.       1650 KH2P0.        170 FeSO−・7H□0     27゜8Na2−ED
TA        37.3Mn5Oイ 4H202
2,3 ZnSO44H□0      8.6H3B03  
        6.2蔗糖     30000 得られた混合液はPH8,2であり、30分間放置後は
、組織培養培地として良好なゲル強度を有し、試験用人
工培地プレートを形成した。
該試験用人工培地プレートにマツシダのランナーを置床
し、30日間25°Cに保持して組織培養を行ない、そ
の培養状態を観察した。
その結果、培地がひび割れせず、透明であるた 9 め、根の発育状態の観察が細部まで容易であり。
本発明の合成スチブンサイトからなる人工培地の優位性
が確認された。
実施例3 上記方法で調製された人工培地ベースfA) 150g
に、リン酸(和光紬薬■製1級試薬) 0.25gを加
え、混合撹拌し人工培地とした。
得られた混合液は、PH7,6であり、30分間放置後
は、種子発芽用培地として良好なゲル強度を有し、試験
用ゲル状培地プレートを形成した。
該試験用ゲル状培地プレートに貝割れ大根の種子を蒔き
、7日間20℃に保持して貝割れ大根の発芽状態を観察
した。
発芽した子葉は、この試験用培地プレート上で約5cm
に生育し、徒長しても倒れることなく、順調に生育して
いく状態がよく観察された。
しかもなお、この合成スチブンサイトから成る人工培地
は、合成スチブンサイトの持つレオロジー特性から、培
地プレートに振動等の応力を外部から与えることによっ
て、ゲル状から流動状態に0 戻るため、生育した植物の根の毛根を痛めることなく、
この培地より生育植物を取り出すことができ、本発明の
特徴を知ることができた。
【図面の簡単な説明】
第一図は、本発明の実施例で調製されたフィロケイ酸マ
グネシウム・カリウムのCu−にα糸泉によるX線回折
像曲線である。 特開平 80075 (10) 餘

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)トリオクタヘドラル型スメクタイトに特有のX線
    回折像と20ミリ当量/100g以上の陽イオン交換容
    量とを有するフィロケイ酸マグネシウム・カリウムが水
    にコロイド状分散していることを特徴とするフィロケイ
    酸塩系人工培地。
  2. (2)フィロケイ酸マグネシウム・カリウムが実質上、
    下記式 K_XMg_3_−_YSi_4O_1_0(OH)_
    2・nH_2O式中、Xは式2Y≧X≧Yを満足する数
    で あり、Yは0乃至0.2の数であり、nはゼロより大き
    い数である、 で表わされる化学組成を有する請求項1記載のフィロケ
    イ酸塩系人工培地。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274924A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ゲル状粘土膜あるいはそれから製造した乾燥粘土膜
WO2021187566A1 (ja) * 2020-03-19 2021-09-23 クニミネ工業株式会社 スフェロイド形成促進剤

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