JPH0379249B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ターレツト本体の外周面に真空圧に
よつて物品を吸着する複数の吸盤を備え、目的に
応じて吸着の入切を行う吸着回転装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来の吸着回転装置は、ターレツト本体の中心
部端面に、気密状態で摺接する固定部材を設け、
この固定部材のターレツト本体との摺接面の一定
範囲の真空ポンプに連通する溝を刻設するととも
に、ターレツト本体には外周の吸盤から中心部に
連通し前記溝位置に開口する通気路を設け、溝と
対向する範囲の開口に連通する吸盤のみが作動す
るようにしていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の吸着回転装置では、例えば外周上に配置
された奇数個の吸盤を一つおきに作動させ、各吸
盤が一回転ごとに入切されるというような複雑な
操作を行うことはできなかつた。また、真空ポン
プによつて真空圧を一定に維持することは非常に
困難であつて、少しのエアー洩れも真空圧の変化
に大きく影響をおよぼす。そのため、回転吸着装
置のように多数の吸盤を一つの真空ポンプで作動
させる場合、特定の吸盤の作動が他の吸盤の吸着
能力を左右する。従つて、従来の真空ポンプを用
いる吸着回転装置では、吸盤の作動と吸着される
物品の搬送タイミングをなるべく正確に一致さ
せ、物品が吸着されない状態で吸盤が大気中に開
放されないようにしていた。

本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、外周上
に配置された複数の吸盤を任意数ごとに作動させ
るような複雑な操作を可能とし、かつ各吸盤を確
実に機能させることが出来る吸着回転装置を得る
ことを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

吸盤４の作動源として圧縮空気を通過させるこ
とによつて真空圧を発生させるベンチユリ管５を
用いる。

ターレツト本体２の外周部の複数位置には、ベ
ンチユリ管５と吸盤４およびベンチユリ管への圧
縮空気の供給を入切する切換弁６を一組として配
設する。そして、ターレツト本体に近接する定位
置には、通過する任意の切換弁を入切させる作動
手段を設ける。

ターレツト本体２の駆動軸１は、これを管状と
し、その内部を圧縮空気の供給路とし、ここから
複数の各切換弁６に圧縮空気を供給する。

〔作用〕

ターレツト本体２の外周部に配置される各吸盤
４は、切換弁６を通つて圧縮空気が供給されるベ
ンチユリ管５によつて吸着の機能を発揮するもの
で、各切換弁６には管状としたターレツト本体の
駆動軸１から圧縮空気が供給される。そして、複
数位置にある切換弁６の任意のものが作動手段に
よつて入切され、これによつて例えば、任意数お
きの吸盤に吸着作用を行わせるが如き複雑な操作
が可能となる。このとき、各吸盤は、他の吸盤が
物品を吸着しているか否かといつた状況に関係な
く一定の吸着能力を発揮する。その理由は、作動
状況にあるベンチユリ管には常に一定の高圧空気
が通過しており、かつ一定圧の高圧空気はコンプ
レツサなどによつて容易に供給されるからであ
る。

〔実施例〕

以下、本発明吸着回転装置の実施例を添付の図
面に基づいて説明する。

第２図は、第１図に示すように多数のスプーン
Ａを連続的に包装した帯状連続包装物Ｂを切断
し、切断して得られたスプーンの包装物B′を食
品の包装容器Ｃに貼着するスプーン貼着機であ
る。このスプーン貼着機は、順次送り出される帯
状連続包装物Ｂを、カツタ装置Ｄで一個ずつの包
装物B′に切断し、これを転送ドラムＥで転送す
るとともに、食品包装容器Ｃを吸着回転装置に吸
引させこれが回転移動する間に転送ドラムＥで供
給される包装物B′を貼着するものである。

上記第２図に示すスプーン貼着機における吸着
回転装置は、第３図に示すようにターレツト本体
２の外周部に食品包装容器Ｃが嵌まり込む奇数個
の収容部３〔図面では等間隔に15箇所〕を形成
し、各収容部３の底部に吸盤４を位置させたもの
である。このスプーン貼着機における吸着回転装
置は、第２図から理解されるように、コンベヤに
よつて一定間隔で搬送される食品包装容器Ｃを１
つおきの収容部３に吸着し、１回転する間にスプ
ーンの包装物B′を貼着してもとのコンベヤ上に
排出するもので、一つのコンベヤの流れの中で包
装B′の貼着作業が行われる。すなわち、ターレ
ツト本体２の各吸盤４は１回転毎に吸引動作を行
う。

駆動軸１によつて回転駆動されるターレツト本
体２は表板２ａと裏板２ｂとで構成され、表板２
ａと裏板２ｂの間に吸盤４ａおよびベンチユリ管
５をサンドイツチ状に挟み込むように配設してあ
る。ターレツト本体２の裏板２ｂ上には、ベンチ
ユリ管への圧縮空気を入切するための切換弁６を
取付け、切換弁６の吐出管６ａをベンチユリ管５
に連通させ、その真空回路５ａを吸盤４に接続す
る。すなわち、ベンチユリ管５と吸盤４および切
換弁６は一組としてターレツト本体２の外周部の
複数位置に設ける。

ターレツト本体２に近接する固定位置にはカム
８，９を設け、このカム８，９が切換弁６のレバ
ー６ｂに作用して切換弁６の入切動作を行なう。
図示実施例のカム８は固定カムであり、通過する
全ての切換弁を入状態とし、続くカム９は一つお
きの切換弁を切状態とする可動カムである。切換
弁６の作動手段は近接スイツチなど、カム機構以
外のものであつてもよい。

ターレツト本体２の駆動軸１は管状となし、こ
こから配管７により複数の切換弁６にそれぞれ圧
縮空気を供給する。駆動軸１に形成された給気路
１ａはコンプレツサ（図示していない）など任意
の圧縮空気源に接続される。圧縮空気は、例えば
コンプレツサによつて数気圧に上昇させたものを
供給する。従つて、圧縮空気が使用され圧力が低
下すると直ちに新たな圧縮空気を供給し、一定圧
力に維持することが比較的容易である。

その他、図面において１０はベンチユリ管５の
排気孔に接続した消音器である。

〔発明の効果〕

本発明吸着回転装置によれば、ターレツト本体
の複数位置にベンチユリ管、吸盤および切換弁を
一組とし、任意の切換弁を入切させる作動手段を
設けるため、個々の吸盤を独自に作動させること
ができ、例えばターレツト本体の外周部に設けた
奇数個の吸盤を一つおきに作動させ、各吸盤は１
回転毎に吸引作用を行うといつた複雑な操作を行
わせることができる。

圧縮空気をベンチユリ管に供給し、吸盤の吸着
に必要な真空圧を発生させる方法では、一定圧の
圧縮空気が供給される限に安定した真空圧を得る
ことができる。そして、一定按の圧縮空気はコン
プレツサなどを用いて比較的容易に得ることがで
きる。そのため、本発明吸着回転装置では、多数
の吸盤が独自に作動しても圧縮空気の圧力が一定
の範囲に維持されている限り、特定の吸盤の作動
状況が他の吸盤の機能に及ぼす影響は少ない。加
えて、本発明ではターレツト本体の駆動軸を圧縮
空気の供給路とし、ここから複数の切換弁に圧縮
空気を供給する。そのため、個々のベンチユリ管
へ分配する圧縮空気の供給経路中に摺動部分がな
く、従来の吸着回転装置に比較して、機器の磨耗
や空気洩れの可能性が少ない。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本発明吸着回転装置の実施例を説
明するためのもので、第１図は応用分野の一例と
してスプーンを食品包装容器に貼着する工程を略
示的に示す斜視図、第２図は第１図の工程を実施
するスプーン貼着機の正面図、第３図は第２図の
一部である吸着回転装置のみの一部を切欠して示
す正面図、第４図は第３図の縦断面図、である。 １……駆動軸、１ａ……吸気路、２……ターレ
ツト本体、２ａ……表板、２ｂ……裏板、３……
収容部、４……吸盤、５……ベンチユリ管、６…
…切換弁、６ａ……吐出管、７……配管、８，９
……カム、Ａ……スプーン、Ｂ……帯状連続包装
物、Ｃ……食品包装容器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ターレツト本体２の外周囲に真空圧によつて
   物品を吸着する複数の吸盤を備え、それぞれの吸
   盤を入切作動させる吸着回転装置において、吸盤
   ４の真空圧発生手段として高圧空気を通過させる
   ことによつて真空圧を生じるベンチユリ管５を用
   い、ベンチユリ管５と吸盤４およびベンチユリ管
   への圧縮空気の切換弁６を一組としてターレツト
   本体２外周部の複数位置に配設し、ターレツト本
   体２に近接する定位置には、通過する切換弁６の
   うち任意の切換弁６を入切させる作動手段を設け
   るとともに、ターレツト本体２の駆動軸１を管状
   となしその内部を圧縮空気の供給路とし、ここか
   ら複数の各切換弁６に圧縮空気を供給するように
   したことを特徴とする吸着回転装置。