JPH0378697B2 - - Google Patents

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JPH0378697B2
JPH0378697B2 JP60054920A JP5492085A JPH0378697B2 JP H0378697 B2 JPH0378697 B2 JP H0378697B2 JP 60054920 A JP60054920 A JP 60054920A JP 5492085 A JP5492085 A JP 5492085A JP H0378697 B2 JPH0378697 B2 JP H0378697B2
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polymer
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Yoshihiro Matsuo
Kazuhisa Morimoto
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、安定で、しかも容易に消去可能な有
機記録媒体を用いる光情報記録方式に関するもの
である。
従来の技術 フオトクロミツク機能を有する有機物質を情報
記録媒体として利用することはすでに提案されて
いる(画像技術、1971年2月号、pp3〜18)。
フオトクロミズムはA,B2種の異なつた分子
構造または状態間にABの可逆変化が起こる
時、吸収スペクトル変化を伴う現象である。ここ
で、Aは低エネルギー状態(安定状態)、Bは高
エネルギー状態(不安定状態)であり、A→B変
化は光エネルギーにより、B→A変化は多くの場
合熱エネルギーにより、また電磁気エネルギー、
光エネルギー(波長は異なる)により起こる。
今、フオトクロミツク物質の安定状態Aを情報
の消去状態、不安定状態Bを情報の記録状態に対
応させ、両状態の光物性(屈折率、反射率、透過
率)の差を検出し、記録情報を読み出すことによ
つて、消去・書き換え可能な光情報記録を行なう
ことができる。
発明が解決しようとする問題点 しかし、この様なフオトクロミツク物質を消去
可能な光記録媒体として実用化するには一つの大
きな問題点がある。それはフオトクロミツク物質
の高エネルギー(不安定)状態Bをいかにして常
温で安定化させるかである。多くのフオトクロミ
ツク有機物質の高エネルギー状態は不安定であ
り、常温放置で熱エネルギーの吸収、可視光の吸
収などによりた短時間あるいは長時間において低
エネルギー(安定)状態にもどる。すなわち、従
来のフオトクロミツク物質を記録媒体として用い
る光情報記録方式は安定性、信頼性に欠けるもの
であつた。
本発明は、安定性、信頼性の高い、消去・書き
換え可能な光情報記録方法を提供するものであ
る。
問題点を解決するための手段 本発明の消去可能な光記録方法は、フオトクロ
ミツク可逆反応が立体障害効果により制御される
フオトクロミツクポリマーを記録媒体として用
い、上記フオトクロミツクポリマー中に含有され
るフオトクロミツク物質およびフオトクロミツク
官能基を高エネルギー状態に変化させる、特定波
長の光を供給する手段と、上記フオトクロミツク
ポリマーを軟化点近傍温度以上の温度に加熱する
熱エネルギーを供給する手段と同時に用いて、上
記フオトクロミツクポリマーを高エネルギー状態
に変化させ、その後、熱エネルギー供給を中止す
ることにより、高エネルギー状態を安定化させ、
一方上記フオトクロミツクポリマーを軟化点近傍
温度以上の温度に加熱する熱エネルギーを供給す
る手段を用いて、上記フオトクロミツクポリマー
を低エネルギー状態に変化させ、その後、熱エネ
ルギー供給を中止することにより、低エネルギー
状態を安定化させ、かつ、可逆的に変化する。し
かも常温で安定な両エネルギー状態のいずれか一
方を情報の記録状態に、他方を情報の消去状態に
対応させて、フオトクロミツクポリマーの両エネ
ルギー状態間での光物性の差を検出することによ
つて記録状態を読み出すことができるものであ
る。
作 用 記録媒体としてのフオトクロミツクポリマーに
紫外線などの特定波長の光照射とレーザ光などの
熱線照射とを同時に行なうと、それらの同時照射
を受けた局所部分のフオトクロミツク物質は高エ
ネルギー状態になる。その後、特定波長の光照射
を保ちながら熱線照射のみを中止すると、高エネ
ルギー状態は常温においても安定化される。従来
の様に高エネルギー状態が常温放置で低エネルギ
ー状態にもどらないのは、ポリマーの立体障害効
果が、高エネルギー状態の分子構造が低エネルギ
ー状態の分子構造に変化するのを防止しているか
らである。次に高エネルギー状態を低エネルギー
状態にもどすには、その部分に熱線照射を行な
い、ポリマーを軟化させることによつて立体障害
効果を除去し、かつ高エネルギー状態の分子構造
を速やかに低エネルギー状態にもどすのに必要な
熱エネルギーを供給すればよい。この様に、熱線
照射する時のみ立体障害効果をなくし、フオトク
ロミツクポリマーの高エネルギー状態と低エネル
ギー状態間の可逆反応を起こさせ、一方熱線照射
が中止されている時は立体障害効果が発現し、両
エネルギー状態をそれぞれ常温で安定に存在さ
せ、かつ特定波長の光と熱線との同時照射では高
エネルギー側への反応、熱線のみの照射では低エ
ネルギー側への反応を可逆的に起こさせるところ
に本発明の光記録方法の特徴がある。
本発明の光記録方法において用いる記録媒体は
フオトクロミツクポリマーである。ここで、フオ
トクロミツクポリマーは、フオトクロミツク物質
を含有するポリマー、あるいはフオトクロミツク
官能基を側鎖の位置にもつポリマー、あるいは両
者の混合ポリマーである。さらに、前者のフオト
クロミツク物質を含有するポリマーはフオトクロ
ミツク物質と高分子担体とからなる複合体であ
り、これに含有されるフオトクロミツク物質はフ
オトクロミツク低分子物質、あるいはフオトクロ
ミツク官能基をもつ高分子物質である。
また、本発明で用いるフオトクロミツクポリマ
ーはフオトクロミツク可逆反応が立体障害効果に
より制御されるものである。すなわち、フオトク
ロミツク物質および官能基の示す可逆反応が、ポ
リマーの軟化温度以下でポリマー鎖による立体障
害効果がある場合には抑制され、一方軟化温度以
上ポリマー鎖による立体障害効果がない場合には
促進されるものである。つまり、フオトクロミツ
ク可逆反応はポリマーの軟化点以上の温度でのみ
起こる。したがつて、軟化点が常温より高い温度
にあるポリマーを用いることによつて、常温での
フオトクロミツク可逆反応は抑制され、フオトク
ロミツク物質および官能基の高エネルギー状態は
常温でも安定に存在しうる。
フオトクロミツク物質および官能基に立体障害
を与えるポリマー鎖は、架橋をもたない一次元の
長鎖であつても、それらの鎖が互にからみ合つた
構造をもつものであればよい。望ましくは架橋を
もつ三次元網目構造のポリマー鎖がよい。しか
も、このポリマー鎖は軟化点以下では熱運動が少
なく、硬い状態にあるが、軟化点以上になると熱
運動が激しく、軟い状態にある。しかもポリマー
架橋の結節点間の距離(網目の大きさ)、あるい
は鎖のからみ合い点間の距離はフオトクロミツク
分子および官能基の大きさにほゞ等しいことが望
ましい。この網目の大きさが大き過ぎると結節点
間の鎖が硬い状態(軟化点以下で)であつても、
ポリマー鎖はフオトクロミツク分子および官能基
に対して立体障害を与えない。一方、網目の大き
さがあまりにも小さ過ぎると結節点間の鎖から軟
らかい状態(軟化点以上で)であつても、ポリマ
ー鎖はフオトクロミツク分子および官能基に対し
て常に立体障害効果をもつことになり好ましくな
い。本発明で用いるフオトクロミツクポリマー
は、軟化点近傍の温度以下で立体障害効果をも
ち、フオトクロミツク物質および官能基の可逆反
応が起こらず、一方軟化点近傍の温度以上で立体
障害効果をもたず、フオトクロミツク物質および
官能基の可逆反応が起こるものである。
この様に本発明の方法は立体障害効果を利用す
るものであるので、本発明のフオトクロミツク物
質および官能基は、それぞれ分子構造および官能
基構造の異性化を起こすもの、すなわち光異性化
性物質および官能基であることが望ましい。光異
性化反応としてはシス−トランス型、イオン解離
型、ラジカル解離型などが知られており、これら
の反応はいずれも分子の立体構造変化を伴う。
実実例 シス−トランス型異性化反応の具体例としては
次に示すアゾベンゼン系物質の反応がよく知られ ている。またアゾベンゼン系官能基の例としては
次の反応がある。
さらに、イオン解離型異性化反応の具体例とし
てはスピロピラン系物質の反応もよく知られてい
る。
例えば、次の反応である。
また、スピロピラン系官能基としては次の官能
基などが知られている。
これらの官能基を側鎖に持つポリマーの主鎖と
しては従来知られている多くの種類の高分子物質
を用いることができる。この高分子主鎖は、フオ
トクロミツク官能基に立体障害効果を与えるよう
に(軟化点以下で)、別の硬く結合した側鎖を持
つか、その主鎖間に架橋した鎖(網目構造)を持
つている。
また、これらのフオトクロミツク物質(低分子
物質、高分子物質を含む)を含有する高分子担体
も、従来知られている多くの種類の高分子物質を
用いることができる。この高分子主鎖は硬く結合
した側鎖をもち、フオトクロミツク物質に対して
立体障害を与える効果をもつ。この場合、側鎖と
フオトクロミツク物質とが立体物質を起こしても
よいし、主鎖とフオトクロミツク物質とが立体障
害を起こしてもよい。ただし、後者では主鎖同士
は互いにからみ合つており、側鎖はそのからみ合
いを促進し、からみ合い構造を固定化する働きを
する。また、この高分子主鎖は互いに架橋された
構造(網目構造)をとつている。特に三次元網目
構造を持つ高分子担体であることが望ましい。こ
の場合にも、架橋間の鎖がフオトクロミツク物質
に軟化点以下で立体障害を与えることができる
し、また硬い結合の側鎖が立体障害を与えてもよ
い。
この様な高分子担体を形成するのに用いられる
モノマーあるいはオリゴマーの例としては、少な
くとも1個の不飽和基をもつアルリル系、メタク
リル系、またはアクリル系の放射線重合性モノマ
ーあるいはオリゴマーがある。特に網目構造を形
成するには、少なくとも2個の不飽和基をもつジ
(メタ)クリレート、トリ(メタ)クリレートな
どを用いることが望ましい。例えば両端に二重結
合基をもつ棒状分子である、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレートCH2=C(CH3)−CO−
(OCH2−CH2o−O−CO−C(CH3)=CH2にお
いて分子の長さを変えることによつて(nの数を
変えることによつて)、重合体の網目の大きさ、
架橋の結節点間の距離を自由に調節することがで
きる。例えばCH2=C(CH3)−CO−(OCH2
CH23−O−CO−C(CH3)=CH2を用いて重合
させると、分子量3万、軟化点150℃のポリマー
が得られる。さらに三次元網目構造を形成するに
は、不飽和基を3個もつトリメタクリレートを用
いることが有効でらり、2個の不飽和基をもつジ
メタクリレートと3個の不飽和基をもつトリメタ
クリレートとの配合割合を選択することは、三次
元網目の大きさを調節する方法として有効であ
る。
また、本発明において用いる記憶媒体は、その
記録媒体ポリマー中に含有されるフオトクロミツ
ク物質および官能基が規則配列構造をとることを
特徴とする。フオトクロミツク物質および官能基
を規則配列させる方法として、例えば液晶重合
法、ラングミアブロジエツト膜重合法、有機光
CVD法などを用いる。液晶重合法では、例えば
フオトクロミツク物質、液晶物質、重合性物質の
3者からなる混合液晶を配向させた後重合させ、
液晶配列構造を固定した固体ポリマーを得る。こ
こで、フオトクロミツク物質自体に重合性、ある
いは液晶性をもたせること、および結晶物質に重
合性をもたせることが可能である。また、ラング
ミアブロジエツト膜重合法では、例えば両親媒性
をもたせたフオトクロミツク物質および重合性物
質の混合単分子膜を累積し、重合させて、規則配
列構造をもつフオトクロミツクポリマーを得る。
この様な規則配列構造をもつフオトクロミツクポ
リマーな記録媒体として用いることにより、記録
の高密度化、高信頼性化が達せられる。
次に、本発明の光記録方法において用いる、特
定波長の光を供給する手段は、記録媒体ポリマー
中に含有されるフオトクロミツク物質および官能
基をエネルギー状態にするのに必要な光エネルギ
ーを供給するための手段、即ち光照射装置であ
る。その光の特定波長は、用いるフオトクロミツ
ク物質および官能基の種類によつて決まる。その
低エネルギー状態のエネルギーレベルをEL、高
エネルギー状態のエレルギーエベルをEHとする
と、要求される光の特定波長λ0はh/(EH−EL
に等しい。ここでhはプランクの定数である。フ
オトクロミツク物質を低エネルギー状態から高エ
ネルギー状態へと、その分子構造を変化させるの
に必要な光の特定波長λ0は、一般に可視領域より
短波長であることが多い。例えばアゾベンゼン系
物質およびスピロピラン系物質に対しては、それ
ぞれ波長350〜390nm、330〜380nmの紫外線が
有効である。また、本発明の光照射装置は記録ビ
ツトの大きさに対応する大きさにまで光ビームを
絞ることが可能なものである。
次に、本発明の光記録方法において用いる、熱
エネルギーを供給する手段は、主として、記録媒
体ポリマーを軟化点近傍温度以上の温度に加熱す
るためのものであり、熱線照射装置である。すで
に述べた様に、記録媒体ポリマー中のフオトクロ
ミツク物質および官能基がフオトクロミツク可逆
反応を起こすにはポリマー軟化点以上の温度にあ
り、立体障害効果がない状態であることが必要で
ある。したがつて、熱エネルギー供給手段は立体
障害効果を一時的になくし、フオトクロミツク可
逆反応が起こりうる状態にするための熱線照射装
置である。この熱線としては、可視領域の波長の
光線(可視光線)あるいは可視領域よりも長波長
の光線(赤外線)を用いるのが望ましい。しか
も、熱線としてレーザ光線を利用することが望ま
しい。レーザ光線はその光線ビーム経を細く絞る
ことができるので、記録ビツトを小さくすること
ができ、記録の高密度化が達せられる。またレー
ザ光線はその照射時間を極めて短かくすることが
可能であり、記録の高速化が達せられる。
したがつて、記録媒体ポリマーに特定波長の光
(紫外線)と熱線(赤外レーザ光)とを同時照射
して始めて、フオトクロミツクポリマーは高エネ
ルギー状態となりうる。引きつづき、特定波長の
光照射をつづけながら、熱線照射のみを中止す
る。この時、フオトクロミツクポリマーは軟化点
以下の温度にまで急速に冷却し、高エネルギー状
態は安定化する。フオトクロミツクポリマーの高
エネルギー状態を常温近傍の温度で安定化させる
には、フオトミツクポリマーの軟化点は60℃以上
であることが望ましい。もしも軟化点が常温以下
にあると、高エネルギー状態は常温で不安定であ
り(常温で立体障害効果がないため)、低エネル
ギー状態にもどつてしまう。60℃以上の軟化点を
もつポリマーの種類は数多くある。例えば、ポリ
メチルメタクリレートの軟化点は通常150℃以上
にある。
次に記録媒体ポリマーに熱線(赤外レーザ光)
を照射すると、高エネルギー状態にあつたフオト
クロミツクポリマーは低エネルギー状態に変化す
る。この時、照射した熱線のエネルギーは、ポリ
マーの照射局部を軟化点以上に加熱するのに消費
されると同時にフオトクロミツク物質および官能
基の分子構造を高エネルギー状態から低エネルギ
ー状態にするのにも消費される。低エネルギー状
態へのフオトクロミツク反応は多くの場合熱エネ
ルギーのみの供給で進行するが、中には可視光線
あるいは紫外線などの光エネルギーを同時照射す
ると低エネルギー状態への反応が促進される場合
がある。例えばスピロピラン系のフオトクロミツ
ク物質の場合、熱エネルギーの供給と同時に波長
540〜600nmの可視光線照射は低エネルギー状態
への反応促進に有効である。したがつて、波長
540〜600nmの熱線(レーザ光)の使用は反応促
進に極めて有効である。一方、波長600nm以上
のレーザ光を熱エネルギー供給源として用いる場
合は、それと同時に波長540〜600nmの可視光線
を照射することが、反応速度を高め、記録の高速
化を達成する上に有効である。
引きつづき、熱線照射(熱エネルギー供給)を
中止すると、フオトクロミツクポリマーは軟化点
以下の温度にまで急速に冷却し、低エネルギー状
態は常温で安定化する。熱線照射が中止されてい
る時は、たとえ紫外線照射を受けても低エネルギ
ー状態が安定に保たれる。
この様に、本発明の光記録においては、熱線と
紫外線との同時照射、および熱線のみの照射(あ
るいは可視光、赤外線との同時照射も有効)とを
繰り返すことによつて、フオトクロミツク反応を
それぞれ高エネルギー状態へおよび低エネルギー
状態へ可逆的に進行させることができ、かつ熱線
照射を中止することによつて、それぞれのエネル
ギー状態を常温で安定化させることができる。
本発明の光記録方式においては、フオトクロミ
ツクポリマーの高エネルギー状態を記録状態(書
込みによる記録ビツト形成)に、低エネルギー状
態を消去状態(記録ビツト消去)に対応させても
よいし、あるいは低エネルギー状態を記録状態
に、高エネルギー状態を消去状態にさせてもよ
い。前者の場合には、記録媒体ポリマーへの書込
みは熱線と紫外線との同時照射によつて行なわ
れ、消去は熱線照射のみ(可視光、赤外線との同
時照射も有効)によつて行なわれる。後者の場合
には、書込みは熱線照射のみ(可視光、赤外線と
の同時照射も有効)によつて行なわれ、消去は熱
線と紫外線との同時照射によつて行なわれる。一
方フオトクロミツク可逆反応の速度は高エネルギ
ー側への変化の方が速い場合が多いので、情報書
込みの高速化(記録の高速化)の観点からは前者
の方式を採用することが望ましい。
また、本発明の情報記録方法で用いる熱線(熱
エネルギー供給)はすでに述べた様にレーザ光で
あることが望ましい。レーザ光は径を1μm以下
に絞ることができ高密度、大容量の情報記録に有
利であり、レーザパルス幅を100nsec程度に小さ
くすることができ高速記録・再生・消去に有利で
ある。本発明の方法で用いるレーザ光は書込み
(記録)用、消去用も共に、同じ波長のレーザ光
(例えば830nmの半導体レーザ光)、同じ出力の
レーザ光(例えば出力10mW)を用いることがで
きる点が本発明の特徴の一つである。但し、書込
み用レーザ光は記録される情報信号で強度変調さ
れている。また消去用レーザ光のビーム径は書き
込み用の径よりも大きくしておくことが必要であ
る。
また、本発明の光記録方法における再生(記録
の読み出し)は、フオトクロミツクポリマーの高
エネルギー状態での光物性と低エネルギー状態で
の光物性との差を検出する。例えば、アゾベンゼ
ン系フオトクロミツク物質の場合には波長390n
m〜450nmの光に対して、スピロピラン系フオ
トクロミツク物質の場合には波長500nm〜650n
mの光に対して、記録媒体ポリマーの吸光度が両
エネルギー状態間で大きく異なる。吸光度の値は
試料の作成条件などによつて異なるが、例えばア
ゾベンゼン系では、高エネルギー状態での吸光度
(0.1〜0.2)に比べて低エネルギー状態での吸光
度(0.25〜0.4)は大きい。また、スピロピラン
系では、高エネルギー状態での吸光度(0.1〜
0.6)の方が低エネルギー状態での吸光度(0.01
〜0.05)に比べて大きい。記録状態と消去状態で
の吸光度の差を再生用の特定波長の光を用いて反
射率あるいは透過率の差として検出することによ
り、記録情報を読み出すことができる。
また、本発明で用いる記録媒体は、表面反射性
基板あるいは透明基板の面上に形成されたフオト
クロミツクポリマーの薄膜から構成される。表面
反射性基板を用いた場合の再生(記録の読み出
し)は、反射率の変化量を測定して行なわれる。
一方、透明基板を用いた場合の再生は、透過率の
変化量を測定して行なわれる。また基板面上に形
成されるフオトクロミツクポリマーはできるだけ
薄い膜(1μm〜0.01μm)がよい。熱容量を小さ
くし、レーザ光による加熱速度、冷却速度を速く
し(100nsec程度)、記録の高感度化と高分解能化
が達せられるからである。
また、本発明で用いる記録媒体の基板はデイス
ク形態をとつている。デイスク基材としてはポリ
メタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、あるいはガラスを用いる。デイスク
基板にはレーザ案内の凹凸溝を設け、溝からの反
射回析光を検出してレーザ光ビームが正確に溝の
中央を走るようにトラツキング制御される。
案内溝の幅は用いるレーザ光のビーム径とほぼ
等しくし(1μm以下)、溝の深さはレーザ光波長
の1/8程度にすることが望ましい。
発明の効果 以上述べたように本発明の光記録方法によれ
ば、立体障害効果により反応制御されるフオトク
ロミツクポリマーを記録媒体として用い、熱線照
射する時のみフオトクロミツクポリマーの高エネ
ルギー状態と低エネルギー状態間の可逆反応を起
こさせることにより、両エネルギー状態をそれぞ
れ常温で安定化させることができ、安定性、信頼
性の高い消去・書き換え可能な光情報記録が可能
となる。
また、本発明の光記録方法によれば、デイスク
基板上に形成された薄膜状のフオトクミツクポリ
マーを記録媒体として用い、熱線としてビーム径
を小さく絞つたレーザ光を書き込みおよび消去に
用いることにより、高率度、大容量、高速度、高
感度、高分解能の光情報記録が可能となる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 フオトクロミツク可逆反応がボリマーの軟化
    点以上の温度で起こり、一方軟化点以下の温度で
    は立体障害効果のため起らないことを特徴とする
    フオトクロミツクポリマーを記録媒体として用
    い、上記記録媒体ポリマー中に含有されるフオト
    クロミツク物質およびフオトクロミツク官能基を
    高エネルギー状態に変化させる、特定波長の光を
    供給する手段と、上記記録媒体ポリマーを軟化点
    近傍温度以上の温度に加熱する、熱エネルギーを
    供給する手段とを同時に用いて、上記フオトクロ
    ミツクポリマーを高エネルギー状態に変化させ、
    その後、熱エネルギー供給を中止することにより
    高エネルギー状態で安定化させ、一方上記フオト
    クロミツクポリマーを軟化点近傍温度以上の温度
    に加熱する、熱エネルギーを供給する手段を用い
    て、上記フオトクロミツクポリマーを低エネルギ
    ー状態に変化させ、その後、熱エネルギー供給を
    中止することにより低エネルギー状態を安定化さ
    せ、かつ、可逆的に変化する両エネルギー状態の
    いずれか一方を記録状態に、他方を消去状態に対
    応させて、フオトクロミツクポリマーの両エネル
    ギー状態間での光物性の差を検出することによつ
    て記録情報の読み出しを可能とする消去可能な光
    記録方法。 2 上記フオトクロミツクポリマーが、三次元網
    目構造をもつポリマーである特許請求の範囲第1
    項記載の消去可能な光記録方法。 3 上記フオトクロミツクポリマーが、フオトク
    ロミツク物質を含有するポリマーである特許請求
    の範囲第1項記載の消去可能な光記録方法。 4 上記フオトクロミツクポリマーが、フオトク
    ロミツク官能基を側鎖の位置にもつポリマーであ
    る特許請求の範囲第1項記載の消去可能な光記録
    方法。 5 上記フオトクロミツク物質を含有するポリマ
    ーが、フオトクロミツク物質に関して規則配列構
    造をもつ特許請求の範囲第3項記載の消去可能な
    光記録方法。 6 上記フオトクロミツク官能基を側鎖の位置に
    もつポリマーが、フオトクロミツク官能基に関し
    て規則配列構造をもつ特許請求の範囲第4項記載
    の消去可能な光記録方法。 7 上記フオトクロミツクポリマーにおいて、ポ
    リマーの三次元網目構造の網目の大きさが、上記
    フオトクロミツク物質あるいは上記フオトクロミ
    ツク官能基の大きさとほゞ同程度である特許請求
    の範囲第2項記載の消去可能な光記録方法。 8 上記フオトクロミツク物質およびフオトクロ
    ミツク官能基が、それぞれ、光異性化性物質およ
    び光異性化性官能基である特許請求の範囲第1
    項、第3項、第4項、第5項または第6項記載の
    消去可能な光記録方法。 9 上記特定波長の光が、可視領域よりも短波長
    の光である特許請求の範囲第1項記載の消去可能
    な光記録方法。 10 上記熱エネルギーを供給する手段が、可視
    領域の波長の、および可視領域より長波長の光を
    照射する装置である特許請求の範囲第1項記載の
    消去可能な光記録方法。 11 上記可視領域の波長の、および可視領域よ
    り長波長の光が、レーザ光である特許請求の範囲
    第10項記載の消去可能な光記録方法。 12 上記熱エネルギーを供給する手段が、可視
    領域の波長の、および可視領域より長波長のレー
    ザ光を照射する装置、および上記フオトクロミツ
    ク可逆反応を低エネルギー状態側へ反応促進させ
    る効果をもつ特定波長の可視光および赤外光を照
    射する装置とから構成される特許請求の範囲第1
    項記載の消去可能な光記録方法。 13 上記フオトクロミツクポリマーの高エネル
    ギー状態を記録状態に、低エネルギー状態を消去
    状態に対応させる特許請求の範囲第1項記載の消
    去可能な光記録方法。 14 上記フオトクロミツクポリマーの軟化点
    が、60℃以上である特許請求の範囲第1項記載の
    消去可能な光記録方法。 15 上記記録媒体が、表面反射性基板の面上に
    形成されたフオトクロミツクポリマーの薄膜であ
    る特許請求の範囲第1項記載の消去可能な光記録
    方法。 16 上記記録媒体が、透明基板の面上に形成さ
    れたフオトクロミツクポリマーの薄膜である特許
    請求の範囲第1項記載の消去可能な光記録方法。 17 上記記録媒体が、デイスク形態の基板上に
    形成されたフオトクロミツクポリマーの薄膜であ
    る特許請求の範囲第1項記載の消去可能な光記録
    方法。 18 上記記録媒体が、レーザ光案内溝を設けた
    デイスク基板上に形成されたフオトクロミツクポ
    リマーの薄膜である特許請求の範囲第1項記載の
    消去可能な光記録方法。
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