JPH0378476B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、強化プラスチツクから成る場合によ
り中空の異形心材及び該異形心材を包囲するプラ
スチツクから成る外被を有する、窓又は戸用の枠
を製造するための異形材に関する。 異形心材が鋼又は同種のものから成つており、
該異形心材が特に軟質PVCから成るプラスチツ
ク層で被覆されている、窓もしくは戸枠を製造す
るための中空異形材は公知である。更に、窓もし
くは戸枠を製造するためのプラスチツク、特に軟
質PVCから成る固有安定性の中空異形材が公知
であるが、該異形材は窓及び戸の開口が著しく大
きくなれば付加的に中空に鋼又はアルミニウムか
ら成る補強異形材を押込むことにより補強しなけ
らばならない。 例えば西ドイツ国特許第1086032号明細書に記
載されているように、窓及び路枠用の機械的に剛
性のかつ強力なプラスチツク製中空異形材を製造
する方法が既に提案された、該方法は枠組みされ
た中空異形材に引続き液状もしくは可塑性の充填
剤を充填し、それにより硬化後同時に個々の枠部
分を相互に結合させ、この際に充填剤として例え
ばフエノール樹脂又はキシロリツトを使用するこ
とから成る。スイス国特許第411301号明細書に記
載の窓及び戸枠の場合にも、弾性プラスチツク、
特にポリ塩化ビニルをベースとする中空異形材
を、合成樹脂コンクリート例えばセメントを添加
した発泡ポリスチロール又は砂、アルミニウム
層、蛭石もしくはそれに類似したものから成る添
加物を有するエポキシ樹脂をベースとする硬化性
充填剤が強度を高めるために充填される。西ドイ
ツ国実用新案登録第1994127号による建材用異形
材は、廉価な材料、例えば価値の低いプラスチツ
ク、軽石、圧縮木屑又はそれに類似したものから
成る心材をその全側面を高価なプラスチツクから
成る外被で包囲している。西ドイツ国特許出願公
開第2326911号明細書によれば、プラスチツク外
被で包囲された窓枠用異形材を製造する方法が提
案され、該方法は発泡プラスチツクから成る心材
を緊密なプラスチツク外被で包囲することから成
り、この場合強度を高めるために心材は軽金属管
又はプラスチツク管から成る補強挿入体を含有す
ることができる。中実の多層異形材の製法のもう
１つの例は、西ドイツ国特許出願公開第2827851
号明細書に記載され、該方法は特にPVCから成
るプラスチツク製中空異形材にメチルメタクリレ
ートからマトリツクスと中空の珪酸塩球とから成
るプラスチツク充填剤を充填しかつ付加的に強度
を高めるために異形材の長手方向に延びるガラス
繊維を埋込むことから成る。しかしながあ、この
種の全ての中実の多層異形材の場合には、水密及
び気密でありかつ十分に高い強度を有しかつ従来
の方法で容易に製造可能でるべきである異形材の
角及び突合せ個所で申し分ない緊密な結合を行な
うにはその都度困難性が生じる。 更に、フランス国特許第1602375号明細書から、
２層構造の中空異形材が公知になつており、該異
形材は心材を形成する中空異形材がガラス繊維強
化ポリエステルから成り、該心材の外側はガラス
繊維含浸ガラス繊維層で包囲されている。この異
形材の場合にも、異形材の角及び突合せ個所で申
し分ない強力な結合を行なうことは困難であるこ
とが判明した。 本発明の課題は、耐候性、機械的強度及び剛性
に対する要求を満足し、できるだけ簡単な接合技
術で特に溶接により枠組することができ、廉価な
材料を使用することにより大量生産が可能であり
かつできるだけ簡単な加工性によつて優れてい
る、窓もしくは戸枠を製作するための異形材を提
供することであつた。 前記課題は、本発明により、強化プラスチツク
から成る中空であつてもよい異形心材と、異形心
材を包囲するプラスチツクから成る外被とを有す
る、窓又は戸用の枠を製造するための異形材にお
いて、異形心材がＫ値55〜75を有するポリ塩化ビ
ニル100重量部に対して、長さ12mm以下で直径５
〜25μｍを有するガラス繊維40〜100重量部、平
均粒子直径50μｍ未満を有する粉末状鉱物充填剤
１〜25重量部、滑剤2.5〜5.5重量部及び変性剤30
重量部以下を含有するガラス繊維強化PVC組成
物から構成されており、かつ微孔状の軽度に粗面
の表面を有し、かつPVCと相溶性の、異形心材
の衝撃強さを上回るプラスチツクから成る外被と
結合されていることにより解決される。 本発明に基づきガラス繊維強化PVCをベース
とする中空異形心材を使用することにより、高い
Ｅ−弾性率を有しかつ極めて寸法安定ある、即ち
材料を異形材に加工する際に封入された応力が
100℃までの高温でも開放されない剛性の強固な
成形体が得られる。異形心材はガラス繊維の割合
が高いために着色が困難である、すなわち実質的
にガラス繊維に基づき灰黄色を有するので、外被
は異形材の色付けの役割を有するだけでなく、同
時にまた平滑な表面を形成する役割も有する。更
に、本発明の著しい特徴は、心材はそのガラス繊
維の割合に基づき比較的に脆弱である組合された
異形材の衝突強さが外被のために耐衝撃性材料を
適当に選択することにより高められることにあ
る。異形心材が高いガラス繊維割合により微孔性
構造を有する僅かに粗な表面を有し、それによつ
てプラスチツクから成る外被が特に良好に固着す
ることができかつ付加的な手段を要せずに直接的
に異形心材と外被との間の特に良好な接着ないし
は高い接着強度が達成されることが特に有利であ
ることが立証された。 異形心材のために本発明で選択したガラス繊維
強化ポリ塩化ビニルは、粉末状の鉱物性充填剤の
割合が比較的低くともなお比較的高い割合のガラ
ス繊維と一緒になつて、ストランドプレスによる
極めて良好な加工可能性及び優れた物理的特性像
を示す。特にストランドプレス方向でDIN53457
に基づき測定した弾性率23℃で少なくとも
8000N／mm²を有する。 ポリ塩化ビニルとしては、Ｋ値55〜75を有する
塊状、懸濁液もしくはエマルジヨン−PVC、同
様にポリ塩化ビニリデン、後塩素化されたポリ塩
化ビニル及び塩素化された単量体と該単量体と共
重合可能な単量体とから得られる共重合体、例え
ば単重合体又は共成分ないしはグラフト成分とし
ての例えばエチレン−ビニルアセテート、アクリ
レート、ビニルアセテート、塩素化ポリエチレ
ン、ブタジエン、ポリレフイン又はその他との共
重体ないしはグラフト重合体及びそれらの混合物
が該当する。 ガラス繊維以外の鉱物性充填剤は、この少ない
量で殆んど組成物を廉価にするためには役立たな
いが、主として加工特性を改善するのに役立ち、
この場合材料の機械的特性は極く僅かに影響を受
けるにすぎない。鉱物性充填剤含料が高すぎれ
ば、ガラス繊維の使用によつて丁度望ましく機械
的な特性の改善が不利な影響を受ける。充填剤と
しては、鉱物性充填剤例えば天然もしくは沈降白
亜、ケイ酸白亜、コロイド状珪酸、アルミノケイ
酸塩、適当な表面処理が施されたか又は施されて
いない水和化されたアルミナが個々に又は相互に
混合して使用可能である。充填剤の粒度はガラス
繊維の繊維直径をできるだけ著しくは上回るべき
でない、即ち充填剤の最大粒子直径は＜50μｍ、
有利には＜20μｍであるべきである。ガラス繊維
のための原料としては、その都度の選別法に基づ
き有利なフイラメント直径５〜25μｍを有するエ
ンドレスもしくは切断されたガラス繊維を使用す
る。切断繊維の場合には、長さは少なくとも0.5
mm、有利には３〜12mmであるべきである。選別及
び加工によつて、出発長さはいずれにせよ例えば
ストランドプレスの際には、約0.3〜1.5mmの最終
長さに切断すべきである。本発明のためには、原
則的にはPVCと相溶性である全ての類型のガラ
ス繊維が使用可能である。しかしながら、例えば
ビニルシラン及び置換されたアルキルシラン例え
ばクロルアルキルシラン、アミノアルキルシラ
ン、ジアミノアルキルシラン等の接着助剤を添加
した適当な表面処理によつて前処理したものを使
用するのが有利である。しかしながら、この前処
理は一般にはガラス繊維の製造工程で行なわれか
つPVC材料の加工の際には行なわれない。本発
明に基づき、PVC100重量部に対してガラス繊維
40〜100重量部を使用することにより、加工され
た製品でＥ−弾性率少なくとも8000N／mm²が達成
される。 変成されていないポリ塩化ビニルは、良好な衝
撃強さの他には極く低いノツチ付衝撃強さを有す
るにすぎない。ガラス繊維を添加することによ
り、ノツチ付衝撃強さは極く僅かに影響を受ける
にすぎないが、しかしながら良好な衝撃強さは低
下せしめられる。この理由から、本発明では組成
物に例えばエチレン−ビニルアセテート、アクリ
レート、塩素化ポリエチレン、アクリル−ブタジ
エン−スチレン、メタクリル−ブタジエン−スチ
レン又はそれに類似したもの等の変性剤を
PVC100重量部に対して30重量部まで加える。 PVCを加工する際の滑剤の通常の添加量とは
異なり、本発明の組成物のためには、公知の組成
物に比較して著しく高められた滑剤添加を行な
う。この量は本発明の組成物においては有利には
ポリ塩化ビニル100重量部に対して滑剤2.5〜5.5
重量部であり、この場合滑剤の割合はガラス繊維
及び充填剤の割合が増大する程高まる。PVC及
びPVC含有成形材料を加工する際に公知の滑剤、
即ち一般にはいわゆる内容の、即ちPVCと良好
に相溶性の滑剤と、いわゆる外用の、即ちPVC
と差程相溶性でない滑剤との混合物を使用する。
内用の滑剤の群には、例えばC₁₂〜C₄₀の鎖長を有
する天然もしくは酸化されたカルボン酸のクリセ
リン−モノ−、−ジ−、−トリエステル、上記鎖長
の脂肪アルコール、中性もしくは塩基性金属セツ
ケン有利には金属の鉛、カドミウム、バリウム、
カルシウム、マグネシウム及び錫のステナリン酸
塩、ろうエステル例えばC₁₂〜C₃₆−酸でエステル
化されたC₁₀〜C₄₀−アルコール、長鎖状アルコー
ルのフタル酸エステル等が属する。外用滑剤の群
には、例えばC₁₂〜C₄₀−脂肪酸ないしは置換され
た（酸化された）脂肪酸、パラフイン油及び固形
パラフイン、ポリエチチレンないしは酸化された
ポリエチレン、脂肪酸アミド、シリコーン油及び
同種のものが属する。 更に、PVC含有混合物を加工する際に慣用の
他の添加剤、特に熱安定剤例えば鎖体のバリウム
カドミウムセツケン、鉛塩ないしは鉛セツケン、
錯体のカドミウム亜鉛セツケン、アルキル錫メル
カプト化合物又はアキル錫カルボキシレート、更
に有機安定剤例えばエポキシ化された油又はエス
テル、ジフエニルチオ尿素、フエニリンドール、
アリール系もしくはアルキル系もしくはアリー
ル／アルキル系混合ホスフアイト個々に又は混合
して使用する。更に、組成物に特に変性剤又は共
しくはグラフト成分の安定化のために公知の酸化
防止剤例えば立体障害を受けたフエノール又はビ
ス−フエノール又は同種のものを添加することも
できる。有利な量はPVC100重量部に対して安定
剤１〜５重量部である。その他の公知の添加物
は、加工助剤、あるいはまた可塑化助剤及び場合
により染料である。 前記組成物から製造された異形心材は、その都
度のガラス繊維割合及び充填剤割合に基づいて極
めて微細な微孔状表面を有する、それにより例え
ばPVC又はその他の熱可塑性樹脂をベースとす
る後からの被膜に対する接着力が著しく改良され
る。本発明の組成物は、異形心材、特に高い機械
的剛性及び強度を有する中空異形心材を製造する
ために使用することができ、該異形心材はその後
から又は同時に同じ又は別のベースの強化されて
いない熱可塑性樹脂で、例えば押出し、積層又は
浸漬によつて被覆される。この被覆は成形体の表
面の一部分だけに行なうこともできる。表面加工
のためには、特にPVCと相溶性の物質（これは
特に耐候性であつてもよい）が該当する。 本発明の異形心材は、強化されていないプラス
チツクに対して著しく改良された機械的特性を有
する異形材の製造を可能ならしめる、従つてこれ
らは支持用構造物に採用することができかつ例え
ばプラスチツク使用分野において輪郭構造での金
属補強材の極く一般的使用を省くことができるか
ないしは壁厚さを減少させることができ、それに
よつて材料の倹約を行なうことができる。本発明
の組成物の種々の成分は、相互に押出し可能な混
合物を製造するための公知技術に基づき均一化し
かつ次いて押出すことができる。 有利な外被は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、後塩素化されたポリ塩化ビニル、塩素化
された単量体と該単量体と重合可能な少なくとも
１種の単量体から得られた共重合体例えばエチレ
ンビニルアセテート、アクリレート、ビニルアセ
テート、塩素化されたポリエチレン、ブタジエ
ン、ポリオレフイン又はその他及びこれらの混合
物とのホモ−又はコ−もしくはグラフト重合体を
ベースとし、付加的に安定剤、滑剤、顔料、UV
吸収剤、加工助剤及び変性剤を含有していてもよ
いプラスチツクから成る。その他の外被のために
特に適当な熱可塑性プラスチツクの群は、アクリ
レート又はポリメチルメタクリレート、アクリル
ブタジエンスチレン又はメタクリルブタジエンス
チレン又はポリエステル又はポリ弗化ビニル又は
ポリ弗化ビニリデンないしはそれらの混合物をベ
ースとするものである。 材料作用量を減少させるためには、本発明で
は、異形心材を中空成形体として構成することを
提案する、この場合には壁厚は1.0〜10mm、有利
には2.0〜４mmを使用する。主として表面加工の
課題を有しかつ場合により衝撃強さを高めるため
に貢献しかつ耐候性を高める外被は、有利には
0.2〜４mm、特に0.3〜1.5mmの壁厚を有する。ま
た、外被を部分的に２つの相異なつた材料から製
造する、例えば異形材の見える側を物質Ａから成
る外被でかつ異形材のその他の側を物質Ｂから成
る外被を施すかあるいはい個々の範囲に異なつた
着色を行なうことも可能である。 更に、本発明のもう１つの実施態様でよれば、
外被を少なくとも部分的に種々の材料から多層で
構成するのが有利である。それにより、個々の材
料の異なつた特性を有利に組合せかつ唯一の材料
だけでは達成不可能である製品の種々異なつた要
求を満足することが可能である。本発明の有利な
１変更形によれば、外被に同じく部分的に被覆
し、耐候性のプラスチツクから成りかつまた良好
に着色可能である、特にアクリレートベースの被
覆層を有利には0.1〜1.2mmの厚さで施すことを提
案する。この場合、この付加的な被覆層は同時押
出しによるか、あるいはまたシートで積層するか
又は塗布により施すことができる。 ガラス繊維の割合が高い異形心材は比較的脆弱
であり、但し収縮性が低く、高い剛性及び強度を
有しているので、多層異形材の衝撃強さを外被の
適当な装備によつて改善するのが有利なこともあ
る。このために、外被がプラスチツクの他に20重
量部まで衝撃強さ−変性剤例えばエチレンビニル
アセテート、塩素化されたポリエチレン、メタク
リルブタジエンスチレン、ポリブチルアクリレー
ト、アクリレート又は同種のものを含有すること
を提案する。 ガラス繊維で強化されたポリ塩化ビニルから成
る異形心材は、主として異形材の強化コルセツト
の課題を負うべきである。本発明の有利な１実施
態様では、溝、突起、ウエブ、アンダーカツト又
は同種のもの等の異形材の成形が施されている。 本発明の多層異形材は有利に同時押出しによつ
て製造される、この場合該異形材は外側で寸法調
整されておりかつ残留収縮率0.5％未満、特に0.3
％未満を有する。本発明の多層製品は、硬質
PVCから成る純粋なプラスチツク異形材に対し
て著しく高められた弾性率及びそれに伴う剛性及
びねじり強さ、高い強度及びそれに伴う高い破断
に対する安全性及び殆んど完全に減少した、すな
わち０に至る熱的に開始可能な収縮率を示す。特
に温度差が激しい気候帯で使用する際に、熱の作
用によるプロフイル伸延が避けられかつ熱膨張率
の著しい減少が達成され、それにより枠を製作す
るの除公差問題、ひいては加工問題が著しく減少
する。 更に、本発明の多層異形材を製造するために
は、ガラス繊維強化PVCをベースとする異形心
材としてはPVCに関してのみ熱安定化されたも
のを使用し、一方外被に耐候性に関する付加的な
安定剤、UV吸収剤並びに顔料を施せばよいとい
う利点が生じる。しかも、それにより全体として
は高価な材料の使用量が減少することにより製品
が廉価になり同時に特に機械的特性を著しく高め
ることができる。 本発明のガラス繊維強化ポリ塩化ビニル異形心
材を有する多層異形材は極めて低い収縮率を有す
るので、野外暴露においても熱的に高負荷可能で
ある、すなわち太陽光線によつて高温に加熱され
てもよく、しかも異形材の許容されない収縮を惹
起し得るような許容されない応力が開放されな
い。また、それによつて、本発明の多層異形材の
外側、すなわち外被ないしは被覆層を、例えば建
築技師によつて美的理由からしばしば要求される
ように、灰色、黒色、暗緑色等の暗色に着色する
ことも可能である。このような暗色の着色は例え
ば硬質PVC異形材では不可能である、それとい
うのも一定の温度を越えると応力の開放によつ
て、枠が割れる程に収縮するからである。 驚異的にも、本発明のガラス繊維強化異形心材
を有する異形材は、ガラス繊維の割合が高いにも
かかわらず申し分なく溶接することができ、かつ
特に窓又は戸の枠を製作する際にも要求されるよ
うな良好な溶接強度が得られることが判明した。 次に、図示の実施例につき本発明を詳細に説明
する。 第１図には、ガラス繊維強化ポリ塩化ビニルか
ら成る中空異形心材１が略示されており、該異形
材は外側が熱可塑性プラスチツク例えば硬質
PVC又はABSから成る薄い外被２で包囲されて
いる。付加的に、外被の外周の一部分は更に外被
２とは異なるプラスチツク、例えば耐候性プラス
チツク例えばポリメチルメタクリレートから成る
被覆層と直接結合されている。この場合には、例
えば極めて薄いポリ弗化ビニリデン又はポリ弗化
ビニルフイルムを接着助剤を用いて積層すること
も可能である。 第２図には、ガラス繊維強化中空異形心材１が
示されており、該心材には外側に、部分的に領域
２ａ及び２ｂで異なつて着色された異なつた材料
又は同じ材料から組合わされた外被２が施されて
いる。 第３図には、補強内部コルセツトとしてガラス
繊維強化ポリ塩化ビニルから成る２つの異形心材
１ａ，１ｂと、例えば硬質PVCから成る安定な
熱可塑性の形状を規定する外被２とから成る異形
材が示されている。この場合には、成形外被２が
突起２１を含む外形を異形材に付与している。 第４図には、Ｔ字形異形材が示されており、該
異形材は異形材に所望の剛性、強度、ねじり強さ
及び弾性率を付与するガラス繊維強化PVCから
成る多室の中空異形心材１を有している。この異
形心材１には、熱可塑性プラスチツクから成る外
被２が施されており、この場合外被は付加的に突
起２１等の形態で形状を規定する成形部を有す
る。付加的に、この異形材には例えば暴露側に特
に耐候性でありかつ外被２とは異なつて着色され
ていてもよい被覆層が施されていてもよい。第４
図による、この種の異形材は有利に同時押出しに
よつて製作される、この場合相溶性の熱可塑性材
料を使用すれば、層１，２，３の結合は接着剤を
要せずに行なわれかつ多層異形材１，２，３は唯
一の校正工具でその最終的形態を得る。 第５図には、本発明の別の実施態様が示されて
おり、この場合には極めて簡単に方形の中空成形
体に構成された異形心材１に適当なプラスチツク
から成る複雑な横断面形状を実現する外被２が施
されている。このような異形材も有利に同時押出
しによつて製造可能である。 第６図には、本発明の別の実施態様で、複雑な
横断面形状及び多数の中空室を有するガラス繊維
強化PVCから成る異形心材１を形成することも
可能であることが示されており、この場合には外
被２は異形心材１の横断面形状に基づくこの場合
にも、付加的に別の表面装飾層３を施すこともで
き、該層は異形材の外周の一部分をあるいはまた
全周をカバーすることができる。 前記の図面の説明から明らかなように、いずれ
の場合にも支持異形材はガラス繊維強化ポリ塩化
ビニルから成る異形心材１であることが明らかで
ある。ガラス繊維不含の強化されていない熱可塑
性プラスチツク例えば硬質PVC又はアクリレー
トから成る外被及び場合により別の材料から成る
もう１つの被覆層及び場合により外被とは異なつ
て着色された被覆層は、異形心材の特性を改善す
るものである。多層異形材は有利に押出し成形に
より製造される。この場合個々の層の厚さは同じ
であつてもよくあるいはまた異なつていてもよ
い、この厚さは特に材料層の特性を最適に利用し
た状態での静的負荷によつて規定される。ガラス
繊維強化PVCから成る異形心材は極めて良好な
機械的特性を有しているので、純粋な硬質PVC
異形材に比較して簡単な横断面形状で製造するこ
とができる。 外被層は、異形心材の場合により多孔性のかつ
粗な表面を平滑にしかつ密封する課題を有するだ
けでなく、外観に改善しかつ耐候性を高める課題
を有する。更に、熱可塑性外被層によつて多層異
形材を校正する際に校正工具にる壁に対する負荷
が、ガラス繊維強化材料を直接校正すべき場合に
よりも小さくなる。このようにして、外被によつ
て金属工具内での異形材を製造する際の摩耗も減
少せしめられる。 第７図には、同時押出しにより本発明の多層異
形材を製造するための押出装置が略示されてい
る。１０で異形心材のためのガラス繊維強化ポリ
塩化ビニルを押出すための主押出機が示されてお
り、該押出機の前方に異形心材を成形するための
押出工具１２が接続されている。それに引続き、
外被２を成形するための押出工具１３が接続され
ており、この場合外被のためのプラスチツクは押
出機１４を経て供給される。更に、引続き第３の
層のために押出工具１５が前方に接続されてお
り、該工具には押出機１６を介して被覆層材料が
供給される。次いで、押出工具を出て来る多層異
形材１１は校正工具１７に供給され、この場合こ
の校正工具を通過する際に異形材を最終的外側寸
法規定及びその冷却が行なわれる。引出しは引出
し装置１８を介して行なわれる。付加的に、異形
材を内側から例えば水で冷却することもできる。 以下の実施例１〜12には、変性材を含有するも
のと、含有しない、本発明で使用されるガラス繊
維強化異形心材の特性を示す。例13及び14は、比
較として一方は充填剤を含有しないで、一方は含
有するガラス繊維強化されていない材料を示す。 実施例及び比較例は、例として以下の表に示さ
れている。組成物のためには、乾燥粉末の形で記
載の部の成分を混合しかつ可塑化し、更に例えば
単軸スクリユー押出機を用いて厚さ約４mm及び幅
500mmの板に押出すことができる。押出しのため
には、シリンダ内の可塑化温度160〜190℃及び工
具温度195℃を利用する。 例に記載の組成物の成分は重量部で表わされて
おり、例１〜７及び13、14のたためには、Ｋ値64
を有する懸濁液−PVCをかつ例８〜12のために
は、Ｋ値57を有する懸濁液−PVCを使用した。
例４〜12で使用した夫々の変性剤はその略号で記
載されている。 特性は押出した板について、夫々横方向及び縦
方向で測定されている。この場合、弾性率は
DIN53457に基づき、ノツチ付衝撃強さはIzod
FT−LOS／INに基づき、引裂強さはDIN53455
に基づきかつ形状安定性ＡはISO−R75に基づき
℃で測定した。 ガラス繊維を含有しない例13及び14と本発明の
実施例との比較により、ガラス繊維を加えること
によりＥ−弾性率は上昇し、一方引裂強さは既に
幾分か低下することが明らかである。しかしなが
ら、少量の鉱物性充填剤、この場合例２によれば
炭酸カルシウムを添加することにより、鉱物性充
填剤を含まない例１に比較してＥ−弾性率並びに
その他の伸延率までの機械的特性を既に著しく改
善することができる。 例14と３は、比較列で、強化されていない
PVCにおいて鉱物充填剤、この場合には炭酸カ
ルシウムの割合が一定で強化のためにガラス繊維
を加えた後に機械的特性の特性像はどのように変
化するかを示す。ガラス繊維に対して鉱物性充填
剤の添加量をより以上増加させても、特性の顕著
な改善は見られない、むしろ特性は本発明で選択
した相関関係においてはほぼ平衡状態にある、す
なわちＥ−弾性率及びノツチ付衝撃強さが僅かに
低下しかつ更に引裂強さが上昇しても、鉱物性充
填物を含まない製品（例１参照）に比較すると、
良好な特性が得られる。 例４は、ノツチ付衝撃強さを高めるために耐衝
撃性の変性剤を含有する組成物を示すが、しかし
ながら該変性剤は特殊な弾性率及び引裂強さを犠
牲にする。このことは次いで例５に基づき例えば
炭酸カルシウム等の鉱物性充填剤を僅かに添加す
ることにより既に再び高めることができる。例６
及び７は、より高い割合での別の添加剤を示す
が、しかしながらこれらはノツチ付衝撃強さは上
昇するにもかかわらず特に機械的特性にプラスで
はなく、マイナスの作用を及ぼす。例８〜12は、
炭酸カルシウムの添加量が一定の少ない量でガラ
ス繊維の割合を上昇させて行き、ノツチ付衝撃強
さを高めるために少量の変性剤を添加した場合を
示す。これらの例から、ガラス繊維の割合の上昇
に伴いＥ−弾性率が改善され、同時にノツチ付衝
撃強さ及び引裂強さは所望の範囲内に保持される
ことが明らかである。ノツチ付衝撃強さと同時
に、該組成物の衝撃強さも改善される。

【表】

【表】 本発明に基づき構成された異形材で達成され得
る、公知の窓又は戸を製造するためのプラスチツ
クから成る異形材に比較して著しく改善された特
性を、第６図に基づく同時押出しにより、但し被
覆層３を施さないで異形材を製造することにより
追跡試験した。この場合には、例８記載のバツチ
に基づくガラス繊維強化PVCから成る異形心材
を利用した、この際異形心材は壁厚さ３mmを有し
ていた。付加的に、例13に記載の硬質PVCバツ
チから成る成形された外被を平均壁厚0.5mmで同
時に押出した。更に、第６図に基づき例13に記載
の硬質PVCバツチのみから異形材を押出した。 前記異形材について、重要な特性を測定しかつ
その結果を添付の第Ａ表にまとめた。この場合、
ガラス繊維強化PVC異形心材及び硬質PVC外被
を有する異形材の、例えば純粋なPVC異形材に
比較して優れた特性は、極めて明らかである。異
形材の曲げ及びねじり強さに対して重要である弾
性率は、本発明の異形材構造物においては純粋な
硬質PVC異形材に比較して３倍以上の値が達成
される。従つて、本発明の異形材を用いると、高
い負荷をかけて洗浄されかつ付加的な金属補強材
を必要としない曲げ強い窓及び戸枠を製造するこ
とができる。この良好な性状は、引張強さを比較
する際もかつまた曲げ試験においても明らかであ
る。曲げ試験は、支持幅100cmで実施した。この
場合本発明の異形材のためには２倍以上の大きな
力が必要であつた。本発明の異形材の衝撃強さだ
けが、脆弱なガラス繊維強化PVC異形心材を用
いることにより純粋な熱可塑性樹脂に比較して低
下する。本発明の異形材の収縮率が小さいこと
は、高い寸法安定性を示すために有利でありかつ
また該異形材を窓及び戸枠に使用する際に片面側
からの日光の照射によつて片側だけが加熱される
場合にも特に有利である。本発明の異形材は小さ
い収縮率及び高い弾性率を有していることによ
り、片面側から加熱されても枠ないしは枠構造の
凹状のわん曲が、枠の機能に不利に作用しない最
低値に低下せしめられる。 更にまた、本発明の異形材を通常の硬質PVC
異形材と同じ条件下で溶接する際に達成可能な溶
接強度、すなわちいわゆる縁部強度値は驚異的で
ある。この値は実質的に不変の高さにある。

【表】 【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図、第４図、第５図及び
第６図は本発明の異形材の種々の実施例の横断面
図及び第７図は本発明の異形材を押出し成形する
装置の１例を示す略示図である。 １，１ａ，１ｂ……異形心材、２，２ａ，２ｂ
……外被、３……被覆層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強化プラスチツクから成る中空であつてもよ
   い異形心材と、異形心材を包囲するプラスチツク
   から成る外被とを有する、窓又は戸用の枠を製造
   するための異形材において、異形心材がＫ値55〜
   75を有するポリ塩化ビニル100重量部に対して、
   長さ12mm以下で直径５〜25μｍを有するガラス繊
   維40〜100重量部、平均粒子直径50μｍ未満を有
   する粉末状鉱物充填剤１〜25重量部、滑剤2.5〜
   5.5重量部及び変性剤30重量部以下を含有するガ
   ラス繊維強化PVC組成物から構成されており、
   かつ微孔状の軽度に粗面の表面を有し、かつ
   PVCと相溶性の、異形心材の衝撃強さを上回る
   プラスチツクから成る外被と結合されていること
   を特徴とする異形材。 ２ ストランドプレス方向でＥ−弾性率23℃で少
   なくとも8000N／mm²を有する、特許請求の範囲第
   １項記載の異形材。 ３ 異形材が壁厚さ1.0〜10mmを有する、特許請
   求の範囲第１項又は第２項記載の異形材。 ４ 外被が壁厚さ0.2〜４mmを有する、特許請求
   の範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記
   載の異形材。 ５ 外被がPVC、ポリ塩化ビニリデン、後塩素
   化されたPVC、塩素化単量体と該単量体と共重
   合可能な少なくとも１種の単量体とから得られる
   共重合体をベースとしかつ添加物としての安定
   剤、滑剤、顔料、UV吸収剤、加工助剤、変性剤
   を含有するものから成る、特許請求の範囲第１項
   から第４項までのいずれか１項に記載の異形材。 ６ 外被がアクリレート又はアクリル−ブタジエ
   ン−スチレン又はMBSもしくはポリエステル又
   はPVF又はPVDFもしくはこれらの混合物をベ
   ースとして構成されている、特許請求の範囲第１
   項から第４項までのいずれか１項に記載の異形
   材。 ７ 外被が部分的に相互に異なつた２種類の材料
   から組成されている、特許請求の範囲第１項から
   第６項までのいずれか１項に記載の異形材。 ８ 外被に溝、突起、ウエブ、アンダーカツト等
   の異形材の成形部が設けられている、特許請求の
   範囲第１項から第７項までのいずれか１項に記載
   の異形材。 ９ 外被が少なくとも部分的に多層状に種々異な
   つた材料から構成されている、特許請求の範囲第
   １項から第８項までのいずれか１項に記載の異形
   材。 １０ 外被に厚さ0.1〜1.2mmのアクリレートをベ
   ースとする耐候性プラスチツクから成る一部分を
   被う被覆層が設けられている、特許請求の範囲第
   ９項記載の異形材。 １１ 異形心材が熱及び光に対して安定化されて
   いる、特許請求の範囲第１項から第１０項までの
   いずれか１項に記載の異形材。 １２ 同時押出しにより製造されかつ外部で規格
   化され、この場合異形材が残留収縮率0.5％未満
   を有する、特許請求の範囲第１項から第１１項ま
   でのいずれか１項に記載の異形材。 １３ 外被がプラスチツクの他に20重量％まで変
   性剤としてEVA、CPE、MABSを含有する、特
   許請求の範囲第１２項記載の異形材。