JPH0377015B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、両端または一端が開口した金属管
にバルジ加工を施すさいにおける金属管の開口端
部のシール方法に関する。

従来の技術と発明の課題 たとえば両端または一端が開口したアルミニウ
ム管へのバルジ加工は、従来は、第５図に示すよ
うにして行つていた。すなわち、アルミニウム管
１を金型２内に配置した後、シール金具３で金属
管の開口端部をシールし、シール金具３に形成さ
れた流体通路４を通してアルミニウム管１内に流
体圧を導入するとともに、シール金具３でアルミ
ニウム管１を軸方向に圧縮することにより行つて
いた。そして、膨出部を形成した後、アルミニウ
ム管１の長さを所望の長さとするために、その端
部を切断していた。

上記シール金具３には、アルミニウム管１内へ
の挿入部５が形成されるとともに、この挿入部５
の周面に環状溝６が全周にわたつて形成され、環
状溝６内にＯリング７が嵌め入れている。そし
て、このシール金具３の挿入部５を、アルミニウ
ム管１内に圧入することにより、アルミニウム管
１の開口端部をシールしていた。

ところが、より完全なシール性を達成するため
には、Ｏリング７のつぶししろを大きくして予圧
を大きくしなければならず、その結果シール金具
３の挿入部５のアルミニウム管１内への挿入作業
が困難になるという問題があつた。また、Ｏリン
グ７は消耗するので、定期的に取り替える必要が
あり、その作業が面倒になるとともにコストが高
くなるという問題があつた。

この発明の目的は、上記問題を解決したバルジ
加工時の開口端部シール方法を提供することにあ
る。

課題を解決するための手段 この発明によるバルジ加工時の開口端部シール
方法は、金属管の開口端部をシール金具でシール
し、内部に流体圧を導入して金属管にバルジ加工
を施すにあたり、シール金具として上記金属管よ
りも硬い材料から形成され、かつ金属管と端面と
接する部分に環状突部が全周にわたつて設けられ
ているものを使用し、シール金具を金属管の端部
に向つて押圧して環状突部を金属管の端面に押し
込むことによりシール金具と金属管端面との間を
密封することを特徴とするものである。

上記のおいて、金属管としては、たとえばアル
ミニウム（アルミニウム合金も含む。以下同じ）
製管が用いられる場合には、シール金具は鋼で形
成される。また、環状突部の先端は尖つているこ
とが好ましい。

実施例 以下、この発明の実施例を、図面を参照して説
明する。この実施例は、この発明の方法を、アル
ミニウム管に筒状膨出部を形成するためのバルジ
加工に適用したものである。なお、以下の説明に
おいて、第５図に示すものと同一物および同一部
分には同一符号を付して説明を省略する。

アルミニウム管１にバルジ加工を施すにあた
り、シール金具１０として、鋼から形成されたも
のを用意する。シール金具１０の直径は、アルミ
ニウム管１の外径と同径であり、その左側に段部
１１を介してこれよりも小径のアルミニウム管１
内への挿入部１２が一体に形成されている。挿入
部１２の直径はアルミニウム管１の内径よりもわ
ずかに小さく、挿入部１２のアルミニウム管１内
への挿入がスムーズに行い得るようになつてい
る。段部１１には、先端の尖つた環状突部１３が
全周にわたつて一体に形成されている。

このようなシール金具１０を使用し、アルミニ
ウム管１をバルジ加工用金型２内に配置した後、
シール金具１０の挿入部１２をアルミニウム管１
内に挿入する（第１図参照）。そして、環状突部
１３の先端がアルミニウム管１の端面に接してか
ら、シール金具１０をさらにアルミニウム管１の
端部に向かつて押圧することにより、環状突部１
３をアルミニウム管１の端面に押し込み、アルミ
ニウム管１の端面と段部１１とを密着させる。環
状突部１３がアルミニウム管１の端面に押し込ま
れることにより、アルミニウム管１の端面とシー
ル金具１０との間が密封される。この状態で、第
２図に矢印に示すように、シール金具に形成され
ている流体通路１４からアルミニウム管１内に流
体圧を導入するとともに、シール金具１０でアル
ミニウム管１を軸方向に圧縮することによつてバ
ルジ加工を施す。こうしてアルミニウム管１に筒
状膨出部１５が形成される。なお、シール金具１
０の環状突部１３によりアルミニウム管１の端面
に傷が形成されるが、この傷は、バルジ加工終了
後寸法合せのためにアルミニウム管１の端部を切
断するさいに除去される。

第３図および第４図は、この発明による方法に
使用するシール金具の変形例を示す。

第３図において、シール金具１６の段部１１に
は、先端の尖つた複数の環状突部１７が全周にわ
たつて形成されている。

第４図において、シール金具１８の段部１１に
は、先端に丸みが付けられた環状突部１９が全周
にわたつて形成されている。このシール金具１８
において環状突部１９が複数形成されていてもよ
い。

上記実施例においては、シール金具は鋼製であ
るが、これに限るものではない。また、上記実施
例においては、金属管として、アルミニウム管が
用いられているが、これに限るものではない。

発明の効果 この発明の方法によれば、シール金具として金
属管よりも硬い材料から形成され、かつ金属管の
端面と接する部分に環状突部が全周にわたつて設
けられているものを使用し、シール金具を金属管
の端部に向かつて押圧して環状突部を金属管の端
面に押し込むことによりシール金具と金属管端面
との間を密封するので、従来のようにＯリングを
必要とせず、シール金具の挿入部の金属管内への
挿入を容易に行える。また、シール金具は金属管
よりも硬い材料から形成されているので、環状突
部が摩耗することはなく、メンテナンスが容易に
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明の方法を適用し
たバルジ加工方法を示し、第１図はアルミニウム
管を金型内に配置した状態の部分縦断面図、第２
図はアルミニウム管内に流体圧を導入した状態の
部分縦断面図、第３図はこの発明の方法に使用す
るシール金具の変形例を示す縦断面図、第４図は
この発明の方法に使用するシール金具の他の変形
例を示す縦断面図、第５図は従来の方法を適用し
たバルジ加工方法を示す部分縦断面図である。 １……アルミニウム管（金属管）、１０，１６，
１８……シール金具、１３，１７，１９……環状
突部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金属管の開口端部をシール金具でシールし、
   内部に流体圧を導入して金属管にバルジ加工を施
   すにあたり、シール金具として上記金属管よりも
   硬い材料から形成され、かつ金属管の端面と接す
   る部分に環状突部が全周にわたつて設けられてい
   るものを使用し、シール金具を金属管の端部に向
   かつて押圧して環状突部を金属管の端面に押し込
   むことによりシール金具と金属管端面との間を密
   封することを特徴とするバルジ加工時の開口端部
   シール方法。