JPH037492Y2 -

Info

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は膜材端部を各種の外的要因から保護
する構造とした、空気膜構造屋根における膜材定
着部構造に関するものである。

（考案が解決しようとする問題点）空気膜構造屋根における膜材定着部の構造は一
般に第１図，第２図に示すようなもので、膜材端
部は外部に晒された状態となつている。

第１図の例では膜材端部を単にボルト止めして
いるに過ぎないためその部分の止水性が不良で、
しかも屈曲プレートに雨水、ごみが溜る等の難点
がある。

第２図の例においても雨水処理用の排水パイプ
にやはり同様の不都合が生じ、両者共雨水のため
にプレート等が腐蝕する恐れがある。

この考案はこうした膜材定着部における不都合
を解消する目的からなされたもので、膜材の定着
部を別の膜材で被覆することによりこれを保護し
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段）本考案では膜材の定着部をカバー膜材で被覆す
ることによりこれを保護し、前記の不都合を解消
する。

膜材の定着部である膜材の端部は、膜構造屋根
の骨組である周囲粱に結合されるプレートにおい
て定着される。その膜材端部の内周側の上面にカ
バー膜材を接着し、他端部を周囲粱の外周側まで
回してこれに固定することにより膜材定着部の定
着具を完全に覆い隠すと同時に、水勾配を形成す
る。

カバー膜材と膜材とで囲まれた空間には定着部
を保護し、カバー膜材の傾斜を保持する保持材を
充てんする。

（実施例）以下本考案を一実施例を示す第３図に基づいて
説明する。

この考案の膜材定着部構造Ａは膜材１の定着部
ａ上にカバー膜材２を接着し、これを被覆してな
るものである。

図示した実施例は二重膜構造の場合であるが、
この場合上側の膜材１が被覆される。

膜材１は空気膜屋根の骨組を構成する周囲粱３
の内周側に接合されたプレート４にボルト５によ
り端部において固定される。

膜材１端部の内周側の上面に図示するようにカ
バー膜材２を接着して膜材１と一体化し、その他
端を周囲粱３の外周側に、好ましくはその下側ま
で周回させて固定する。

更に膜材１とカバー膜材２及び周囲粱３に囲ま
れた空間に、膜材１の定着部ａを保護するととも
に、カバー膜材２の傾斜を保持し、自然な雨水処
理を行うための保持材６を充てんする。この保持
材６には膜材１、カバー膜材２の伸縮変形に応じ
て伸縮自在な、可撓性の、例えばポリスチロール
等の材料が好適である。

（考案の効果）この考案では以上の通りカバー膜材により膜材
端部に自然な水勾配が形成されるとともに、ここ
が被覆されるので、雨水の排水性が良好となり、
膜材端部の止水性が向上される。同時に周囲粱上
にはほこり、ごみがたまりにくく、膜材定着部の
腐蝕を防ぐことができる。

また膜材端部がカバー膜材により二重構造とな
るのでこの部分の圧力漏れの恐れが低下する。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は従来例を示した断面図であ
り、第３図は本考案の実施例を示した断面図であ
る。Ａ……膜材定着部構造、ａ……定着部、１……
膜材、２……カバー膜材、３……周囲粱、４……
プレート、５……ボルト、６……保持材。

【実用新案登録請求の範囲】