JPH037482B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は建築用木材の皮剥や、木材チツプを製
造する前工程での皮剥に用いられる連続式木材皮
剥機の改良に関するものである。

［従来の技術］ 一般に木材を建築用やチツプに利用する場合先
ず皮剥を行う必要がある。従来の連続式の木材皮
剥機としては、例えば 回転ドラムの内周壁に多数の皮剥刃を突設し
ドラムを回転させながらドラム内に投入した木
材の皮剥を行うもの皮剥機 下部に多数の周方面のスリツトを、くし歯状
に設けた固定ドラムの下部に、前記スリツト間
隔に対応して多数のブレード状をなす皮剥刃を
シヤフトに突設した皮剥回転体を配置し、固定
したドラム内に投入した木材を、前記皮剥回転
体の回転によりドラム底部のスリツトを通して
ドラム内を回転する皮剥刃により皮剥する皮剥
機などがある。

しかしながら、の回転ドラム式の皮剥機はド
ラムと内部に投入した木材とを同時に回転させる
ため、騒音振動が大きく、公害上の問題がある、
設備費や動力費が高い問題があつた。

またの皮剥機は、多数のブレード状をなす皮
剥刃を取付けた皮剥回転体の構造が複雑で設備費
が高く、しかも、ドラムは底部に皮剥刃が入る多
数のスリツトを開孔しなければならずスリツト加
工がめんどうで強度的にも厚板を使う必要があ
り、その上、装置の給油、点検に手間がかかるな
どの欠点があつた。

これらの問題を解決するため、本発明者はホツ
パーの底部をその長手方向に沿つて連続して開口
し、ここを塞ぐようにパイプシヤフトの外周に多
数の皮剥刃を取付けた皮剥回転体を設けた連続式
木材皮剥機を先に開発した（特公昭61−46282）。

この連続式木材皮剥機は第６図に示すようにホ
ツパー１は受け側板２と、送り側板３とをその底
部に長手方向に沿つて連続した開口部４を形成す
るように組合わされ、ホツパー１は長手方向に沿
つて傾斜して取付けられ、高い一端側を投入部、
低い他端側を取出部としている。

このホツパー１の底部には皮剥回転体６がその
外周の上部片側が下端開口部４を塞ぐように一部
挿入され、ホツパー１に沿つてやや傾斜して取付
けられている。

この皮剥回転体６は、パイプシヤフト７の外周
表面に、立上りが階段ブロツク状の皮剥刃８が、
多数螺旋状に突設されている。

この連続式木材皮剥機による皮剥作用は、先ず
モーター９を駆動させると、チエーン１０、減速
ギヤ１１を介して回転力が伝達され、皮剥回転体
６は矢印方向に回転する。

この状態で木材５をホツパー１の投入部から内
部に順次投入していくと、傾斜して設置されたホ
ツパー１内を皮剥回転体６により木材５は取出部
側に回転しながら移動していく。

この場合ホツパー１の下端開口部４を塞ぐよう
に皮剥回転体６の上部片側が挿入され、矢印方向
に回転しているので、この周面に突設した複数個
の階段ブロツク状の皮剥刃８により、木材５を掻
き上げながら表面の皮剥が行われる。

一方、ホツパー１内の木材５は傾斜して設けら
れた送り側板３上を自重により落下し、皮剥回転
体６の皮剥刃８により皮剥されながら掻き上げら
れ、更に受け側板２により受け止められて反転
し、木材５はホツパー１内を皮剥回転体６と逆の
矢印方向に回転する。このように木材５はホツパ
ー１内を転動しながら皮剥刃８により皮剥され、
順次取出部側に移動して連続的に皮剥が皮剥が行
われる。

また皮剥刃８は、パイプシヤフト７の外周に螺
旋状に突設されているので、送りねじ作用により
滑らかにホツパー１の投入部から取出部側に移送
される。

またこの皮剥作用により剥がされた皮は皮剥回
転体６の回転に伴つて、この下方に設けたコンベ
アー１２上に落とされ、装置外に自動的に取り出
されるようになつている。

従つて、この連続式木材皮剥機は ホツパー１と、皮剥回転体６との組み合わせ
による簡単な構造であるので、製作や保守点検
が容易で、設備費は従来の回転ドラム式に比べ
て約４分の１に低減することができる。

またホツパー１は固定式であるので、騒音や
振動が回転ドラム式のものに比べて極めて少な
く上部が開放状態であつても、固定ドラム式の
ものとほとんど変らず静かである。

木材５は送り側板３上を自重により落下し、
これを皮剥回転体６に突設した皮剥刃８で皮剥
しながら掻き上げてホツパー１内を転動させる
ので作業能率が大幅に向上する上、動力費も安
価である。

またホツパー１は上部を開放することもでき
るので、従来の回転式円筒ドラムのものに比べ
て木材５の流れが滑らかで、特にホツパー１の
上部が大部分開放しているものは皮剥状態も外
部から確認でき制御が容易である上、途中で木
材５が詰まつた場合にも容易に取り除くことが
でき、作業も容易で且つ安全である。

など種々の効果を得ることができた。

しかしながら、ホツパー１の底部には連続した
開口部４が形成されており、特にホツパー１は６
ｍ以上の長尺になるため、この両側の受け側板２
と送り側板３の板厚を厚くして強度を持たせ木材
５の転動による振動を防止している。このため装
置の重量が大きくなる問題がある。またパイプシ
ヤフト７は長尺の板材を曲げて溶接するため、曲
げ加工がめんどうで製造コストも高くなる欠点が
あつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明はかかる従来の問題点に鑑み、種々研究
を行つた結果、簡単な構造で木材の転動による振
動を防止し、装置の重量を低減すると共にパイプ
の曲げ加工を容易にして製造コストを安くし、特
に長尺のホツパーの場合に優れた連続式木材皮剥
機を提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、木材を収納するホツパーの底部にそ
の長手方向に沿つて連続した開口部を形成しこの
開口部を挟んで片側が受け側板、他方側が送り側
板で構成され、且つ多数の皮剥刃をパイプシヤフ
トの外周表面に突設した皮剥回転体をその上部が
前記開口部を塞ぐように挿着した連続式木材皮剥
機において、前記皮剥回転体の長手方向に沿つた
複数個の皮剥刃を挟む間隔で受け側板と送り側板
との下部を連結する連結部材を皮剥回転体の外周
円弧に沿つて湾曲して設けると共に、この連結部
材と対向する皮剥回転体の外周部分に環状溝を形
成して、この環状溝内に連結部材を嵌入して木材
が接触する皮剥回転体の外周をほぼ平滑にしたこ
とを特徴とするものである。

［作用］ 本発明の連続式木材皮剥機は、受け側板と送り
側板とがその下部で開口部を数ｍの短い間隔で仕
切るように連結部材で接続されているので強度が
向上し、板厚の薄い受け側板や送り側板でも木材
の転動による振動を防止することができる。

しかも連結部材は皮剥回転体の環状構内に嵌入
し木材が接触する皮剥回転体の外周とほば平滑に
なつているので木材の流れが円滑である。

また皮剥回転体のパイプシヤフトは短い大径の
パイプと小径の短いパイプとを環状溝を設けるよ
うに接続して長尺の１本に形成するのでパイプの
曲げ加工が容易である。

［実施例］ 以下本発明を、図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図乃至第４図は本発明の一実施例を示すも
ので、このホツパー１は第１図に示すようにホツ
パー１は受け側板２と、送り側板３とをその底部
に長手方向に沿つて連続した開口部４を形成する
ように組合わされている。

ホツパー１の側壁を形成する受け側板２は少な
くとも下部が内側に湾曲して上下方向に立設し、
また対向する側壁を形成する送り側板３は少なく
とも下部側を40〜50度程度に内側に傾斜もしくは
湾曲した板材で形成されている。

またホツパー１は第２図に示すように角度αで
傾斜して取付けられ、高い一端側を投入部１３、
低い他端部側をシヤツター１４が上下動自在に設
けられた取出部１５としている。このホツパー１
は、その全長が例えば十数メートルの長さに形成
され、約３度程度傾斜してスタド１６上に支持さ
れている。

このホツパー１の底部には皮剥回転体６がその
外周の上部片側が下端開口部４を塞ぐように一部
挿入され、ホツパー１に沿つてやや傾斜して取付
けられている。

皮剥回転体６は、パイプシヤフト７の外周表面
に、第１図および第２図に示すように立上りが階
段ブロツク状の皮剥刃８が、例えば周方向に30度
の等間隔で且つ軸方向に多数螺旋状に突設されて
いる。

前記パイプシヤフト７は例えば長さが３ｍ程度
の大径のパイプ７Ａを複数個間隔をおいて配置
し、これらの間に小径の短いパイプ７Ｂを挿着し
て溶接し、大径のパイプ７Ａ，７Ａ間に環状溝１
７を所定の間隔で形成したものである。またこの
皮剥回転体６の両端には丸棒状のシヤフト１８が
取付けられ軸受１９により支持され、更にその一
端側は減速ギヤ１１を介してチエーン１０でモー
ター９に接続されている。

またホツパー１を構成する受け側板２と、送り
側板３の開口部４の縁部には、第３図および第４
図に示すように前記皮剥回転体６に突設したブロ
ツク状の皮剥刃８が当らないようにそのピツチに
対応してくし歯溝２０が形成されている。このく
し歯溝２は皮剥刃８の配列ピツチに対応して例え
ば100mm間隔で形成されている。前記パイプシヤ
フト７に形成した環状溝１７の幅が200mm、間隔
が３ｍとすると、この環状溝１７に対向する部分
にくし歯溝２０を設けず、この下部に受け側板２
と送り側板３を連結部材２１が接続されている。

この連結部材２１はパイプシヤフト７に形成し
た環状溝１７の外周円弧に沿つて湾曲し、環状溝
１７内に嵌入して木材５が接触する皮剥回転体６
の外周とほぼ平滑になつている。

なお図において、２２は取出部１５のシヤツタ
ー６の前方に配置されたシユーター、２３は皮剥
された木材５の搬出用コンベアーである。

次に上記構造をなす連続式皮剥機の作用につい
て説明する。

モーター９を駆動させ矢印方向に皮剥回転体６
を回転させる。

この状態で木材５をホツパー１の投入部５から
内部に順次投入していくと、傾斜して設置された
ホツパー１内を皮剥回転体６の回転により木材５
は取出部７側に回転しながら移動していく。

このとき第１図に示すようにホツパー１の下端
部開口部４を塞ぐように皮剥回転体６の上部片側
が挿入され、矢印方向に回転しているのでホツパ
ー１内の木材５は径斜して設けられた送り側板３
上を自重により落下し皮剥回転体６の皮剥刃８に
より皮剥されながら掻き上げられる。

更に受け側板２により受け止められて反転し木
材５はホツパー１内を皮剥回転体６と逆の矢印方
向に回転する。このように木材５はホツパー１内
を転動しながら皮剥刃８により皮剥され順次取出
部１５側に移動していく。

取出部１５側に溜つた木材５は、更に回転を続
けながら皮剥され、その状態をホツパー１の上部
から確認して、皮剥が完了したら、図示しない駆
動機構によりシヤツター１４を下げて、取出部１
５を開口し、木材５をシユーター２２から落とし
て搬出用コンベヤー２３に送る。

このようにして順次木材５を投入部１３から投
入して行くことにより連続的に皮剥が行われる。

またこの皮剥作用により剥がされた皮は皮剥回
転体６の回転に伴つて、この下方に設けたコンベ
アー１２上に落とされ、装置外に自動的に取り出
されるようになつている。

また皮剥刃８は、パイプシヤフト７の外周に螺
旋状に突設されているので、送りねじ作用により
滑らかにホツパー１の投入部１３から取出部１５
側に移送される。

従つて本発明では、受け側板２と送り側板３と
がその下部で開口部４を２〜５ｍ間隔で仕切るよ
うに連結部材２１で接続されているので、強度が
向上し、従来よりも板厚の薄い受け側板２や送り
側板３でも木材５の転動による振動を防止するこ
とができる。

しかも連結部材２１は皮剥回転体６の環状溝１
７内に嵌入し木材５が接触する皮剥回転体６の外
周とほぼ平滑になつているので木材５の流れが円
滑で有り作業性は従来と同様である。

また皮剥回転体６のパイプシヤフト７は例えば
長さが３ｍ程度の大径のパイプ７Ａと小径の短い
パイプ７Ｂとを環状溝１７を設けるように接続し
て１本に形成するのでパイプの曲げ加工も容易で
ある。

第５図は本発明の他の実施例を示すもので、大
径のパイプ７Ａと、小径の短いパイプ７Ｂとの間
に、中間径のパイプ７Ｃを介在させて溶接し、深
い環状溝１７を形成した皮剥回転体６である。

また連結部材２１はその下部両側に補強リブ２
４を接合して強度を向上させたものである。

このように深い環状溝１７を形成することによ
り嵌入する連結部材２１を厚くして連結強度を高
めることができる。またパイプシヤフト７はシヤ
フト１８を全長に亘つて１本通し、この外側に大
径のパイプ７Ａを軸方向に沿つて間隔をおいて複
数本配置しパイプ７Ａ，７Ａ間に環状溝１７を形
成した皮剥回転体６でもよい。

またシヤフト１８は全長に亘つて１本連続した
ものに限らず、連結部材２１のピツチに合わせた
短いシヤフトを複数本、直線上に配置し、各シヤ
フトの両端を軸受で支持すると共にシヤフト間を
たわみカツプリングで連結し、このカツプリング
部分を除いてシヤフトの外周に大径のパイプ７Ａ
を取付け、カツプリング部分を環状溝１７とした
皮剥回転体６でもよい。

なお上記実施例ではホツパー１の上部を全長に
亘つて開口した場合について示したが、投入部１
３と取出部１５を除いた中間部に蓋を取付けても
良い。この場合、蓋は平板状でも丸形でも良く、
また蓋はホツパー１と取外し自在または一体に形
成しても良い。更にホツパー１は全長に亘つて断
面略Ｖ形に形成したものに限らず投入側のみ断面
略Ｖ形に形成し、取出側は円筒状または上部を開
口した半円筒状でも良い。

また上記実施例では皮剥回転体６を１本設けた
構造のものについて示したが、軸受１２を介して
直線上に複数本連結した構造のものでも良く、こ
の場合モーター９は両側に取付けると良い。

また本発明は皮剥回転体６を開口部４に２本並
列に配置したダブルローター型にも適用でき更に
受け側板２か送り側板３の中間に木材５の回転を
促進するための補助ローターを取付けた連続式木
材皮剥機にも適用することができる。

また皮剥刃８の形状は、立上り部が階段状のも
のに限らず、木材の材質等により最適な形状のも
のを選定すればよい。更に皮剥刃８はパイプシヤ
フト７の外周面に直接溶接により固定したものに
限らず、着脱自在に接合したものでもよい。

［発明の効果］ 以上説明した如く本発明に係わる連続式木材皮
剥機によれば、簡単な構造で木材の転動による振
動を防止し、装置の重量を低減すると共にパイプ
の曲げ加工を容易にして製造コストを安くし、特
に長尺のホツパーの場合に優れた効果を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による連続式木材皮
剥機の連結部材部分を破断して示す側面断面図、
第２図はその正面断面図、第３図はその平面図、
第４図は要部を破断して示す斜視図、第５図は本
発明の他の実施例による皮剥回転体の断面図、第
６図は従来の連続式木材皮剥機の側面断面図であ
る。 １……ホツパー、２……受け側板、３……送り
側板、４……開口部、５……木材、６……皮剥回
転体、７……パイプシヤフト、８……皮剥刃、９
……モーター、１３……投入部、１５……取出
部、１７……環状溝、２０……くし歯溝、２１…
…連結部材、１２，２０……コンベヤー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 木材を収納するホツパーの底部に、その長手
   方向に沿つて連続した開口部を形成し、この開口
   部を挟んで片側が受け側板、他方側が送り側板で
   構成され、且つ多数の皮剥刃をパイプシヤフトの
   外周表面に突設した皮剥回転体をその上部が前記
   開口部を塞ぐように挿着した連続式木材皮剥機に
   おいて、前記皮剥回転体の長手方向に沿つた複数
   個の皮剥刃を挟む間隔で受け側板と送り側板との
   下部を連結する連結部材を皮剥回転体の外周円弧
   に沿つて湾曲して設けると共に、この連結部材と
   対向する皮剥回転体の外周部分に環状溝を形成し
   て、この環状溝内に連結部材を嵌入して木材が接
   触する皮剥回転体の外周をほぼ平滑にしたことを
   特徴とする連続式木材皮剥機。