JPH0217325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は建築用木材の皮剥や、木材チツプを製
造する前工程での皮剥に用いられる連続式木材皮
剥機の改良に関するものである。

［従来の技術］ 一般に木材を建築用やチツプに利用する場合先
ず皮剥を行う必要がある。従来の連続式の木材皮
剥機としては、例えば径の大きな回転ドラムの内
周壁に多数の皮剥刃を突設し、ドラムを回転させ
ながらドラム内に投入した木材の皮剥を行うもの
が多く用いられている。

しかしながら、この皮剥機は大量の木材を同時
に皮剥するため、ドラムが大径となつて大型化
し、しかもドラムと内部に投入した木材とを同時
に回転させるため、騒音、振動が大きく、公害上
の問題がある上、設備費や動力費が高いなどの問
題があつた。

このため、近年、特開昭57−185106号公報に示
されるように、底部に多数の周方向のスリツトを
形成した固定ドラムの下部に、前記スリツト間隔
に対応して多数のブレード状をなす皮剥板をシヤ
フトに突設した皮剥回転体を配置し、固定したド
ラム内に投入した木材を、前記皮剥回転体の回転
によりドラム底部のスリツトを通してドラム内を
回転する皮剥板により皮剥する装置も開発されて
いる。

しかるに、この皮剥機は木材を投入するドラム
が固定式であるため騒音や振動は少なくなるもの
の、ドラムの外側に配置したシヤフトに多数のブ
レード状をなす皮剥板を取付け、しかもドラムの
底部には皮剥板が通過する多数の周方向のスリツ
トを開口しなければならず、スリツトの加工や組
立構造が複雑で設備費が高くなる問題があつた。

その上、ドラムの底部に多数の周方向のスリツ
トを形成するため、ドラム構成部材として強度的
にも厚板を使用する必要があり、しかも、複雑な
構造のため装置の給油、点検に手間がかかるなど
保守もめんどうで実用的なものでなかつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明はかかる従来の問題点に鑑み、種々研究
を行つた結果、構造が簡単で設備費や動力費が安
く、保守、点検も容易であり、しかも騒音や振動
も極めて少なく、その上、小径の木材や曲つた木
材でも食い込みや落下がなく効率良く皮剥するこ
とができ、作業能率に優れた連続式木材皮剥機を
提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 以下本発明を、図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図乃至第４図は本発明の一実施例を示すも
ので、図において１は木材を収納して皮剥するホ
ツパー（木材皮剥槽）で、このホツパー１は第１
図に示すように、少なくとも下部が内側に湾曲し
て上下方向に立設した受け側板２と、少なくとも
下部側を、40〜50度程度に内側に傾斜もしくは湾
曲した送り側板３とを縦断面形状が略Ｖ形もしく
は略Ｕ形（以下断面略Ｖ形状という）に組合せて
構成されている。

またホツパー１は、その底部に長手方向に沿つ
て連続した開口部４が形成されていると共に長手
方向に沿つた一端側を投入部５、他端側をシヤツ
ター６を上下動自在に設けた取出部７とし、スタ
ンド８の上に支持されている。

９は皮剥回転体で、パイプシヤフト１０の外周
表面に、第１図および第３図に示すように立上り
が階段ブロツク状の皮剥刃１１が、例えば周方向
に30度の等間隔で且つ軸方向に間隔をおいて多数
突設され全体として螺旋状に配置されている。

この皮剥回転体９は、ホツパー１の底部に沿つ
て取付けられ、皮剥回転体９の外周の約４分の１
に相当する上部片側が第１図に示すようにホツパ
ー１の下端開口部４を塞ぐように一部挿入されて
いる。

この皮剥回転体９の両端は丸棒状のシヤフト２
１，２１が取付けられ、軸受１２，１２により支
持され更に軸受１２を貫通した一方のシヤフト２
１の端部は、減速ギヤ１３を介してチエーン１４
でモーター１５に接続されている。

またホツパー１を構成する受け側板２と、送り
側板３の、開口部４の側縁となる下端部には第２
図に示すように前記皮剥回転体９に突設したブロ
ツク状の皮剥刃１１が当らないようにその突設ピ
ツチに対応して複数の凹部１６ａが設けられ、全
体としてくし歯状の溝１６が形成されている。

１７は皮剥回転体９の下方に設けられたコンベ
ヤーで、木材１８から剥がされた皮を装置外に搬
送取り出しするものである。１９は取出部７のシ
ヤツター６の前方に配置されたシユーター、２０
は皮剥された木材１８の搬出用のコンベヤーであ
る。

［作用］ 次に上記構造をなす連続式木材皮剥機の作用に
ついて説明する。

先ずモーター１５を駆動させると、チエーン１
４、減速ギヤ１３を介して回転力が伝達され、皮
剥回転体９は第１図に示すように矢印方向に回転
する。

この状態で木材１８をホツパー１の投入部５か
ら内部に順次投入していくと、ホツパー１内を皮
剥回転体９の回転により木材１８は取出部７側に
回転しながら移動していく。

この場合第１図に示すように断面略Ｖ形状をな
すホツパー１の下端開口部４を塞ぐように皮剥回
転体９の上部片側が挿入され、矢印方向に回転し
ているので、この周面に突設した複数個の皮剥刃
１１により、木材１８を掻き上げながら表面の皮
剥が行われる。

このようにホツパー１内の木材１８は傾斜して
設けられた送り側板３上を自重により落下し皮剥
回転体９の皮剥刃１１により皮剥されながら掻き
上げられ、更に受け側板２により受け止められて
反転し、木材１８はホツパー１内を皮剥回転体９
と逆の矢印方向に自転と公転を行つて転動しなが
ら皮剥される。

この場合、皮剥刃１１は立上り部が階段ブロツ
ク状に順次高くなるように形成され、パイプシヤ
フト１０の外周表面に周方向および軸方向に間隔
をおいて多数突設されているので、木材１８と効
率良く接触して皮剥される。

またホツパー１を構成する受け側板２と、送り
側板３の下端部、即ち開口部４の側縁部にはブロ
ツク状の皮剥刃１１が通過する多数の凹部１６ａ
が設けられ、全体としてくし歯状の溝１６が形成
されているので、両側板２，３の下端とパイプシ
ヤフト１０の表面との間の間隙Ｇおよび、くし歯
状の溝１６と皮剥刃１１との間の間隙Ｇを狭く形
成することができる。

このため小径の木材１８がこの間隙Ｇに食い込
んだり、ここから落下するのを防止して、効率良
く皮剥することができる。

この場合、両側板２，３の下端部に凹溝がなく
平滑で、開口部４の平面形状が長方形であるとす
ると、ブロツク状の皮剥刃１１が当らないように
皮剥刃１１の高さ分だけ両側板２，３の下端部と
パイプシヤフト１０の間隙を広げなければなら
ず、このためホツパー１内を転動しながら長手方
向に移動する小径の木材１８がこの間隙Ｇに食い
込んだり、ここから落下してしまうので本発明の
如き作用効果は得られない。

また皮剥回転体９はホツパー１の底部開口部４
を塞ぐように挿入されているので、湾曲した木材
１８の場合でも、第４図に示すように木材１８が
パイプシヤフト１０の上にまたがるようになつ
て、突設した皮剥刃１１により容易に凹部側面の
皮剥も行なうことができ曲り材でも効率良く皮剥
することができる。

また皮剥刃１１は、パイプシヤフト１０の外周
に螺旋状に突設されているので、送りねじ作用に
より滑らかにホツパー１の投入部５から取出部７
側に移送される。

このように木材１８はホツパー１内を転動しな
がら皮剥刃１１により皮剥され、順次取出部７側
に移動していく。

取出部７側に溜つた木材１８は、更に回転を続
けながら皮剥され、その状態をホツパー１の上部
から確認して、皮剥が完了したら、図示しない駆
動機構によりシヤツター６を下げて、取出部７を
開口し、木材１８をシユーター１９から落して搬
送コンベヤー２０に送る。このようにして順次木
材１８を投入部５から投入して行くことにより連
続的に皮剥が行われる。

またこの皮剥作用により剥がされた皮は皮剥回
転体９の回転に伴つて、間隙Ｇからこの下方に設
けたコンベヤー１７上に落とされ、装置外に自動
的に取り出されるようになつている。

なお上記実施例では受け側板２と、送り側板３
の下端部にくし歯状の溝１６を形成した場合につ
いて示したが、木材１８が掻き上げられて皮剥刃
１１がホツパー１から退出する受け側板２側の間
隙Ｇに最も木材１８が食い込み易く、落下する恐
れがあるので、少なくとも受け側板２側の下端部
にくし歯状の溝１６が形成されていれば良い。

また上記実施例ではホツパー１の上部を全長に
亘つて開口して、皮剥状態を上部から確認できる
ようにした場合について示したが、投入部５を除
いた中間部や取出側に蓋を取付けても良い。

この場合、蓋は平板状でも丸形でも良く、また
蓋はホツパー１と取外し自在または一体に形成し
ても良い。更にホツパー１は全長に亘つて断面略
Ｖ形に形成したものに限らず、投入側のみ断面略
Ｖ形に形成し、取出側は上部を開口した半円筒状
または円筒状でも良い。

また上記実施例では皮剥回転体９を１本設けた
構造のものについて示したが、軸受１２を介して
直線上に複数本連結した構造のもの、あるいは並
設した構造のものでも良い。

また皮剥刃１１の形状は、立上り部が階段状の
ものに限らず、木材の材質等により最適な形状の
ものを選定すればよい。更に皮剥刃１１はパイプ
シヤフト１０の外周表面に直接溶接により固定し
たものに限らず、着脱自在に接合したものでもよ
い。

［発明の効果］ 以上説明した如く本発明に係わる連続式木材皮
剥機によれば次のような効果が得られる。

固定式のホツパーと、皮剥回転体との組み合
わせによる簡単な構造であるので、製作や保守
点検が容易で、設備費は従来の回転ドラム式に
比べて約４分の１に低減することができる。

ホツパーは固定式であり、しかも底部開口部
を塞ぐように挿着された皮剥回転体に乗つて木
材が転動するので、騒音や振動が回転ドラム式
のものに比べて極めて少なく上部を開放状態に
したものであつても静かである。

木材は自重により落下し、これを皮剥回転体
に突設した皮剥刃で皮剥しながらかき上げてホ
ツパー内を転動させるので作業能率が大幅に向
上する上、動力費も安価である。

開口部の側縁部となる側板の下端部には皮剥
刃が通過する、くし歯状の溝が形成されている
ので、側板と皮剥回転体との間の間隙Ｇを狭く
形成でき、この結果、小径の木材がこの間隙Ｇ
に食い込んだり、ここから落下するのを防止し
て効率良く皮剥することができる。

更に皮剥回転体はホツパーの底部開口部を塞
ぐように挿着されているので、湾曲した木材の
場合でも、パイプシヤフトの上にまたがるよう
になつて突設した皮剥刃により容易に凹部側面
の皮剥を行なうことができ曲り材も効率良く皮
剥することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による連続式木材皮
剥機の側面断面図、第２図はその平面図、第３図
はその正面断面図、第４図は曲り材の皮剥状態を
示す説明図である。 １……ホツパー、２……受け側板、３……送り
側板、４……開口部、５……投入部、６……シヤ
ツター、７……取出部、９……皮剥回転体、１０
……パイプシヤフト、１１……皮剥刃、１２……
軸受、１３……減速ギヤ、１５……モーター、１
７，２０……コンベヤー、１８……木材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 木材を収納して皮剥するホツパーの底部にそ
   の長手方向に沿つて開口部を形成すると共に、多
   数の皮剥刃をパイプシヤフトの外周表面に突設し
   た皮剥回転体を、その上部が前記開口部を塞ぐよ
   うに挿着して、ホツパー内を木材を転動させなが
   ら長手方向に連続的に送つて皮剥する連続式木材
   皮剥機において、前記ホツパーを構成する側板
   の、開口部の側縁となる下端部に、その長手方向
   に沿つて、多数の皮剥刃が通過するくし歯状の溝
   を形成したことを特徴とする連続式木材皮剥機。 ２ 皮剥刃が立上り階段状のブロツクで形成され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の連続式木材皮剥機。 ３ 皮剥刃がパイプシヤフトの外周に螺旋状に突
   設されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項または第２項記載の連続式木材皮剥機。