JPH037394B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、遊技店内に設定された多数の遊技機
を、遊技機に対して遠隔的に設けた総合管理用電
子計算機により総合的に総括管理、制御するのと
は別に、各遊技機に遊技状態を個別に管理、制御
することが出来る個別管理用制御器を設けて、各
遊技機の遊技状態を各別に制御するようにした個
別制御遊技の遊技状態制御装置に関するものであ
る。

従来、遊技店においては、遊技店内に配設され
た多数の遊技機を総合的に管理、制御する総合管
理用電子計算機（一般に管理用コンピユータと呼
ぶ）に個々の遊技機や玉貸機などの検出素子を接
続し、各遊技機や玉貸機等から伝送される検出信
号により演算、記憶、集計、管理、制御を行つて
いる。

又、近年、遊技店に配置される遊技機の遊技の
傾向として、勝負の大きい、しかも勝負スピード
の速いものが好まれ、大型役物や連動役物等が普
及して来たことから、一度発生状態になると一時
に大量の利益が与えられるような遊技機が出現し
て、各遊技機の遊技中における損益状態の変動も
激しくなつている。こうしたことからこれが余り
行き過ぎると、その機会に恵まれた特定の遊技者
に利益が偏在的に獲得される不公平や、適度の射
倖性の中で行われねばならない遊技本来の遊技性
が損なわれることにもなり、又、遊技店における
健全な経営を行うためにも、総合的な管理、制御
のほかに各遊技機の遊技の過程における遊技状態
を各別に把握し、更にはその遊技状態を適度の射
倖性の中で遊技が出来るように遊技制御できる装
置が要求されている。

しかしながら、従来の総合管理用電子計算機に
は遊技店内に多数配設された全ての遊技機からの
データ伝送用線が接続されているので配線態様は
複雑となり、従来行つている各遊技機に対する遊
技における損益情報や補給情報等の収集及び打ち
止めや打ち止め開放等の指令制御といつた総合的
な管理制御においてさえも合理化を迫られている
状況の中で、多数設置される遊技機毎の遊技中に
おける遊技状態についての各個のデータ収集や、
更にはそのデータに基づく各別の遊技状態の制御
を総合管理用電子計算機で行うことはきわめて困
難である。

本発明は、上記に鑑み提案されたもので、遊技
機毎に各別に配設して、夫々が担当する遊技機の
遊技状態を制御する個別管理用制御器によつて、
予め設定された制御条件に基づいて担当する遊技
機の遊技状態を各別に制御するとともに、制御遊
技の過程において検出発信される遊技者にとつて
不利益な情報を設定し、該設定した不利益情報に
基づく演算値に対して特定の数値を設定し、遊技
に伴つて検出発信される当該設定した不利益情報
を演算して、その演算値が上記設定した特定の数
値となつたとき、当該制御遊技における遊技状態
を遊技者にとつて有利な状態となるように制御す
るようにした調整制御条件を上記制御条件に設定
したものである。

以下、本発明の実施例を、パチンコ遊技におい
て個別管理用制御器によつて制御する場合に基づ
いて図面により説明する。

第１図は、個別管理用制御器を設けたパチンコ
機１の一実施例を示す概略説明図で、個別管理用
制御器９は、自己が受け持つパチンコ機の遊技に
おいて発生する検出信号を受けて記憶、演算し、
予め制御するための制御条件を設定することがで
き、設定された制御条件に基づいて制御指令する
のであり、マイクロコンピユータを利用すること
ができる。

パチンコ機１は、操作レバー２により発射位置
にある遊技球をガイドレール３に沿つて弾発する
と、該遊技球が遊技部４を流下する構成となつて
いる。遊技部４には流下する球の方向を変える障
害針等からなる障害装置５…と、複数個の入賞装
置６…を有し、下端にアウト口７を開設する。入
賞装置６に入つた遊技球は遊技盤の裏面に導出さ
れて入賞球検出発信装置（第１素子）８を通過し
て下方に流下する。そして遊技球が第１素子８を
通過したとき発生する信号はパチンコ機裏面に設
けた個別管理用制御器９に入賞信号として伝送さ
れる。この入賞信号はセーフ球信号として個別管
理用制御器９に演算記憶される。

第１素子８からの入賞信号が発生するとパチン
コ機裏側に有る賞球タンク１０から延出する導出
樋１１に設けた賞球排出装置１２を作動させる。

該排出装置１２が作動すると一定数の賞球が検
出信号装置（第２素子）１３を通過してパチンコ
機表面の受皿１４に排出する。賞球が通過したと
き第２素子１３から発生する信号は個別管理用制
御器９に賞球信号として送られる。

遊技球がいずれの入賞装置にも入らないときに
は下端のアウト口７に入り、遊技盤の裏面に送ら
れてアウト玉検出発信装置（第３素子）１５を通
過し、下方に流出する。アウト球が第３素子１５
を通過したとき発生する信号は個別管理用制御器
９にアウト球信号として伝送される。

個別管理用制御器９は上記各信号以外に、例え
ば賞球用補給樋１６から延びて賞球タンク１０に
賞球予備球を供給する枝樋１７の補給用検出発信
装置（第４素子）１８、該賞球タンク１０に賞球
用予備球が不足したことを検出する検出発信装置
（第５素子）１９に接続されて入力信号を受け、
更に枝樋１７の途中の補給球排出駆動装置２０に
接続されて出力信号を伝送し、該補給排出駆動装
置２０が一定数の賞球予備球を賞球タンク１０に
供給する。

上記した各素子８，１３，１５，１８，１９な
どは例えばフオトトランジスタを用いた光電機
構、マイクロスイツチなどによるスイツチ機構、
或いは磁束変化を利用する磁気機構などから構成
され、パチンコ球が通過したり、なくなつたとき
に電気信号を発生する。そして、これらの電気信
号は個別管理用制御器９の入力として適する様な
パルス信号となつている。

上記した個別管理用制御器９には予め打ち止め
球数、排出駆動装置２０による賞球タンク１０へ
の補給数などが設定されており、第５素子１９か
らの信号を受けると排出駆動装置２０に作動指令
して賞球タンク１０に球を供給させる。また個別
管理用制御器９は、パチンコ遊技店が利益となる
球数（遊技球又はアウト球で、操作レバー２の操
作回数又は遊技球の供給数や第３素子１５で検出
する球数）と損失となる球数（セーフ球、賞球、
補給球などで、第１素子８、第２素子１３、第４
素子１８などで検出さる球数）とを演算し、その
演算値が打ち打め数として設定された数値（例え
ば2000個）に達すると補給球排出駆動装置２０へ
の補給指令信号の発信を止めて遊技を停止させる
とともに、パチンコ機の表面に設けた表示装置２
２に点灯して打ち止め表示を行うのである。

上記した打ち止め数は一般的にはパチンコ遊技
店にとつて利益となる球数から損失となる球数を
差し引いた差数と比較演算するので、この差数が
打ち止め数を越えた場合には前記した様に補給停
止を行い、前記差数が打ち止め数以下の場合には
補給を行つて継続的にパチンコ遊技を行わせるの
である。

この打ち止め数及び前記した賞球タンク１０へ
の補給数は各パチンコ機ごとに個別管理用制御器
９に予定の数値として設定されており、設定され
た数値に基づいて打ち止めしたり、或いは賞球タ
ンク１０へ補給したりする。

この様に個別管理用制御器９は、予め制御する
ための制御条件を設定することができ、パチンコ
機毎に各別に設け、少なくとも、自己が受け持つ
パチンコ機の遊技において発信される上記制御条
件に対応して設けた検出発信装置からの所定の検
出信号を受けて記憶、演算、判断する計数判断機
能と、上記設定された制御条件となつたとき予め
設定された制御条件に基づいて制御指令する指令
制御機能と、遊技情報を可視表示させる表示指令
機能とを有するのであり、前述の接続のほかに、
例えば第３図のように接続することができる。即
ち、個別管理用制御器９に遊技状態の変動に大き
く影響を与える主要入賞装置である遊技者にとつ
て有利な状態と遊技者にとつて不利な状態とに変
換できる変換入賞装置を特定し、この特定した変
換入賞装置に入賞した球を検出発信する主要入賞
球検出発信装置２３を接続し、個別管理用制御器
９からの出力をパチンコ機毎に遊技者に対して可
視可能に設けたモニタ装置２４、変換制御装置２
６に供給できるようにし、さらに変換制御装置２
６の駆動力で上記変換入賞装置を変換制御可能に
する。

そして、遊技において上記変換入賞装置に入賞
して主要入賞球検出発信装置２３によつて検出発
信される信号は、上記計数判断機能により記憶、
演算、判断され、遊技者に対して可視可能に設け
たモニタ装置２４に入賞による計数値や入賞状
態、入賞確率等の遊技の進行に伴つて変化する遊
技情報を遊技状況に応じて数値や点灯等により可
視表示させる。

このように、個別管理用制御器９は、各パチン
コ機毎に配設され、自己が受け持つパチンコ機の
遊技制御に直接必要な信号を所定位置に設けた複
数の検出発信装置から受けて記憶、演算、指示を
行つて担当するパチンコ機の遊技を各個別に制御
する基礎機能を有するのであり、上記所定の検出
信号が予め設定された制御条件となつたとき、予
め設定された制御条件に基づいて夫々のパチンコ
機を各別に遊技制御するのであるが、本発明にお
いては、上記予め設定される基本的制御を行う制
御条件に、遊技の過程において発生する遊技者に
とつて不利益な状態を適度に緩和救済することが
でき、しかも遊技状態を調整することができる調
整制御条件を設定して、遊技者にとつて不利益な
状態が該設定した所定の状態となつたとき、遊技
者にとつて有利な状態となるように上記設定に基
づいて制御するのである。

遊技者にとつて不利益な状態を示す情報源とし
ては、例えばアウト球による信号を設定し、この
アウト球による信号の演算値を40と特定して、遊
技に伴つて発信されるアウト球による演算値が40
となつたときに変換入賞装置を遊技者にとつて有
利な状態となるように調整制御するのである。ま
た、上記した特定する演算値において、アウト球
の信号が演算されている間に例えば入賞球が存在
しないという条件を設定して調整制御することも
できる。

なお、遊技者にとつて不利益な状態とは遊技店
にとつて利益な状態であるから、遊技者にとつて
不利益な情報としてアウト球による情報に変えて
例えば遊技球や発射操作回数、又は遊技球の供給
数による情報によつて設定しても同様の結果を得
ることができる。

上記した各パチンコ機１ごとに配設する個別管
理用制御器９は総合管理用電子計算機２１に接続
され、各個別管理用制御器９が総合管理用電子計
算機２１の補助的制御を行いながら、遊技状態の
個別制御を行う場合において説明したが、従来の
遊技店において行われているように、総合的な管
理制御については、総合管理用電子計算機２１に
よつて直接行うようにして個別管理用制御器９に
おいては、個々のパチンコ機１の遊技状態の制御
に関して個別に制御するようにした場合にも適用
できるものである。

以上で明らかなように、本発明によれば、遊技
店において多数設置された遊技機の遊技状態を、
各遊技機毎に配設した個別管理用制御器によつ
て、予め設定された制御条件に基づいて、夫々が
担当する遊技機毎に各別に制御するようにしたの
であるから、遠隔的に設けた総合管理用電子計算
機に各遊技機からの遊技データを送信したり、制
御するための伝送用線を更に増設する必要がな
く、かつ総合管理用電子計算機によつて直接制御
するためには、各遊技機から伝送される遊技デー
タを各別に収集して記憶、演算、制御するための
制御機能を大幅に増設することが必要となるので
あり、さらに遊技店に設置される遊技機には、遊
技内容を異にする多くの機種があり、夫々の異な
る遊技内容に対応して制御するため制御条件も多
様化することになるのであるが、この多様な制御
内容を総合管理用電子計算機に装備することは、
経済的にも技術的にも実用困難である。

これを本発明においては、夫々の制御条件と調
整制御条件を設定した個別管理用制御器と各別に
配置して個別制御することによつて解決すること
ができるのである。

そして、勝負の大きい、しかも勝負スピードの
速い大型の遊技を備えた遊技機においては、大型
遊技が発生状態となつた場合に与えられる利益が
通常の遊技に較べて大きいだけに、利益の大きさ
に相当して発生状態となるのは難しくなつている
ので、遊技者の技倆の巧拙や運、不運によつて遊
技者に大きな損失状態が発生することがしばしば
起こるのであり、過大な利益の供与も過大な損失
状態の発生も、パチンコ遊技本来の遊技性を損な
うものであり、遊技者ばかりでなく、遊技店の健
全経営上においても好ましくないのであるが、本
発明においては、調整制御条件を設定することに
よつて、遊技中においてその遊技状態が所定の状
態となつたとき変換入賞装置を遊技者にとつて有
利な状態となるように調整制御するようにしたの
で、遊技者の技倆の巧拙や運の強弱によつて起こ
り易い過大な不利益状態の発生を適度に緩和救済
することができ、又、不利益状態から利益状態へ
の変換が基本的な遊技ルールに基づいて発生する
のとは異なる意外性によつて遊技に巾を与え、期
待感と遊技性を増大させて遊技興趣を昂めること
ができる。

また、個別管理用制御器が担当する遊技機の基
本的な遊技状態を予め設定された制御条件に基づ
いて制御するとともに、調整制御条件を設定する
ことにより、遊技状態の調整制御が行なえるので
あるから、従来の釘の操作によつて行つていた調
整に代つて遊技状態の調整機能として利用するこ
とができ、設定する所定の調整条件を適宜設定す
ることによつて釘等による調整を不要とすること
もできる。

さらに、本発明によれば、遊技者に対して可視
可能に設けたモニタ装置に当該制御遊技の遊技状
態や遊技結果に基づく計数値や確率等の遊技の進
行に伴つて変化する遊技情報を可視表示するよう
にしたので、遊技における状況を知り得、又予め
設定された制御条件に基づく遊技状態の予測や変
動状況の予知も可能となり、遊技者の遊技意欲を
高揚させることができる。

そして、遊技店においては、機種毎に対応して
予め設定された制御条件に基づいて夫々の遊技機
の遊技状態を制御するので、夫々の遊技状態が予
測され、それに応じた遊技経営を計ることも可能
であり、健全な遊技店経営に大きく寄与すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
パチンコ機の概略説明図、第２図は個別管理用制
御器と総合管理用電子計算機、および個別管理用
制御器と各検出発信装置との関係を示す概略図、
第３図は個別管理用制御器と検出発信装置との関
係を示す概略図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各遊技機毎に個別管理用制御器を配設して
   夫々が担当する遊技機の遊技状態を各別に制御す
   るようにし、 個別管理用制御器は、少なくとも、担当する遊
   技機の遊技状態を制御するための制御条件を予め
   設定され、該設定された制御条件に基づいて上記
   遊技状態を制御する指令制御機能と、所定の検出
   発信装置からの検出信号を受けて記憶、演算、判
   断する計数判断機能と、遊技機毎に遊技者に対し
   て可視可能に設けたモニタ装置の遊技における情
   報を可視表示させる表示指令機能を有し、 担当する遊技機の遊技状態を上記予め設定され
   た制御条件に基いて遊技制御するとともに、当該
   制御遊技における遊技情報を上記モニタ装置に可
   視表示させ、 上記遊技において発信される遊技者にとつて不
   利益な情報を設定するとともに、該設定した情報
   に基づく演算値に対して特定の数値を設定し、 遊技の過程において検出発信される上記設定し
   た遊技者にとつて不利益な情報を演算し、その演
   算値が上記設定した特定の数値となつたとき、当
   該遊技状態を遊技者にとつて有利な状態となるよ
   うに制御する遊技状態調整制御条件を上記制御条
   件に設定したことを特徴とする個別制御遊技の遊
   技状態調整制御装置。