JPH0373856B2 - - Google Patents

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JPH0373856B2
JPH0373856B2 JP57047800A JP4780082A JPH0373856B2 JP H0373856 B2 JPH0373856 B2 JP H0373856B2 JP 57047800 A JP57047800 A JP 57047800A JP 4780082 A JP4780082 A JP 4780082A JP H0373856 B2 JPH0373856 B2 JP H0373856B2
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    • G03G5/02Charge-receiving layers
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    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited
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    • GPHYSICS
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    • G03G5/08214Silicon-based
    • G03G5/08221Silicon-based comprising one or two silicon based layers
    • G03G5/08228Silicon-based comprising one or two silicon based layers at least one with varying composition

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、光(ここでは広義の光で、紫外光
線,可視光線,赤外光線,X線,γ線等を示す)
の様な電磁波に感受性のある光導電部材に関す
る。 固体撮像装置、或いは像形成分野における電子
写真用像形成部材や原稿読取装置における光導電
層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性にマツチングした
吸収スペクトル特性を有すること、光応答性が速
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時におい
て人体に対して無公害であること、更には固体撮
像装置においては、残像を所定時間内に容易に処
理することができること等の特性が要求される。
殊に、事務機としてオフイスで使用される電子写
真装置内に組込まれる電子写真用像形成部材の場
合には、上記の使用時における無公害性は重要な
点である。 この様な点に立脚して最近注目されている光導
電材料にアモルフアスシリコン(以後a−Siと表
記す)があり、例えば独国公開第2746967号公報、
同第2855718号公報には電子写真用像形成部材と
して、独国公開第2933411号公報には光電変換読
取装置への応用が記載されている。 而乍ら、従来のa−Siで構成された光導電層を
有する光導電部材は、暗抵抗値、光感度、光応答
性等の電気的、光学的、光導電的特性、及び使用
環境特性の点、更には経時的安定性及び耐久性の
点において、各々、個々には特性の向上が計られ
ているが総合的な特性向上を計る上で更に改良さ
れる余地が存するのが実情である。 例えば、電子写真用像形成部材に適用した場合
に、高光感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとす
ると従来においてはその使用時において残留電位
が残る場合が度々観測され、この種の光導電部材
は長時間繰返し使用し続けると、繰返し使用によ
る疲労の蓄積が起つて、残像が生ずる所謂ゴース
ト現象を発する様になる等の不都合な点が少なく
なかつた。 又、a−Si材料で光導電層を構成する場合に
は、その電気的、光導電特性の改良を計るため
に、水素原子或いは弗素原子や塩素原子等のハロ
ゲン原子、及び電気伝導型の制御のために硼素原
子や燐原子等が或いはその他の特性改良のために
他の原子が、各々構成原子として光導電層中に含
有されるが、これ等の構成原子の含有の仕方如何
によつては、形成した層の電気的或いは光導電的
特性や耐圧性に問題が生ずる場合があつた。 即ち、例えば、形成した光導電層中に光照射に
よつて発生したフオトキヤリアの該層中での寿命
が充分でないことや暗部において、支持体側より
の電荷の注入の阻止が充分でないこと、或いは、
転写紙に転写された画像に浴に「白ヌケ」と呼ば
れる、局所的な放電破壊現象によると思われる画
像欠陥や、例えば、クリーニングに、ブレードを
用いるとその摺擦によると思われる、俗に「白ス
ジ」と云われている所謂画像欠陥が生じたりして
いた。又、多湿雰囲気中で使用したり、或いは多
湿雰囲気中に長時間放置した直後に使用すると浴
に云う画像のボケが生ずる場合が少なくなかつ
た。 更には、層厚が十数μ以上になると層形成用の
真空堆積室より取り出した後、空気中での放置時
間の経過と共に、支持体表面からの層の浮きや剥
離、或いは層に亀裂が生ずる等の現象を引起し勝
ちになる。この現象は、殊に支持体が通常、電子
写真分野において使用されているドラム状支持体
の場合に多く起る等、経時的安定性の点において
解決される可き点がある。 従つてa−Si材料そのものの特性改良が計られ
る一方で光導電部材を設計する際に、上記した様
な問題の総てが解決される様に工夫される必要が
ある。 本発明は上記の諸点に鑑み成されたもので、a
−Siに就て電子写真用像形成部材や固体撮像装
置、読取装置等に使用される光導電部材としての
適用性とその応用性という観点から総括的に鋭意
研究検討を読けた結果、シリコン原子を母体と
し、水素原子(H)又はハロゲン原子(X)のいずれ
か一方を少なくとも含有するアモルフアス材料、
所謂水素化アモルフアスシリコン、ハロゲン化ア
モルフアスシリコン、或いはハロゲン含有水素化
アモルフアスシリコン〔以後これ等の総称的表記
として「a−Si(H,X)」を使用する〕から構成
される光導電層を有する光導電部材の層構成を以
後に説明される様な特定化の下に設定されて作成
された光導電部材は実用上著しく優れた特性を示
すばかりでなく、従来の光導電部材と較べてみて
もあらゆる点において凌駕していること、殊に電
子写真用の光導電部材として著しく優れた特性を
有していることを見出した点に基づいている。 本発明は電気的、光学的、光導電的特性が使用
環境に殆んど依存なく実質的に常時安定してお
り、耐光疲労に著しく長け、繰返し使用に際して
も劣化現象を起さず耐久性、耐湿性に優れ、残留
電位が全く又は殆んど観測されない光導電部材を
提供することを主たる目的とする。 本発明の他の目的は、支持体上に設けられる層
と支持体との間や積層される層の各層間における
密着性に優れ、構造配列的に緻密で安定的であ
り、層品質の高い光導電部材を提供することであ
る。 本発明の他の目的は、電子写真用像形成部材と
して適用させた場合、静電像形成のための帯電処
理の際の電荷保持能力が充分あり、通常の電子写
真法が極めて有効に適用され得る優れた電子写真
特性を有する光導電部材を提供することである。 本発明の更に他の目的は、長期の使用において
画像欠陥や画像のボケが全くなく、濃度が高く、
ハーフトーンが鮮明に出て且つ解像度の高い、高
品質画像を得ることが容易にできる電子写真用の
光導電部材を提供することである。 本発明の更にもう1つの目的は、高光感度性、
高SN比特性及び高耐圧性を有する光導電部材を
提供することでもある。 本発明の光導電部材は、光導電部材用の支持体
と、シリコン原子を母体とする非晶質材料で構成
された、光導電性を有する非晶質層とを有し、前
記非晶質層が、支持体側に構成原子として周期律
表第V族に属する原子を含有する層領域(V)を
有する光導電部材において、前記層領域(V)
は、P,As,Sb、およびBiからなる群から少な
くとも一つ選ばれる周期律表第V族に属する原子
の層厚方向に連続的に分布し、前記非晶質層は、
酸素原子を層厚方向における分布濃度が連続した
状態で含有し該分布濃度が支持体側より連続的に
減少する領域を有することを特徴とする。 上記した様な層構成を取る様にして設計された
本発明の光導電部材は、前記した諸問題の総てを
解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電
的特性、耐圧性及び使用環境特性を示す。 殊に、電子写真用像形成部材として適用させた
場合には、画像形成への残留電位の影響が全くな
く、その電気的特性が安定しており、高感度で、
高SN比を有するものであつて、耐光疲労、繰返
し使用特性に長け、濃度が高く、ハーフトーンが
鮮明に出て、且つ解像度の高い、高品質の画像を
安定して繰返し得ることができる。 又、本発明の光導電部材は支持体上に形成され
る非晶質層が、層自体強靭であつて、且つ支持体
との密着性に著しく優れており、高速で長時間連
続的に繰返し使用することが出来る。 以下、図面に従つて、本発明の光導電部材に就
いて詳細に説明する。 第1図は、本発明の第1の実施例態様例の光導
電部材の層構成を説明するために模式的に示した
模式的構成図である。 第1図に示す光導電部材100は、光導電部材
用としての支持体101の上、a−Si(H,X)
から成り、光導電性を示す非晶質層102を有す
る。 非晶質層102は、該層の全層域を占め、構成
原子として酸素原子を含有する第一の層領域
(O)103、周期律表第V族に属する原子(第
V族原子)を含有する第二の層領域(V)10
4、及び第二の層領域(V)104上に、酸素原
子は含有しているが第V族原子は含有されていな
い表面層領域105とから成る層構造を有する。 第一の層領域(O)103に含有される酸素原
子は該層領域(O)103において層厚方向には
連続的に分布し、その分布状態は不均一とされる
が、支持体101の表面に実質的に平行な面内で
は連続的に且つ実質的に均一に分布されるのが好
ましいものである。 第1図に示す光導電部材100は非晶質層10
2の表面部分には第V族原子が含有されない層領
域105が設けてある。 第二の層領域104中に含有される第V族原子
は、該層領域104において層厚方向には連続的
に分布し、その分布状態は均一であり、且つ支持
体101の表面に実質的に平行な面内では連続的
に且つ実質的に均一に分布されるのが好ましいも
のである。 本発明の光導電部材においては、第一の層領域
(O)には酸素原子の含有によつて高暗抵抗化と、
非晶質層が直接設けられる支持体との間の密着性
の向上が重点的に計られている。殊に、第1図に
示す光導電部材100の様に非晶質層102が酸
素原子を含有する第一の層領域(O)103、第
V族原子を含有する第二の層領域(V)104、
第V族原子の含有されていない表面層領域105
とを有し、第一の層領域(O)103と第二の層
領域(V)104とが共有する層領域を有する層
構造の場合により良好な結果が得られる。 又、本発明の光導電部材においては、第一の層
領域(O)103に含有される酸素原子の該層領
域(O)103における層厚方向の分布状態は第
1には該第一の層領域)103の設けられる支持
体101又は他の層との密着性及び接触性を良く
するために支持体101又は他の層との接合面側
の方に分布濃度が高くなる様にされる。第2に
は、上記第一の層領域(O)103中に含有され
る酸素原子は、非晶質層102の自由表面106
側からの光照射に対して、表面層領域105の高
感度化を計るために自由表面106側において分
布濃度が次第に減少され、自由表面106におい
ては分布濃度が実質的に零となる様に第一の層領
域(O)103中に含有されるのが好ましいもの
である。第二の層領域(V)104中に含有され
る第V族原子の分布状態は、層領域(V)104
において、その層厚方向においては、連続的で均
一であつて、且つ支持体101の表面に平行な面
内においても連続的で均一である。 本発明において、非晶質層を構成する層領域
(V)中に含有される第V族原子として使用され
るのは、P(燐)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、
Bi(ビスマス)等であり、殊に好適に用いられる
のはP,Asである。 本発明において、第二の層領域(V)中に含有
される第V族原子の含有量としては、本発明の目
的が効果的に達成される様に所望に従つて適宜決
められるが、通常は30〜5×104atomic ppm、
好ましくは50〜1×104atomic ppm、最適には
100〜5×103atomic ppmとされるのが望ましい
ものである。第一の層領域(O)中に含有される
酸素原子の量に就ても形成される光導電部材に要
求される特性に応じて所望に従つて適宜決められ
るが、通常の場合、0.001〜30atomic%、好まし
くは0.002〜20atomic%、最適には0.003〜
10atomic%とされるのが望ましいものである。 本発明の光導電部材においては、第一の層領域
(O)には、酸素原子の含有によつて、高暗抵抗
化と、非晶質層が直接設けられる支持体との間の
密着性の向上が重点的に計られる。 殊に、第1図に示す光導電部材100の様に、
非晶質層102が、酸素原子を含有する第一の層
領域(O)103、第V族原子を含有する第二の
層領域(V)104、第V原子の含有されていな
い層領域105とを有し、第一の層領域(O)1
03と第二の層領域(V)104とが共有する層
領域を有する層構造の場合により良好な結果が得
られる。 本発明の光導電部材においては非晶質層の全層
領域を構成し、酸素原子の含有される第一の層領
域(O)は、1つには非晶質層の支持体との密着
性の向上を計る目的のために、又、非晶質層の一
部を構成し第V族原子の含有される第二の層領域
(V)は、1つには、非晶質層の自由表面側より
帯電処理を施された際、支持体側より非晶質層の
内部に電荷が注入されるのを阻止する目的のため
に夫々、支持体と非晶質層とが接合する層領域と
して少なくとも互いの一部を共有する構造で設け
られる。 本発明の光導電部材においては、第V族原子の
含有される層領域(V)は、その設けられる目的
が非晶質層と支持体間における、支持体側から非
晶質層中への電荷の注入防止を主たるものとする
場合には、非晶質層の支持体側の方に極力偏在さ
せる必要がある。 この様な場合においては、第V族原子の含有さ
れている層領域(V)の層厚tBと(第1図では層
領域104の層厚)、層領域(V)の上に設けら
れた、層領域(V)を除いた部分の層領域(第1
図では層領域106)の層厚Tとの間には、 tB/(T+tB)≦0.4 の関係が成立する様に非晶質層を形成するのが望
ましく、より好ましくは、上記した関係式の値が
0.35以下、最適には0.3以下とされるのが望まし
い。 又、第V族原子の含有される層領域(V)の層
厚tBとしては、通常は30Å〜5μ、好適には40Å〜
4μ、最適には50Å〜3μとされるのが望ましいも
のである。 他方前記層厚Tと層厚tBとの和(T+tB)とし
ては、通常は1〜100μ、好適には1〜80μ、最適
には2〜50μとされるのが望ましいものである。 本発明の光導電部材においては、非晶質層は支
持体側の方に偏在させて設けられる第V族原子の
含有される層領域(V)と、該層領域(V)を除
いた残りの部分であつて、第V族原子の含有され
ていない層領域とで構成されるが、該第V族原子
の含有されない層領域の層厚Tは、形成される光
導電部材に要求される特性に従つて、層設計の際
に適宜決定される。本発明において、層厚Tとし
ては、通常は0.1〜90μ、好ましくは0.5〜80μ、最
適には1〜70μとされるのが望ましいものであ
る。 第2図乃至第10図には、本発明における光導
電部材の非晶質層を構成する層領域(O)中に含
有される酸素原子の層厚方向の分布状態の典型的
例が示される。 第2図乃至第10図において、横軸は酸素原子
の含有量Cを、縦軸は、酸素原子の含有されてい
る層領域(O)の層厚を示し、tBは支持体の界面
の位置を、tTは支持体側とは反対側の界面の位置
を示す。即ち、酸素原子の含有されている層領域
(O)はtB側よりtT側に向つて層形成がなされる。 本発明においては、酸素原子の含有される層領
域(O)は、主にa−Si(H,X)から成り、光
導電性を示す非晶質層の全層領域を占めている。 第2図には、層領域(O)中に含有される酸素
原子の層厚方向の分布状態の第1の典型例が示さ
れる。 第2図に示される例では、酸素原子の含有され
る層領域(O)が形成される表面と該層領域
(O)の表面とが接する界面位置tBよりt1の位置
までは、酸素原子の含有濃度CがC1なる一定の
値を取り乍ら酸素原子が形成される層領域(O)
に含有され、位置t1より、濃度C2より界面位置tT
に到るまで徐々に連続的に減少されている。界面
位置tTにおいては酸素原子の含有濃度CはC3とさ
れる。 第3図に示される例においては、含有される酸
素原子の含有濃度Cは位置tBより位置tTに到るま
で濃度C4から徐々に連続的に減少して位置tTにお
いて濃度C5となる様な分布状態を形成している。 第4図の場合には、位置tBより位置t2までは酸
素原子の含有濃度CはC6と一定値とされ、位置t2
と位置tTとの間において、徐々に連続的に減少さ
れ、位置tTにおいて、含有濃度Cは実質的に零と
されている。 第5図の場合には、酸素原子は位置tBより位置
tTに至るまで、含有濃度C8より連続的に徐々に減
少され、位置tTにおいて実質的に零とされてい
る。 第6図に示す例においては、酸素原子の含有濃
度Cは、位置tBと位置t3間においては、濃度C9
一定値であり、位置tTにおいては濃度C10とされ
る。位置t3と位置tTとの間では、含有濃度Cは一
次関数的に位置t3より位置tTに至るまで減少され
ている。 第7図に示される例においては、位置tBより位
置t4までは濃度C11の一定値を取り、位置t4より位
置t5までは濃度C12より濃度C13まで一次関数的に
減少する分布状態とされている。 第8図に示す例においては、位置tBより位置tT
に至るまで、酸素原子の含有濃度Cは濃度C14
り零に至る様に一次関数的に減少している。 第9図においては、位置tBより位置t5に至るま
では酸素原子の含有濃度Cは、濃度C15より濃度
C16まで一次関数的に減少され、位置t5と位置tT
の間においては、濃度C16の一定値とされた例が
示されている。 第10図に示される例においては、酸素原子の
含有濃度Cは位置tBにおいて濃度C17であり、位
置t6に至るまではこの濃度C17により初めはゆつ
くりと減少され、t6の位置付近においては、急激
に減少されて位置t6では濃度C18とされる。 位置t6と位置t7との間においては、初め急激に
減少されて、その後は、緩やかに減少されて位置
t7で濃度C19となり、位置t7と位置t8との間では、
極めてゆつくりと徐々に減少されて位置t8におい
て、濃度C20に至る。位置t8と位置tTの間において
は、濃度C20より実質的に零になる様に図に示す
如き形状の曲線に従つて減少されている。 以上、第2図乃至第10図により、層領域
(O)中に含有される酸素原子の層厚方向の分布
状態の典型例の幾つかを説明した様に、本発明に
おいては、支持体側において、酸素原子の含有濃
度Cの高い部分を有し、界面tT側においては、前
記含有濃度Cは支持体側に較べて可成り低くされ
た部分を有する酸素原子の分布状態が形成された
層領域(O)が非晶質層に設けられるのが好まし
い。 本発明において、非晶質層を構成する酸素原子
の含有される層領域(O)は、上記した様に支持
体側の方に酸素原子が比較的高濃度で含有されて
いる局在領域(A)を有する。 局在領域(A)は、第2図乃至第10図に示す記号
を用いて説明すれば、界面位置tBより5μ以内に設
けられるのが望ましいものである。 本発明においては、上記局在領域(A)は、界面位
置tBより5μ厚までの全層領域LTとされる場合もあ
るし、又、層領域LTの一部とされる場合もある。 局在領域(A)を層領域LTの一部とするか又は全
部とするかは、形成される非晶質層に要求される
特性に従つて適宜決められる。 局在領域(A)はその中に含有される酸素原子の層
厚方向の分布状態として酸素原子の含有量分布値
(分布濃度値)の最大値Cmaxが通常は、
10atomic%以上、好適には20atomic%以上、最
適には30atomic%以上とされる様な分布状態と
なり得る様に層形成されるのが望ましい。 即ち、本発明の好ましい実施態様例において
は、酸素原子の含有される層領域(O)は、支持
体側からの層厚で5μ以内(tBから5μ厚の層領域)
に分布濃度の最大値Cmaxが存在する様に形成さ
れる。 本発明において使用される支持体としては、導
電性でも電気絶縁性であつても良い。導電性支持
体としては、例えば、NiCr,ステンレス,Al,
Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd等の
金属又はこれ等の合金が挙げられる。 電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポ
リエチレン,ポリカーボネート,セルローズ,ア
セテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポ
リ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリアミド等
の合成樹脂のフイルム又はシート,ガラス,セラ
ミツク,紙等が通常使用される。これ等の電気絶
縁性支持体は、好適には少なくともその一方の表
面を導電処理され、該導電処理された表面側に他
の層が設けられるのが望ましい。 例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr,
Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pd,In2O3,SnO2,ITO(In2O3+SnO2)等から
成る薄膜を設けることによつて導電性が付与さ
れ、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フ
イルムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,
Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt等の金
属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着,スパツタ
リング等でその表面に設け、又は前記金属でその
表面をラミネート処理して、その表面に導電性が
付与される。支持体の形状としては、円筒状,ベ
ルト状,板状等任意の形状とし得、所望によつ
て、その形状は決定されるが、例えば、第1図の
光導電部材100を電子写真用像形成部材として
使用するのであれば連続高速複写の場合には、無
端ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持
体の厚さは、所望通りの光導電部材が形成される
様に適宜決定されるが、光導電部材として可撓性
が要求される場合には、支持体としての機能が充
分発揮される範囲内であれば可能な限り薄くされ
る。而乍ら、この様な場合支持体の製造上及び取
扱い上、機械的強度等の点から、通常は、10μ以
上とされる。 本発明において、a−Si(H,X)で構成され
る非晶質層を形成するには例えばグロー放電法、
スパツタリング、或いはイオンプレーテイング法
等の放電現象を利用する真空堆積法によつて成さ
れる。例えば、グロー放電法によつて、a−Si
(H,X)で構成される非晶質層を形成するには、
基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供
給用の原料ガスと共に、水素原子(H)導入用の
又は/及びハロゲン原子(X)導入用の原料ガス
を、内部が減圧にし得る堆積室内に導入して、該
堆積室内にグロー放電を生起させ、予め所定位置
に設置されてある所定の支持体表面上にa−Si
(H,X)から成る層を形成させれば良い。又、
スパツタリング法で形成する場合には、例えば
Ar,He等の不活性ガス又はこれ等のガスをベー
スとした混合ガスの雰囲気中でSiで構成されたタ
ーゲツトをスパツタリングする際、水素原子
(H)又は/及びハロゲン原子(X)導入用のガ
スをスパツタリング用の堆積室に導入してやれば
良い。 本発明において、必要に応じて非晶質層中に含
有されるハロゲン原子(X)としては、具体的に
はフツ素,塩素,臭素,ヨウ素が挙げられ、殊に
フツ素,塩素を好適なものとして挙げることが出
来る。 本発明において使用されるSi供給用の原料ガス
としては、SiH4,Si2H6,Si3H8,Si4H10等のガ
ス状態の又はガス化し得る水素化硅素(シラン
類)が有効に使用されるものとして挙げられ、殊
に、層作成作業の扱い易さ、Si供給効率の良さ等
の点でSiH4,Si2H6が好ましいものとして挙げら
れる。 本発明において使用されるハロゲン原子導入用
の原料ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化
合物が挙げられ、例えばハロゲンガス、ハロゲン
化物、ハロゲン間化合物、ハロゲンで置換された
シラン誘導体等のガス状態の又はガス化し得るハ
ロゲン化合物が好ましく挙げられる。 又、更には、シリコン原子とハロゲン原子とを
構成要素とするガス状態の又はガス化し得る、ハ
ロゲン原子を含む硅素化合物も有効なものとして
本発明においては挙げることが出来る。 本発明において好適に使用し得るハロゲン化合
物としては、具体的には、フツ素、塩素、臭素、
ヨウ素のハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3
BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等のハロゲン
間化合物を挙げることが出来る。 ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハロゲ
ン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には例えばSiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハ
ロゲン化硅素が好ましいものとして挙げることが
出来る。 この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を採用
してグロー放電法によつて本発明の特徴的な光導
電部材を形成する場合には、Siを供給し得る原料
ガスとしての水素化硅素ガスを使用しなくとも、
所定の支持体上にハロゲン原子を含むa−Siから
成る非晶質層を形成する事が出来る。 グロー放電法に従つて、ハロゲン原子を含む非
晶質層を形成する場合、基本的には、Si供給用の
原料ガスであるハロゲン化硅素ガスとAr,H2
He等のガス等を所定の混合比とガス流量になる
様にして非晶質層を形成する堆積室に導入し、グ
ロー放電を生起してこれ等のガスのプラズマ雰囲
気を形成することによつて、所定の支持体上の非
晶質層を形成し得るものであるが、水素原子の導
入を計る為にこれ等のガスに更に水素原子を含む
硅素化合物のガスも所定量混合して層形成しても
良い。 又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で
複数種混合して使用しても差支えないものであ
る。 反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイ
ング法に依つてa−Si(H,X)から成る非晶質
層を形成するには、例えばスパツタリング法の場
合にはSiから成るターゲツトを使用して、これを
所定のガスプラズマ雰囲気中でスパツタリング
し、イオンプレーテイング法の場合には、多結晶
シリコン又は単結晶シリコンを蒸発源として蒸着
ボートに収容し、このシリコン蒸発源を抵抗加熱
法、或いはエレクトロンビーム法(EB法)等に
よつて加熱蒸発させ飛翔蒸発物を所定のガスプラ
ズマ雰囲気中を通過させる事で行う事が出来る。 この際、スパツタリング法,イオンプレーテイ
ング法の何れの場合にも形成される層中にハロゲ
ン原子を導入するには、前記のハロゲン化合物又
は前記のハロゲン原子を含む硅素化合物のガスを
堆積室中に導入して該ガスのプラズマ雰囲気を形
成してやれば良いものである。 又、水素原子を導入する場合には、水素原子導
入用の原料ガス、例えば、H2、或いは前記した
シラン類等のガスをスパツタリング用の堆積室中
に導入して該ガスのプラズマ雰囲気を形成してや
れば良い。 本発明においては、ハロゲン原子導入用の原料
ガスとして上記されたハロゲン化合物或いはハロ
ゲンを含む硅素化合物が有効なものとして使用さ
れるものであるが、その他に、HF,HCl,
HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2
SiH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3
のハロゲン置換水素化硅素、等々のガス状態の或
いはガス化し得る、水素原子を構成要素の1つと
するハロゲン化物も有効な非晶質層形成用の出発
物質として挙げる事が出来る。 これ等の水素原子を含むハロゲン化物は、非晶
質層形成の際に層中にハロゲン原子の導入と同時
に電気的或いは光電的特性の制御に極めて有効な
水素原子も導入されるので、本発明においては好
適なハロゲン原子導入用の原料として使用され
る。 水素原子を非晶質層中に構造的に導入するに
は、上記の他にH2、或いはSiH4,Si2H6
Si3H8,Si4H10等の水素化硅素のガスをSiを供給
する為のシリコン化合物と堆積室中に共存させて
放電を生起させる事が出来る。 例えば、反応スパツタリング法の場合には、Si
ターゲツトを使用し、ハロゲン原子導入用のガス
及びH2ガスを必要に応じてHe,Ar等の不活性ガ
スも含めて堆積室内に導入してプラズマ雰囲気を
形成し、前記Siターゲツトをスパツタリングする
事によつて、基板上にa−Si(H,X)から成る
非晶質層が形成される。 更には、不純物のドーピングも兼ねてPH3等の
ガスを導入してやることも出来る。 本発明において、形成される光導電部材の非晶
質層中に含有される水素原子(H)の量又はハロゲン
原子(X)の量又は水素原子とハロゲン原子の量
の和(H+X)は通常の場合1〜40atomic%、
好適には5〜30atomic%とされるのが望ましい。 非晶質層中に含有される水素原子(H)又は/及び
ハロゲン原子(X)の量を制御するには、例えば
支持体温度又は/及び水素原子(H)、或いはハロゲ
ン原子(X)を含有させる為に使用される出発物
質の堆積装置系内へ導入する量、放電々力等を制
御してやれば良い。 非晶質層に、第V族原子を含有する層領域
(V)及び酸素原子を含有する層領域(O)を設
けるには、グロー放電法や反応スパツタリング法
等による非晶質層の形成の際に、第V族原子導入
用の出発物質及び酸素原子導入用の出発物質を
夫々前記した非晶質層形成用の出発物質と共に使
用して、形成される層中にその量を制御し乍ら含
有してやる事によつて成される。 非晶質層を構成する、酸素原子の含有される層
領域(O)及び第V族原子の含有される層領域
(O)を夫々形成するのにグロー放電法を用いる
場合、各層領域形成用の原料ガスとなる出発物質
としては、前記した非晶質層形成用の出発物質の
中から所望に従つて選択されたものに酸素原子導
入用の出発物質又は/及び第V族原子導入用の出
発物質が加えられる。そのような酸素原子導入用
の出発物質又は第V族原子導入用の出発物質とし
ては、少なくとも酸素原子或いは第V族原子を構
成原子とするガス状の物質又はガス化し得る物質
をガス化したものの中の大概のものが使用され得
る。 例えば層領域(O)を形成するのであれば、シ
リコン原子(Si)を構成原子とする原料ガスと、
酸素原子(O)を構成原子とする原料ガスと、必
要に応じて水素原子(H)又は/及びハロゲン原
子(X)を構成原子とする原料ガスとを所望の混
合比で混合して使用するか、又は、シリコン原子
(Si)を構成原子とする原料ガスと、酸素原子
(O)及び水素原子(H)を構成原子とする原料
ガスとを、これも又所望の混合比で混合するか、
或いは、シリコン原子(Si)を構成原子とする原
料ガスと、シリコン原子(Si)、酸素原子(O)
及び水素原子(H)の3つの構成原子とする原料ガス
とを混合して使用することが出来る。 又、別には、シリコン原子(Si)と水素原子(H)
とを構成原子とする原料ガスに酸素原子(O)を
構成原子とする原料ガスを混合して使用しても良
い。 酸素原子導入用の出発物質となるものとして具
体的には、例えば酸素(O2),オゾン(O3),一
酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2),一二酸化
窒素(N2O),三二酸化窒素(N2O3),四二酸化
窒素(N2O4),五二酸化窒素(N2O5),三酸化窒
素(NO3),シリコン原子(Si)と酸素原子(O)
と水素原子(H)とを構成原子とする、例えば、ジシ
ロキサン(H3SiOSiH3),トリシロキサン
(H3SiOSiH2OSiH3)等の低級シロキサン等を挙
げることが出来る。 層領域(V)をグロー放電法を用いて形成する
場合に第V族原子導入用の出発物質として、本発
明において有効に使用されるのは、燐原子導入用
としては、PH3,P2H4等の水素化燐,PH4I,
PF3,PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等の
ハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3
AsF3,AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3
SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も
第V族原子導入用の出発物質の有効なものとして
挙げることが出来る。 第V族原子を含有する層領域(V)に導入され
る第V族原子の含有量は、堆積室中に流入される
第V族原子導入用の出発物質のガス流量、ガス流
量比、放電パワー、支持体温度、堆積室内の圧力
等を制御することによつて任意に制御され得る。 スパツターリング法によつて、酸素原子を含有
する層領域(O)を形成するには、単結晶又は多
結晶のSiウエーハー又はSiO2ウエーハー、又はSi
とSiO2が混合されて含有されているウエーハー
をターゲツトとして、これ等を種々のガス雰囲気
中でスパツターリングすることによつて行えば良
い。 例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用
すれば、酸素原子と必要に応じて水素原子又は/
及びハロゲン原子を導入する為の原料ガスを、必
要に応じて稀釈ガスで稀釈して、スパツター用の
堆積室中に導入し、これ等のガスのガスプラズマ
を形成して前記Siウエーハーをスパツターリング
すれば良い。 又、別には、SiとSiO2とは別々のターゲツト
として、又はSiとSiO2の混合した一枚のターゲ
ツトを使用することによつて、スパツター用のガ
スとしての稀釈ガスの雰囲気中で又は少なくとも
水素原子(H)又は/及びハロゲン原子(X)を構成
原子として含有するガス雰囲気中でスパツターリ
ングすることによつて成される。酸素原子導入用
の原料ガスとしては、先述したグロー放電の例で
示した原料ガスの中の酸素原子導入用の原料ガス
が、スパツターリングの場合にも有効なガスとし
て使用され得る。 本発明において、非晶質層をグロー放電法で形
成する際に使用される稀釈ガス、或いはスパツタ
ーリング法で形成される際に使用されるスパツタ
ーリング用のガスとしては、所謂稀ガス、例えば
He,Ne,Ar等が好適なものとして挙げること
が出来る。 本発明の光導電部材に於いては、第V族原子の
含有される層領域(V)の上に設けられ、第V族
原子の含有されない層領域(B)(第1図では層領域
104に相当する)には、伝導特性を制御する物
質を含有させることにより、該層領域(B)の伝導特
性を所望に従つて任意に制御することが出来る。 この様な物質としては、所謂、半導体分野で云
われる不純物を挙げることが出来、本発明に於い
ては、形成される非晶質層を構成するa−Si(H,
X)に対して、P型伝導特性を与えるP型不純
物、具体的には、周期律表第族に属する原子
(第族原子)、例えばB(硼素),Al(アルミニウ
ム),Ga(ガリウム),In(インジウム),Tl(タリ
ウム)等があり、殊に好適に用いられるのは、
B,Gaである。 本発明に於いて、層領域(B)に含有される伝導特
性を制御する物質の含有量は、該層領域(B)に要求
される伝導特性、或いは該層領域(B)に直に接触し
て設けられる他の層領域の特性や、該他の層領域
との接触界面に於ける特性との関係等有機的関連
性に於いて、適宜選択することが出来る。 本発明に於いて、層領域(B)中に含有される伝導
特性を制御する物質の含有量としては、通常の場
合、0.001〜1000atomic ppm、好適には0.05〜
500atomic ppm、最適には0.1〜200atomic ppm
とされるのが望ましいものである。 層領域(B)中に伝導特性を制御する物質、例えば
第族原子を構造的に導入するには、層形成の際
に第族原子導入用の出発物質をガス状態で堆積
室中に、非晶質層を形成する為の他の出発物質と
共に導入してやれば良い。この様な第族原子導
入用の出発物質と成り得るものとしては、常温常
圧でガス状の又は、少なくとも層形成条件下で容
易にガス化し得るものが採用されるのが望まし
い。その様な第族原子導入用の出発物質として
具体的には硼素原子導入用としては、B2H6
B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12,B6H14
等の水素化硅素、BF3,BCl3,BBr3等のハロゲ
ン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3
GaCl3,Ga(CH33,InCl3,TlCl3等も挙げるこ
とが出来る。 次に、第11図に本発明の光導電部材を作成す
る場合の製造装置の一例を示す。 図中の1102〜1106の夫々のガスボンベ
には、本発明の光導電部材における夫々の層領域
を形成するための原料ガスが密封されており、そ
の一例として例えば1102は、Heで稀釈され
たSiH4ガス(純度99.999%、以下SiH4/Heと略
す。)ボンベ、1103はHeで稀釈されたB2H6
ガス(純度99.999%、以下B2H6/Heと略す。)
ボンベ、1104はHeで稀釈されたPH3ガス
(純度99.99%、以下PH3/Heと略す。)ボンベ、
1105はNOガス(純度99.999%)ボンベ、1
106はHeで稀釈されたSiF4ガス(純度99.999
%、以下SiF4/Heと略す。)ボンベである。 これらのガスを反応室1101に流入させるに
はガスボンベ1102〜1106の夫々のバルブ
1122〜1126、リークバルブ1135が閉
じられていることを確認し、又、流入バルブ11
12〜1116、流出バルブ1117〜112
1、補助バルブ1132,1133が開かれてい
ることを確認して、先ずメインバルブ1134を
開いて反応室1101、ガス配管内を排気する。
次に真空計1136の読みが約5×10-6torrにな
つた時点で補助バルブ1132,1133、流出
バルブ1117〜1121を閉じる。 シリンダー状の基体1137上に非晶質層を構
成する層領域(V)を形成する場合の1例をあげ
ると、ガスボンベ1102よりSiH4/Heガス、
ガスボンベ1104よりPH3/Heガスをバルブ
1122,1124を開いて出口圧ケージ112
7,1129の圧を1Kg/cm2に調整し、流入バル
ブ1112,1114を徐々に開けて、マスフロ
コントローラ1107,1109内に流入させ
る。引き続いて流出バルブ1117,1119、
補助バルブ1132を徐々に開いて夫々のガスを
反応室1101に流入させる。このときの
SiH4/Heガス流量とPH3/Heガス流量との比が
所望の値になるように流出バルブ1117,11
19を調整し、又、反応室1101内の圧力が所
望の値になるように真空計1136の読みを見な
がらメインバルブ1134の開口を調整する。そ
して基体1137の温度が加熱ヒーター1138
により50〜400℃の範囲内の温度に設定されてい
ることを確認した後、電源1140を所望の電力
に設定して反応室1101内にグロー放電を生起
させて層領域(V)を支持体上に形成する。 層領域(V)の形成の際には、ボンベ1105
よりNOガスを予め選定された流量変化率曲線に
従つて、流量を制御し乍ら反応室1101内に導
入することによつて、所望量の酸素原子を層領域
(V)中に含有させることにより、第V族原子と
酸素原子の含有された層領域(V,O)とするこ
とが出来る。 所望の層厚に層領域(V,O)が形成された段
階において、反応室1101内へのボンベ110
3よりのPH3/Heガスの導入を遮断し、引き続
き所望時間グロー放電を維持することで層領域
(V,O)上には、第V族原子(この場合にはP)
の含有されないが、酸素原子は含有されている層
領域が所望層厚に形成される。 夫々の層を形成する際に必要なガス以外の流出
バルブは、全て閉じることは言うまでもなく、
又、夫々の層を形成する際、前層の形成に使用し
たガスが反応室1101内、流出バルブ1117
〜1121から反応室1101内に至る配管内に
残留することを避けるために、流出バルブ111
7〜1121を閉じ補助バルブ1132,113
3を開いてメインバルブ1134を全開して系内
を一亘高真空に排気する操作を必要に応じて行
う。 又、層形成を行つている間は層形成の均一化を
計るため基体シリンダー1137はモータ113
9により一定速度で回転させる。 実施例 1 第11図に示した製造装置を用い、第1表に示
す条件のもとにシリンダー状Al基体上に、第1
2図に示すような酸素分布濃度を有する非晶質層
を形成した。 こうして得られた像形成部材を、帯電露光実験
装置に設置し5.0kvで0.2sec間コロナ帯電を行
い、直ちに光像を照射した。光像はタングステン
ランプ光源を用い、1.5lux.secの光量を透過型の
テストチヤートを通して照射させた。 その後直ちに、荷電性の現像剤(トナーとキ
ヤリアーを含む)を部材表面をカスケードするこ
とによつて、部材表面上に良好なトナー画像を得
た。部材上のトナー画像を、5.0kvのコロナ帯
電で転写紙上に転写した所、解像力に優れ、階調
再現性のよい鮮明な高濃度の画像が得られた。 実施例 2 第11図に示した製造装置を用い、第2表に示
す条件のもとに、第13図に示すような酸素分布
濃度を有する非晶質層を形成した。その他の条件
は実施例1と同様にして行つた。 こうして得られた像形成部材に就いて、実施例
1と同様の条件及び手順で転写紙上に画像を形成
したところ極めて鮮明な画質が得られた。 実施例 3 第11図に示した製造装置を用い、第3表に示
す条件のもとに、第14図に示すように酸素分布
濃度を有する非晶質層を形成した。 その他の条件は実施例1と同様にして行つた。
こうして得られた像形成部材に就いて、実施例1
と同様の条件及び手順で転写紙上に画像を形成し
たところ極めて鮮明な画質が得られた。 実施例 4 第1層領域の形成時、PH3とSiH4の流量比を
変えて、第1層領域における燐原子の含有比を変
える以外は、実施例1と全く同様な方法によつて
層形成を行つた。その結果、第4表の如き結果を
得た。 実施例 5 第1層領域の層厚を第5表に示す如く変える以
外は、実施例2と全く同様な方法によつて層形成
を行つた。その結果、第5表の如き結果を得た。 実施例 6 第1及び第2層領域の形成方法を第6表の如く
変える以外は、実施例1と同様な方法で層形成を
行い、実施例1と同様な画質評価を行つたとこ
ろ、良好な結果が得られた。 実施例 7 第11図に示した製造装置を用い、第7表に示
す条件のもとに、第15図に示すような酸素分布
濃度を有する非晶質層をAl基体上に形成した。 その他の条件は実施例1と同様にして行つた。
こうして得られた像形成部材に就いて、実施例1
と同様の条件及び手順で転写紙上に画像を形成し
たところ極めて鮮明な画質が得られた。 実施例 8 実施例3の第2層領域の作成に際し、層作成条
件を下記の第8表に示す条件にした以外は、実施
例3に示した各条件と手順に従つて、電子写真用
像形成部材の夫々を作製し、実施例1と同様の方
法で評価したところ、夫々に就いて特に画質、耐
久性の点に於いて良好な結果が得られた。
【表】
【表】
【表】
【表】 ◎:極めて良好
○:良好
【表】 ◎:極めて良好
○:良好
△:実用上使用し得る
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光導電部材の構成の好適な
例の1つを説明するための模式的説明図、第2図
乃至第10図は、夫々、本発明の光導電部材の非
晶質層を構成する層領域(O)における酸素原子
の分布濃度を説明する模式的説明図、第11図
は、本発明の光導電部材を作成するために使用さ
れた装置の模式的説明図、第12図乃至第15図
は夫々、本発明の実施例における層領域(O)中
の酸素原子の分布濃度を示す説明図である。 100……光導電部材、101……支持体、1
02……非晶質層、103……第一の層領域
(O)、104……第二の層領域(V)、105…
…層領域、106……自由表面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光導電部材用の支持体と、シリコン原子を母
    体とする非晶質材料で構成された、光導電性を有
    する非晶質層とを有し、前記非晶質層が、支持体
    側に構成原子として周期律表第V族に属する原子
    を含有する層領域(V)を有する光導電部材にお
    いて、 前記層領域(V)は、P,As,Sb、およびBi
    からなる群から少なくとも一つ選ばれる周期律表
    第V族に属する原子が層厚方向に連続的に分布
    し、 前記非晶質層は、酸素原子を層厚方向における
    分布濃度が連続した状態で含有し該分布濃度が支
    持体側より連続的に減少する領域を有することを
    特徴とする光導電部材。
JP57047800A 1982-03-08 1982-03-25 光導電部材 Granted JPS58163949A (ja)

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