JPH0372192B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特許請求の範囲第１項の上位概念に
係るアーク炉の電極ニツプル接続部を冷却する冷
却装置に関する。

鋼板から中空に作られている電極の上部区画を
冷却するようにされた組立式電極はドイツ公開特
許第2739483号より公知である。この組立式上部
電極区画はニツプルを介して黒鉛製の電極区画と
接続されており、このニツプルは上下両方が円錐
形に設計されていて、上下の電極区画にねじ込ま
れている。ニツプルは下部電極区画と同じ材料で
ある黒鉛から作られている。上部電極区画の内部
に冷却材が導き入れられていて、ニツプルを十分
に冷却するようになつている。

アーク炉の操業に非常に不利な影響を及ぼす電
極本体の割れがとくにニツプル接続部の領域で生
じるので、冷却をいかに行なうかは非常に重要な
ことである。

しかし、この種の組立式電極については困難な
問題がある。すなわち、接続すべき両方の電極区
画の端部が円錐形とフラツトな面（接触面）を呈
しているので、両方の電極区画のうち向かい合つ
た位置を非常に正確に合わせなければならないこ
とである。ニツプルの上部の円錐形の部分を介し
て引き上げを行なうと、接触面の間に隙間が生じ
る。通常は電極の端面を流れる電流をニツプルを
通つて流さなければならないから、電極の端面の
間の隙間に火花が生じる。

とくに、両方の電極区画を引張力を利用して接
続されている場合、両方の電極の端部位置を非常
に正確に合わせなければならないから、上に引用
した公開特許に係る電極の構造を採用することは
できない。

そのほか、積極的に冷却が行なわれるニツプル
と黒鉛から作られた高温に加熱される下部電極区
画の間に熱応力が現われる。このためねじ底の位
置で電極本体に亀裂が生じる。

電極炉の電極ホルダーを用いてしつかりと保持
することが可能な黒鉛電極がドイツ公開特許第
3144926号より公知である。この特許に開示され
ている電極接続装置の場合、非常に高い温度が発
生する。このような高温度が発生すると、引上げ
棒のヘツドや接続片、とくに引上げ用コアが損傷
する。電極接続装置とニツプルを冷却するにさい
し、２重壁構造の電流を導くパイプの内部で電極
接続装置を無接触な状態に配置することでは十分
ではない。

したがつて、本発明の目的は、組立式電極のう
ち引張力により互に接続される電極区画を効果的
に冷却する装置であつて、もつぱら電極の端面を
へて電流が流れるが、ニツプルをへて電流が流れ
ることがないよう構成された冷却装置を提供する
ことである。

上記の目的を達成するため、特許請求の範囲の
第１項の特徴項に記載されている冷却装置が本発
明に従つて提案されたのである。本発明の有利な
実施態様については特許請求の範囲第２項と第３
項を参照されたい。

本発明に従つて構成された冷却装置の特徴を挙
げれば次の通りである。

ニツプルと接続要素は冷却スリーブの円錐形の
全支承面にわたる圧接により積極的に冷却されて
いる。ニツプルを把持するさいまた把持状態を解
消するさいスリーブの冷却水接続管路をはずさな
くともよい。上部電極区画は２重壁構造に設計さ
れていて、冷却材を収容する空間に冷却材循環管
路が接続されている。

以下、本発明の一実施例を図解した添付図面を
参照しながら本発明を詳細に説明する。

ニツプル２はねじ接続を介して電極１と金属製
レシーバー３に接続されている。図示の実施例で
はニツプル２とレシーバー３は円錐形に設計され
ている。

ニツプル２と電極１を吊り下げているレシーバ
ー３は引上げ棒１４と爪金具１２を介して水冷式
電極区画９の頂部に引き上げられるようになつて
いる。

引上げ棒１４を操作して上方に引き上げを行な
うさい、レシーバー３の円錐形の外面が冷却スリ
ーブ５の円錐形の開口に接面した状態でレシーバ
ー３が移動する。冷却スリーブ５は案内ロツド８
を介して案内リング７により案内されながら、ば
ね６によりレシーバー３に押圧されるようになつ
ているので、レシーバー３の支承面と冷却スリー
ブ５の間に良好な接合状態が保持される。

冷却スリーブ５は水冷されていて、管路１１と
１３を介して冷却水循環系に接続されている。冷
却水の管路の途中に電極を上方に引き上げるさい
生じる上向きの移動を補整する波形チユーブ（補
整器）１０が設けられている。波形チユーブが上
述の補整の機能のほかばね６と協働して冷却スリ
ーブ５の下部電極区画の方に向かつて軸方向に移
動させる機能を備えているよう波形チユーブ１０
が作られている。冷却作用を促進するため、水流
案内板４が冷却スリーブ５の中に取り付けられて
いる。

上部電極区画９は２重壁構造に設計されてい
て、冷却材を収容する部分が参照数字２１により
表示されている。

把持爪金具１２はレシーバー３の引上げヘツド
２０を把持するようにされている。把持爪金具１
２は爪金具ヘツドと関節状に接続されていて、該
爪金具ヘツドに引上げ棒１４が連結されている。

【図面の簡単な説明】

添付図面は、本発明の一実施例を図解した縦断
面図。 １……電極、２……ニツプル、３……レシーバ
ー、４……水流案内板、５……冷却スリーブ、６
……ばね、７……案内リング、８……案内ロツ
ド、９……電極区画、１０……波形チユーブ、１
１，１３……管路、１２……爪金具、１４……引
上げ棒、２０……引上げヘツド、２１……冷却材
収容室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電極が中空の金属製であつて、冷却するよう
   にされた上部電極区画と黒鉛製の下部電極区画と
   から構成されていて、両電極区画の機械的な接続
   をニツプルにより行ない、電気的な接続を電極区
   画の端面を介して行なうようにされていて、ニツ
   プルが下部電極区画と直接接続されており、両電
   極区画間の機械的な接続を上部電極区画の内部に
   配置されていて、引上げ装置と接続されている上
   部ニツプル部分を把持するようにされた接続要素
   により行なうよう構成されたアーク炉の電極ニツ
   プル接続部を冷却する冷却装置であつて、ニツプ
   ル２と接続要素３を冷却するため２重壁構造の円
   錐形スリーブ５が設けられていて、該スリーブ５
   が限定された距離軸方向に移動可能であつて、ス
   リーブ５の内壁面がニツプル２のうち下部電極区
   画１から突出した部分の冷却すべき表面の大部分
   にわたつて接面状態で延在していることを特徴と
   するアーク炉の電極ニツプル接続部を冷却する冷
   却装置。 ２ 接続要素３がニツプル２の上部を包み囲んで
   いるレシーバーとして構成されていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のアーク炉の電
   極ニツプル接続部を冷却する冷却装置。 ３ スリーブ５に圧縮要素６が設けられていて、
   スリーブ５が接続要素３に当接するまで前記圧縮
   要素６が下部電極区画１の方に向かつて軸方向に
   スリーブ５を移動させることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項または第２項記載のアーク炉の電
   極ニツプル接続部を冷却する冷却装置。