JPH0371674B2 - - Google Patents
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- JPH0371674B2 JPH0371674B2 JP60177194A JP17719485A JPH0371674B2 JP H0371674 B2 JPH0371674 B2 JP H0371674B2 JP 60177194 A JP60177194 A JP 60177194A JP 17719485 A JP17719485 A JP 17719485A JP H0371674 B2 JPH0371674 B2 JP H0371674B2
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は、核燃料に関し、特に、燃焼特性なら
びに機械的特性にすぐれた酸化ガドリニウム入り
核燃料焼結体の製造方法に関する。 〔発明の技術的背景〕 原子炉に使用されている核燃料は、二酸化ウラ
ン、酸化プルトニウム入り二酸化ウラン等の成分
から構成され、通常はこれら酸化物を成形焼結し
て得られる焼結ペレツトとして用いられる。ま
た、上記核燃料構成成分としては、通常、中性子
吸収物質として酸化ガドリニウム(Gd2O3)が添
加される。 ところで、一般に二酸化ウラン粉末に金属酸化
物を混合し、焼結すると、結晶粒径が変化するこ
とが知られている。たとえは二酸化ウランに酸化
ガドリニウムを混合し、成形、焼結すると、4価
のウランの一部部が6価のウランに変化し、また
焼結体は固溶体を作り複雑な様相を示し、結晶粒
径もUO2のみを焼結した場合に比べ小さくなる。
たとえば、UO2のみの焼結体の結晶粒径は10〜
20μm程度であるが、従来法で得られたGd2O3入
りUO2焼結体の結晶粒径は、通常2〜3μmにま
で小さくなる。 結晶粒径が小さいと、結晶粒界までの空孔の平
均自由行程が短くなり、したがつて粒界を通つて
消失するポアの量が増加し、そのため照射時のデ
ンシフイケーシヨンが大きくなるという問題が生
ずる(たとえば、1700℃、24時間試験で、UO2ペ
レツトの場合は1%TD内外であるが、Gd2O3入
りUO2ペレツトの場合は2%TD近くまで増大す
る)。デンシフイケーシヨンの増大はペレツトと
被覆管のギヤツプが増大することを意味し、これ
はペレツトの中心温度の上昇へとつながる。ま
た、ペレツト温度が上昇することは、FPガスの
放出が活発になることを意味する。すなわち、焼
結ペレツトの結晶粒が小さいとFPガスの放出が
増大するという問題が生ずる。さらに、従来の方
法においては、ガドリニウムの濃度が高くなるに
つれて、焼結後にペレツト表面にクラツクが発生
しやすいという欠点がある。 〔発明の概要〕 本発明は上述した点に鑑みてなされたものであ
り、原子炉内での燃焼初期におけるデンシフイケ
ーシヨンの軽減、FPガス放出量の軽減が図られ、
さらにクラツク等の欠陥が生じないような酸化ガ
ドリニウム入り核燃料焼結体の製造方法を提供す
ること、を目的とする。 上記目的を達成するため、本発明の酸化ガドリ
ニウム入り核燃料焼結体の製造方法は、(イ)核燃料
酸化物粉末、(ロ)酸化ガドリニウム粉末、および(ハ)
前記(イ)と(ロ)の混合物の焼結温度よりも低い温度で
溶融するか、または前記(イ)もしくは(ロ)と共晶反応
を起こす金属酸化物粉末であつて、TiO2および
Nb2O5から選ばれた金属酸化物粉末からなる原料
粉末を成形し、焼結することによつて、3.0μm以
上の結晶粒径を有する焼結体を得ることを特徴と
している。 また、前記(ハ)の金属酸化物は、酸素原子と金属
原子の化合比(O/M比)が2以上であること
が、クラツク発生を防止する上で特に好ましい。 〔発明の具体的説明〕 以下、本発明をさらに詳細に説明する。以下の
記載において、量を表わす「%」は特に断らない
限り重量基準である。 本発明で用いられる核燃料粉末としては、二酸
化ウランその他の酸化ウラン、酸化プルトニウ
ム、酸化トリウム等の1種または2種以上に、さ
らに中性子吸収物質として酸化ガドリニウムを加
えた混合物が用いられる。 粉末の粒径は、混合前において、約10〜1500μ
m程度の範囲が好ましい。 本発明では焼結時における結晶粒成長を促進す
るために、特定の金属酸化物を添加する。この金
属酸化物としては、核燃料酸化物粉末と酸化物粉
末との混合物の焼結温度よりも低い温度で溶融す
るか、または共晶反応を起こす金属酸化物が用い
られ、特に、酸素原子と金属原子の化合比(O/
M)が2以上の化合物が好ましく用いられる。こ
のような金属酸化物としては、Nb2O5、TiO2、
MoO3、WO3等の遷移金属酸化物が好ましく用い
られ得るが、特に、Nb2O3、TiO2が好ましい。 上記のような金属酸化物を添加することによつ
て結晶粒成長が促進される理由は必ずしも明らか
ではないが、次の様に考えることができる。すな
わち、UO2とGb2O3の混合物にさらに上記酸化物
を添加すると、焼結途中において、UO2とGb2O3
との固溶体の結晶粒の周囲が溶融した上記金属酸
化物で囲繞され、これによつて結晶粒をいわば浮
遊の状態にして結晶粒成長が促進されるものと考
えられる。このためには、上記金属酸化物は、
UO2とGd2O3との混合物の焼結温度(通常1700℃
以上)よりも低い融点を有しているか、または、
該焼結温度よりも高温度の融点を有する金属酸化
物の場合は、UO2またはGd2O3と共晶反応を起こ
し、その共晶温度は、上記焼結温度よりも低温度
でなければならない。上記のように比較的低温度
での結晶粒界周囲における溶融ないし共晶反応が
生じることによつて結晶粒成長を促進することが
でき、この結果3.0μm以上の結晶粒径を有する焼
結体を得ることができ、そのような焼結体は機械
的特性と燃焼特性の双方にすぐれている。 このような条件を満足する金属酸化物として
は、たとえば、Nb2O5(融点1500℃)、TiO2(共晶
温度1500℃)がある。 なお、添加する金属酸化物の条件としては、上
記融点、共晶温度の他に、中性子吸収断面積も適
宜考慮される。 さらに、上記金属酸化物は、酸素原子と金属原
子の化合比(O/M比)が2以上であることが、
クラツク発生を防止する上で好ましい。O/M比
が2.0以下では、Gd2O3の濃度が高くなるにつれ
て焼結後にペレツト表面にクラツクが生じやすく
なる。 Nb2O5(O/M=2.5)を添加した場合、反応は
次の様に進み、これにより理論的にはO/M=
2.0のペレツトをつくることができ、クラツクの
発生を有効に防止することができる。 Gd1.5+UO2+Nb2O5→(Gd,Nb,U)O2 O/M比を2.0以上にすることによつてクラツ
クの発生が防止できる理由は必ずしも明らかでは
ないが、次のように考えることができる。 Gd2O3がUO2に固溶する場合は置換型固溶体を
形成する。Gd2O3固溶によるUO2結晶体の欠陥方
程式は以下のように表現できる。 Gd2O32UO2 ―――→ 2Gd′+3O′+V″ ここで Gd′:Gd原子がU原子と置換した状態 O′:UO2の結晶体の酸素格子点にある酸素原子 V″:UO2の結晶体の酸素格子点から酸素がぬけ
て空孔になつた状態 上記の欠陥方程式はGd2O3が分子がUO22分子
と置換固溶するたびに酸素空孔(V″)が1個形
成されることを示している。 この空孔は焼結時に還元雰囲気のため安定であ
るか、焼結炉内から出て周囲の空気に触れると酸
素を吸収しようとして不安定となる。これがクラ
ツクの発生の一因と考えることができる。 すなわち、Gd2O3濃度が高くなるほど、酸素空
孔(V″)濃度が高くなりクラツクが発生しやす
くなると考えられる。 次に、本発明において核燃料焼結体の結晶粒径
を特に3.0μm以上にすることの技術的意義につい
て説明する。従来BWR様燃料における酸化ガド
リニウム入り核燃料焼結体の場合、燃焼度が20〜
30GWD/Tあるいはそれ以上になるに従つてペ
レツトの結晶粒内に封じ込められていたFPガス
が結晶粒界を通つて燃料棒内に放出され始める。
前述したように、燃料棒内に放出されたFPガス
はペレツトと燃料被覆管とのギヤツプにおける熱
伝達率を低下させるので、その発生を可能な限り
低く押える必要がある。今後、燃料の燃焼度は増
大化される方向にあるので(30〜60GWD/T)、
FPガス放出の低減化は重要な問題となる。 ところで、FPガスの放出機構はペレツト粒内
から粒界への拡散現象によつて説明することがで
きる。したがつて、FPガスの放出を押えるため
には、ペレツト粒内から粒界への拡散距離を大き
くしてその所要時間を長くするか、あるいは拡散
定数自体を小さくすることが考えられる。つま
り、拡散距離を大きくするためにはペレツトの結
晶粒径を大きくすることが考えられ、一方、拡散
定数を小さくするためにはペレツトの中心温度を
低くすることが有効である。 本発明者らは、上述した点に着目してさらに研
究した結果、ペレツトの平均結晶粒径を3.0μm以
上にすることによつて、たとえは燃焼度が
30GWD/Tから60GWD/Tへと飛躍的に増大
した場合においてもFPガスの放出量を効果的に
低く押えることができることを見出したものであ
る。 〔発明の実施例〕 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 まず、下表に示す組成の酸化ガドリニウム入り
核燃料焼結体原料を用意し、第1図に示す製造工
程のフローチヤートに従つて核燃料焼結体を作成
した。 TiO2およびNb2O5のいずれも含有しない組成
物を比較例とした。
びに機械的特性にすぐれた酸化ガドリニウム入り
核燃料焼結体の製造方法に関する。 〔発明の技術的背景〕 原子炉に使用されている核燃料は、二酸化ウラ
ン、酸化プルトニウム入り二酸化ウラン等の成分
から構成され、通常はこれら酸化物を成形焼結し
て得られる焼結ペレツトとして用いられる。ま
た、上記核燃料構成成分としては、通常、中性子
吸収物質として酸化ガドリニウム(Gd2O3)が添
加される。 ところで、一般に二酸化ウラン粉末に金属酸化
物を混合し、焼結すると、結晶粒径が変化するこ
とが知られている。たとえは二酸化ウランに酸化
ガドリニウムを混合し、成形、焼結すると、4価
のウランの一部部が6価のウランに変化し、また
焼結体は固溶体を作り複雑な様相を示し、結晶粒
径もUO2のみを焼結した場合に比べ小さくなる。
たとえば、UO2のみの焼結体の結晶粒径は10〜
20μm程度であるが、従来法で得られたGd2O3入
りUO2焼結体の結晶粒径は、通常2〜3μmにま
で小さくなる。 結晶粒径が小さいと、結晶粒界までの空孔の平
均自由行程が短くなり、したがつて粒界を通つて
消失するポアの量が増加し、そのため照射時のデ
ンシフイケーシヨンが大きくなるという問題が生
ずる(たとえば、1700℃、24時間試験で、UO2ペ
レツトの場合は1%TD内外であるが、Gd2O3入
りUO2ペレツトの場合は2%TD近くまで増大す
る)。デンシフイケーシヨンの増大はペレツトと
被覆管のギヤツプが増大することを意味し、これ
はペレツトの中心温度の上昇へとつながる。ま
た、ペレツト温度が上昇することは、FPガスの
放出が活発になることを意味する。すなわち、焼
結ペレツトの結晶粒が小さいとFPガスの放出が
増大するという問題が生ずる。さらに、従来の方
法においては、ガドリニウムの濃度が高くなるに
つれて、焼結後にペレツト表面にクラツクが発生
しやすいという欠点がある。 〔発明の概要〕 本発明は上述した点に鑑みてなされたものであ
り、原子炉内での燃焼初期におけるデンシフイケ
ーシヨンの軽減、FPガス放出量の軽減が図られ、
さらにクラツク等の欠陥が生じないような酸化ガ
ドリニウム入り核燃料焼結体の製造方法を提供す
ること、を目的とする。 上記目的を達成するため、本発明の酸化ガドリ
ニウム入り核燃料焼結体の製造方法は、(イ)核燃料
酸化物粉末、(ロ)酸化ガドリニウム粉末、および(ハ)
前記(イ)と(ロ)の混合物の焼結温度よりも低い温度で
溶融するか、または前記(イ)もしくは(ロ)と共晶反応
を起こす金属酸化物粉末であつて、TiO2および
Nb2O5から選ばれた金属酸化物粉末からなる原料
粉末を成形し、焼結することによつて、3.0μm以
上の結晶粒径を有する焼結体を得ることを特徴と
している。 また、前記(ハ)の金属酸化物は、酸素原子と金属
原子の化合比(O/M比)が2以上であること
が、クラツク発生を防止する上で特に好ましい。 〔発明の具体的説明〕 以下、本発明をさらに詳細に説明する。以下の
記載において、量を表わす「%」は特に断らない
限り重量基準である。 本発明で用いられる核燃料粉末としては、二酸
化ウランその他の酸化ウラン、酸化プルトニウ
ム、酸化トリウム等の1種または2種以上に、さ
らに中性子吸収物質として酸化ガドリニウムを加
えた混合物が用いられる。 粉末の粒径は、混合前において、約10〜1500μ
m程度の範囲が好ましい。 本発明では焼結時における結晶粒成長を促進す
るために、特定の金属酸化物を添加する。この金
属酸化物としては、核燃料酸化物粉末と酸化物粉
末との混合物の焼結温度よりも低い温度で溶融す
るか、または共晶反応を起こす金属酸化物が用い
られ、特に、酸素原子と金属原子の化合比(O/
M)が2以上の化合物が好ましく用いられる。こ
のような金属酸化物としては、Nb2O5、TiO2、
MoO3、WO3等の遷移金属酸化物が好ましく用い
られ得るが、特に、Nb2O3、TiO2が好ましい。 上記のような金属酸化物を添加することによつ
て結晶粒成長が促進される理由は必ずしも明らか
ではないが、次の様に考えることができる。すな
わち、UO2とGb2O3の混合物にさらに上記酸化物
を添加すると、焼結途中において、UO2とGb2O3
との固溶体の結晶粒の周囲が溶融した上記金属酸
化物で囲繞され、これによつて結晶粒をいわば浮
遊の状態にして結晶粒成長が促進されるものと考
えられる。このためには、上記金属酸化物は、
UO2とGd2O3との混合物の焼結温度(通常1700℃
以上)よりも低い融点を有しているか、または、
該焼結温度よりも高温度の融点を有する金属酸化
物の場合は、UO2またはGd2O3と共晶反応を起こ
し、その共晶温度は、上記焼結温度よりも低温度
でなければならない。上記のように比較的低温度
での結晶粒界周囲における溶融ないし共晶反応が
生じることによつて結晶粒成長を促進することが
でき、この結果3.0μm以上の結晶粒径を有する焼
結体を得ることができ、そのような焼結体は機械
的特性と燃焼特性の双方にすぐれている。 このような条件を満足する金属酸化物として
は、たとえば、Nb2O5(融点1500℃)、TiO2(共晶
温度1500℃)がある。 なお、添加する金属酸化物の条件としては、上
記融点、共晶温度の他に、中性子吸収断面積も適
宜考慮される。 さらに、上記金属酸化物は、酸素原子と金属原
子の化合比(O/M比)が2以上であることが、
クラツク発生を防止する上で好ましい。O/M比
が2.0以下では、Gd2O3の濃度が高くなるにつれ
て焼結後にペレツト表面にクラツクが生じやすく
なる。 Nb2O5(O/M=2.5)を添加した場合、反応は
次の様に進み、これにより理論的にはO/M=
2.0のペレツトをつくることができ、クラツクの
発生を有効に防止することができる。 Gd1.5+UO2+Nb2O5→(Gd,Nb,U)O2 O/M比を2.0以上にすることによつてクラツ
クの発生が防止できる理由は必ずしも明らかでは
ないが、次のように考えることができる。 Gd2O3がUO2に固溶する場合は置換型固溶体を
形成する。Gd2O3固溶によるUO2結晶体の欠陥方
程式は以下のように表現できる。 Gd2O32UO2 ―――→ 2Gd′+3O′+V″ ここで Gd′:Gd原子がU原子と置換した状態 O′:UO2の結晶体の酸素格子点にある酸素原子 V″:UO2の結晶体の酸素格子点から酸素がぬけ
て空孔になつた状態 上記の欠陥方程式はGd2O3が分子がUO22分子
と置換固溶するたびに酸素空孔(V″)が1個形
成されることを示している。 この空孔は焼結時に還元雰囲気のため安定であ
るか、焼結炉内から出て周囲の空気に触れると酸
素を吸収しようとして不安定となる。これがクラ
ツクの発生の一因と考えることができる。 すなわち、Gd2O3濃度が高くなるほど、酸素空
孔(V″)濃度が高くなりクラツクが発生しやす
くなると考えられる。 次に、本発明において核燃料焼結体の結晶粒径
を特に3.0μm以上にすることの技術的意義につい
て説明する。従来BWR様燃料における酸化ガド
リニウム入り核燃料焼結体の場合、燃焼度が20〜
30GWD/Tあるいはそれ以上になるに従つてペ
レツトの結晶粒内に封じ込められていたFPガス
が結晶粒界を通つて燃料棒内に放出され始める。
前述したように、燃料棒内に放出されたFPガス
はペレツトと燃料被覆管とのギヤツプにおける熱
伝達率を低下させるので、その発生を可能な限り
低く押える必要がある。今後、燃料の燃焼度は増
大化される方向にあるので(30〜60GWD/T)、
FPガス放出の低減化は重要な問題となる。 ところで、FPガスの放出機構はペレツト粒内
から粒界への拡散現象によつて説明することがで
きる。したがつて、FPガスの放出を押えるため
には、ペレツト粒内から粒界への拡散距離を大き
くしてその所要時間を長くするか、あるいは拡散
定数自体を小さくすることが考えられる。つま
り、拡散距離を大きくするためにはペレツトの結
晶粒径を大きくすることが考えられ、一方、拡散
定数を小さくするためにはペレツトの中心温度を
低くすることが有効である。 本発明者らは、上述した点に着目してさらに研
究した結果、ペレツトの平均結晶粒径を3.0μm以
上にすることによつて、たとえは燃焼度が
30GWD/Tから60GWD/Tへと飛躍的に増大
した場合においてもFPガスの放出量を効果的に
低く押えることができることを見出したものであ
る。 〔発明の実施例〕 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 まず、下表に示す組成の酸化ガドリニウム入り
核燃料焼結体原料を用意し、第1図に示す製造工
程のフローチヤートに従つて核燃料焼結体を作成
した。 TiO2およびNb2O5のいずれも含有しない組成
物を比較例とした。
【表】
上記組成の原料を、常法に従つて機械混合し、
予備成形を行なつて造粒した。その後、成形を行
ない、該成形体を耐熱ボートに入れ、所定の温
度、時間で焼成した。焼結雰囲気は水素である。 上記表の結晶粒径の測定結果から明らかなよう
に、本発明の実施例に係るペレツトは比較例に比
べて、いずれも結晶粒成長が見られた。また、結
晶粒成長におよぼす効果は、TiO2の方がNb2O5
よりも大きかつた。さらに、Nb2O5の場合は、結
晶粒成長効果の他に、クラツク発生防止効果が顕
著に認められた。
予備成形を行なつて造粒した。その後、成形を行
ない、該成形体を耐熱ボートに入れ、所定の温
度、時間で焼成した。焼結雰囲気は水素である。 上記表の結晶粒径の測定結果から明らかなよう
に、本発明の実施例に係るペレツトは比較例に比
べて、いずれも結晶粒成長が見られた。また、結
晶粒成長におよぼす効果は、TiO2の方がNb2O5
よりも大きかつた。さらに、Nb2O5の場合は、結
晶粒成長効果の他に、クラツク発生防止効果が顕
著に認められた。
第1図は、本発明の製造工程を示すフローチヤ
ートである。
ートである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (イ) 核燃料酸化物粉末、 (ロ) 酸化ガドリニウム粉末、および (ハ) 前記(イ)と(ロ)の混合物の焼結温度よりも低い温
度で溶融するか、あるいは前記(イ)もしくは(ロ)と
共晶反応を起こす金属酸化物粉末であつて、
TiO2およびNb2O5から選ばれた金属酸化物粉
末 からなる原料粉末を成形し、焼結することにより
3.0μm以上の結晶粒径を有する核燃料焼結体を得
ることを特徴とする、酸化ガドリニウム入り核燃
料焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60177194A JPS6236589A (ja) | 1985-08-12 | 1985-08-12 | 酸化ガドリニウム入り核燃料焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60177194A JPS6236589A (ja) | 1985-08-12 | 1985-08-12 | 酸化ガドリニウム入り核燃料焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6236589A JPS6236589A (ja) | 1987-02-17 |
JPH0371674B2 true JPH0371674B2 (ja) | 1991-11-14 |
Family
ID=16026820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60177194A Granted JPS6236589A (ja) | 1985-08-12 | 1985-08-12 | 酸化ガドリニウム入り核燃料焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6236589A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63117292A (ja) * | 1986-11-04 | 1988-05-21 | 日本ニユクリア・フユエル株式会社 | 核燃料焼結体の製造方法 |
JP2655908B2 (ja) * | 1989-03-10 | 1997-09-24 | 三菱原子燃料株式会社 | 大結晶粒径を有する酸化ガトリニウム入り核燃料ペレットの製造方法 |
JP2521499Y2 (ja) * | 1991-05-24 | 1996-12-25 | 鬼怒川パシフィック株式会社 | スノーケルスポイラァ |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6097294A (ja) * | 1983-10-06 | 1985-05-31 | シーメンス、アクチエンゲゼルシヤフト | 酸化物系核燃料焼結体の製法 |
-
1985
- 1985-08-12 JP JP60177194A patent/JPS6236589A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6097294A (ja) * | 1983-10-06 | 1985-05-31 | シーメンス、アクチエンゲゼルシヤフト | 酸化物系核燃料焼結体の製法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6236589A (ja) | 1987-02-17 |
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---|---|---|---|
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