JPH037138Y2 - - Google Patents
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- JPH037138Y2 JPH037138Y2 JP12429584U JP12429584U JPH037138Y2 JP H037138 Y2 JPH037138 Y2 JP H037138Y2 JP 12429584 U JP12429584 U JP 12429584U JP 12429584 U JP12429584 U JP 12429584U JP H037138 Y2 JPH037138 Y2 JP H037138Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案はプラスチツク成形用消失性中子の改良
技術に関するものである。
技術に関するものである。
低融点合金、例えば錫(Sn)−ビスマス(Bi)
合金でつくられた中子をプラスチツク成形型の成
形面で形成される間隙部に溶融プラスチツクスを
注形、固化せしめた後中子を鋳ぐるんだ状態の成
形品を成形型の外に取出し、適宜の手段で中子を
溶出せしめることにより大形で複雑な成形品を得
る方法が知られており、自動車エンジンのインテ
ークマニホルドの製造にも利用されている。
合金でつくられた中子をプラスチツク成形型の成
形面で形成される間隙部に溶融プラスチツクスを
注形、固化せしめた後中子を鋳ぐるんだ状態の成
形品を成形型の外に取出し、適宜の手段で中子を
溶出せしめることにより大形で複雑な成形品を得
る方法が知られており、自動車エンジンのインテ
ークマニホルドの製造にも利用されている。
上記消失性中子の材質は例えば140℃などの明
確な特定の融点を有する共晶合金であり、例えば
ポリアミド樹脂のように280℃で成形しても中子
自体の大きな容積に外周部の熱が急速に吸収され
て中子の形状には変りがなく、また成形品の熱変
形温度よりも低い温度で溶出せしめることができ
るという利点を有している。
確な特定の融点を有する共晶合金であり、例えば
ポリアミド樹脂のように280℃で成形しても中子
自体の大きな容積に外周部の熱が急速に吸収され
て中子の形状には変りがなく、また成形品の熱変
形温度よりも低い温度で溶出せしめることができ
るという利点を有している。
しかるに上記の中子は比重7.28、熱伝導率
0.155cal/cm.degのSnと比重9.8、熱伝導率
0.019cal/cm.degのBiとから成つているために
中子の重量が重くて取扱いにくゝ、また熱伝導率
が小さいので中子の溶解に多くの時間をエネルギ
ーを要する。そのため前記の欠点を改善するため
に中子を中空形状にする試みもあるが中子の成形
に特別な装置を要する点で不満足である。
0.155cal/cm.degのSnと比重9.8、熱伝導率
0.019cal/cm.degのBiとから成つているために
中子の重量が重くて取扱いにくゝ、また熱伝導率
が小さいので中子の溶解に多くの時間をエネルギ
ーを要する。そのため前記の欠点を改善するため
に中子を中空形状にする試みもあるが中子の成形
に特別な装置を要する点で不満足である。
本考案は上記の問題を解決し、軽量化されたう
えに熱伝導率の大きな消失性中子の提供を目的と
するものである。
えに熱伝導率の大きな消失性中子の提供を目的と
するものである。
本考案者はSn−Bi系の低融点合金材料に比重
の小さく且つ熱伝導率の高い骨材を加えることに
より中子を軽量化し、且つ、プラスチツク成形後
の中子の溶出を早めうることを見出した。
の小さく且つ熱伝導率の高い骨材を加えることに
より中子を軽量化し、且つ、プラスチツク成形後
の中子の溶出を早めうることを見出した。
すなわち本考案の消失性中子は、低融点合金中
に全体的な比重が前記合金の成分金属よりも小さ
く且つ表層部の熱伝導率が前記合金の成分金属よ
りも高い骨材が分散含有されたことを特徴とする
ものである。
に全体的な比重が前記合金の成分金属よりも小さ
く且つ表層部の熱伝導率が前記合金の成分金属よ
りも高い骨材が分散含有されたことを特徴とする
ものである。
ここで“全体的な比重”とは、骨材を構成して
いる材料自体の比重を意味せず、見掛け比重を意
味する。例えば骨材が金属の中空球体である場
合、全体的な比重はその金属特有の比重でなく、
骨材の重さ(g)÷中空の容積を含めた骨材の体
積(cm3)で表わされる。
いる材料自体の比重を意味せず、見掛け比重を意
味する。例えば骨材が金属の中空球体である場
合、全体的な比重はその金属特有の比重でなく、
骨材の重さ(g)÷中空の容積を含めた骨材の体
積(cm3)で表わされる。
また“表層部の熱伝導率”なる語は、表層部と
内部とで材料を異にする複合骨材をも想定して表
現されたもので、そのような複合骨材の場合には
その表層部の材料の熱伝導率を指し、単一材料か
らなる骨材の場合にはその材料自体の熱伝導率に
等しい。したがつて、骨材の表層部の熱伝導率が
低融点合金の成分金属(中子のベース金属)より
も高いということは、該骨材を前記合金に分散さ
せると、分散させない場合に較べ、加熱した時の
中子の昇温速度が早くなるということである。
内部とで材料を異にする複合骨材をも想定して表
現されたもので、そのような複合骨材の場合には
その表層部の材料の熱伝導率を指し、単一材料か
らなる骨材の場合にはその材料自体の熱伝導率に
等しい。したがつて、骨材の表層部の熱伝導率が
低融点合金の成分金属(中子のベース金属)より
も高いということは、該骨材を前記合金に分散さ
せると、分散させない場合に較べ、加熱した時の
中子の昇温速度が早くなるということである。
以下、単に“比重”“熱伝導率”という時はそ
れぞれ“全体的な比重”“表層部の熱伝導率”に
等しいものと理解されたい。
れぞれ“全体的な比重”“表層部の熱伝導率”に
等しいものと理解されたい。
本考案に用いられる低融点合金はSn,Bi,Pb,
Cd,Cu,Ag,Ti,Zn,In,Sb,Ga等からなる
群の2種以上を組合せた2元ないし4元組成の合
金であるが、一般的にはSn−Biまたはこれに上
記金属の一種または二種を添加したものが用いら
れる。
Cd,Cu,Ag,Ti,Zn,In,Sb,Ga等からなる
群の2種以上を組合せた2元ないし4元組成の合
金であるが、一般的にはSn−Biまたはこれに上
記金属の一種または二種を添加したものが用いら
れる。
骨材としては通常コンクリートに配合される小
石、砂利、砂あるいは粒状金属等が挙げられ、出
所により天然骨材と人工骨材とに分類される。天
然骨材としては砕石、シリカやアルミナ等からな
る砂が挙げられ、人工骨材としては高炉滓やスラ
グのような工業副生物、ガラスビーズ、アルミニ
ウム等の金属からなる中空球体または粒状物等が
挙げられる。
石、砂利、砂あるいは粒状金属等が挙げられ、出
所により天然骨材と人工骨材とに分類される。天
然骨材としては砕石、シリカやアルミナ等からな
る砂が挙げられ、人工骨材としては高炉滓やスラ
グのような工業副生物、ガラスビーズ、アルミニ
ウム等の金属からなる中空球体または粒状物等が
挙げられる。
そして例えばBiより比重の小さいSnよりもさ
らに比重の小さい骨材としては砂、アルミナ、ガ
ラスビーズ、アルミニウム、マグネシウム等が挙
げられ、Biより熱伝導率の高いSnよりもさらに
熱伝導率の高い骨材としては銅、アルミニウム、
マグネシウム等が挙げられる。従つて本考案にお
ける骨材として最も好ましいものはSnより比重
が高く、Snより熱伝導率の高いマグネシウムで
ある。
らに比重の小さい骨材としては砂、アルミナ、ガ
ラスビーズ、アルミニウム、マグネシウム等が挙
げられ、Biより熱伝導率の高いSnよりもさらに
熱伝導率の高い骨材としては銅、アルミニウム、
マグネシウム等が挙げられる。従つて本考案にお
ける骨材として最も好ましいものはSnより比重
が高く、Snより熱伝導率の高いマグネシウムで
ある。
第4図は中子12の断面図を表わしこれらの骨
材1が合金2の中に分散した状態を示している。
また骨材の軽量性と熱伝導性を高めるためには、
第5図に示す如く、比重の特に小さな骨材母体3
を高熱伝導性物質4で覆つた複合骨材5であつて
もよい。
材1が合金2の中に分散した状態を示している。
また骨材の軽量性と熱伝導性を高めるためには、
第5図に示す如く、比重の特に小さな骨材母体3
を高熱伝導性物質4で覆つた複合骨材5であつて
もよい。
さらに本考案においては、中子の切削加工性あ
るいは骨材の回収性向上のためにアルミニウム
(比重2.7、熱伝導率0.57cal/cm.deg)等の金属
も骨材として使用できる。
るいは骨材の回収性向上のためにアルミニウム
(比重2.7、熱伝導率0.57cal/cm.deg)等の金属
も骨材として使用できる。
これら骨材の使用に当つては比重、熱伝導率が
中子の重量、中子の除去時間に多大の影響を及ぼ
す点を考慮し、特に軽量性が要求されるときは特
に比重の小さい骨材を用い、一方迅速な中子除去
が要求されるときは特に熱伝導率の大きな骨材を
用いるとよい。特別な軽量性と中子除去の迅速性
の両性能が要求されるときにはアルミニウム(熱
伝導率0.57cal/cm.deg)または銅(熱伝導率
0.94cal/cm.deg)などの熱伝導率の大きい金属
の中空球体の使用が有利である。
中子の重量、中子の除去時間に多大の影響を及ぼ
す点を考慮し、特に軽量性が要求されるときは特
に比重の小さい骨材を用い、一方迅速な中子除去
が要求されるときは特に熱伝導率の大きな骨材を
用いるとよい。特別な軽量性と中子除去の迅速性
の両性能が要求されるときにはアルミニウム(熱
伝導率0.57cal/cm.deg)または銅(熱伝導率
0.94cal/cm.deg)などの熱伝導率の大きい金属
の中空球体の使用が有利である。
以上、骨材及びその選択の基準について述べた
が骨材の粒度、形状等も中子の表面精度に多大の
影響を及ぼすから目的とする中子、ひいては最終
成形品の精度に応じて合目的に選択されるべきで
ある。
が骨材の粒度、形状等も中子の表面精度に多大の
影響を及ぼすから目的とする中子、ひいては最終
成形品の精度に応じて合目的に選択されるべきで
ある。
以下、さらに本考案の具体的実施例について説
明する。
明する。
第1図に示す如く分割可能な中子成形型7の成
形空隙部8、湯口9にマグネシウム粒体(粒径約
1.0mm、比重1.7、熱伝導率0.4cal/cm.deg)10
を粒体間に空隙が形成されるよう詰めた後、湯口
9の上方から前記粒体10の粒度より細いメツシ
ユの金網6で前記粒体10を押えつけ、この金網
6を介して、加熱溶融した融点170℃のSn−Bi合
金(Sn47.5%、Bi52.5%)11を注入する。この
際中子成形型7及びマグネシウム粒体10はあら
かじめ適当な温度に加熱昇温しておくと成形しや
すい。冷却後、型を分解し重量約1.5Kgの中子1
2を取出した。これは従来のベース金属のみによ
る中子では約3.0Kgあつたのに比べ著しく軽減さ
れている。
形空隙部8、湯口9にマグネシウム粒体(粒径約
1.0mm、比重1.7、熱伝導率0.4cal/cm.deg)10
を粒体間に空隙が形成されるよう詰めた後、湯口
9の上方から前記粒体10の粒度より細いメツシ
ユの金網6で前記粒体10を押えつけ、この金網
6を介して、加熱溶融した融点170℃のSn−Bi合
金(Sn47.5%、Bi52.5%)11を注入する。この
際中子成形型7及びマグネシウム粒体10はあら
かじめ適当な温度に加熱昇温しておくと成形しや
すい。冷却後、型を分解し重量約1.5Kgの中子1
2を取出した。これは従来のベース金属のみによ
る中子では約3.0Kgあつたのに比べ著しく軽減さ
れている。
このようにして得た本考案の中子12を不飽和
ポリエステル樹脂とガラス短繊維とよりなるバル
クコンパウンドによるインテークマニホルドの成
形に使用した。第2図は中子12を成形金型13
内にセツトした状態を示す。成形温度は金型温度
が140℃、樹脂温度は70℃で成形時間は120秒であ
つた。
ポリエステル樹脂とガラス短繊維とよりなるバル
クコンパウンドによるインテークマニホルドの成
形に使用した。第2図は中子12を成形金型13
内にセツトした状態を示す。成形温度は金型温度
が140℃、樹脂温度は70℃で成形時間は120秒であ
つた。
上記の成形品を190℃の空気オーブンに移し第
3図に示す状態で23分で中子を溶出させた。14
は成形品を示す。従来のベース金属のみによる中
子では50分要したのに比べ中子の溶出が著しく短
縮されたのは、同一体積において骨材を含有分散
させた分だけ中子のベース金属の体積が減少した
ことに加えて該骨材の高い熱伝導性により短時間
で中子内部に熱が伝わつたことにより、ベース金
属が早く融点に達し溶融すると共にベース金属よ
り融点の高い前記骨材と分離し、中子の崩壊が早
められたためである。
3図に示す状態で23分で中子を溶出させた。14
は成形品を示す。従来のベース金属のみによる中
子では50分要したのに比べ中子の溶出が著しく短
縮されたのは、同一体積において骨材を含有分散
させた分だけ中子のベース金属の体積が減少した
ことに加えて該骨材の高い熱伝導性により短時間
で中子内部に熱が伝わつたことにより、ベース金
属が早く融点に達し溶融すると共にベース金属よ
り融点の高い前記骨材と分離し、中子の崩壊が早
められたためである。
上記の如く本考案の消失性中子は比重が軽く熱
伝導率が高い骨材を添加したことにより溶出時間
が短縮され、生産性が向上した。また中子の重量
が軽くなつて作業性が著しく改善された。
伝導率が高い骨材を添加したことにより溶出時間
が短縮され、生産性が向上した。また中子の重量
が軽くなつて作業性が著しく改善された。
第1図は消失性中子の製造例を示す略断面図を
表わし、第2図は消失性中子のプラスチツク成形
型内に埋設した例を示す要部断面図を表わし、第
3図はプラスチツク成形品から消失性中子の溶
解、除去を示す略断面図を示わし、第4図は本考
案消失性中子の断面図を表わし、第5図は同じく
本考案の第2の実施態様の断面図を表わす。 図中、1……骨材、2……合金、3……骨材母
体、4……高熱伝導性物質、5……複合骨材、6
……金網、7……中子成形型、8……成形空隙
部、9……湯口、10……マグネシウム粒体、1
1……Sn−Bi合金、12……中子、13……成
形金型、14……成形品。
表わし、第2図は消失性中子のプラスチツク成形
型内に埋設した例を示す要部断面図を表わし、第
3図はプラスチツク成形品から消失性中子の溶
解、除去を示す略断面図を示わし、第4図は本考
案消失性中子の断面図を表わし、第5図は同じく
本考案の第2の実施態様の断面図を表わす。 図中、1……骨材、2……合金、3……骨材母
体、4……高熱伝導性物質、5……複合骨材、6
……金網、7……中子成形型、8……成形空隙
部、9……湯口、10……マグネシウム粒体、1
1……Sn−Bi合金、12……中子、13……成
形金型、14……成形品。
Claims (1)
- 低融点合金中に全体的な比重が前記合金の成分
金属よりも小さく且つ表層部の熱伝導率が前記合
金の成分金属よりも高い骨材が分散含有されたこ
とを特徴とするプラスチツク成形用消失性中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12429584U JPS6140216U (ja) | 1984-08-14 | 1984-08-14 | プラスチツク成形用消失性中子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12429584U JPS6140216U (ja) | 1984-08-14 | 1984-08-14 | プラスチツク成形用消失性中子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6140216U JPS6140216U (ja) | 1986-03-14 |
JPH037138Y2 true JPH037138Y2 (ja) | 1991-02-22 |
Family
ID=30683022
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12429584U Granted JPS6140216U (ja) | 1984-08-14 | 1984-08-14 | プラスチツク成形用消失性中子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6140216U (ja) |
-
1984
- 1984-08-14 JP JP12429584U patent/JPS6140216U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6140216U (ja) | 1986-03-14 |
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