JP2864391B2 - 過共晶A▲l▼―Si系合金複合材料とその製造方法 - Google Patents
過共晶A▲l▼―Si系合金複合材料とその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は過共晶Al−Si系合金をマトリックスに、SiC
粒子を複合材として添加してなる金属基複合材料と、そ
の製造方法に関する。
粒子を複合材として添加してなる金属基複合材料と、そ
の製造方法に関する。
b.従来の技術 マトリックスとする合金材料を粉末化し、これと非金
属粒子や繊維を混合し、加圧と押し出しにより合金粉末
を接合し、複合材料を製造する方法がある(粉末治金
法)。
属粒子や繊維を混合し、加圧と押し出しにより合金粉末
を接合し、複合材料を製造する方法がある(粉末治金
法)。
またマトリックスとする合金材料を粉末化し、これと
非金属粒子とを混合し、これらを機械式に練り合わせ
て、粉末中に前記粒子を練り入れ複合材料を製造をする
方法がある(メカニカルアロイング法)。
非金属粒子とを混合し、これらを機械式に練り合わせ
て、粉末中に前記粒子を練り入れ複合材料を製造をする
方法がある(メカニカルアロイング法)。
さらにマトリックスとする合金材料を加熱して半溶融
状態とし、これに非金属粒子や繊維を添加して、機械式
の撹拌を与えることで複合材料を製造する方法がある
(コンポキャスト法)。
状態とし、これに非金属粒子や繊維を添加して、機械式
の撹拌を与えることで複合材料を製造する方法がある
(コンポキャスト法)。
c.発明が解決しようとする課題 前記従来技術のうち、合金粉末を使用する場合におい
て、この合金粉末の製造には大がかりな製造装置が必要
であり、従ってコストも高くなる。また合金粉末を製造
素材として使用する場合、工程が多くなり好ましくな
い。
て、この合金粉末の製造には大がかりな製造装置が必要
であり、従ってコストも高くなる。また合金粉末を製造
素材として使用する場合、工程が多くなり好ましくな
い。
さらにマトリックスとする合金粉末は固相であるた
め、添加される材料、たとえばSiC粒子などの間の反応
は殆どなく、したがって両者の密着強度は弱い。
め、添加される材料、たとえばSiC粒子などの間の反応
は殆どなく、したがって両者の密着強度は弱い。
本発明は、マトリックスとなるAl−15〜25wt%Si系合
金を加熱して全溶融状態の溶湯にし、この溶湯に、遊離
Cを有する平均粒子径0.1〜20μmのSiC粒子を添加し、
温度570〜690℃の部分凝固状態に冷却することによっ
て、上記溶湯から晶出した初晶Siが上記遊離Cと反応し
て上記SiC粒子表面層近傍でSiCを形成し、初晶Si内部に
SiC粒子を取り込むとともに、溶融状態のAlが上記遊離
Cと反応して上記SiC粒子の表面層近傍でAl4C3を形成
し、Al中にもSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を
向上させたのち、鋳込んでなる過共晶Al−Si系合金複合
材料と、その製造方法とすることによって前記課題を解
決した。
金を加熱して全溶融状態の溶湯にし、この溶湯に、遊離
Cを有する平均粒子径0.1〜20μmのSiC粒子を添加し、
温度570〜690℃の部分凝固状態に冷却することによっ
て、上記溶湯から晶出した初晶Siが上記遊離Cと反応し
て上記SiC粒子表面層近傍でSiCを形成し、初晶Si内部に
SiC粒子を取り込むとともに、溶融状態のAlが上記遊離
Cと反応して上記SiC粒子の表面層近傍でAl4C3を形成
し、Al中にもSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を
向上させたのち、鋳込んでなる過共晶Al−Si系合金複合
材料と、その製造方法とすることによって前記課題を解
決した。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。
細に説明する。
第2図はAl−Si系合金の状態図で、Siの含有量が11.7
wt%、温度560℃に共晶点が存在する。すなわち、Siの
含有量が11.7wt%を超えると過共晶合金となり、溶融状
態から冷却してゆくと、初晶としてSi結晶が晶出する。
wt%、温度560℃に共晶点が存在する。すなわち、Siの
含有量が11.7wt%を超えると過共晶合金となり、溶融状
態から冷却してゆくと、初晶としてSi結晶が晶出する。
本発明では、溶融状態にある、この過共晶Al−Si系合
金を用いて、そのAl−15〜25wt%Si系合金をマトリック
スとし、これに平均粒径が0.1〜20μmのSiC粒子を添加
し、撹拌によって複合化したあと、冷却してSiC粒子をA
l−Si系合金中に分散せしめてなる複合材料である。
金を用いて、そのAl−15〜25wt%Si系合金をマトリック
スとし、これに平均粒径が0.1〜20μmのSiC粒子を添加
し、撹拌によって複合化したあと、冷却してSiC粒子をA
l−Si系合金中に分散せしめてなる複合材料である。
まず具体的にはAl−20wt%Si合金を、第1図に示すよ
うに溶融炉内に設置したルツボ1内で加熱溶融する。こ
の合金を800℃の全溶融状態(温度690℃以上)としたあ
と、この溶湯に平均粒子径3μmのSiC粒子を、15wt%
の割合で添加し、撹拌棒2によって低速回転(10〜100
r.p.m)による撹拌を加える。
うに溶融炉内に設置したルツボ1内で加熱溶融する。こ
の合金を800℃の全溶融状態(温度690℃以上)としたあ
と、この溶湯に平均粒子径3μmのSiC粒子を、15wt%
の割合で添加し、撹拌棒2によって低速回転(10〜100
r.p.m)による撹拌を加える。
SiC粒子が溶湯によって充分に加熱されたあと、撹拌
速度を300〜10,000r.p.mまで高める。この撹拌操作は固
相(Si結晶)を晶出させて複合化の効率をよくするため
に、一旦、溶湯を冷却して部分凝固状態(温度570〜690
℃)とするためのもので、鋳込み時まで継続して撹拌す
る。
速度を300〜10,000r.p.mまで高める。この撹拌操作は固
相(Si結晶)を晶出させて複合化の効率をよくするため
に、一旦、溶湯を冷却して部分凝固状態(温度570〜690
℃)とするためのもので、鋳込み時まで継続して撹拌す
る。
過共晶Al−Si系合金は、通常、初晶SiとAl−Siの共晶
からなる組織を呈する。そして溶湯から晶出してくる初
晶Siは、添加したSiC粒子が有する遊離Cとその表面層
で反応してSiCを形成し、初晶内部にSiC粒子を容易に取
り込む。またSiC粒子が前記のように微粒子である場合
は、溶融状態のAlとも表面層で反応してAl4C3(一部Al2
C6も含む)を形成し、Al中へも容易に取り込まれる。
からなる組織を呈する。そして溶湯から晶出してくる初
晶Siは、添加したSiC粒子が有する遊離Cとその表面層
で反応してSiCを形成し、初晶内部にSiC粒子を容易に取
り込む。またSiC粒子が前記のように微粒子である場合
は、溶融状態のAlとも表面層で反応してAl4C3(一部Al2
C6も含む)を形成し、Al中へも容易に取り込まれる。
このように過共晶Al−Si系合金をマトリックスとし
て、これに微細なSiC粒子を添加して複合化する場合、
互に相性がよく、CuやNi等の金属でSiC粒子をコーティ
ングしなくとも簡単に濡れて良好な分散を示し、マトリ
ックス合金と粒子との密着強度の強い複合材料が得られ
る。
て、これに微細なSiC粒子を添加して複合化する場合、
互に相性がよく、CuやNi等の金属でSiC粒子をコーティ
ングしなくとも簡単に濡れて良好な分散を示し、マトリ
ックス合金と粒子との密着強度の強い複合材料が得られ
る。
前記反応が充分おこなわれたあと、鋳込みを容易する
ため、再び全溶融状態(温度690℃以上)に加熱し、前
記ルツボ1内のストッパー3を引きあげて、下方の湯口
4から、鋳型5内に溶融を鋳込み、急冷凝固させる。
ため、再び全溶融状態(温度690℃以上)に加熱し、前
記ルツボ1内のストッパー3を引きあげて、下方の湯口
4から、鋳型5内に溶融を鋳込み、急冷凝固させる。
なお、前記Al−Si系合金でSi含有量が25wt%を越える
と、合金自体が脆くなる。また15wt%未満では所期の効
果がえられない。
と、合金自体が脆くなる。また15wt%未満では所期の効
果がえられない。
さらに前記SiC粒子の粒子径が20μmを越えるものを
添加して複合化すると、製造した複合材料の強度や靭性
が低下するので好ましくない。また粒子径が0.1未満の
粒子を用いた場合には、撹拌法による複合化が難しく、
コストも高くなる。
添加して複合化すると、製造した複合材料の強度や靭性
が低下するので好ましくない。また粒子径が0.1未満の
粒子を用いた場合には、撹拌法による複合化が難しく、
コストも高くなる。
また、SiC粒子の添加量は、複合材料として要求され
る物性とその程度によって適宜、選定する。
る物性とその程度によって適宜、選定する。
e.発明の効果 本発明によれば、上記溶湯を部分凝固状態に冷却し
て、初晶Si内部にSiC粒子を取り込むとともに、Al中に
もSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を向上させて
いるので、マトリックスとなる合金溶湯と分散粒子とな
るSiC粒子との密着強度が高い良質な複合材料を得るこ
とができる。また、従来のように、SiC粒子を濡らすた
めにCuやNi等の金属でSiC粒子をコーティングしなくて
も、SiC粒子を良好に分散させることができるので、コ
スト削減を図ることもできる。
て、初晶Si内部にSiC粒子を取り込むとともに、Al中に
もSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を向上させて
いるので、マトリックスとなる合金溶湯と分散粒子とな
るSiC粒子との密着強度が高い良質な複合材料を得るこ
とができる。また、従来のように、SiC粒子を濡らすた
めにCuやNi等の金属でSiC粒子をコーティングしなくて
も、SiC粒子を良好に分散させることができるので、コ
スト削減を図ることもできる。
また、SiC粒子自体の硬度もHV2000〜3000と非常に高
いのでマトリックス合金の硬度を高め、耐摩耗性を改善
した複合材料となる。
いのでマトリックス合金の硬度を高め、耐摩耗性を改善
した複合材料となる。
さらに5〜6μm以下の粒径のSiC粒子を添加した場
合、強度より高めた合金とすることができる。
合、強度より高めた合金とすることができる。
また、本発明の方法は過共晶Al−Si系合金の特性を利
用し、比較的簡単な操作によって、高性能の複合材料が
えられる。
用し、比較的簡単な操作によって、高性能の複合材料が
えられる。
第1図は本発明に係る複合材料を製造する装置の説明
図、第2図はAl−Si系合金の状態図である。 1……ルツボ、2……撹拌棒。
図、第2図はAl−Si系合金の状態図である。 1……ルツボ、2……撹拌棒。
Claims (2)
- 【請求項1】マトリックスとなるAl−15〜25wt%Si系合
金を加熱して全溶融状態の溶湯にし、この溶湯に、遊離
Cを有する平均粒子径0.1〜20μmのSiC粒子を添加し、
温度570〜690℃の部分凝固状態に冷却することによっ
て、上記溶湯から晶出した初晶Siが上記遊離Cと反応し
て上記SiC粒子の表面層近傍でSiCを形成し、初晶Si内部
にSiC粒子を取り込むとともに、溶融状態のAlが上記遊
離Cと反応して上記SiC粒子の表面層近傍でAl4C3を形成
し、Al中にもSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を
向上させたのち、鋳込んでなることを特徴とする過共晶
Al−Si系合金複合材料。 - 【請求項2】マトリックスとなるAl−15〜25wt%Si系合
金を加熱して全溶融状態の溶湯にし、この溶湯に、遊離
Cを有する平均粒子径0.1〜20μmのSiC粒子を添加し、
温度570〜690℃の部分凝固状態に冷却することによっ
て、上記溶湯から晶出した初晶Siが上記遊離Cと反応し
て上記SiC粒子の表面層近傍でSiCを形成し、初晶Si内部
にSiC粒子を取り込むとともに、溶融状態のAlが上記遊
離Cと反応して上記SiC粒子の表面層近傍でAl4C3を形成
し、Al中にもSiC粒子を取り込んで、SiC粒子の濡れ性を
向上させたのち、鋳込むことを特徴とする過共晶Al−Si
系合金複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24986689A JP2864391B2 (ja) | 1989-09-26 | 1989-09-26 | 過共晶A▲l▼―Si系合金複合材料とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24986689A JP2864391B2 (ja) | 1989-09-26 | 1989-09-26 | 過共晶A▲l▼―Si系合金複合材料とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03111538A JPH03111538A (ja) | 1991-05-13 |
JP2864391B2 true JP2864391B2 (ja) | 1999-03-03 |
Family
ID=17199357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24986689A Expired - Lifetime JP2864391B2 (ja) | 1989-09-26 | 1989-09-26 | 過共晶A▲l▼―Si系合金複合材料とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2864391B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103160702B (zh) * | 2013-03-19 | 2014-12-24 | 山东大学 | 一种碳化硅颗粒增强铝基复合材料的制备方法 |
CN109943755B (zh) * | 2019-04-19 | 2021-03-23 | 中国兵器科学研究院宁波分院 | 一种电子封装用铝基复合材料的制备方法 |
-
1989
- 1989-09-26 JP JP24986689A patent/JP2864391B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH03111538A (ja) | 1991-05-13 |
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