JP2003136190A - 微細な結晶粒を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型 - Google Patents

微細な結晶粒を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型

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JP2003136190A
JP2003136190A JP2001341646A JP2001341646A JP2003136190A JP 2003136190 A JP2003136190 A JP 2003136190A JP 2001341646 A JP2001341646 A JP 2001341646A JP 2001341646 A JP2001341646 A JP 2001341646A JP 2003136190 A JP2003136190 A JP 2003136190A
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Kenichi Taniguchi
兼一 谷口
Toshio Sakamoto
敏夫 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細な結晶粒を有するインゴットを製造するた
めの振動鋳造用鋳型を提供する。 【解決手段】カーボン製鋳型1の内部の底面および側壁
に複数のアルミナ塊2が露出面積:0.01〜4c
2、埋め込み深さ:0.5〜30mmとなるように埋
め込まれている。また、アルミナ製鋳型22の内部の底
面および側壁に複数のカーボン塊11が露出面積:0.
01〜4cm2、埋め込み深さ:0.5〜30mmとな
るように埋め込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微細な結晶粒を
有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、IC,LSI,ULSIなどの
半導体装置を製造する際に形成する高純度銅薄膜は、高
純度銅ターゲットを用いてスパッタリングすることによ
り形成されることが知られており、高純度銅薄膜の厚さ
が均一でしかもスパッタリング時にパーティクルの発生
を少なくするには、微細な結晶粒を有する高純度銅ター
ゲットを使用しなければならない。しかし、結晶粒微細
化元素を添加して微細な結晶粒を有するインゴットを製
造するのは比較的簡単であるが、純度:99.99%以
上の高純度銅インゴットのように結晶粒微細化元素を添
加することなく高純度金属インゴットを製造することは
簡単ではなく、通常の鋳造法では結晶粒が粗大化するこ
とは避けられない。
【0003】ところが、微細な結晶粒を有する高純度銅
ターゲットを製造するには、微細な結晶粒を有する高純
度銅インゴットを製造しなければならず、また微細な結
晶粒を有する高純度銅インゴットを製造するには結晶粒
微細化元素を添加すること許されないところから、従来
は微細な結晶粒を有する高純度銅インゴットを製造する
には溶湯を超音波振動させながら鋳造する超音波振動鋳
造法、溶湯を電磁撹拌させながら鋳造する電磁撹拌鋳造
法、溶湯を電磁振動させながら鋳造する電磁振動鋳造
法、鋳型に回転振動を加えて溶湯を振動させながら一方
向凝固鋳造する鋳型振動鋳造法など各種の振動鋳造法に
より製造していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記各種の振
動鋳造法により微細な結晶粒を有する高純度銅インゴッ
トを製造しようとしても、十分に微細化した高純度銅イ
ンゴットを製造することができない。また、黒鉛鋳型の
内面に銅に対して濡れ性の悪い黒鉛粉と濡れ性の良いア
ルミナ粉を混合した塗型材を塗布した黒鉛鋳型を用いて
高純度銅溶湯を鋳造すると結晶粒の微細な高純度銅イン
ゴットが得られるという報告に基づき、黒鉛粉とアルミ
ナ粉を混合した塗型材を塗布した黒鉛鋳型を用いて前記
各種の振動鋳造法により高純度銅インゴットを製造した
が、振動鋳造中に塗型材が剥離し、これが不純物となっ
て混入するので好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる課題を解決して前記振動鋳造法により一層微細な
結晶粒を有する高純度銅インゴットを製造すべく研究を
行った。その結果、(イ)カーボン製鋳型内部の少なく
とも底面または側壁に複数の穴をあけてそこにアルミナ
セメントを充填し、温度:800〜1000℃で焼成す
ると、カーボン製鋳型内部の少なくとも底面または側壁
にアルミナ塊が露出面積:0.01〜4cm2の範囲内
で露出しかつ埋め込み深さ:0.5〜30mmとなるよ
うに埋め込まれた構造の鋳型が形成され、この鋳型を使
用して振動鋳造すると、不純物が混入することなく微細
な結晶粒を有する高純度銅インゴットを製造することが
できる、(ロ)前記複数のアルミナ塊は、4cm2当り
1〜350個未満の割合で埋め込まれていることが好ま
しい、(ハ)このアルミナ塊を埋め込んだ構造の鋳型
は、高純度銅に限らず、銅の合金を振動鋳造しても微細
な結晶粒を有する銅合金インゴットを製造することがで
きる、(ニ)アルミナ製鋳型内部の少なくとも底面また
は側壁に設けられた複数の穴に、カーボン塊が露出面
積:0.01〜4cm2の範囲内で露出しかつ埋め込み
深さ:0.5〜30mmとなるように埋め込まれた構造
の鋳型を使用して振動鋳造しても同様の効果が得られ、
不純物が混入することなく微細な結晶粒を有する高純度
銅インゴットを製造することができる、(ホ)前記
(ニ)記載の複数のカーボン塊は、4cm2当り1〜3
50個未満の割合で埋め込まれていることが好ましい、
などの研究結果が得られたのである。
【0006】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、 (1)カーボン製鋳型内部の底面に複数のアルミナ塊が
露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:0.5
〜30mmとなるように埋め込まれている微細な結晶粒
を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型、
(2)カーボン製鋳型内部の側壁に複数のアルミナ塊が
露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:0.5
〜30mmとなるように埋め込まれている微細な結晶粒
を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型、
(3)カーボン製鋳型内部の底面および側壁に複数のア
ルミナ塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深
さ:0.5〜30mmとなるように埋め込まれている微
細な結晶粒を有するインゴットを製造するための振動鋳
造用鋳型、(4)前記複数のアルミナ塊は、4cm2
り1〜350個未満の割合で埋め込まれている(1)〜
(3)記載の微細な結晶粒を有するインゴットを製造す
るための振動鋳造用鋳型、(5)アルミナ製鋳型内部の
底面に複数のカーボン塊が露出面積:0.01〜4cm
2、埋め込み深さ:0.5〜30mmとなるように埋め
込まれている微細な結晶粒を有するインゴットを製造す
るための振動鋳造用鋳型、(6)アルミナ製鋳型内部の
側壁に複数のカーボン塊が露出面積:0.01〜4cm
2、埋め込み深さ:0.5〜30mmとなるように埋め
込まれている微細な結晶粒を有するインゴットを製造す
るための振動鋳造用鋳型、(7)アルミナ製鋳型内部の
底面および側壁に複数のカーボン塊が露出面積:0.0
1〜4cm2、埋め込み深さ:0.5〜30mmとなる
ように埋め込まれている微細な結晶粒を有するインゴッ
トを製造するための振動鋳造用鋳型、(8)前記複数の
カーボン塊は、4cm2当り1〜350個未満の割合で
埋め込まれている(5)〜(7)記載の微細な結晶粒を
有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型、に
特徴を有するものである。
【0007】この発明の微細な結晶粒を有するインゴッ
トを製造するための振動鋳造用鋳型を図面に基づいて説
明する。図1は前記(1)記載のこの発明の微細な結晶粒
を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型の
断面正面図である。1はカーボン製鋳型、2はアルミナ
塊であり、アルミナ塊2はカーボン製鋳型1の底面にの
み一部が露出するように埋め込まれている。図2は前記
(2)記載のこの発明の微細な結晶粒を有するインゴット
を製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
1はカーボン製鋳型、2はアルミナ塊であり、アルミナ
塊2はカーボン製鋳型1の側壁にのみ一部が露出するよ
うに埋め込まれている。図3は前記(3)記載のこの発明
の微細な結晶粒を有するインゴットを製造するための振
動鋳造用鋳型の断面正面図である。1はカーボン製鋳
型、2はアルミナ塊であり、アルミナ塊2はカーボン製
鋳型1の底面および側壁に一部が露出するように埋め込
まれている。図4は前記(5)記載のこの発明の微細な結
晶粒を有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳
型の断面正面図である。11はカーボン塊、22はアル
ミナ製鋳型であり、カーボン塊11はアルミナ製鋳型2
2の底面にのみ一部が露出するように埋め込まれてい
る。図5は前記(6)記載のこの発明の微細な結晶粒を有
するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型の断面
正面図である。11はカーボン塊、22はアルミナ製鋳
型であり、カーボン塊11はアルミナ製鋳型22の側壁
にのみ一部が露出するように埋め込まれている。図6は
前記(7)記載のこの発明の微細な結晶粒を有するインゴ
ットを製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図であ
る。11はカーボン塊、22はアルミナ製鋳型であり、
カーボン塊11はアルミナ製鋳型22の底面および側壁
に一部が露出するように埋め込まれている。
【0008】前記図1〜図3に示されるこの発明の微細
な結晶粒を有するインゴットを製造するための振動鋳造
用鋳型を製造するには、通常のカーボン製鋳型を用意
し、この鋳型の少なくとも底面または側面にドリルで穴
をあけ、そこにアルミナセメントを充填したのち800
〜1300℃で焼成することにより少なくとも底面また
は側面にアルミナ塊を生成して製造する。また、前記図
4〜図6に示されるこの発明の微細な結晶粒を有するイ
ンゴットを製造するための振動鋳造用鋳型を製造するに
は、カーボン製中子本体の少なくとも底面または側面に
カーボン塊となる突起を設けたカーボン製中子を用意
し、このカーボン製中子を型枠に装入し、中子と型枠の
隙間にアルミナセメントを充填したのち800〜130
0℃で焼成し、次いで突起を除くカーボン製中子本体を
削り出すことによりアルミナ製鋳型の少なくとも底面ま
たは側面にカーボン塊を生成して製造する。
【0009】次に、この発明のカーボン製振動鋳造用鋳
型内部の少なくとも底面または側壁に埋め込まれている
複数のアルミナ塊およびアルミナ製振動鋳造用鋳型内部
の少なくとも底面または側壁に埋め込まれている複数の
カーボン塊を露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み
深さ:0.5〜30mmおよび埋め込み数:4cm2
り1〜350個未満となるように埋め込んだ理由を説明
する。 (i)露出面積 アルミナ塊またはカーボン塊の露出面積が0.01cm
2未満では露出面積が小さすぎて結晶粒の微細化が十分
になされず、一方、露出面積が4cm2を越えると、か
えって結晶粒の微細化が進行しなくなるので好ましくな
い。したがって、アルミナ塊またはカーボン塊の露出面
積は0.01〜4cm2に定めた。露出面積の一層好ま
しい範囲は0.1〜1cm2である。
【0010】(ii)埋め込み深さ 少なくとも底面または側壁に埋め込まれるアルミナ塊ま
たはカーボン塊の埋め込み深さが0.5mm未満である
と、振動鋳造中に脱落して溶湯中に混入するので好まし
くなく、一方、3cmを越えた大きさのアルミナ塊また
はカーボン塊が埋め込まれると、溶湯の熱の逃げが悪く
なると共に鋳型に割れが発生するようになるので好まし
くない。したがって、アルミナ塊またはカーボン塊の埋
め込み深さは0.5mm〜3cmに定めた。この一層好
ましい範囲は0.1〜1cmである。
【0011】(iii)アルミナ塊またはカーボン塊の埋
め込み個数 アルミナ塊またはカーボン塊の埋め込み個数が4cm2
当り1個未満では結晶粒の微細化が満足に行なわれない
ので好ましくなく、一方、4cm2当り350個以上の
割合で埋め込まれると鋳型の強度が大幅に低下するので
好ましくない。したがって、この発明の微細な結晶粒を
有するインゴットを製造するための振動鋳造用鋳型に埋
め込まれるアルミナ塊またはカーボン塊の埋め込み個数
は4cm 2当り1個〜350個未満に定めた。
【0012】
【発明の実施の形態】実施例1 内径:110mm、深さ:150mmを有するカーボン
製鋳型を用意し、このカーボン製鋳型内部の底面にドリ
ルで内径:4mm、深さ:5mmの寸法を有する有底の
穴2を8mm間隔で明け、この穴にアルミナセメントを
充填したのち1200℃で2時間焼成することにより図
1に示される鋳型内部の底面にアルミナ塊を埋め込んだ
本発明鋳型を作製した。この鋳型を300℃に予熱した
のち、純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込み、純銅溶
湯に200Hzの左右平行移動の機械的振動を加えなが
ら凝固させることにより純銅インゴットを作製した。こ
の純銅インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径
を測定したところ、0.51cmであった。
【0013】実施例2 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製鋳型内部の側壁にドリルにより内
径:4mm、深さ:5mmの寸法を有する有底の穴2を
8mm間隔で明け、この穴にアルミナセメントを充填し
たのち1200℃で2時間焼成することにより図2に示
される鋳型内部の側壁にアルミナ塊を埋め込んだ本発明
鋳型を作製した。この鋳型を300℃に予熱したのち、
純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込み、純銅溶湯に2
00Hzの左右平行移動の機械的振動を加えながら凝固
させることにより純銅インゴットを作製した。この純銅
インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径を測定
したところ、0.39cmであった。
【0014】実施例3 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製鋳型内部の底面および側壁にドリ
ルにより内径:4mm、深さ:5mmの寸法を有する有
底の穴2を8mm間隔で明け、この穴にアルミナセメン
トを充填したのち1200℃で2時間焼成することによ
り図3に示される鋳型内部の底面および側壁にアルミナ
塊を埋め込んだ本発明鋳型を作製した。この鋳型を30
0℃に予熱したのち、純度99.99%の純銅溶湯を注
ぎ込み、純銅溶湯に200Hzの左右平行移動の機械的
振動を加えながら凝固させることにより純銅インゴット
を作製した。この純銅インゴットを切断し、その切断面
の平均結晶粒径を測定したところ、0.33cmであっ
た。
【0015】従来例1 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製鋳型を従来鋳型として用い、この
従来鋳型を300℃に予熱したのち、純度99.99%
の純銅溶湯を注ぎ込み、純銅溶湯に200Hzの左右平
行移動の機械的振動を加えながら凝固させることにより
純銅インゴットを作製した。この純銅インゴットを切断
し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、1.
1cmであった。
【0016】実施例1〜3および従来例1からも明らか
なように、カーボン製鋳型内部の少なくとも底面または
側壁にアルミナ塊を埋め込んだ鋳型を用いて左右平行移
動の機械的振動鋳造することにより通常のカーボン製鋳
型を用いるよりも一層微細な結晶粒を有する純銅インゴ
ットを製造することができることが分かる。
【0017】実施例4 純度:99.99%の純銅原料を実施例1で作製した図
1に示される鋳型内部底面にアルミナ塊を埋め込んだ本
発明鋳型1に装入し、純銅原料を装入した本発明鋳型1
を加熱炉内に装入して純銅原料を溶解し、1150℃の
温度に加熱保持し、引き続いて、チルプレート(図示せず)
により本発明鋳型の底面を冷却し、同時に鋳型を最大角
加速度10πrad/sec2、回転角度:120°で
正逆回転させることにより純銅溶湯を振動させながら鋳
型を300mm/hの速度で引き下げ、それによって微
細な等軸晶組織を有する純銅インゴットを製造した。こ
の純銅インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径
を測定したところ、1.30cmであった。
【0018】実施例5 実施例2で作製した図2に示される鋳型内部側壁にアル
ミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を使用する以外は実施例
4と全く同じ条件で純銅溶湯を振動させながら微細な等
軸晶組織を有する純銅インゴットを製造し、この純銅イ
ンゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径を測定し
たところ、1.35cmであった。
【0019】実施例6 実施例3で作製した図3に示される鋳型内部の底面およ
び側壁にアルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を使用する
以外は実施例4と全く同じ条件で純銅溶湯を振動させな
がら微細な等軸晶組織を有する純銅インゴットを製造
し、この純銅インゴットを切断し、その切断面の平均結
晶粒径を測定したところ、1.21cmであった。
【0020】従来例2 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製鋳型を従来鋳型として用い、実施
例4と全く同じ条件で純銅溶湯を振動させながら微細な
等軸晶組織を有する純銅インゴットを製造し、この純銅
インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径を測定
したところ、4cmであった。
【0021】実施例4〜6および従来例2からも明らか
なように、カーボン製鋳型内部の少なくとも底面または
側壁にアルミナ塊を埋め込んだ鋳型を用いて回転振動さ
せながら一方向凝固鋳造することにより通常のカーボン
製鋳型を用いるよりも一層微細な結晶粒を有する純銅イ
ンゴットを製造することができることが分かる。
【0022】実施例7 実施例1で作製した図1に示される鋳型内部の底面にア
ルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を300℃に予熱した
のち、Cu−8%Snの組成を有する銅合金(以下、青
銅という)の溶湯を注ぎ込み、溶湯に200Hzの左右
平行移動の機械的振動を加えながら凝固させることによ
り青銅インゴットを作製した。この青銅インゴットを切
断し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、6
30μmであった。
【0023】実施例8 実施例2で作製した図2に示される鋳型内部の側壁にア
ルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を300℃に予熱した
のち、青銅溶湯を注ぎ込み、溶湯に200Hzの左右平
行移動の機械的振動を加えながら凝固させることにより
インゴットを作製した。このインゴットを切断し、その
切断面の平均結晶粒径を測定したところ、600μmで
あった。
【0024】実施例9 実施例3で作製した図3に示される鋳型内部の底面およ
び側壁にアルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を300℃
に予熱したのち、青銅溶湯を注ぎ込み、溶湯に200H
zの左右平行移動の機械的振動を加えながら凝固させる
ことによりインゴットを作製した。このインゴットを切
断し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、6
10μmであった。
【0025】従来例3 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製の従来鋳型を300℃に予熱した
のち、青銅溶湯を注ぎ込み、溶湯に200Hzの左右平
行移動の機械的振動を加えながら凝固させることにより
インゴットを作製した。このインゴットを切断し、その
切断面の平均結晶粒径を測定したところ、1600μm
であった。
【0026】実施例7〜9および従来例3からも明らか
なように、カーボン製鋳型内部の少なくとも底面または
側壁にアルミナ塊を埋め込んだ鋳型を用いて左右平行移
動の機械的振動鋳造することにより通常のカーボン製鋳
型を用いるよりも一層微細な結晶粒を有する純銅インゴ
ットを製造することができることが分かる。
【0027】実施例10 青銅原料を実施例1で作製した図1に示される鋳型内部
底面にアルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型に装入し、青
銅原料を装入した本発明鋳型を加熱炉内に装入して青銅
原料を溶解し1100℃の温度に加熱保持し、引き続い
て、チルプレート(図示せず)により本発明鋳型1の底面
を冷却し、同時に鋳型を最大角加速度10πrad/s
ec2、回転角度:120°で正逆回転させることによ
り青銅溶湯を振動させながら鋳型を300mm/hの速
度で引き下げ、それによって微細な等軸晶組織を有する
青銅インゴットを製造した。この青銅インゴットを切断
し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、11
60μmであった。
【0028】実施例11 実施例2で作製した図2に示される鋳型内部側壁にアル
ミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を使用する以外は実施例
10と全く同じ条件で微細な等軸晶組織を有する青銅イ
ンゴットを製造し、この青銅インゴットを切断し、その
切断面の平均結晶粒径を測定したところ、1200μm
cmであった。
【0029】実施例12 実施例3で作製した図3に示される鋳型内部の底面およ
び側壁にアルミナ塊を埋め込んだ本発明鋳型を使用する
以外は実施例10と全く同じ条件で微細な等軸晶組織を
有する青銅インゴットを製造し、この青銅インゴットを
切断し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、
1060μmであった。
【0030】従来例4 実施例1で用意した内径:110mm、深さ:150m
mを有するカーボン製鋳型を従来鋳型として用い、実施
例10と全く同じ条件で微細な等軸晶組織を有する青銅
インゴットを製造し、この青銅インゴットを切断し、そ
の切断面の平均結晶粒径を測定したところ、3500μ
mであった。
【0031】実施例10〜12および従来例4からも明
らかなように、カーボン製鋳型内部の少なくとも底面ま
たは側壁にアルミナ塊を埋め込んだ鋳型を用いて回転振
動させながら一方向凝固鋳造することにより通常のカー
ボン製鋳型を用いるよりも一層微細な結晶粒を有する青
銅インゴットを製造することができることが分かる。
【0032】実施例13 直径:110mm、高さ:150mmを有するカーボン
製中子本体とこの中子本体の底面に直径:4mm、高
さ:5mmの寸法を有するカーボン塊となる突起を設け
たカーボン製中子を用意し、この中子を型枠に装入し、
中子と型枠の隙間にアルミナセメントを充填したのち1
200℃で焼成し、次いで突起を除くカーボン製中子本
体を削り出すことにより底面にカーボン塊を埋め込んだ
アルミナ製鋳型を製造した。この鋳型を300℃に予熱
したのち、純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込み、純
銅溶湯に200Hzの左右平行移動の機械的振動を加え
ながら凝固させることにより純銅インゴットを作製し
た。この純銅インゴットを切断し、その切断面の平均結
晶粒径を測定したところ、0.39cmであった。
【0033】実施例14 直径:110mm、高さ:150mmを有するカーボン
製中子本体とこの中子本体の側面に直径:4mm、高
さ:5mmの寸法を有するカーボン塊となる突起を設け
たカーボン製中子を用意する以外は実施例13と同様に
して内径:110mm、深さ:150mmを有するアル
ミナ製鋳型内部の側壁にカーボン塊を埋め込んだ本発明
鋳型を作製した。この鋳型を300℃に予熱したのち、
純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込み、純銅溶湯に2
00Hzの左右平行移動の機械的振動を加えながら凝固
させることにより純銅インゴットを作製した。この純銅
インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒径を測定
したところ、0.41cmであった。
【0034】実施例15 直径:110mm、高さ:150mmを有するカーボン
製中子本体とこの中子本体の底面および側面に直径:4
mm、高さ:5mmの寸法を有するカーボン塊となる突
起を設けたカーボン製中子を用意する以外は実施例13
と同様にして内径:110mm、深さ:150mmを有
するアルミナ製鋳型内部の側壁にカーボン塊を埋め込ん
だ本発明鋳型を作製した。この鋳型を300℃に予熱し
たのち、純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込み、純銅
溶湯に200Hzの左右平行移動の機械的振動を加えな
がら凝固させることにより純銅インゴットを作製した。
この純銅インゴットを切断し、その切断面の平均結晶粒
径を測定したところ、0.38cmであった。
【0035】従来例5 内径:110mm、深さ:150mmを有するアルミナ
製鋳型を従来鋳型として用い、この従来鋳型を300℃
に予熱したのち、純度99.99%の純銅溶湯を注ぎ込
み、純銅溶湯に200Hzの左右平行移動の機械的振動
を加えながら凝固させることにより純銅インゴットを作
製した。この純銅インゴットを切断し、その切断面の平
均結晶粒径を測定したところ、1.3cmであった。
【0036】実施例13〜15および従来例5からも明
らかなように、アルミナ製鋳型内部の少なくとも底面ま
たは側壁にアルミナ塊を埋め込んだ鋳型を用いて左右平
行移動の機械的振動鋳造することにより通常のカーボン
製鋳型を用いるよりも一層微細な結晶粒を有する純銅イ
ンゴットを製造することができることが分かる。
【0037】なお、図4〜図6に示される本発明鋳型の
底面を冷却し、同時に鋳型を最大角加速度10πrad
/sec2、回転角度:120°で正逆回転させること
により純銅溶湯を振動させながら鋳型を300mm/h
の速度で引き下げ、それによって微細な等軸晶組織を有
する純銅インゴットまたは青銅インゴットを製造し、切
断し、その切断面の平均結晶粒径を測定したところ、通
常のアルミナ製鋳型を使用するよりも微細な結晶粒を有
するインゴットが得られることが確認できた。
【0038】
【発明の効果】この発明の鋳型は、全体に亘って一層微
細な結晶粒を有するインゴットを提供することができる
ので、結晶粒微細化のための塑性加工工程を減らすこと
ができてコストを削減することができ、産業上優れた効
果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【図2】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【図3】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【図4】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【図5】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【図6】この発明の微細な結晶粒を有するインゴットを
製造するための振動鋳造用鋳型の断面正面図である。
【符号の説明】
1:カーボン製鋳型、 2:アルミナ塊、 11:カーボン塊、 22:アルミナ製鋳型、

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボン製鋳型内部の底面に複数のアルミ
    ナ塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:
    0.5〜30mmとなるように埋め込まれていることを
    特徴とする微細な結晶粒を有するインゴットを製造する
    ための振動鋳造用鋳型。
  2. 【請求項2】カーボン製鋳型内部の側壁に複数のアルミ
    ナ塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:
    0.5〜30mmとなるように埋め込まれていることを
    特徴とする微細な結晶粒を有するインゴットを製造する
    ための振動鋳造用鋳型。
  3. 【請求項3】カーボン製鋳型内部の底面および側壁に複
    数のアルミナ塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め
    込み深さ:0.5〜30mmとなるように埋め込まれて
    いることを特徴とする微細な結晶粒を有するインゴット
    を製造するための振動鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】前記複数のアルミナ塊は、4cm2当り1
    〜350個未満の割合で埋め込まれていることを特徴と
    する請求項1〜3記載の微細な結晶粒を有するインゴッ
    トを製造するための振動鋳造用鋳型。
  5. 【請求項5】アルミナ製鋳型内部の底面に複数のカーボ
    ン塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:
    0.5〜30mmとなるように埋め込まれていることを
    特徴とする微細な結晶粒を有するインゴットを製造する
    ための振動鋳造用鋳型。
  6. 【請求項6】アルミナ製鋳型内部の側壁に複数のカーボ
    ン塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め込み深さ:
    0.5〜30mmとなるように埋め込まれていることを
    特徴とする微細な結晶粒を有するインゴットを製造する
    ための振動鋳造用鋳型。
  7. 【請求項7】アルミナ製鋳型内部の底面および側壁に複
    数のカーボン塊が露出面積:0.01〜4cm2、埋め
    込み深さ:0.5〜30mmとなるように埋め込まれて
    いることを特徴とする微細な結晶粒を有するインゴット
    を製造するための振動鋳造用鋳型。
  8. 【請求項8】前記複数のカーボン塊は、4cm2当り1
    〜350個未満の割合で埋め込まれていることを特徴と
    する請求項5〜7記載の微細な結晶粒を有するインゴッ
    トを製造するための振動鋳造用鋳型。
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