JPH0370151B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本発明は、減圧量を可変しうる減圧装置を備え
た空気調和機の室温制御に関するものである。

＜従来技術＞ 第４図に従来の熱媒圧縮サイクルを示す。図中
１は電動圧縮機、２は室内熱交換器、３はキヤピ
ラリチユーブ（冷房、暖房共用）、３Ａは暖房用
キヤピラリユーブ、４は逆止弁、５は室外熱交換
器、６は四方切換弁、２Ａ，５Ａはそれぞれ室内
送風機および室外送風機を示す。

この熱媒圧縮サイクルＸの暖房運転について説
明すると、熱媒は図中実線矢印方向に流れ、圧縮
機１から吐出された高温高圧熱媒は室内熱交換器
２で室内送風機２Ａにより室内に熱を与え凝縮す
る。その後、減圧装置（キヤピラリチユープ等
３，３Ａ，４）により減圧され、低温低圧の気液
混合熱媒となる。室外熱交換器５は蒸発器とな
り、送風機５Ａにより外気から熱を奪い、熱媒は
気化して圧縮機１に戻る。このとき室内熱交換器
２は高温高圧、室外熱交換器５は低温低圧となつ
ている。そして室温が設定温度に到達し、圧縮機
１を停止させたとき、熱媒は高温高圧の室内熱交
換器２から低温低圧の室外熱交換器５へ減圧装置
を介して移動し、圧力バランスする。室内熱交換
器２内の熱媒はこのとき急激な圧力降下のため、
外部から熱を奪い室外側へ流出する。すなわち、
暖房運転中、室内熱交換器２に蓄えられた熱を圧
縮機１の停止時に十分室内へ放出できない問題が
ある。

＜目的＞ 本発明は、上記問題を改善するためになされた
もので、圧縮機の停止時、室内熱交換器の蓄熱を
十分利用した後、室内送風機を停止せしめ、圧縮
機の断続運連におけるエネルギー消費効率の向上
を図り得る空気調和機を提供しようとするもので
ある。

＜実施例＞ 以下、本発明の一実施例を第１図ないし第３図
に基づいて説明する。なお、第４図の従来例に示
したものと同一機能部品は同一符号で示す。すな
わち本発明に係る空気調和機は、熱媒を圧縮吐出
する電動圧縮機１と、該電動圧縮機１に接続され
た室内熱交換器２と、一側が該室内熱交換器２に
減圧装置７を介して接続され他側が前記電動圧縮
機１に接続された室外熱交換器５とから熱媒圧縮
サイクルＸが構成され、前記室内熱交換器２およ
び室外熱交換器５にそれぞれ室内送風機２Ａおよ
び室外送風機５Ａが配設され、室内の温度を検出
する室温検出器８と前記室内熱交換器２の吹出温
度を検出する吹出温度検出器９とが設けられ、該
吹出温度検出器９および室温検出器８の出力信号
により前記電動圧縮機１、減圧装置７室外送風機
５Ａおよび室内送風機２Ａを制御する制御装置１
０が設けられ、該制御装置１０は、暖房運転時
に、室温が設定温度に到達したときに圧縮機を停
止し減圧装置を閉塞もしくはほぼ閉塞する手段
と、室内側吹出温度が一定値になつたときに室内
送風機を停止し減圧装置を全開もしくは通常制御
より過大に開ける信号を出力する手段とを有せし
められたものである。

前記減圧装置７は、電動ステツピングモータ
や、電磁ソレノイド、あるいは、ヒータとバイメ
タルとを組合わせた弁駆動装置を用いることがで
きる。また、前記室温検出器８および吹出温度検
出器９は、サーミスタから成り、室温検出器８は
空気調和機本体の前面パネル等の適宜の個所に配
置され（また、遠隔操作装置に配置してもよい）、
前記吹出温度検出器９は、空気調和機本体の吹出
部に配されている。また、図中６は四方切換弁
で、暖房運転時には実線のごとき流路が開とさ
れ、冷房運転時には点線のごとき流路が開とされ
るもので、電動圧縮機１と室内熱交換器２および
室外熱交換器５との間に介設される。

前記制御装置１０は、一般的なワンチツプマイ
クロコンピユータで、内部にデーテRAM、プロ
グラムROM、ALU等を有し、基準クロツク発振
回路により、駆動されるもので、入力端Ｉ１，Ｉ
２よび出力端Ｏ１〜Ｏ４を有する。そして、前記
室温検出器８および吹出温度検出器９の温度信号
は制御装置１０の入力端Ｉ１，Ｉ２に入力され、
また、出力端Ｏ１〜Ｏ４からの出力信号により電
動圧縮機１、減圧装置７、室内送風機２Ａおよび
室外送風機５Ａが制御される。

第２図にタイムチヤートを示す。図中Ａ点は、
室温が設定温度に到達したときであり、このとき
制御装置１０は室温検出器８からの温度信号によ
り電動圧縮機１に停止信号を出力し、同時に、減
圧装置７を全閉もしくは、ほぼ全閉とする信号を
出力する。これにより室内熱交換器２の高温高圧
熱媒が室外熱交換器５へ流出するのを防止する。
そして、制御装置１０は、室内側吹出温度が一定
値に到達もしくは室内側吹出温度と室温の差が一
定値に到達したとき（図中Ｂ点）、室内送風機２
Ａを停止する信号を出力し、また、減圧装置７を
全開もしくは、通常制御より過大に開ける。そう
すると、このＢ点から圧力バランスが急速に進行
する。なお、Ｃ点は、室温検出器８が復帰あるい
は一定時間停止後に強制的に復帰させた点であ
り、これにより電動圧縮機１を運転し、減圧装置
７も通常制御となる。また、室内送風機２Ａも通
常の運転制御に入り、同時もしくは少し遅れて運
転を開始する。

第３図は、上記タイムチヤートに従つて、暖房
能力を測定した結果である。実線が本発明による
値であり、破線は従来の熱媒圧縮サイクルＸでＢ
点まで室内送風機２Ａを強制的に運転した結果で
ある。このように本発明によれば圧縮機停止時の
室内側の蓄熱を十分発揮でき、エネルガー消費効
率の向上が図れる。また、同時に室内送風機を停
止させたとき、すみやかに圧力バランスをさせ、
次の圧縮機起動に備えることができる。

なお、本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの
修正および変更を加え得ることは勿論である。

＜効果＞ 以上の説明から明らかな通り、本発明は、熱媒
を圧縮吐出する電動圧縮機と、該電動圧縮機に接
続された室内熱交換器と、一側が該室内熱交換器
に減圧装置を介して接続され他側が前記電動圧縮
機に接続された室外熱交換器とから熱媒圧縮サイ
クルが構成され、前記室内熱交換器に室内送風機
が配設され、室内の温度を検出する室温検出器と
前記室内熱交換器の吹出温度を検出する吹出温度
検出器とが設けられ、該吹出温度検出器および室
温検出器の出力信号により前記電動圧縮機、減圧
装置および室内送風機を制御する制御装置が設け
られ、該制御装置は、暖房運転時に、室温が設定
温度に到達したときに圧縮機を停止し減圧装置を
閉とする手段と、室内側吹出温度が一定値になつ
たときに室内送風機を停止し減圧装置を通常制御
より過大に開ける信号を出力する手段とを有せし
められたものである。

したがつて、本発明によると、暖房運転時の圧
縮機の停止後に一時的に室内熱交換器と室外熱交
換器との間で行なわれる圧力変動を減圧装置によ
り制御するため、本発明によれば圧縮機停止時の
室内側の蓄熱を十分発揮でき、エネルギー消費効
率の向上が図れるといつた優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す空気調和機の
熱媒圧縮サイクルの構成図、第２図は同じく制御
状態を示すタイムチヤート、第３図は本発明制御
による能力と従来制御による能力とを比較した
図、第４図は従来の空気調和機の熱媒圧縮サイク
ル構成図である。 １：電動圧縮機、２：室内熱交換器、２Ａ：室
内送風機、５：室外熱交換器、５Ａ：室外送風
機、７：減圧装置、８：室温検出器、９：吹出温
度検出器、１０：制御装置、Ｘ：熱媒圧縮サイク
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱媒を圧縮吐出する電動圧縮機と、該電動圧
   縮機に接続された室内熱交換器と、一側が該室内
   熱交換器に減圧装置を介して接続され他側が前記
   電動圧縮機に接続された室外熱交換器とから熱媒
   圧縮サイクルが構成され、 前記室内熱交換器に室内送風機が配設され、 室内の温度を検出する室温検出器と前記室内熱
   交換器の吹出温度を検出する吹出温度検出器とが
   設けられ、 該吹出温度検出器および室温検出器の出力信号
   により前記電動圧縮機、減圧装置および室内送風
   機を制御する制御装置が設けられ、 該制御装置は、 暖房運転時に、室温が設定温度に到達したとき
   に圧縮機を停止し減圧装置を閉とする手段と、 室内側吹出温度が一定値になつたときに室内送
   風機を停止し減圧装置を通常制御より過大に開け
   る信号を出力する手段と を有せしめられたことを特徴とする空気調和機。