JPH0370111B2

JPH0370111B2 -

Info

Publication number: JPH0370111B2
Application number: JP57052910A
Authority: JP
Inventors: Koichi Suenaga; Atsumi Obata
Original assignee: Hino Motors Ltd
Current assignee: Hino Motors Ltd
Priority date: 1982-03-31
Filing date: 1982-03-31
Publication date: 1991-11-06
Also published as: JPS58170848A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、２種の燃料の混合し、混合燃料を
圧縮着火エンジンに噴射供給する燃料噴射装置に
関する。

近年、自動車エンジンの排気による大気汚染が
社会問題になり、また、石油資源が有限であるこ
とより、低公害燃焼、低燃費のために種々の研究
がなされてきている。

圧縮着火エンジンにおいても、低公害燃焼のた
めに、アルコールを軽油に混合して燃焼する方法
が提案されてきている。その場合、軽油は主燃料
であり、アルコールは補助燃料であつて、軽油に
アルコールを直接混合する方法と、アルコールを
別に吸入若しくはシリンダ内に噴射する２種燃料
方法とがある。

前者は、機関の回転数、負荷に対して軽油とア
ルコールとの混合比が一定であり、また、後者
は、燃料噴射系統を複雑にする。

この発明の目的・課題は、先ず、石油資源の枯
渇対策として、石油系燃料の消費を低減し、併せ
て、燃料噴射系統を複雑化および大型化すること
なしに、機関の回転数、および負荷に応じて、混
合比を変え、低公害燃焼を可能にし、２種の燃料
を混合し、圧縮着火エンジンに噴射供給するとこ
ろの燃料噴射装置の提供にある。

上述の目的・課題に関連して、この発明の燃料
噴射装置は、バレル・ボアを有するハウジング、
そのバレル・ボアに開口されてそのハウジングに
形成されてある主燃料溜り室、その主燃料溜り室
から隔てられ、そして、そのバレル・ボアに開口
されてそのハウジングに形成されてある補助燃料
溜り室、その主および補助燃料溜り室に開口され
てある主燃料吸込みポートおよび補助燃料吸込み
ポートを備えてそのバレル・ボアに嵌め込まれる
スリーブ・バレル、主燃料リードおよび補助燃料
リードを備えてそのスリーブ・バレルに往復摺動
可能に嵌め合わせられ、そして、往復摺動に応じ
て、その主および補助燃料吸込みポートに断続さ
れるプランジヤ室をそのスリーブ・バレル内に形
成するプランジヤ、カム軸に固定的に取り付けら
れ、タペツトを介してそのプランジヤをそのスリ
ーブ・バレル内に往復摺動させるカム、そのプラ
ンジヤをそのスリーブ・バレル内に回転させるピ
ニオンおよびコントロール・ラツク、および、そ
のプランジヤ室の送出し口に配置されるデリベ
リ・バルブよりなる燃料噴射ポンプと、圧縮着火
エンジンに配置され、そして、そのデリベリ・バ
ルブに燃料噴射管を介して接続される噴射ノズル
と、その主燃料溜り室に主燃料供給管を介して接
続される主燃料フイード・ポンプと、その補助燃
料溜り室に補助燃料供給管を介して接続される補
助燃料フイード・ポンプと、その主燃料供給管に
配置される主燃料電磁弁と、その補助燃料供給管
に配置される補助燃料電磁弁と、そのエンジンの
回転数および負荷に応じて、その主および補助燃
料電磁弁を開閉し、主および補助燃料の供給圧を
制御してその主および補助燃料の混合比を調整す
るコントローラとを含み、その主および補助燃料
フイード・ポンプでその単一のプランジヤ室にそ
の主および補助燃料をそれぞれ供給し、その際、
そのエンジンの回転数および負荷に応じて、その
主および補助燃料電磁弁を開閉させてその主およ
び補助燃料の供給圧を制御し、そして、その単一
のプランジヤ室に供給されるその主および補助燃
料の混合比を調整し、その単一のプランジヤ室で
その混合された主および補助燃料を圧縮し、その
圧縮された高圧の混合燃料をその噴射ノズルの噴
孔からそのエンジンのシリンダ室内に噴射させる
ところにある。

以下、この発明の燃料噴射装置の特定された具
体例について、図面を参照して説明する。

図は、トラツクの圧縮着火エンジン（図示せ
ず）に適用されたこの発明の燃料噴射装置の具体
例１０を示している。

この燃料噴射装置１０は、燃料噴射ポンプ１１
と、噴射ノズル１２と、主燃料フイード・ポンプ
１３と、補助燃料フイード・ポンプ１４と、主燃
料電磁弁１５と、補助燃料電磁弁１６と、それら
電磁弁１５，１６のためのコントローラ１７とを
含み、その圧縮着火エンジンの回転数および負
荷、および、その燃料噴射ポンプ１１の主および
補助燃料溜り室２４，２５の圧力に応じて、主燃
料に補助燃料を混合し、そのエンジンのシリンダ
室（図示せず）に噴射するところに製作された。
勿論、その主燃料には、軽油が、その補助燃料に
は、アルコールがそれぞれ使用された。

その燃料噴射ポンプ１１は、６個のボツシユ噴
射ポンプから列型構造に製作されたもので、ハウ
ジング２０に形成された６個のバレル・ボア２１
内にスリーブ・バレル２２をそれぞれ嵌め込み、
そして、そのスリーブ・バレル２２にプランジヤ
２３をそれぞれ往復摺動可能に嵌め合わせてあ
る。すなわち、この燃料噴射ポンプ１１は、その
バレル・ボア２１を形成したハウジング２０、そ
のバレル・ボア２１に開口されてそのハウジング
２０に形成された主燃料溜り室２４、その主燃料
溜り室２４から隔てられ、そして、そのバレル・
ボア２１に開口されてそのハウジング２０に形成
された補助燃料溜り室２５、その主および補助燃
料溜り室に開口された主燃料吸込みポート２８お
よび補助燃料吸込みポート２９を備えてそのバレ
ル・ボア２１に嵌め込まれたスリーブ・バレル２
２、主燃料リード３３および補助燃料リード３４
を備えてそのスリーブ・バレル２２に往復摺動可
能に嵌め合わせられ、そして、往復摺動に応じ
て、その主および補助燃料吸込みポート２８，２
９に断続されるプランジヤ室をそのスリーブ・バ
レル２２内に形成したプランジヤ２３、カム軸
（図示せず）に固定的に取り付けられ、タペツト
（図示せず）を介してそのプランジヤ２３をその
スリーブ・バレル内に往復摺動させるカム（図示
せず）、そのプランジヤ２３をそのスリーブ・バ
レル２２内に回転させるピニオン３１およびコン
トロール・ラツク３２、および、そのプランジヤ
室の送出し口に配置されたデリベリ・バルブ１８
を含んで製作された。

そのハウジング２０には、上方部分において、
そのバレル・ボア２１に開口されたその主燃料溜
り室２４および補助燃料溜り室２５が形成され、
また、その主燃料溜り室２４は主燃料ポート２６
に、その補助燃料溜り室２５は補助燃料ポート２
７にそれぞれ連通されてある。

そのスリーブ・バレル２２は、上方部分におい
て、その主燃料吸込みポート２８および補助燃料
吸込みポート２９を形成し、その主燃料吸込みポ
ート２８をその主燃料溜り室２４に、また、その
補助燃料吸込みポート２９をその補助燃料溜り室
２５にそれぞれ連通させてある。

そのスリーブ・バレル２２は、下方部分の外側
にスリーブ３０を嵌め、そのスリーブ３０の上端
にピニオン３１を一体的に形成し、そのピニオン
３１をコントロール・ラツク３２に噛み合わせて
いる。

そのスリーブ３０は、また、その下端に一対の
すり割（図示せず）を形成し、そのすり割にプラ
ンジヤ２３の下端のつば（図示せず）を嵌め込
み、そのコントロール・ラツク３２によつて、そ
のプランジヤ２３自身を軸線の廻りに回転させ、
混合された燃料の噴射量を調節している。

そのプランジヤ２３は、上端外周にその主燃料
リード３３および補助燃料リード３４を形成し、
また、そのカム軸のカムによつて、そのタペツト
を介して、そのスリーブ・バレル２２内を上下方
向に往復摺動される。したがつて、そのスリー
ブ・バレル２２のプランジヤ室に供給されたその
軽油およびアルコールはそのプランジヤ室内で混
合され、そのプランジヤ２３の往復動に伴なつ
て、デリベリ・バルブ１８を押し開き、燃料噴射
管４０を介して噴射ノズル１２に圧送される。ま
た、このプランジヤ２３は押下げスプリング３５
によつて押し下げられ、そのタペツトのローラを
そのカムのカム面に常に押し付け、そのカムに協
働して、そのプランジヤ２３に押し上げおよび引
き戻しの往復運動を付与している。

また、そのハウジング２０に形成されたその主
および補助燃料ポート２６，２７は、主および補
助燃料供給配管３６，３７を介してその主および
補助燃料フイード・ポンプ１３，１４にそれぞれ
接続されてある。勿論、その主および補助燃料供
給配管３６，３７には、その主および補助燃料電
磁弁１５，１６および主および補助燃料フイルタ
ー３８，３９がそれぞれ設けられ、それら主およ
び補助燃料電磁弁１５，１６はそのコントローラ
１７によつて、開閉される。

そのコントローラ１７はそのエンジンの回転数
センサ４１や負荷センサ４２、また、主および補
助燃料溜り室の圧力センサ４３からの信号に応じ
て、予め設定された軽油に対するアルコール混合
割合パターン（図示せず）によつて、その主およ
び補助燃料電磁弁１５，１６を開閉制御し、その
軽油とアルコールとの混合割合を変えるもので、
入力および出力回路、記憶回路、演算回路、およ
び制御回路から構成されている。

次に、上述のように構成された燃料噴射装置１
０の動作について、述べるに、そのエンジンの運
転時、そのカム軸がそのエンジンによつて回転さ
れ、また、その主および補助燃料フイード・ポン
プ１３，１４がそのエンジンによつてそれぞれ駆
動されるので、そのカム軸の回転に伴なつて、そ
のカムおよびタペツトを介して、そのプランジヤ
２３がそのスリーブ・バレル２２内に上動され、
その主および補助燃料吸込みポート２８，２９を
通つて、その主および補助燃料溜り室２４，２５
からそのプランジヤ室に流入されたその軽油およ
びアルコールがそのプランジヤ２３によつて、圧
縮され、混合され、その圧縮された高圧の混合燃
料はデリベリ・バルブ１８を開いて、燃料噴射管
４０を経て、噴射ノズル１２に流れ、その噴射ノ
ズル１２の噴孔からそのエンジンのシリンダ室内
に噴射され、そこで燃焼する。

その際、そのコントローラ１７がそのセンサ４
１，４２，４３からのそのエンジンの回転数、負
荷、圧力に応じて、予め記憶された軽油に対する
アルコール混合割合の設定パターンに基づいて、
その電磁弁１５，１６を開閉制御し、その主およ
び補助燃料溜り室２４，２５へのその軽油および
アルコールの供給量を決定しているので、そのス
リーブ・バレル２２のプランジヤ室内では望まし
い軽油とアルコールとの混合割合がなされ、その
プランジヤ２３によつて、最適の混合燃料がその
噴射ノズル１２からそのシリンダ室内に噴射され
る。勿論、その場合、そのプランジヤ２３におい
ては、調速機（図示せず）に連結されたそのコン
トロール・ラツク３２によつて、その混合燃料の
噴射量が調節されている。したがつて、そのプラ
ンジヤ２３の上動の終りにおいて、噴射残りとし
て、そのスリーブ・バレル２２のプランジヤ室内
の混合燃料は、その主および補助燃料吸込みポー
ト２８，２９を通つて、その主および補助燃料溜
り室２４，２５に戻される。

そのような混合燃料の噴射動作が各６個のボツ
シユ噴射ポンプにおいて、順次行なわれる。そし
て、そのようにして、そのエンジンに最適な混合
燃料の噴射が行なわれるので、そのエンジンは所
定の出力を発生し、そして、その軽油の消費量を
低減し、排出ガス中の有害成分を少なくし、スモ
ークおよびノツクを改善する。

如上のこの発明によれば、燃料噴射ポンプが、
バレル・ボアを有するハウジング、そのバレル・
ボアに開口されてそのハウジングに形成された主
燃料溜り室、その主燃料溜り室から隔てられ、そ
して、そのバレル・ボアに開口されてそのハウジ
ングに形成された補助燃料溜り室、その主および
補助燃料溜り室に開口された主燃料吸込みポート
および補助燃料吸込みポートを備えてそのバレ
ル・ボアに嵌め込まれたスリーブ・バレル、主燃
料リードおよび補助燃料リードを備えてそのスリ
ーブ・バレルに往復摺動可能に嵌め合わせられ、
そして、往復摺動に応じて、その主および補助燃
料吸込みポートに断続されるプランジヤ室をその
スリーブ・バレル内に形成するプランジヤ、カム
軸に固定的に取付けられ、タペツトを介してその
プランジヤをそのスリーブ・バレル内に往復摺動
させるカム、そのプランジヤをそのスリーブ・バ
レル内に回転させるピニオンおよびコントロー
ル・ラツク、および、そのプランジヤ室の送出し
口に配置されるデリベリ・バルブからなり、主燃
料フイード・ポンプが、その主燃料溜り室に主燃
料供給管を介して接続され、補助燃料フイード・
ポンプが、その補助燃料溜り室に補助燃料供給管
を介して接続され、主燃料電磁弁が、その主燃料
供給管に配置され、補助燃料電磁弁が、その補助
燃料供給管に配置され、コントローラが、そのエ
ンジンの回転数および負荷に応じて、その主およ
び補助燃料電磁弁を開閉し、主および補助燃料の
供給圧を制御してその主および補助燃料の混合比
を調整するところにあるので、この発明の燃料噴
射装置では、その主および補助燃料が、その主お
よび補助燃料フイード・ポンプから吐き出され、
そして、そのエンジンの回転数および負荷に応じ
て開閉されるその主および補助燃料電磁弁で供給
圧を制御され、そして、混合比を調整されてその
単一のプランジヤ室に供給され、そのプランジヤ
室で圧縮され、そして、その圧縮された高圧の混
合燃料となつて噴射ノズルからそのエンジンのシ
リンダ室内に噴射され、そのようにして、圧縮着
火エンジンに対して運転条件に応じた最適な２種
燃料混合噴射が行なわれ、それに伴つて、低公害
燃料が可能になり、すなわち、排出ガス中の有害
成分が低減され、そして、スモークが改善され、
さらには、そのエンジンのノツクが改善され、ま
た、その燃料噴射ポンプが、構造の複雑化や大型
化を抑制され、特に、そのデリベリ・バルブを複
雑にしたり、その主および補助燃料吸込みポート
に逆止弁を配置することが避けられ、そして、そ
のスリーブ・バレルおよびプランジヤの複雑化お
よび大型化が抑制されてポンプ全体としての大型
化が避けられ、それに伴つて、従来の機械加工で
製作が可能になり、組立て作業もまた、従来のよ
うにして行なわれ、その結果、２種燃料混合噴射
系統の複雑化および大型化が回避され、そして、
石油系燃料の消費が効果的に低減され、石油資源
の枯渇対策がなされる。

【図面の簡単な説明】

図はトラツクの圧縮着火エンジンに適用された
この発明の燃料噴射装置の概説図である。１１……燃料噴射ポンプ、１２……噴射ノズ
ル、１３……主燃料フイード・ポンプ、１４……
補助燃料フイード・ポンプ、１５……主燃料電磁
弁、１６……補助燃料電磁弁、１７……コントロ
ーラ、１８……デリベリ・バルブ。

Claims

【特許請求の範囲】１バレル・ボアを有するハウジング、そのバレ
ル・ボアに開口されてそのハウジングに形成され
てある主燃料溜り室、その主燃料溜り室から隔て
られ、そして、そのバレル・ボアに開口されてそ
のハウジングに形成されてある補助燃料溜り室、
その主および補助燃料溜り室に開口されてある主
燃料吸込みポートおよび補助燃料吸込みポートを
備えてそのバレル・ボアに嵌め込まれるスリー
ブ・バレル、主燃料リードおよび補助燃料リード
を備えてそのスリーブ・バレルに往復摺動可能に
嵌め合わせられ、そして、往復摺動に応じて、そ
の主および補助燃料吸込みポートに断続されるプ
ランジヤ室をそのスリーブ・バレル内に形成する
プランジヤ、カム軸に固定的に取り付けられ、タ
ペツトを介してそのプランジヤをそのスリーブ・
バレル内に往復摺動させるカム、そのプランジヤ
をそのスリーブ・バレル内に回転させるピニオン
およびコントロール・ラツク、および、そのプラ
ンジヤ室の送出し口に配置されるデリベリ・バル
ブよりなる燃料噴射ポンプと、圧縮着火エンジンに配置され、そして、そのデ
リベリ・バルブに燃料噴射管を介して接続される
噴射ノズルと、その主燃料溜り室に主燃料供給管を介して接続
される主燃料フイード・ポンプと、その補助燃料溜り室に補助燃料供給管を介して
接続される補助燃料フイード・ポンプと、その主燃料供給管に配置される主燃料電磁弁
と、その補助燃料供給管に配置される補助燃料電磁
弁と、そのエンジンの回転数および負荷に応じて、そ
の主および補助燃料電磁弁を開閉し、主および補
助燃料の供給圧を制御してその主および補助燃料
の混合比を調整するコントローラとを含む燃料噴射装置。