JPH0369243B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は玉葱搬送装置に係り、玉葱収穫機にお
いて堀上げられた玉葱を搬送しながらこの玉葱の
茎葉を下向きに整えて搬出するものに関する。

（従来の技術） 従来、この種の玉葱搬送装置としては、たとえ
ば、特公昭52−46851号公報に記載されているよ
うに、一対の搬送ローラを適当間隔をおいて互い
に内側に向つて回動自在に並列軸架し、この一対
の搬送ローラの軸方向外周部に弾性紐状体を螺旋
状に巻回し、この弾性紐状体間における上記一対
の搬送ローラの外周部はに多数の弾性突起を突設
した構造が知られている。

そして、この一対の搬送ローラの回動でこの一
対の搬送ローラの螺旋状の弾性紐状体によつて玉
葱を搬送するとともに、弾性突起によつて玉葱の
茎葉を係止して一対の搬送ローラ間に導入し、か
つこの状態で玉葱を排出端部に搬出するようにし
たものである。

（発明が解決しようとする問題点） 上記のように多数の弾性突起を、螺旋状紐状体
間における一対の搬送ローラの外周部に突設した
構造によると、多数の弾性突起は螺旋状紐状体と
離間しているため、玉葱の茎葉の長さによつては
茎葉が多数の弾性突起に係止されずこれが一対の
搬送ローラ間に導入されない場合も生じ茎葉を一
対の搬送ローラ間の下方に導く確実性に欠けると
いう問題がある。また多数の弾性突起は、螺旋状
紐状体と離間して螺旋状紐状体間に突設されてい
ることにより、搬入された玉葱中に石が混在して
いる場合には、その石によつて多数の弾性突起が
損傷されたり、切損されるという問題がある。さ
らに多数の弾性突起を一対の搬送ローラの外周部
にそれぞれ独立して突設するには多くの手数を要
するのみならず、安定性に欠けるという問題があ
る。

そこで、本発明はこのような点に鑑みなされた
もので、玉葱の茎葉を一対との搬送ローラ間の下
方に確実に送り込むことができ、この茎葉を送り
込む弾性突起が石によつて損傷されたり、切損さ
れることがないようにし、さらにこの多数の弾性
突起を簡単かつ安定よく保持できるようにした玉
葱搬送装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明の玉葱搬送装置は、相互間に玉葱と茎葉
に導入する間隔をおくとともに互いに内側に向つ
て回動される一対の搬送ローラを回動自在に並設
軸架し、この一対の搬送ローラの長さ方向外周部
に上記玉葱を長さ方向に搬送する一対の搬送突条
を所定のか間隔をおいて螺旋状に突設し、この螺
旋状の一対の搬送突条間に上記玉葱の茎葉を係止
して一対の搬送ローラ間の下方に導く多数の弾性
突起を所定の間隔をおいて一対の搬送突条より高
く突設したものである。

（作用） 本発明の玉葱搬送装置によれば、一対の搬送ロ
ーラをそれぞれ内側に向つて回動する一方、この
一対の搬送ローラ上に玉葱を搬入すると、この玉
葱は、それぞれの螺旋状の搬送突条によつて一対
の搬送ローラ間に移動されて搬送方向に搬送され
るとともに、このそれぞれの一対の搬送突条間に
突設された多数の弾性突起によつて上記玉葱の茎
葉が係止されて一対の搬送ローラ間の下方に導か
れて搬送され、したがつて玉葱は姿勢が整えら
れ、かつ、その茎葉が一対の搬送ローラ間に導入
されて下向きに垂下されて搬出端部に搬送され
る。

（実施例） 以下、本発明の一実施例の構成を添附図面に基
づいて説明する。

図において１は玉葱収穫機の機枠で、この機枠
１の前方部に順次、回動自在の走行輪２、前端部
に堀起体３を有する第１のコンベヤ４、この第１
のコンベヤ４の搬出端部に搬入部を臨ませた後上
りに傾斜する第２のコンベヤ５を回行自在に設け
られている。また上記機枠１上には、玉葱搬送装
置６及びにエンジン７が設けられているととも
に、この機枠１の下部には連動媒体８を介して上
記エンジン７によつて駆動される回行自在の無限
軌道帯９が設けられている。

前記玉葱搬送装置６は、前記機枠１の左右両側
部上に一対の側枠１０，１０が相対して設けら
れ、この一対の側枠１０，１０間に、相互に玉葱
ａの茎葉ｂを導入する所定の間隔１１をおいて平
行状に配設された一対の搬送ローラ１２，１２を
一組とする複数組の搬送ローラ群１３が回動自在
に並設軸架されている。またこの各組上における
一対の搬送ローラ１２，１２は、それぞれ玉葱ａ
の茎葉ｂを、この一対の搬送ローラ１２，１２間
に導入するように互いに内側に向つて回動自在に
軸架され、この一対を一組とする複数組の搬送ロ
ーラ群１３は前記エンジン７に連動媒体１４を介
して連動連結されている。

前記各組における一対の搬送ローラ１２，１２
は、長さ方向外周部に一連の係合凹溝１５，１５
所定のピツツで螺旋状に形成され、この係合凹溝
１５，１５内にはゴム板等の弾性部材からなる細
巾長尺板状の螺旋帯１６，１６が嵌着され、この
螺旋帯１６，１６の上面部には所定の間隔をおい
て弾性変形可能な多数の弾性突起１７，１７が一
体に立設され、この多数の弾性突起１７，１７を
有する螺旋帯１６，１６は上記係合凹溝１５，１
５において所定位置が複数のビス１８，１８によ
つて着脱交換可能に止着されている。また上記一
対の搬送ローラ１２，１２のそれぞれの係合凹溝
１５，１５の一側開口縁部１９，１９上にはこの
係合凹溝１５，１５にそつて、一方の丸鋼などか
らなる搬送突条２０，２０が螺旋状に溶接などに
よつて一体に固着されている。また上記係合凹溝
１５，１５の他側開口縁部２１，２１上にはこの
係合凹溝１５，１５にそつて他方の丸鋼などから
なる搬送突条２２，２２が螺旋状に配設されてい
るとともに、これが所定位置において複数のビス
２３，２３によつて着脱交換自在に止着されてい
る。そして、これにより、上記係合凹溝１５，１
５の両側の開口縁部１９，２１上の一対の螺旋と
の搬送突条２０，２２間に上記螺旋帯１６の上部
が挾持されるように介在されているとともに、こ
の一対の搬送突条２０，２２間に上記多数の弾性
突起１７，１７が玉葱ａを茎葉ｂを係止できるよ
うに上記一対の搬送突条２０，２２より外方に高
く螺旋状に突設されている。また上記一対の搬送
突条２０，２２からなる螺旋状間のピツチは玉葱
ａを搬送可能なピツチで形成されている。

しかして、上記一対の搬送ローラ１２，１２
は、合成樹脂にて中空円筒状に形成され、この中
空部２４，２４内には回転軸２５，２５が挿通さ
れてこれがそれぞれの搬送ローラ１２，１２の両
端部においてその相互が一体に連結され、この回
転軸２５，２５の両端部が回動自在に架されてい
るとともに、この各回転軸２５，２５の一端部が
連動媒体を介して一対毎に相互に内側に回動され
るように連動連結されている。そして一側部にお
ける回転軸２５の一端部が上記連動媒体１４を介
して前記エンジン７に連動連結されている。

つぎに、前記各組における一対の搬送ローラ１
２，１２の搬出端部間に対してそれぞれ玉葱ａの
茎葉ｂを切断するカツター２６が回動自在に設け
られこの各カツター２６の回転軸２７はミツシヨ
ン２８及び動力伝達軸２９を介して前記エンジン
７に上記連動媒体１４を介して回動自在に連動連
結されている。

また前記各カツター２６の後方部にはこの各カ
ツター２６によつて茎葉ｂが切断除去された玉葱
ａを搬送する横送りコンベヤ３０が設けられ、こ
の横送りコンベヤ３０の搬出端部には玉葱ａを収
納するコンテナ３１が設けられている。

つぎに、前記構造の作用を説明する。

エンジン７を駆動して本機を進行するととも
に、このエンジン７からの動力で第１のコンベヤ
４及び第２のコンベヤ５はそれぞれ第６図時計方
向に回行され、また玉葱搬送装置６の搬送ローラ
群１３及び各カツター２６が所定の回動方向に連
動されて回動される。

そして、堀起体３で圃場の玉葱ａの堀起される
かまたは根切りされた玉葱ａはすくい上げられる
とともに、この玉葱ａは、第１及び第２のコンベ
ヤ４，５によつて土が振るい落されながら搬送さ
れ、第２のコンベヤ５の搬出端部から玉葱搬送装
置６の搬送ローラ群１３の搬入部に搬入される。
またこの搬送ローラ群１３に搬入された各玉葱ａ
は、相互に内側に向つて回動されている一対の搬
送ローラ１２，１２毎に分散されるとともに、こ
の各組における一対の搬送ローラ１２，１２上の
玉葱ａは、それぞれの螺旋状の一対の搬送突条２
０，２２によつて一対の搬送ローラ１２，１２間
に移動されて搬送方向に搬送されるとともに、こ
のそれぞれの一対の搬送条２０，２２間に突設さ
れた多数の弾性突起１７，１７によつて上記玉葱
ａの茎葉ｂがその生際の近傍部が係止されて一対
の搬送ローラ１２，１２間の間隔１１内に下方に
導入されて搬送されしたがつて、玉葱ａは茎葉ｂ
が下向きに垂下され、かつ、この玉葱ａの根ｃが
上向きに姿勢が整えられて一対の搬送ローラ１
２，１２の搬出端部に搬送される。そして、この
各組における一対の搬送ローラ１２，１２間の下
方に垂下された各玉葱ａの茎葉ｂはそれぞれのカ
ツター２６によつて切断されて排除される一方、
玉葱ａは横送りコンベヤ３０に搬入搬送されてコ
ンテナ３１内に収納される。

上記の場合、多数の弾性突起１７，１７を有す
る螺旋帯１６，１６は、搬送ローラ１２，１２の
係合凹溝１５，１５内に嵌着係止されているとも
に、この多数の弾性突起１７，１７の基部は一対
の搬送突条２０，２２によつて両側から挾持され
ていることによつて、多数の弾性突起１７，１７
は玉葱ａの搬送中において玉葱ａによつて横方向
に押動される搬送抵抗を受けて分離するようなこ
となく確実に保持される。

また、一対の搬送突条２０，２２のピツチ間に
おける搬送ローラ１２，１２の外面部には多数の
弾性突起１７，１７を設けず、この多数の弾性突
起１７，１７は一対の搬送突条２０，２２間に設
けたことにより、搬入される玉葱ａ中に石ｄが混
在していても、この石ｄは搬送ローラ１２，１２
の外面部で受けられ、多数の弾性突起１７，１７
上に乗り上げることなく、また、たとえ乗り上げ
る如き事態が生じた場合には、多数の弾性突起１
７，１７は石ｄによつて弾性変形し一対の搬送突
条２０，２２間内の一方側に倒れてこれから回避
するとともに、この石ｄは一対の搬送突条２０，
２２によつて支持され、かつ、この一対の搬送突
条２０，２２の回動によつて円滑に搬送される。

前記実施例では多数の弾性突起１７，１７を有
する螺旋帯１６，１６は、一対の搬送ローラ１
２，１２の係合凹部１５，１５内に装着して複数
のビス１８，１８にて止着する場合について説明
したが、この螺旋帯１６，１６は、第７図ないし
第９図に示すように一対の搬送ローラ１２，１２
の長さ方向外周部に所定のピツチで螺旋状に配設
するとともに、これを複数のビス１８，１８にて
止着するようにしてもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、一対の搬送ローラのそれそぞ
れに設けた螺旋状の一対の搬送突状間に多数の弾
性突起を螺旋状に突設したことにより、搬入され
た玉葱の茎葉は一対の搬送ローラ間の下方に確実
に送り込まれるとともに切断し易いように姿勢を
確実に下向きに整えることができる。また多数の
弾性突起は一対の搬送突状間に突設したことによ
り、茎葉の姿勢を下向きに整える多数の弾性突起
は、一対の搬送突状によつて保護されまたその弾
性変形によりこれが石によつて損傷されたり、切
損されることを確実に防止することができ、また
この多数の弾性突起は一対の搬送突条によつて簡
単かつ安定性よく保持することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示すもので、第１図は
玉葱搬送装置の一部の平面図、第２図は同上Ａ〜
Ａ線部の断面図、第３図は第１図Ｂ〜Ｂ線部の断
面図、第４図は同上弾性突起の作動説明図、第５
図は同上一部の分解斜視図、第６図は玉葱搬送装
置を備えた収穫機の側面図、第７図は他の実施例
を示す玉葱搬送装置の一部の断面図、第８図は同
上弾性突起の作用説明図、第９図は同上分解斜視
図である。 １１……間隔、１２……搬送ローラ、１６……
螺旋帯、１７……弾性突起、２０，２２……搬送
突条、ａ……玉葱、ｂ……茎葉。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相互間に玉葱と茎葉を導入する間隔をおくと
   ともに互いに内側に向つて回動される一対の搬送
   ローラを回動自在に並設軸架し、この一対の搬送
   ローラの長さ方向外周部の上記玉葱を長さ方向に
   搬送する一対の搬送突条を所定の間隔をおいて螺
   旋状に突設し、この螺旋状の一対の搬送突条間に
   上記玉葱の茎葉を係止して一対の搬送ローラ間の
   下方に導く多数の弾性突起を所定の間隔をおいて
   一対の搬送突条より高く突設したことを特徴とす
   る玉葱搬送装置。 ２ 多数の弾性突起は、一対の搬送突条間にこの
   一対の搬送突条にそつて取着された螺旋帯から突
   出されていることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の玉葱搬装置。 ３ 一対の搬送突条中の少なくとも一方の搬送突
   条及び多数の弾性突起を有する螺旋帯は、搬送ロ
   ーラの外周部に着脱可能に取着されていることを
   特徴とする特許請求の範囲第２項記載の玉葱搬送
   装置。