JPH0367523B2 - - Google Patents

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JPH0367523B2
JPH0367523B2 JP61312581A JP31258186A JPH0367523B2 JP H0367523 B2 JPH0367523 B2 JP H0367523B2 JP 61312581 A JP61312581 A JP 61312581A JP 31258186 A JP31258186 A JP 31258186A JP H0367523 B2 JPH0367523 B2 JP H0367523B2
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water
polymer
organic liquid
aggregate
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Hideo Yasui
Wataru Okada
Yasuhiro Miki
Toragoro Mitani
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Priority to CA000555535A priority patent/CA1325862C/en
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は乳化重合や懸濁重合で得られた高分子
ラテツクスから粉体状又は粒状の乾燥した高分子
を回収する方法に関する。更に詳しくは、高分子
ラテツクスの凝集体中の水分子を有機液体で置換
することにより、少量の乾燥エネルギーで乾燥す
ることができ、安価に粉体状又は粒状の高分子を
回収する方法に関する。 「従来技術と問題点」 従来より、単量体を重合して高分子を得る方法
としての乳化重合や懸濁重合は、重合系の制御の
しやすさ、高重合率の実現や高重合度高分子の取
得などの点から優れた重合法として工業的にも広
く用いられている。これらにおいては、先ず、乳
化重合や懸濁重合によつて得られたラテツクスを
塩や酸等の凝固力を有する物質(凝固剤)とを接
触させることによつて高分子凝集体とする。この
凝集体はラテツクス粒子の集合体であり、凝集を
この高分子の融着温度よりも低い温度で行えば、
ラテツクス粒子間には間隙があり、その間隙に水
を含有したポーラスな構造をしている。また融着
温度以上の温度で凝集すれば、凝集と同時にラテ
ツクス粒子が互いに融着合体し密に詰まつた粒子
を形成することができる。融着温度より低い温度
で凝集せしめたポーラスな凝集粒子であつても、
その後融着温度以上に加温すれば同様の粒子を得
ることができる。融着温度より低い場合に得られ
るポーラスな粒子は軟弱で、ラテツクスの基本粒
子にまでばらけ易く、脱水や洗浄、乾燥等の操作
が極めて困難になるので、一般的には凝集粒子を
融着温度以上に加熱し、粒子を融着させたスラリ
ーとした後に脱水、洗浄、乾燥等の操作が行われ
る。このようにして得られる粒子は、当然のこと
ながら粒子内部に残留する物質が出にくく、この
粒子をいかに微細化しても、高純度の高分子粉粒
体として回収できない。また一方では、脱水、洗
浄の後、乾燥する際に水を蒸発させる為、大量の
エネルギーを要し、コストが高くつくのが欠点と
なつている。他方、融着温度より低く保たれたポ
ーラスな凝集粒子は、仮に十分な脱水や洗浄が可
能であれば、粒子内部に含まれる物質の除去は容
易に行わわれる事になるが、実際には脱水後も更
に大量の水が残るので、莫大な乾燥エネルギーが
必要になつてしまう。 「問題点を解決するための手段」 本発明はこのような乳化重合や懸濁重合で得ら
れるラテツクスから凝集によつて高分子を粉粒体
で回収するにあたり、粒子内部に含まれる物質の
除去を容易にしつつ、乾燥エネルギーの大幅な減
少を可能にする方法に関するものである。 即ち、本発明は、 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた高分
子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が互い
に融着合体していない含水状態の凝集体とな
し、 (B) 前記凝集体を凝集体高分子を濡らすが溶解も
しくは膨潤させない、水に不溶或いは難溶の有
機液体中に前記凝集体を構成するラテツクス粒
子が融着合体する温度より低い温度で浸漬させ
ることにより、前記凝集体中の水分を前記有機
液体で置換し、 (C) 排斥した水と前記凝集体が浸つている前記有
機液体との2相を形成させ、有機液体相から前
記凝集体を分離し、前記凝集体に付着している
前記有機液体を脱液、蒸発させて除去すること
を特徴とする、高分子を乾燥粉粒体で回収する
方法を内容とするものである。 先ず、重合によつて得られた高分子ラテツクス
を凝固して高分子凝集体とするが、この時に用い
られる凝固剤はラテツクスを凝固できるものであ
れば何でもよい。但し、粒子中に残留させたくな
い物質を用いる場合は、後述の操作で除去し得る
ものであり、また、高分子の加工物性を阻害しな
いものであればよい。一般的には、酸と塩の中か
ら選ばれ、凝固操作の容易さから水溶液が選ばれ
る。この凝固は高分子の融着温度よりも低い温度
下で実施され、ラテツクス粒子が互いに融着合体
していないのが望ましい。ラテツクス粒子が融着
合体していない凝集粒子は前記の如く軟弱で取り
扱いが難しいが、この軟弱さは、凝集粒子の固形
分濃度に依存しており、固形分濃度が大きいほど
望ましく、通常では20%以上であれば固体として
取り扱えることが多く、脱水、洗浄や乾燥の操作
が適用できる。また、必要な場所で融着温度以上
に加熱して、粒子を固めることができる。 このようなことから、本発明を適用する際の望
ましい凝固法として、ラテツクス中に凝固種を点
在させて粒子を成長させる方法やラテツクスを凝
固性雰囲気中に噴霧して球形の粒子をつくる方法
があり、これらの方法で得られた凝固粒子を対象
にするのが望ましい。 この凝集体を融着させずそのままの状態で、こ
の高分子を溶解又は膨潤させず且つ高分子と馴染
む有機液体であつて且つ水に不溶もしくは難溶の
有機液体中に浸すことにより、凝集体の内部に存
在する水分を凝集体の外に排斥し、凝集体内を該
有機液体と置き換えることができる。該有機液体
が二種以上の混合液体である時には、混合液体と
して高分子を濡らし且つ高分子を溶解、膨潤させ
ないものであれば良いので、例えば、高分子を濡
らしにくい液体でも高分子を溶解、膨潤させない
ならばこれを主成分として、高分子を溶解するが
濡らす力のある液体を少量混合して用いることが
できる。 凝集体を上記有機液体に浸漬すると、直ちに凝
集体粒子表面が濡れ、表面及び粒子内部にある間
隙に浸透していき、そこに存在していた水を追出
して置き換わる。この置き換わりの速度は早く、
凝集体粒子の直径が10mmを越える巨大粒子であつ
ても、約10分間で置換はほぼ完了してしまう。し
かし、凝集体が膨潤乃至溶解すると、凝集体粒子
表面及び粒子内部のラテツクス粒子が融着合体
し、粒子間隙のない連続層を形成してしまうの
で、水の置き換えは出来なくなる。そればかりで
なく、その後の乾燥の速度も極めて遅くなつてし
まうので、工業的な取り扱いができなくなる。 凝集体粒子を有機液体に浸漬する方法は、単に
有機液体中に凝集体粒子を静置して浸漬するだけ
で良いが、撹拌や通夜による有機液体の流れ中に
置く方が更に効果的である。しかし、撹拌や激し
い乱流により、凝集体粒子がこわれて微細化する
ことを避ける必要があるので、強さにより浸漬方
法を選定する。水との置き換えに必要な有機液体
の量は、凝集体粒子が有機液体に浸つた後凝集体
内部の水を有機液体に置換し、排斥された水と凝
集体粒子が浸つている有機液体とが2相をなし、
その有機液体相に凝集体粒子が浸かつている液高
が有機液体の必要量である。又、必要な浸漬時間
は凝集体の性質と有機液体の種類や凝集体粒子の
充填度等によつて決まるので一義的に定まらない
が、含有水の排斥率80%以上を10分以内に行える
ことを一応の指標として種類や条件を選ぶのが良
い。又、凝集体粒子を含む有機液体相と粒子から
排斥された水とが2相を形成するので、水相の部
分は容易に系外へ取り出すことができ、凝集体粒
子の回収は有機液体相だけを対象に行なえば良
い。 重合系に含まれる夾雑物のうち、水溶性のもの
は粒子内部の水又は表面に付着する水を問わず排
斥する際に粒子外に持出されて、乾燥により粒子
内に残留することができないので、高純度の高分
子が得られるのがこの方法の特徴でもある。ま
た、残留している未反応モノマー等の油溶性物質
は、有機液体との置き換え時や表面水の排斥時に
有機液体に溶解するので、有機液体中の該油溶性
夾雑物濃度を小さくすることで効率的な除去も可
能となる。 このようにして、粒子内部の水を有機液体に置
き換えたり、粒子外表面の水を排斥した後、この
凝集体は、脱液、洗浄、乾燥を経て粉粒体とされ
るが、その際凝集体がばらけて壊れ、微粉化して
しまうことを避ける必要があれば、その高分子の
融着温度以上に加温を行えばよい。 このように、本発明で対象とする高分子は、乳
化重合や懸濁重合で得られるラテツクスの凝集体
であり、この凝集体は構成粒子であるラテツクス
粒子の充填集合体であるが、互いに融着しておら
ず、従つて粒子間に空隙を有するポーラスな凝集
体である。通常、このような凝集体は大量の水を
内包しており、この凝集体を乾燥するには多大の
乾燥エネルギーを必要とするが、有機液体と置き
換えることで蒸発潜熱が激減し、エネルギーの大
幅な削減が実現できる。また、水との置き換え有
機液体が水に不溶乃至難溶であるので、有機液体
の回収、再利用が容易に、しかも廉価にできる。
このように、凝集体がポーラスであれば、水と有
機液体との置き換え、その後に残留する有機液体
の乾燥が迅速且つ容易となる。以上のことから、
乳化重合や懸濁重合で得られるラテツクスから高
純度の高分子を効率良く、安価に生産することが
可能となるので、工業的に大変有利になる。 本発明の対象となり得る高分子ラテツクスは乳
化重合又は懸濁重合で得られた樹脂状で回収し得
るほとんど全ての高分子ラテツクスを対象とし得
る。 次のモノマー群から選ばれた1種又は2種以上
のモノマーを主とする単量体組成物を重合又は共
重合又はグラフト重合させた重合体ラテツクスの
単独又は混合ラテツクスが対象となり得る。但
し、重合し得ないものを除くのは当然である。ス
チレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシ
アン化物;メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート等のアクリルエステ
ル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート等のメタクリルエステ
ル;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニリデン;アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニ
ル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン;アリルメタクリ
レート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レート、モノエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレー
ト等の架橋モノマー。 更に、本発明に於いて以下に示す高分子ラテツ
クスは特に好適に使用され得る。 (1) アクリロニトリルモノマー20〜80部と、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビ
ニリデンの1種又は2種以上の混合物20〜80部
と易染性モノマー0〜10部とから成る単量体を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (2) スチレン0〜50wt%(重量%、以下他種%
と記さない限り%はwt%とする)、ブタジエン
50〜100%より成るブタジエン系重合体ラテツ
クス。 (2′) (2)のブタジエン系重合体ラテツクス20〜
80部の存在下にアクリルエステル0〜50%、メ
タクリルエステル0〜100%、ビニル芳香族0
〜90%、ビニルシアン化物0〜90%及び他の共
重合可能な単量体0〜20%よりなる単量体20〜
80部を重合して得られる高分子ラテツクス。 (3) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%、
アクリルエステル0〜30%より成るゴム状重合
体ラテツクス0〜20部の存在下に、メチルメタ
クリレート0〜100%、メチルメタクリレート
を除く他のメタクリルエステル又はアクリルエ
ステル0〜60%、ビニル芳香族0〜90%、ビニ
ルシアン化物0〜90%より成る単量体80〜100
部を重合して得られる高分子ラテツクス。 (4) スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%よ
り成るブタジエン系重合体10〜90部の存在下
に、ビニル芳香族、メタクリルエステル、アク
リルエステル、ビニルシアン化物の中から選ば
れた1種又は2種以上の単量体を10〜90部重合
させたグラフト共重合物(A)0〜50部と、α−メ
チルスチレン0〜70モル%を含み、ビニル芳香
族、メタクリルエステル、アクリルエステル、
アクリル酸、ビニルシアン化物の中から選ばれ
た1種又は2種以上の単量体を30〜100モル%
含む単量体を重合させた重合物(B)50〜100部と
の混合ラテツクス。 (5) アクリルエステル40〜100%と、ビニル芳香
族、ビニルシアン化物、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、又は共役ジオレフインの
中から選ばれた1種又は2種以上の単量体を0
〜60%と、架橋剤0〜10%とを重合して得られ
るゴム重合体5〜85部の存在下に、メタクリル
エステル、ビニルシアン化物、アクリルエステ
ル、ビニル芳香族及びこれらと共重合可能な単
量体より選ばれた単量体の1種又は2種以上を
15〜95部重合して得られる高分子ラテツクス。 (6) 塩化ビニリデン40〜100部と、ビニル芳香族、
ビニルシアン化物、アクリルエステル、メタク
リルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から
選ばれる1種又は2種以上の単量体0〜60部を
重合して得られる高分子ラテツクス。 (7) 塩化ビニル40〜100部、ビニルシアン化物0
〜20部と、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化
ビニリデン、アクリルエステル、メタクリルエ
ステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、架橋モノマーの中から選ばれ
る1種又は2種以上の単量体の0〜60部を重合
して得られる高分子ラテツクス。 高分子ラテツクスを凝固して凝集体をつくる
のに用いられる凝固剤は、その高分子ラテツク
スを凝固しうるものであれば何でも良い。一般
的には、高分子の使用目的、操作性コスト等か
ら選ばれる。例えば、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化
カリウム、臭化リチウム、沃化カリウム、硫酸
カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム、塩化カルシウム、硫酸第1鉄、硫酸
マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化バリウ
ム、塩化第1鉄、塩化マグネシウム、塩化第2
鉄、硫酸第2鉄、硫酸アルミニウム、カリウム
ミヨウバン、鉄ミヨウバン等の無機塩類、塩
酸、硫酸、燐酸、硝酸等の無機酸類、苛性ソー
ダ、苛性カリ、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム等の無機アルカリ類、酢酸、蟻酸等の
有機酸類、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、
蟻酸ナトリウム、蟻酸カルシウム等の有機酸の
塩類であつて、単独又は混合物の固体、液体、
水溶液もしくは水溶性有機溶媒の溶液がある。 凝集体内部の水と置き換えに用いられる有機液
体は、(1)凝集体高分子を濡らし(馴染み)且つ、
(2)溶解や膨潤させないことが必須であり、(3)水と
の置換を十分に実現するために、水に難溶もしく
は不溶であることが必要で、更には凝集体から排
斥された水から分離・回収して再利用するには水
に不溶のものが最も有利である。上記(1)、(2)に関
しては、高分子に対する表面張力と溶解パラメー
ター(SP値)の差が指標になるものと考えられ
る。 高分子を濡らすためには、液体の表面張力は高
分子の臨界表面張力よりも小さければ良いとされ
ているが、ここで言う濡れは凝集体粒子内に浸透
していく浸漬濡れに相当し、この濡れは界面張力
で定まり、固一液間の界面張力の低下によつて濡
れると考えられる。つまり、具体的には、凝集体
粒子と水の界面の自由エネルギーよりも凝集体粒
子と有機液体との界面自由エネルギーの方が小さ
いことが条件となる。しかし、高分子の種類によ
つて当然異なるが、殆どの場合、30dyne/cm以
下であれば水との置換は可能と考えて良い。ま
た、高分子を溶解や膨潤させないためには、溶解
パラメーターの差を目安にし、その差が1.5〜2.0
程度であればよいとされるが、実際は、操作温度
によつて異なつたり、高分子の重合度や共重合の
構造によつて異なるし、特に溶液や高分子が二種
以上の混合物の場合はSP値による選定が実際上
無理になる。何れにしても、溶解や膨潤の有無は
互いに混合してみることで簡単に且つ迅速に調べ
ることができるのでSP値による選定は予備選定
の意味をもつ。 このような液体としては、例えば炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、アセ
タール、ケトン、エステル、多価アルコール、多
価アルコール誘導体、フエノール、窒素化合物、
イオウ化合物、リン化合物の有機液体がある。液
体の選定に当たつては、先ず高分子を操作温度に
おいて、溶解、膨潤させないものから、選定範囲
が大幅に絞られることになる。この点から、炭化
水素類やアルコール類が適していることが多い。
上記(1)、(2)、(3)の必要条件を満たす為、2種類以
上の混合液体が用いられることもある。 一般的には、パラフイン類、脂環族炭化水素及
びそのアルキル置換体は水に不溶であるが分子量
が大きくなれば、高分子を膨潤させてしまう。ま
た、アルコール類は分子量が大きくなれば、水に
難溶になるが同時に高分子を膨潤させてしまう。
従つて、単独の有機液体としてはCが4〜7の炭
化水素類、Cが4から5のアルコール類が選ばれ
ることが多い。混合溶剤を用いる場合はCが4〜
7の炭化水素を主成分としてCが1〜5のアルコ
ール類が選ばれることが多い。更に、抽出後、凝
集体を乾燥して高分子の粉粒体として得ることに
なるので、有機液体の乾燥性(沸点、蒸発潜熱)
や作業時の安全性等の面から、更にはコストから
も最適な有機液体を選ぶべきである。 融着温度は、ラテツクス粒子が融着合体する温
度を意味し、一般には物質の融点と考えて良い。
しかし高分子に関しては明確な融点が見られない
ことから定義は難しく、同一重合体であつても重
合度やその分布のみでは決まらず、その結晶度や
可塑効果を与える夾雑物によつても大きく影響を
受ける。しかし、実際的にはガラス転移点をTg
(℃)とすると、 Tg+273/0.8−273〜Tg+273/0.6−273(℃) の範囲になると考えて良い。具体的な本発明の実
施に当たつては、その高分子のTgの概略値が判
れば軟化点の概略値も掴めるので、2〜3の温度
を試すことで容易に最適温度範囲を知ることがで
きる。 上式の妥当性は、各種異なる軟化温度の高分子
ラテツクスを用いて、種々の温度にて操作して得
た粒子内部を走査型電子顕微鏡によりラテツクス
粒子の融着合一の有無を観察した結果によつて確
認される。 「作用・効果」 本発明は、ラテツクス粒子が互いに融着合体し
ていないポーラスな凝集体粒子とし、有機液体中
に浸漬することで凝集体粒子に含有される水分を
有機液体に置換させ、排斥した水と該凝集体粒子
が浸つている該有機液体との2相を形成させた
後、該有機液体相から凝集体粒子を回収し、粒子
中の有機液体を蒸発乾燥することにより、エネル
ギーの大幅な節約が達成されるばかりでなく、重
合系の夾雑物は水溶性、油溶性を問わず、効率的
に除去され、高純度の高分子を安価且つ有利に得
ることができる。 「実施例」 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限を受ける
ものではない。 実施例 1 ブタジエン重合体上にスチレン、アクリロニト
リル及びメチルメタアクリレートの混合物をグラ
フト共重合させた高分子ラテツクスであつて、ブ
タジエン60%、メチルメタアクリレート10%、ア
クリロニトリル10%及びスチレン20%より成る高
分子ラテツクス(A)33%と、α−メチルスチレン
20、アクリロニトリル25%及びスチレン55%より
成るホモ共重合高分子ラテツクス(B)67%を混合し
た高分子ラテツクスであつて、そのラテツクスの
中の固形分濃度が30%、固形分に対しα−メチル
スチレンモノマー2.8%、スチレンモノマー1.7%
の残留モノマーを有する、温度30℃の高分子ラテ
ツクスを1ニツトルビーカーにとり、d/D=
0.5の掻き上げ3枚プロペラ羽根を用い、300rpm
にて室温で撹拌した。凝固剤として(1)10%塩酸水
溶液、(2)30%塩化カルシウム水溶液をこれに添加
して分散させ、約10秒後、回転数を100rpmとし、
緩やかに撹拌しながら10分間処理した。次いで、
該高分子ラテツクスから32メツシユの篩を通して
凝固粒子を分離した。この凝固粒子は4〜10メツ
シユに90%以上ある粒度分布のシヤープな球形粒
子で、凝固粒子の固形分濃度は35〜38%であつ
た。この凝固粒子を更に水に分散し、温度を85℃
に上げて15分間保持した後、32メツシユの篩で脱
水しサンプル(1)、(2)とした。また、(1)と同様の操
作により得た凝固粒子を85℃に加温し保持する
間、水酸化カリウム水溶液にてPH10.5に調整し、
脱水した粒子をサンプル(3)に、そして、(2)と同様
の操作により凝固粒子を水に分散する際、塩酸水
溶液にてPH2.0に調整した後、加温、脱水した粒
子をサンプル(4)として抽出に用いた。 サンプル(1)〜(4)ともに85℃の加温処理によつ
て、粒子は収縮し固形分濃度が50〜55%に増加し
た。 上記の含水粒子50gをとり、10メツシユの金網
容器に入れ、第1表に示した如く、種々の有機液
体150mlで温度を一定にした中に浸した。また、
用いた有機液体のSP値と表面張力(20℃におけ
る)を第2表に示した。 尚、上記高分子の融着温度は92℃、推定SP値
は9.3±2、推定臨界界面張力は33±2dyne/cmで
あつた。
【表】 (1) 水の除去率は浸漬テスト前後のサンプルをカ
ールフイツシヤーで水分含量を測定してその比
で除去率を計算した。水の除去率は水と有機液
体の置換率と考えてよい (2) α−メチルスチレン、スチレンの定量はいず
れもガスクロマトグラフに依つた。モノマーの
平衡濃度はα−メチルスチレン約0.79%、スチ
レン約0.48%である。
【表】
【表】 上記から明らかな通り、水の排斥は極めて迅速
に為されていることが判る。また、上記モノマー
の平衡濃度から判断して、非常に高い抽出率を示
していることが伴る。尚、上記操作中、粒子は破
壊や合一がなく、球形を保持していた。 比較例 1 実施例1と同様の操作で得た粒子を85℃の加温
に代えて95℃に加温した粒子を同様にして得、実
施例1と同じ有機液体でテストを行つた。 粒子を有機液体に浸漬しても、粒子表面に付着
していたと思われる水がごく少量容器の底に見ら
れるだけで、水量の測定するまでもなく粒子内部
の水は明らかに排出できていない。上記に加え
て、抽出後の粒子の乾燥性が著しく悪いことから
も95℃に上げることにより粒子表面及び内部が融
着した融着粒子になつていると推定される。いづ
れのテストもαメチルスチレン、スチレン共、5
〜10%の減少に止まつており、処理時間を更に1
時間に延長しても20%の減少は達成できなかつ
た。 比較例 2 実施例1と同様の操作で得た粒子を第3表の液
体、温度で実施例1と同様に抽出操作を行つた。
【表】 テスト、イ、ヘは抽出後の粒子には融着は見ら
れず、油相と水相が分離しなかつた。その他のテ
スト粒子は膨潤して粒子が融着状態になつてお
り、ビーカーの底部に少量の水相が分離してい
た。 上記の抽出除去は浸漬時間を1時間に延長して
も、それ以上水の排除率は減少しなかつた。この
ように水と液体との置換は不十分で、またロ、
ハ、ニ、ホでは脱液後は、乾燥が非常に難しく、
乾燥温度を70℃以上にすると、粒子が膨らんでし
まう現象が見られた。 実施例 2 スチレンとブタジエンを共重合したものに、ス
チレンとメチルメタクリレートの混合物をグラフ
ト重合させた高分子ラテツクスであつて、スチレ
ン35%、メチルメタクリレート20%、ブタジエン
45%より成り、融着温度67℃で固形分濃度30%、
温度30℃の高分子ラテツクスを、加圧ノズルの1
種である空円錐ノズルで円筒状凝固室中に噴霧し
た。この噴霧したラテツクス液滴は、平均液滴径
220ミクロンであつた。 一方、この凝固室は内壁上部に取り付けたサイ
ドスプレーノズルから45℃の温水を回収液として
内壁面を流下させており、その内部に10%、15℃
の塩酸水溶液を孔径が2.0mmの内部混合形2流体
ノズルで0.6Kg/cm2の水蒸気で100ミクロン以下の
微細液滴に分散し、温度42〜45℃、圧力が大気圧
の凝固性雰囲気をその内部に形成させた。 分散させたラテツクス液滴な凝固室内を落下中
に凝固剤と接触して凝固され、回収液に捕集され
て、スラリーとして凝固室から取り出された。凝
固室から取り出されたスラリー中のラテツクスの
凝固粒子は、破壊や合一の殆どないほぼ完全な球
形の独立粒子であつた。このスラリーを撹拌下で
60℃に加温し、10分間保持した後、濾布を用いた
遠心脱水機により凝固粒子を取り出した。この凝
固粒子は平均粒径200ミクロンでほぼ完全な球形
をしており、固形分濃度53%であつた。また、こ
の凝固粒子は890ppmの残留スチレンモノマーを
含んでいた。 この水を含有する凝固粒子を50gとりビーカー
中に下記の有機液体150mlで温度を一定に保つた
液中に入れ緩い撹拌で所定の時間保持した後、ヌ
ツチエで液切りして取り出し、水分はカールフイ
ツシヤー滴定により、スチレン量をガスクロマト
グラフイーで定量測定した。またテスト前の粒子
中の水分を同じくカールフイツシヤで滴定した。
結果を第4表に示した。尚、この高分子の推定
SP値は8.8±2、推定臨界界面張力は34±
2dyne/cmである。
【表】 上記いずれのテストも、有機液体に浸漬後、数
分以内に粒子から水が排斥され、ビーカーの底に
溜り2相となつた。粒子は上相の有機液体の下部
に存在していた。尚、撹拌は底部に溜つた水が液
体中に分散しない程度の緩い撹拌とした。この抽
出操作により粒子は壊れや合一することなく、球
形を保つていた。 比較例 3 実施例2と同様の操作で得たスラリーを60℃に
加温する代わりに82℃に加温して粒子を得、実施
例2と同じ有機液体で同様のテストを実施した。 いづれのテストも残留スチレンモノマーで10〜
15%初期の含量から減少したに止まり、抽出時間
を更に1時間、2時間と延長しても、殆ど減少し
なかつた。また粒子を液体に浸漬しても、粒子表
面に付着していたと思われる水がごく少量ビーカ
ーの底に見られるだけで、粒子内部の水は水の残
量の測定する迄もなく明らかに排斥できていな
い。この現象と、抽出後の粒子の乾燥性が極めて
悪いことから、82℃に上げることにより粒子表面
及び内部が融着したと思われる。 比較例 4 実施例2と同様の操作で得た粒子を下記の有機
液体、温度で実施例2と同様に抽出操作を行つ
た。結果を第5表に示す。
【表】
【表】 テスト、ト、チは抽出後の粒子には融着は見ら
れなかつた。またビーカーの底部に水の分離相は
出なかつた。またテスト、リ、ヌ、ル、ヲは膨潤
して粒子が軟化融着状態になつていた。特に、
リ、ヌはビーカー内で互いに粒子が合一して塊化
してしまつた。リ、ヌ、ル、ヲはごく少量の水が
排斥されたと思われ、僅かの水がビーカーの底に
溜つた。 上記のテスト結果は浸漬時間を1時間に延長し
ても殆ど変わらないことが確められた。またテス
ト、リ、ヌ、ル、ヲは脱液後は乾燥が非常に難し
く、温度を上げると粒子の内部が膨らむ現象が現
れた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 乳化重合又は懸濁重合によつて得られた
    高分子ラテツクスを凝固し、ラテツクス粒子が
    互いに融着合体していない含水状態の凝集体と
    なし、 (B) 前記凝集体を凝集体高分子を濡らすが溶解も
    しくは膨潤させない、水に不溶或いは難溶の有
    機液体中に前記凝集体を構成するラテツクス粒
    子が融着合体する温度より低い温度で浸漬させ
    ることにより、前記凝集体中の水分を前記有機
    液体で置換し、 (C) 排斥した水と前記凝集体が浸つている前記有
    機液体との2相を形成させ、有機液体相から前
    記凝集体を分離し、前記凝集体に付着している
    前記有機液体を脱液、蒸発させて除去すること
    を特徴とする、高分子を乾燥粉粒体で回収する
    方法。
JP31258186A 1986-12-27 1986-12-27 高分子を乾燥粉粒体で回収する方法 Granted JPS63165406A (ja)

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DE3789220T DE3789220T2 (de) 1986-12-27 1987-12-24 Verfahren zur Gewinnung von Polymeragglomeraten als trockene Pulver oder Granulate.
EP87119223A EP0274741B1 (en) 1986-12-27 1987-12-24 Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules
CA000555535A CA1325862C (en) 1986-12-27 1987-12-29 Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules
US07/241,178 US4997911A (en) 1986-12-27 1988-09-07 Method of recovering polymer agglomerates as dry powders or granules

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61188402A (ja) * 1985-02-18 1986-08-22 Nippon Zeon Co Ltd 粒状ペ−スト用塩化ビニル樹脂の製造法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61188402A (ja) * 1985-02-18 1986-08-22 Nippon Zeon Co Ltd 粒状ペ−スト用塩化ビニル樹脂の製造法

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