JPH0366264B2 - - Google Patents
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- JPH0366264B2 JPH0366264B2 JP15946583A JP15946583A JPH0366264B2 JP H0366264 B2 JPH0366264 B2 JP H0366264B2 JP 15946583 A JP15946583 A JP 15946583A JP 15946583 A JP15946583 A JP 15946583A JP H0366264 B2 JPH0366264 B2 JP H0366264B2
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Landscapes
- Glass Compositions (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は耐酸性及び耐熱水性に優れた低温焼成
用乳白フリツトに関するものである。 (従来の技術) 鋼板への琺瑯掛けに用いられる従来の乳白フリ
ツトとしては、TiO2を結晶核とする白色結晶を
多量に生じさせることを目的とした組成のものが
普通であるが、このような結晶を析出させるため
には普通鋼板の変態温度をはるかに越える800〜
850℃で焼成を行う必要があるために焼成時に鋼
板が変形し易く、例えば建材パネルに使用した場
合には外観に見苦しい凹凸を生じ易い欠点があつ
た。また、低融点の琺瑯にTiO2等の白色顔料を
添加することにより変態温度以下の低温で焼成す
ることができるようにした低温焼成用の乳白フリ
ツトも開発されているが、顔料が均一に分散し難
いので色むらを生じ易いうえに低融点の琺瑯は一
般に耐酸性及び耐熱水性に劣るために長期間使用
すると変色を生じたり光沢を失い、建築外装用や
調理用等の用途には使用することができないもの
であつた。 (発明の目的) 本発明はこのような問題点を解消して鋼板の変
態温度より低温で焼成することができる耐酸性及
び耐熱水性に優れた低温焼成用乳白フリツトを目
的として完成されたものである。 (発明の構成) 本発明はSiO228.00〜37.00重量%、Al2O30.15
〜2.93重量%、ZrO20.00〜10.50重量%であつて
SiO2+Al2O3+ZrO2+TiO2が50.0〜64.0重量%、
Na2O9.50〜12.50重量%であつてNa2O+K2O+
Li2Oが19.00〜27.00重量%、Sb2O30.01〜0.68重量
%であつてSb2O3+B2O3+BaOが8.0〜16.00重量
%、ZnO5.4〜8.37重量%であつてZnO+MgOが
8.01〜13.40重量%の組成からなるものである。 本発明の低温焼成用乳白フリツトはTiO2及び
Sb2O3を結晶核とする乳白結晶を上記のとおりの
各成分の特定のバランス下において低温で析出さ
せると同時に耐酸性及び耐熱水性に優れた琺瑯層
を形成できるようにしたものであり、以下に各組
成の数値限定の理由を説明する。 SiO2は琺瑯層を形成するガラス質のネツトワ
ークフオーマーであつて、28.00重量%未満では
琺瑯層の耐酸性及び耐熱水性が低下することとな
り、逆に37.00重量%を越えると溶融温度が上昇
して低温焼成の目的を達成することができなくな
る。Al2O3は琺瑯層の耐風化性を向上させる性質
を有し、0.15重量%未満では耐熱水性を低下させ
るが逆に2.93重量%を越えると上記の乳白結晶の
析出を妨害するものであり、0.15〜0.89重量%の
範囲で特に好ましい白色度を生ずる。ZrO2は琺
瑯質の耐食性を向上させる性質を有するが、結晶
核形成剤としても作用するため10.50重量%を越
えると、TiO2及びSb2O3を結晶核とする乳白結晶
の析出を妨害する。そしてSiO2+Al2O3+ZrO2+
TiO2が50.0重量%未満であると耐熱水性が低下
し、逆に64.0重量%を越えると目的とする乳白結
晶の析出が悪く低温焼成が不可能となる。 次に、Na2Oは琺瑯層の溶融温度を低下させる
に重要な成分であつて、9.50重量%未満では低温
焼成ができないうえに結晶析出も悪化し、また、
Na2Oは琺瑯層の熱膨脹係数を増加させる性質を
も有するので、12.50重量%を越えると琺瑯層の
熱膨脹係数が鋼板よりも大きくなつてクラツク発
生の原因となる。そして、Na2O、K2O、Li2Oの
各アルカリ酸化物はいずれも低温焼成と乳白結晶
の析出とを可能とするものであつて、これらの合
計量が19.00重量%未満あるいは27.00重量%を越
えたいずれの場合にも低温焼成による乳白結晶の
析出が達成できなくなる。 次に、Sb2O3はTiO2とともに乳白結晶の結晶核
形成剤であつて、0.01重量%未満では乳白結晶の
析出が不十分となり、逆に0.68重量%を越えても
乳白結晶の析出及び成長が不十分となり、目的と
する乳白琺瑯が得られなくなるものであり、低温
焼成で良好な白色度を得るためには、0.01〜0.20
重量%が特に好ましい範囲である。そしてSb2O3
+B2O3+BaOが8.00重量%未満であると結晶析
出が悪く、逆に16.00重量%を越えると耐酸性が
悪化する。ZnOは結晶析出を助長するとともに琺
瑯層の耐化学性を向上させる性質を有し、5.4重
量%未満であると耐熱水性が低下するが8.37重量
%を越えると過剰となつて耐酸性が悪化し、ま
た、ZnO+MgOが8.01重量%未満及び13.40重量
%を越したときにも同様に耐熱水性と耐酸性がそ
れぞれ悪化する傾向を示す。 以上の組成からなる本発明の低温焼成用乳白フ
リツトは普通鋼の変態温度より低い620〜700℃の
温度で焼成することにより鋼板表面に耐酸性及び
耐熱水性に優れた乳白色の琺瑯層を形成すること
ができるものであり、次に好ましい実施例を比較
例とともに示す。 (実施例) 第1表のNo.1〜No.25の組成となるように配合さ
れた原料をシヤモツト質のルツボに入れて電気炉
あるいはガス炉中で1200〜1900℃で1時間保持し
て溶融させた後、水冷してフリツトを作成した。
このフリツト100部に対し粘土2部、炭酸カリウ
ム0.5部、水40部の比率で混合したものをポツト
ミルあるいはボールミルに入れて湿式混合粉砕し
て釉薬を作成し、これをニツケル処理が施された
厚さ0.3mmの薄板鋼板表面にスプレー掛けして施
釉し、第2表に示す温度で3分間焼成して乳白色
の琺瑯掛け鋼板を得た。なお、各表中A〜Eは本
発明の組成範囲を外れた比較例、Fは従来知られ
た高温焼成用の乳白フリツトである。
用乳白フリツトに関するものである。 (従来の技術) 鋼板への琺瑯掛けに用いられる従来の乳白フリ
ツトとしては、TiO2を結晶核とする白色結晶を
多量に生じさせることを目的とした組成のものが
普通であるが、このような結晶を析出させるため
には普通鋼板の変態温度をはるかに越える800〜
850℃で焼成を行う必要があるために焼成時に鋼
板が変形し易く、例えば建材パネルに使用した場
合には外観に見苦しい凹凸を生じ易い欠点があつ
た。また、低融点の琺瑯にTiO2等の白色顔料を
添加することにより変態温度以下の低温で焼成す
ることができるようにした低温焼成用の乳白フリ
ツトも開発されているが、顔料が均一に分散し難
いので色むらを生じ易いうえに低融点の琺瑯は一
般に耐酸性及び耐熱水性に劣るために長期間使用
すると変色を生じたり光沢を失い、建築外装用や
調理用等の用途には使用することができないもの
であつた。 (発明の目的) 本発明はこのような問題点を解消して鋼板の変
態温度より低温で焼成することができる耐酸性及
び耐熱水性に優れた低温焼成用乳白フリツトを目
的として完成されたものである。 (発明の構成) 本発明はSiO228.00〜37.00重量%、Al2O30.15
〜2.93重量%、ZrO20.00〜10.50重量%であつて
SiO2+Al2O3+ZrO2+TiO2が50.0〜64.0重量%、
Na2O9.50〜12.50重量%であつてNa2O+K2O+
Li2Oが19.00〜27.00重量%、Sb2O30.01〜0.68重量
%であつてSb2O3+B2O3+BaOが8.0〜16.00重量
%、ZnO5.4〜8.37重量%であつてZnO+MgOが
8.01〜13.40重量%の組成からなるものである。 本発明の低温焼成用乳白フリツトはTiO2及び
Sb2O3を結晶核とする乳白結晶を上記のとおりの
各成分の特定のバランス下において低温で析出さ
せると同時に耐酸性及び耐熱水性に優れた琺瑯層
を形成できるようにしたものであり、以下に各組
成の数値限定の理由を説明する。 SiO2は琺瑯層を形成するガラス質のネツトワ
ークフオーマーであつて、28.00重量%未満では
琺瑯層の耐酸性及び耐熱水性が低下することとな
り、逆に37.00重量%を越えると溶融温度が上昇
して低温焼成の目的を達成することができなくな
る。Al2O3は琺瑯層の耐風化性を向上させる性質
を有し、0.15重量%未満では耐熱水性を低下させ
るが逆に2.93重量%を越えると上記の乳白結晶の
析出を妨害するものであり、0.15〜0.89重量%の
範囲で特に好ましい白色度を生ずる。ZrO2は琺
瑯質の耐食性を向上させる性質を有するが、結晶
核形成剤としても作用するため10.50重量%を越
えると、TiO2及びSb2O3を結晶核とする乳白結晶
の析出を妨害する。そしてSiO2+Al2O3+ZrO2+
TiO2が50.0重量%未満であると耐熱水性が低下
し、逆に64.0重量%を越えると目的とする乳白結
晶の析出が悪く低温焼成が不可能となる。 次に、Na2Oは琺瑯層の溶融温度を低下させる
に重要な成分であつて、9.50重量%未満では低温
焼成ができないうえに結晶析出も悪化し、また、
Na2Oは琺瑯層の熱膨脹係数を増加させる性質を
も有するので、12.50重量%を越えると琺瑯層の
熱膨脹係数が鋼板よりも大きくなつてクラツク発
生の原因となる。そして、Na2O、K2O、Li2Oの
各アルカリ酸化物はいずれも低温焼成と乳白結晶
の析出とを可能とするものであつて、これらの合
計量が19.00重量%未満あるいは27.00重量%を越
えたいずれの場合にも低温焼成による乳白結晶の
析出が達成できなくなる。 次に、Sb2O3はTiO2とともに乳白結晶の結晶核
形成剤であつて、0.01重量%未満では乳白結晶の
析出が不十分となり、逆に0.68重量%を越えても
乳白結晶の析出及び成長が不十分となり、目的と
する乳白琺瑯が得られなくなるものであり、低温
焼成で良好な白色度を得るためには、0.01〜0.20
重量%が特に好ましい範囲である。そしてSb2O3
+B2O3+BaOが8.00重量%未満であると結晶析
出が悪く、逆に16.00重量%を越えると耐酸性が
悪化する。ZnOは結晶析出を助長するとともに琺
瑯層の耐化学性を向上させる性質を有し、5.4重
量%未満であると耐熱水性が低下するが8.37重量
%を越えると過剰となつて耐酸性が悪化し、ま
た、ZnO+MgOが8.01重量%未満及び13.40重量
%を越したときにも同様に耐熱水性と耐酸性がそ
れぞれ悪化する傾向を示す。 以上の組成からなる本発明の低温焼成用乳白フ
リツトは普通鋼の変態温度より低い620〜700℃の
温度で焼成することにより鋼板表面に耐酸性及び
耐熱水性に優れた乳白色の琺瑯層を形成すること
ができるものであり、次に好ましい実施例を比較
例とともに示す。 (実施例) 第1表のNo.1〜No.25の組成となるように配合さ
れた原料をシヤモツト質のルツボに入れて電気炉
あるいはガス炉中で1200〜1900℃で1時間保持し
て溶融させた後、水冷してフリツトを作成した。
このフリツト100部に対し粘土2部、炭酸カリウ
ム0.5部、水40部の比率で混合したものをポツト
ミルあるいはボールミルに入れて湿式混合粉砕し
て釉薬を作成し、これをニツケル処理が施された
厚さ0.3mmの薄板鋼板表面にスプレー掛けして施
釉し、第2表に示す温度で3分間焼成して乳白色
の琺瑯掛け鋼板を得た。なお、各表中A〜Eは本
発明の組成範囲を外れた比較例、Fは従来知られ
た高温焼成用の乳白フリツトである。
【表】
【表】
【表】
次に、各琺瑯引き鋼板の白色度、耐酸性、耐熱
水性について試験を行い、その結果を第2表に示
した。白色度試験はスガ試験機株式会社製の
CDE−SCH−I型の測色計によりLab値を測定
し、ハンターの白色度式に代入して白色度[W
(Lab)]を得る方法により行われた。耐酸性試
験はJIS−R−4201−7−3の耐酸性試験法によ
り、6%クエン酸水溶液の沸騰水中に試料を2時
間保持し、琺瑯層の単位面積当りの重量減少値を
算出する方法により行われた。また、耐熱水性試
験は国際規格ISO−2733に準ずる試験装置を用い
てイオン交換水400ml中に試料を入れ、沸騰状態
で100時間保持した後の琺瑯層の単位面積当りの
重量減少値を算出する方法により行われた。
水性について試験を行い、その結果を第2表に示
した。白色度試験はスガ試験機株式会社製の
CDE−SCH−I型の測色計によりLab値を測定
し、ハンターの白色度式に代入して白色度[W
(Lab)]を得る方法により行われた。耐酸性試
験はJIS−R−4201−7−3の耐酸性試験法によ
り、6%クエン酸水溶液の沸騰水中に試料を2時
間保持し、琺瑯層の単位面積当りの重量減少値を
算出する方法により行われた。また、耐熱水性試
験は国際規格ISO−2733に準ずる試験装置を用い
てイオン交換水400ml中に試料を入れ、沸騰状態
で100時間保持した後の琺瑯層の単位面積当りの
重量減少値を算出する方法により行われた。
【表】
【表】
【表】
第2表から明らかなように、本発明の低温焼成
用乳白フリツトは700℃以下の低温焼成が可能で
あり、しかも白色度、耐酸性、耐熱水性のすべて
に優れた特性を示すことが明らかである。これに
対して比較例のAはSb2O3が本発明の範囲を越え
るために白色度が不十分であり、BはAl2O3が含
まれていないので耐熱水性が悪く、CはSb3O3+
B2O3+BaOが7.45重量%であつて本発明の範囲
より少ないので乳白色結晶の析出が悪く白色度が
劣る。また、DはZnOが本発明の範囲より少ない
ので耐熱水性と耐酸性が悪く、EはSiO2+Al2O3
+TiO2+ZrO2が64.43重量%であつて本発明の範
囲を越えるので乳白結晶の析出が悪く、低温焼成
が不可能である。 (発明の効果) 本発明は以上の説明からも明らかなように、鋼
板の変態温度以下の低温で焼成することができ、
しかも、耐酸性、耐熱水性に優れた白色度の高い
琺瑯層を形成することができるもので、従来の鋼
板への琺瑯掛け用の乳白フリツトの問題点を解消
したものとして産業の発展に寄与するところ極め
て大なるものである。
用乳白フリツトは700℃以下の低温焼成が可能で
あり、しかも白色度、耐酸性、耐熱水性のすべて
に優れた特性を示すことが明らかである。これに
対して比較例のAはSb2O3が本発明の範囲を越え
るために白色度が不十分であり、BはAl2O3が含
まれていないので耐熱水性が悪く、CはSb3O3+
B2O3+BaOが7.45重量%であつて本発明の範囲
より少ないので乳白色結晶の析出が悪く白色度が
劣る。また、DはZnOが本発明の範囲より少ない
ので耐熱水性と耐酸性が悪く、EはSiO2+Al2O3
+TiO2+ZrO2が64.43重量%であつて本発明の範
囲を越えるので乳白結晶の析出が悪く、低温焼成
が不可能である。 (発明の効果) 本発明は以上の説明からも明らかなように、鋼
板の変態温度以下の低温で焼成することができ、
しかも、耐酸性、耐熱水性に優れた白色度の高い
琺瑯層を形成することができるもので、従来の鋼
板への琺瑯掛け用の乳白フリツトの問題点を解消
したものとして産業の発展に寄与するところ極め
て大なるものである。
Claims (1)
- 1 SiO228.00〜37.00重量%、Al2O30.15〜2.93重
量%、ZrO20.00〜10.50重量%であつてSiO2+
Al2O3+ZrO2+TiO2が50.0〜64.0重量%、
Na2O9.50〜12.50重量%であつてNa2O+K2O+
Li2Oが19.00〜27.00重量%、Sb2O30.01〜0.68重量
%であつてSb2O3+B2O3+BaOが8.0〜16.00重量
%、ZnO5.4〜8.37重量%であつてZnO+MgOが
8.01〜13.40重量%の組成からなる低温焼成用乳
白フリツト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15946583A JPS6051634A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 低温焼成用乳白フリット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15946583A JPS6051634A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 低温焼成用乳白フリット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6051634A JPS6051634A (ja) | 1985-03-23 |
JPH0366264B2 true JPH0366264B2 (ja) | 1991-10-16 |
Family
ID=15694355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15946583A Granted JPS6051634A (ja) | 1983-08-31 | 1983-08-31 | 低温焼成用乳白フリット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6051634A (ja) |
-
1983
- 1983-08-31 JP JP15946583A patent/JPS6051634A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6051634A (ja) | 1985-03-23 |
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