JPH0364881B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ねじ加工機能を備えた数値制御装
置（以下NC装置という）の改良に関するもので
ある。

一般に、工作機械によつてねじ山の大きいねじ
加工をする場合、荒加工と仕上げ加工のように複
数回に分けて加工する。そしてこのとき、ねじ加
工の効率をよくするために上記加工回数に相当す
る数の工具を用意し、荒加工に追随して仕上げ加
工をするなど一工程でねじ加工を行なう手段がと
られている。

上述のような手段によつてねじ加工を行なう工
作機械を制御する従来のNC装置として第１図、
第２図に示すものがあつた。なお、第１図はNC
装置を、第２図は工作機械の加工部を示してい
る。

第１図において、１はNC装置の読取部で、こ
の読取部１により読取つた値を論理演算部２を介
して一旦、記憶部３に記憶させる。そして上記論
理演算部２は記憶部３に記憶された荒加工開始点
や仕上げ加工開始点などの指令値を演算し、駆動
部４へ出力する。この駆動部４は上記論理演算部
２より与えられた指令に従つて工作機械５を動か
す。

この工作機械には第２図に示すように、荒加工
用工具６と仕上げ加工用工具７とがそれぞれＲ軸
（Ｚ軸）に対して180゜異なる対称位置に、また被
削材８に加工されるねじピツチに対して荒加工用
工具６が仕上げ加工用工具７より１／２ピツチだ
け先行する位置に配設されている。

なお、Ｐ軸、Ｒ軸は荒加工用工具６と被削材８
との、またＸ軸、Ｚ軸は仕上げ加工用工具７と上
記被削材８との相対的な位置を知るための座標軸
である。

次に、この装置の動作について説明する。

NC装置の論理演算部２から与えられた指令に
従い、駆動部４は工作機械５を駆動する。

このとき工作機械は第２図に示すように、被削
材８を図示していない主軸装置によりＲ軸（Ｚ
軸）を座標軸を回転中心として回転させるととも
に、座標軸により被削材８との相対位置が検出さ
れた荒加工用工具６および仕上げ加工用工具７を
それぞれ被削材８方向所定位置まで進退させ、さ
らにＲ軸（Ｚ軸）方向に移動させて被削材８にね
じ加工を施す。なお、荒加工用工具６によつて荒
加工された後、180゜異なる対称位置に１／２ピツ
チ分遅れて配設された仕上げ用工具７が追随して
移動するので、この仕上げ加工用工具７は上記荒
加工された加工部を仕上げ加工することになる。

ところで、上記のように構成されたNC装置
は、読取部１へ与える指令が荒加工用工具６のね
じ加工開始点に対し仕上げ加工用工具７のねじ加
工開始点を１／２ピツチ分遅らせて指令されなけ
ればならないので、それぞれねじピツチ幅の異な
るねじ加工に対してその都度、上記指令値を煩雑
な計算によつて行なわなければならず、かつ、そ
の計算が誤りやすいという欠点があつた。

この発明は上記のような従来の欠点を除去する
ためになされたもので、読取部へ与える指令値を
自動的に補正する機能をNC装置内部に備えるこ
とにより、荒加工の開始点に対し仕上げ加工開始
点を遅らせる操作をしなくてもよいNC装置を提
供することを目的としている。

以下、この発明の一実施例を第３図について説
明する。

図はNC装置を示したもので、この装置におい
て、読取部１は図示していない例えば紙テープの
ような加工プログラム記憶媒体より加工プログラ
ムを順次読み取り、加工プログラムの構成要素で
あるねじ加工命令をこの中で読み取る。この時、
該ねじ加工命令にはねじ加工開始位置（荒加工開
始点）〔又はねじ仕上げ加工開始位置（仕上げ加
工開始点）〕、ねじ長さ、ねじピツチ、送り速度等
が、各々のパラメータを示す所定のワード（アル
フアベツト）と、該ワードに続く数値で指令され
ている。例えば次のようなフオーマツトで表わさ
れる。

G33PpRr（又はXxZz）LlQqFf＊ 上記により読み取られたねじ加工命令の各パラ
メータは順次論理演算部２に入力され、所定のワ
ードに従つて対応するパラメータの値の記憶部３
の所定のアドレスに記憶する。そしてこの記憶部
３に記憶された上記荒加工開始点及びねじピツチ
を用いて修正部９にて、１／２ピツチ分だけ遅れ
た仕上げ加工開始点を演算し、論理演算部２へ出
力する。なおその他のデータは、修正部９を介す
ることなく論理演算部２に直接入力される。

次いで、この論理演算部２は入力された荒加工
開始点と仕上げ加工開始点を使用して２つの工具
を同時に動かすように移動指令値を演算し、駆動
部４へ出力する。この駆動部４は論理演算部２よ
り与えられた指令に従つて工作機械５を動かし、
被削材の所定のねじピツチによつてねじ加工す
る。

なお、上記実施例では荒加工用と仕上げ加工用
の２本の工具を使用する場合について説明した
が、３本の工具を使用し、それぞれの工具を120゜
ずつ異なる位置に、かつねじピツチに対して１／
３ピツチずつずらした位置に配設するなど複数の
工具によつて加工する場合であつてもよいことは
いうまでもない。

以上のようにこの発明は、ひとつの工具による
加工開始点を入力することにより、他の工具によ
る加工開始点が所定ピツチ量だけずれた位置に自
動的に設定されるので、上記指令値の作成が容易
になるとともに誤操作がなくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のNC装置の構成を示すブロツク
図、第２図は工作機械の加工部を示す構成図、第
３図はこの発明の一実施例によるNC装置の構成
を示すブロツク図である。 １は読取部、２は論理演算部、３は記憶部、４
は駆動部、５は工作機械、６は荒加工用工具、７
は仕上げ加工用工具、８は被削材、９は修正部で
ある。なお、図中同一符号は同一または相当部分
を示している。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の工具を使用し、荒加工を仕上げ加工に
   先行させて同時にねじ加工を行なう工作機械を制
   御する数値制御装置において、この数値制御装置
   は、第１の工具の加工開始点が入力される記憶部
   と、上記第１の工具の加工開始点に基づいて第２
   の工具の所定加工開始点を創製する修正部と、創
   製された第２の工具の加工開始点と入力された第
   １の工具の加工開始点とにより、それぞれの工具
   を同時に動かす移動指令を駆動部に出力する論理
   演算部とを備えていることを特徴とする数値制御
   装置。