JPH0364173B2 - - Google Patents

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JPH0364173B2
JPH0364173B2 JP6507183A JP6507183A JPH0364173B2 JP H0364173 B2 JPH0364173 B2 JP H0364173B2 JP 6507183 A JP6507183 A JP 6507183A JP 6507183 A JP6507183 A JP 6507183A JP H0364173 B2 JPH0364173 B2 JP H0364173B2
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membrane
molecular weight
hollow fiber
physiologically active
substance
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Hiroyuki Akasu
Akio Oomori
Yoshito Hamamoto
Michihiro Nakamura
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、生理活性物質が化学的に結合されて
いる多孔性中空繊維膜と、その膜を使用した液の
処理方法に関するものである。さらに詳しくは抗
生物質、ホルモン、酵素、抗原、抗体、細胞、微
生物菌体、オルガネラ、核酸、医薬品等が化学的
に結合されている、高分子量物質、特に蛋白質、
多糖類の透過性に優れた多孔性中空繊維膜と、そ
の膜を使用した液の処理方法に関するものであ
る。 酵素や微生物菌体、さらには動植物細胞やオル
ガネラ、抗原あるいは抗体、ホルモン、抗生物
質、核酸、医薬品などを物理的、化学的に固定化
した材料は各種有用物質の合成手段として、ある
いは各種センサー用、医薬用、分析用などに広範
囲な用途を有する。従来こうした固定化材料とし
て公知のものは、担体としてポリマー粒、活性炭
など粒状物を用いるものが多く、中空繊維型分離
膜を担体とするのは比較的少ないが、例えば特開
昭53−18792号にはポリアクリロニトリルを素材
とする非対称型中空繊維膜に化学的結合法によつ
て酵素を固定する方法が提示されている。また特
開昭56−39788号、同56−131387号、同56−
164789号にも表面に緻密層を有する中空繊維型分
離膜に物理的、あるいは(又は)化学的に酵素を
固定する方法が開示されている。しかしながら、
これ等の方法によつて得られる酵素固定膜は酵素
の流出を防止するために膜表面に、平均孔径
0.001μ〜0.0μ1程度の細孔よりなる酵素不透過性
緻密層を設けた限外過膜を利用したものであ
り、本発明の目的とする分子量1以上の高分子量
物質の透過性に優れた中空繊維膜型固定用担体と
は基本的に異なつている。 本発明者らは、前記のような酵素不透過性緻密
層を有していない、精密過用中空繊維膜への生
理活性物質の固定を鋭意研究し、その結果従来の
担体よりはるかに孔径の大きな、牛血清アルブミ
ンを90%以上透過させるような中空繊維膜に生理
活性物質を化学的に結合させた膜が、意外にも活
性物質の流出も少なく実用的に優れた性能を有す
る事を見い出し、本発明に至つた。すなわち、本
発明は下記の生理活性物質固定中空繊維膜および
該膜を使用する処理方法である。 (1) 孔径分布曲線における最大確率(モード)の
孔径が0.035μ以上15μ以下の範囲にあり、空孔
率が40%以上、牛血清アルブミンの透過率が90
%以上で、かつ生理活性物質が化学的結合され
ている事を特徴とする生理活性物質固定中空繊
維膜。 (2) 孔径分布曲線における最大確率(モード)の
孔径が0.035μ以上15μ以下の範囲にあり、空孔
率が40%以上、牛血清アルブミンの透過率が90
%以上でかつ生理活性物質が化学的に結合され
ている中空繊維膜に(イ)該生理活性物質で処理さ
れる分子量1万以上の物質または(ロ)分子量1万
以下の物質であつて、該生理活性物質で処理さ
れて分子量1万以上の物質に変換される物質を
含む被処理液を供給して処理し、分子量1万以
上の物質を含む処理液を該中空繊維の膜壁を通
して取り出すことを特徴とする生理活性物質固
定中空繊維膜の使用による液の処理方法。 本発明において用いられる中空繊維膜は薬壁の
孔径分布曲線における最大確率(モード)の孔径
が0.035μ以上、15μ以下、より好ましくは0.05μ以
上、10μ以下の範囲になければならない。本発明
でいう孔径分布曲線は水銀ポロシメーターによつ
て測定されるもので、ここでいうモードの孔径と
は膜内の全空隙に対して最大の体積分率を有する
孔径の事である。 モードの孔径が0.035μより小さい場合には酵
素、抗原、抗体の固定が困難で活性も低く、15μ
より大きいと、細胞、オルガネフ、微生物菌体の
固定が困難である。 また本発明で用いられる中空繊維膜の空孔率は
40%以上でなければならない。より好ましくは50
%以上、さらに好ましくは60%以上である。空孔
率が40%未満だと膜の単位体積あたりの比表面積
が小さすぎ、固定化量が少なくなるため、膜面積
当りの活性が低い。なお、空孔率(P)は次式に
より求められる値である。 P=(1−ρb/ρa)×100 (ρa:中空繊維を構成している物質の比重、 ρb:中空繊維の見かけの比重) 本発明の生理活性物質を化学的に固定した中空
繊維膜のもつとも重要な要件は、分子量1万以上
より好ましくは6万以上の高分子量物質の透過性
である。従来の酵素不透過層を有する中空繊維型
酵素固定膜や、包括型のゲル構造膜では膜壁の孔
径が小さすぎ、この様な高分子量物質を透過させ
得なかつた。それ故、分子量1万以上の物質を膜
壁内を通過させつつ処理し、なおかつ分子量1万
以上の物質を含む透過液を得る事は実質的に不可
能だつた。またさらに、同じ理由により従来の固
定膜では分子量が1万より小さい物質を膜壁内で
会合させ、あるいは他物質と結合させて透過液中
に分子量1万以上の物質を産生させる事もできな
かつたが、本発明者らは、牛血清アルブミン(分
子量6万7千)の透過率が90%以上、好ましくは
牛免疫グロブリンG(分子量15万6千)の透過率
が90%以上の膜に生理活性物質を化学的に固定し
た多孔質中空繊維膜を用いれば、従来不可能であ
つた分子量1万以上の物質を含む、生理活性物質
によつて処理された透過液が容易に、かつ効率的
に得られる事を見い出した。牛血清アルブミンに
対する透過率が90%より小さいと、生理活性物質
を固定した場合に分子量1万以上の物質の透過性
が低く、活性も経時的に低下しやすい。 ここでいう透過率は37℃、PH7.4の等張リン酸
緩衝溶液を溶媒とする0.1%の蛋白溶液の過実
験から次式によつて算出された値である。 透過率(Sc)=2CuF/Cin+Cout×100(%) 尚、Cin=中空繊維入口の蛋白濃度 Cout=同出口の蛋白濃度 CuF=液の蛋白濃度 本発明において用いられる中空繊維膜の素材は
特に限定はなく例えばカラス、シリカ、セラミツ
ク、アルミナ、金属酸化物、グラフアイトなどの
無機材料、デキストラン、セフアデツクス、セル
ロース、コラーゲン、キチンなどの天然有機高分
子、ナイロン、スチレン、ポリアクリロアミド、
ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、
ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリテトラフ
ロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリアミノ酸などの合成有機高分子
材料がある。これらの材料は単独で用いても良い
し、共重合体やポリマーブレンドとして用いても
良い。また光照射、放射線照射、化学処理などに
より、グラフト化や官能基の導入を行なつた素材
を用いてもも良いが、予じめ水酸基、アルデヒ
ド、カルボキシル基、アミノ基、イミド基などを
有するものは固定化のための工程が少なく好適で
ある。以下代表的なものについて簡単に説明す
る。 ポリビニルアルコールを生理活性物質固定用中
空繊維膜素材として用いる場合には、まず膜を水
不溶性とし、かつ多孔質構造を保持するための処
理が必要である。不溶化処理の方法としてはホル
マリンやベンズアルデヒド等によるホルマール
化、グルタルアルデヒド、水酸化チタン等の架橋
剤による架橋、電子線やガンマー線等による架橋
反応が用いられる。これ等不溶化処理によつて元
のポリビニルアルコール中の水酸基の一部が失わ
れるが、本発明の生理活性物質固定用担体として
用いる場合、水酸基の残存率は好ましくは20モル
%以上、さらに好ましくは35モル%以上である。 また膜素材としてビニルアルコール系共重合体
を用いる場合にも共重合体中のビニルアルコール
残基の含有率は好ましくは20モル%以上、さらに
好ましくは35モル%以上である。残存率が20%よ
り小さいと水酸基を利用する結合法だけでは固定
化量が少なくなり、膜の比活性が低い。 本発明において用いられる多孔質中空繊維膜そ
のものは公知の製法により製造することができ
る。例えばポリビニルアルコールの多孔質膜は特
開昭52−21420号に記載されている方法により、
エチレンビニルアルコール系共重合体の多孔質膜
は特開昭51−145474に記載されている方法をもと
に製造することができる。また、これらの多孔質
中空繊維膜のプロフイールは通常内径が50μ以
上、20000μ以下、好適には100μ以上5000μ以下、
さらに好適には175μ以上2000μ以下である。これ
により細いと中空繊維膜が機械的に弱く、また集
束、成形してモジユール化した際に中空部流路側
の圧損が大きくなりすぎる。これより太いと単位
体積当り膜面積が小さくなりすぎて十分な固定化
量が得られず、被処理液の処理効率が低い。 固定化される生理活性物質としては、酵素(含
補酵素)、微生物菌体、細胞、オルガネラ、抗原、
抗体、ホルモン、抗生物質、核酸、医薬品などを
あげる事ができる。 医薬品としては例えばシクロフオスフアミド、
アザチオプリンなどの免疫抑制剤、レバミゾール
などの免疫調節剤、インターフエロン、インター
ロイキンなどの免疫関連物質や、プロスタグラン
ジン、トロンボキサン、プロスタサイクリン、ロ
イコトリエン、副腎皮質ステロイドなどが固定化
される。 抗原としては、例えばサイログロブリン、ミク
ロゾーム、甲状腺刺激ホルモン受容体、アセチル
コリン受容体、インスリン受容体、細胞核などの
自己免疫疾患関連抗原、α−フエトプロテインの
ような癌特異性抗原、アグルチニン、病原性のな
いトレポネーマ、あるいはこれらの疑似物質など
が固定化される。抗体としては、例えばアルブミ
ン抗体、抗免疫グロブリン抗体、B型肝炎抗体、
人繊毛性ゴナドトロピン抗体などが固定化され
る。 オルガネラとしては例えばミトコンドリア、
核、クロマトホアー、クロロプラスト、ペルオキ
シゾームなどが固定化される。 細胞としては例えば腎細胞、肝細胞、ランゲル
ハンス島細胞、各種リンパ球、およびハイブリツ
ド化された細胞などが固定化される。 微生物菌体としては例えば大腸菌、枯草菌、放
線菌、ブドウ状球菌、メタノール菌などの細菌
類、酵母、各種のカビなどが固定化される。 酵素としては、単離精製されたものの他、微生
物菌体内酵素のように細胞内に存在する酵素でも
良いし、細胞から抽出された酵素でも良い。ある
いはまた単一の酵素だけでなく、複数の酵素を固
定化しても良いし、補酵素や、ATP、ADPなど
と共に固定化しても良い。具体例としては、例え
ばアミノ酸オキシターゼ、カタラーゼ、キサンチ
ンオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミ
ン酸デヒドロゲナーゼ、チトクロムCオキシダー
ゼ、チロシナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、ペル
オキシダーゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドロゲ
ナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼのような酸化
還元酵素、アスパラギン酸アセチルトランスフエ
ラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフエラー
ゼ、グリシンアミノトランスフエラーゼ、グルタ
ミン酸−オキザロ酢酸アミノトランスフエラー
ゼ、グルタミン酸−ピルビン酸アミノトランスフ
エラーゼ、クレアチンホスホキナーゼ、ヒスタミ
ンメチルトランスフエラーゼ、ピルビン酸キナー
ゼ、フラクトキナーゼ、ヘキソキナーゼ、8−リ
ジンアセチルトランスフエラーゼ、ロイシンアミ
ノペプチターゼのような転移酵素、アスパラギナ
ーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アミノアミ
ラーゼ、アミラーゼ、アルギナーゼ、L−アルギ
ニンデイミナーゼ、インベルターゼ、マルター
ゼ、ラクターゼ、ウレアーゼ、ウリカーゼ、ウロ
キナーゼ、エステラーゼ、β−ガラクトシラー
ゼ、カリクレイン、キモナリプシン、トリプシ
ン、トロンビン、ペプシン、パパイン、パンクレ
アチン、ナリンギナーゼ、ヌクレオチダーゼ、ヒ
ヤウロニダーゼ、プラスミン、ペクチナーゼ、ヘ
スペリジナーゼ、ペニシリナーゼ、ペニシリンア
ミダーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、ホスフア
ターゼ、リボヌクレアーゼ、レンニン、メリビア
ーゼ、アルドラーゼ、セルラーゼ、アントシアナ
ーゼ、ナリンジチーゼ、タンナーゼのような加水
分解酵素、アスパラギン酸デカルボキシラーゼ、
アスパルターゼ、クエン酸リアーゼ、グルタミン
酸デカルボキシラーゼ、ヒスチジンアンモニアリ
アーゼ、フエニルアラニンアンモニアリアーゼ、
フマラーゼ、フマール酸ヒドラターゼ、リンゴ酸
シンテターゼのようなリアーゼ、アラニンラセマ
ーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコースホス
フエートイソメラーゼ、グルタミン酸ラセマー
ゼ、乳酸ラセマーゼ、メチオニンラセマーゼのよ
うに異性化酵素、アスパラギンシンターゼ、ダル
タチオンシンターゼ、ピルビン酸シンターゼ、
DNAリガーゼなどのリガーゼ、EcoRI、Hind
、BamHI、Sal 、Pst などの制限酵素
等がある。 これらの生理活性物質を多孔質中空繊維膜に固
定する方法としては、担体結合法が用いられる
が、微生物菌体、細胞、オルガネラ等を固定する
際には包括法を併用しても良い。担体結合法のう
ちでは共有結合法、イオン結合法が好適であり、
共有結合法としては例えばジアゾ法、アルキル化
法、ペプチド法などが好ましい。また、これらの
化学薬品を用いる結合法の外、光や放射線の照射
を利用して共有結合や、イオン結合を行なわせる
事もできる。 不溶化処理されたポリビニルアルコールや、エ
チレンビニルアルコール系ポリマー、セルロース
等の水酸基は、酵素、抗原、抗体、細胞、オルガ
ネラ、微生物菌体、核酸、ホルモン、抗生物質、
医薬品などの有する水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基等と適当な試案によつて結合する事ができ
る。以下にビニルアルコールの水酸基と、生理活
性物質のアミノ基間の結合形成法を例として列挙
する。ここで固定化物のアミノ基をR−NH2
ビニルアルコールを
【式】で示す。 アクリル酸系ポリマーよりなる膜への生理活性
物質の固定は例えば次の様にして行なえる。ここ
【式】はアクリル酸系ポリマーを、R −NH2は酵素を表わす。 ナイロンよりなる膜への生理活性物質の固定は
例えば次の様にして行なえる。ここで
【式】は ナイロンを、R−NH2は酵素を表わす。 本発明の生理活性物質固定中空繊維膜によつて
(イ)分子量1万以上の物質(体液・血漿等)または
分子量1万以下の物質であつて、該生理活性物質
で処理されて分子量1万以上の物質に変換される
物質(酵素・細胞等の栄養源となるアミノ酸、糖
等を含む培養液。例えばMEM、NCTC、F−
12、CMRL−1415等、分子量1万以上のアルブ
ミン、グロブリン等の免疫関連物質が生合成され
る)を含む被処理液を処理することができる。か
かる被処理液は中空繊維が多孔性であるため、中
空繊維の膜壁を通しつつ、効率よく処理される。
被処理液は全量が膜壁を通る必要はなく、中空繊
維の内部または外部を循環させながら、1部が膜
壁を通過し、有用物質が中空繊維の膜壁を通して
取り出されればよい。 被処理液は、生理活性物質を固定した膜の反応
収率、反応速度、目的とする物質の所望の純度等
により、バツチ式、連続式のうち好適な方法で処
理する事ができる。また同様の見地より循環の有
無、循環量と膜透過量の比も最適な条件を選択す
る事ができる。被処理液の流路は中空繊維膜の中
空部でも、外表面側でも良い。通常は循環方式で
は中空部を、全量押込み透過(非循環)方式では
外表面側を流す方が化学工学的に有利である。ま
た上記の様な方法で処理を行なうに際し、本発明
の中空繊維膜は単繊維としてだけでなく、両端開
口型や片端閉止型など公知のモジユール形態に集
束、成形して用いる事ができる。 本発明の中空繊維膜の具体的な利用例としては
例えば医療用として抗原(抗体)を固定した該中
空繊維膜の中空部に血液を加圧導入し、該膜によ
つて血漿を一部分離し、膜壁内を通過せしめつつ
抗体(抗原)を選択的に吸着除去し、悪性物質を
含有しない正常血清を得、それを再び血中へ戻す
方法への利用を挙げる事ができる。同様にして、
免疫複合体、コレステロール、フイブリノーゲ
ン、α1−グリコプロテイン、免疫抑制因子、リウ
マチ因子等の除去にも利用できる。 生化学分野では例えばDNA組換え技術で育種
された微生物を中空繊維膜の膜壁内および(また
は)表面に固定し、膜の一方の側より培養液と共
にペプチド、アミノ酸、糖、ATP、塩類等の低
分子量原料物質を供給し、他の側より人由来ホル
モン、ポリペプチド、インターフエロン、ワクチ
ンなどの高分子量生産物を得る事に利用できる。
同様に菌体外タンパク質生産菌を固定した膜を用
いて、飼料用や食料用タンパク質の生産を行なわ
せる事もできる。 食品工業の分野では例えばβ−ガラクトシダー
ゼを固定した中空繊維膜に、外表面側よりチーズ
ホエーを供給し、ホエー中の乳糖を膜壁内を通過
させつつ連続的に加水分解することができる。本
発明によれば、この際に分子量数万のホエータン
パク質も膜壁内を通過し得るため、従来の限外
過膜を担体とする酵素固定膜の欠点であるホエー
タンパク質の膜面上への濃縮、ゲル層生成と、そ
れに伴なう加水分解速度の低下を防止する事がで
きる。 本発明の対象となる被処理液としては上記の例
の外、体液、血漿、細胞や微生物の培養液、多糖
類、糖蛋白、蛋白、ペプタイド、核酸等の合成の
ための調製原料および(または)生成物含有液、
さらに食品工業や医薬品製造における製造工程
液、廃液などがある。 以下実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 平均重合度1700のポリビニルアルコール8Kg、
分子量1000のポリエチレングリコール4Kg、ホウ
酸160g、酢酸30gを50の熱水に溶解した。こ
の溶液を環状ノズルより、カセイソーダ80g/
、芒硝230g/の凝固浴中へ吐出し、中空繊
維を得た。ついでグルタルアルデヒド0.5g/、
塩酸3g/の浴中で50℃、2時間架橋処理を施
し、さらに100℃の熱水中で1時間熱処理後、水
洗した。この様にして得られたポリビニルアルコ
ール中空繊維の内径は700μ、外径は1000μで、そ
の膜壁は均質多孔構造を有していた。水銀ポロシ
メーターによる孔径分布曲線から求められたモー
ドの孔径は0.26μであり、中空繊維の見掛比重か
ら求められる空孔率は57%であつた。また牛血清
アルブミンの透過率は100%、牛ガンマーグロブ
リンGの透過率は97%であつた。 このポリビニルアルコール中空繊維膜を、5%
のアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールと
10%の硫酸よりなる溶液中に80℃で5時間浸漬
し、水酸基のアミノアセタール化を行なつた後5
時間流水洗した。ついで5%のグルタルアルデヒ
ド水溶液中に室温下で5時間浸漬してシツフ塩基
を形成させ、5時間流水洗浄した。こうして得ら
れた中空繊維膜100本を集束し、有効長10cmの両
端開口型モジユールに成形、該モジユールの中空
繊維内部に、犬の遊離肝細胞を5g/の濃度で
含有するEarl′s氏液を導入、液の1部は膜壁を通
過させつつ1時間循環した後ペニシリン10u/
ml、ストレプトマイシン10μg/mlを含有する
Earl′s氏液2で中空部および膜壁内を洗浄し、
遊離肝細胞を固定した多孔質ポリビニルアルコー
ル中空繊維モジユールを得た。このモジユールの
中空部にMEM培養液(分子量200以下)を導入、
全量膜壁を通過させつつ4時間循環し、固定化さ
れた肝細胞によつて産生されるアルブミンを、抗
アルブミン抗体で定量した。第1図に示した経時
的な産生アルブミン量の増加から、培養液中のア
ミノ酸成分が膜表面および(又は)膜壁内に固定
された肝細胞によりアルブミン(分子量67000)
に生合成され、それが膜壁を通過して取り出され
ている事がわかる。 実施例 2 エチレン含有率32モル%のエチレンビニルアル
コール共重合体をジメチルスルホキシドに溶解
し、ポリマー濃度20%の溶液を調製した。これを
環状ノズルより25℃の20%ジメチルスルホキシド
水溶液中に吐出し、次いで延伸、熱処理後乾燥し
て中空繊維型多孔膜を得た。この中空繊維膜の内
径は220μ、外径は330μで、膜構造は外表面層の
孔径が膜壁内部の孔径より若干小さい外孔質構造
であつた。水銀ポロシメーターによる孔径分布曲
線から求められるモードの孔径は0.56μであり、
空孔率は68%であつた。また牛血清アルブミンに
対する透過率は96%、牛ガンマーグロブリンGに
対する透過率は91%であつた。 このエチレンビニルアルコール共重合体中空繊
維膜を400本集束して実施例1と同様のモジユー
ルに成形した。次に該モジユールをポンプに接続
し、反応液は循環方式で、水洗後はシングルパス
で流し、実施例1と同様の処理を行ない、アルデ
ヒド基を導入した多孔質膜モジユールを得た。 こうして得られたモジユールの中空部に0.1%
の牛免疫グロブリンG(IgG)リンサン緩衝溶液
(PH7.4)200mlを導入し、1部は膜壁を通過させ
つつ1時間循環し、ついで3の生理食塩水を中
空部に導入、1部は膜壁を通過させつつ洗浄、牛
IgG固定化エチレンビニルアルコール系多孔質中
空繊維モジユールを得た。 該モジユール、およびこれと同形同大で全く未
処理のエチレンビニルアルコール系多孔質中空繊
維膜400本よりなる対照モジユールに対し、各々
I131標識抗牛IgG孔体を含む抗牛IgG抗体5mgを
0.1%牛血清アルブミンのリンサン緩衝溶液(PH
7.4)200mlに溶解した液を中空部に導入し、1部
は膜壁を通過させつつ4時間の循環処理を行なつ
た。4時間後の各モジユールのアルブミン透過
率、カウント変化率は第1表の通りであつた。尚
ここでいうカウント変化率とは次式で計算される
値である。 カウント変化率=処理後のカウント値/処理前のカウ
ント値×100 この結果から牛IgG固定化モジユールでは、被
処理液中に共存する牛血清アルブミンは膜壁を通
過するが抗牛IgG抗体は固定化IgGに吸着、除去
されている事が明らかである。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた肝細胞固定中空
繊維膜を用いてMEM培養液を処理したときの培
養時間と血清アルブミン量の関係を示す図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 孔径分布曲線における最大確率(モード)の
    孔径が0.035μ以上15μ以下の範囲にあり、空孔率
    が40%以上、牛血清アルブミンの透過率が90%以
    上で、かつ生理活性物質が化学的結合されている
    事を特徴とする生理活性物質固定中空繊維膜。 2 孔径分布曲線における最大確率(モード)の
    孔径が0.035μ以上15μ以下の範囲にあり、空孔率
    が40%以上、牛血清アルブミンの透過率が90%以
    上で、かつ生理活性物質が化学的に結合されてい
    る中空繊維膜に(イ)該生理活性物質で処理される分
    子量1万以上の物質または(ロ)分子量1万以下の物
    質であつて、該生理活性物質で処理されて分子量
    1万以上の物質に変換される物質を含む被処理液
    を供給して処理し、分子量1万以上の物質を含む
    処理液を該中空繊維の膜壁を通して取り出すこと
    を特徴とする生理活性物質固定中空繊維膜の使用
    による液の処理方法。
JP6507183A 1983-04-12 1983-04-12 生理活性物質を固定した中空繊維膜および該膜を使用した液の処理方法 Granted JPS59189906A (ja)

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JP6507183A JPS59189906A (ja) 1983-04-12 1983-04-12 生理活性物質を固定した中空繊維膜および該膜を使用した液の処理方法

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