JPH0364151B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0364151B2
JPH0364151B2 JP58116537A JP11653783A JPH0364151B2 JP H0364151 B2 JPH0364151 B2 JP H0364151B2 JP 58116537 A JP58116537 A JP 58116537A JP 11653783 A JP11653783 A JP 11653783A JP H0364151 B2 JPH0364151 B2 JP H0364151B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
plasma
mol
polymer
module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58116537A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS607855A (ja
Inventor
Hiroyuki Akasu
Shiro Morya
Akio Oomori
Yoshito Hamamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP58116537A priority Critical patent/JPS607855A/ja
Publication of JPS607855A publication Critical patent/JPS607855A/ja
Publication of JPH0364151B2 publication Critical patent/JPH0364151B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は過、吸着による体液成分の処理、特
に血漿成分の分離、分画に好適な陽イオン性多孔
膜に関するものである。さらに詳細には特に血清
アルブミンと他の中性〜塩基性血漿蛋白質との分
離に好適な正荷電を有するビニルアルコール系多
孔膜に関するものである。 透析膜を用いた血液透析処理をはじめとして、
過膜による血液過、吸着剤による血液浄化
等、各種の血液処理が臨床的にも広く行なわれる
ようになつてきた。さらに近年になつて体外循環
血液処理の一つとして、血漿分離法(プラズマフ
エレシス)と呼ばれる技術が開発されつつある。
該血漿分離法とは、血液をまず血漿成分と血球成
分に分離し、血漿成分を各種手段で処理して疾病
因子を除去するものであり、さらに詳しくみる
と、該血漿分離法には血漿成分を他の血漿製剤で
交換する血漿交換法と、血漿成分を適当な手段で
さらに分画分離し、問題とすべき分画部分のみを
除去し、他の分画成分は血球成分と一緒にして体
内に環流する選択的血漿成分分離法がある。治療
法としてみた場合、血漿交換法は血漿成分の全量
を交換するため多量の血漿製剤が必要であり、そ
のため多大の費用を要すること、及び血漿中に含
まれる各種の生理物質が血漿製剤では完全に補充
できないための悪影響が考えられることより、必
ずしも好ましいものとは云えない。これに対して
選択的血漿成分分離法は、血漿成分の一部のみを
廃棄し、他の成分は還流するため、上記の2つの
問題が大きく改善されるので、より望ましい治療
法と云うことができる。この様な血漿成分の処理
膜としてすでにいくつかの研究がなされている。
たとえば「医科器械学」VoL、49.SuppL(1979)
第259〜261頁にはエチレンビニルアルコール系共
重合体膜を用いて血漿を処理する事が記載されて
いるし、その他にもセルロースアセテート、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチレン等よりなる
血漿処理膜が知られているが、荷電を有するもの
としては特開昭57−147403号にポリイオンコンプ
レツクス膜があげられている程度である。この膜
は主に負荷電〜中和の膜であり、血漿蛋白の分
離、分画性は優れているが、製法が複雑で強度も
十分とは言い難い。 本発明者らはこの様な問題を解決すべく鋭意研
究を行なつた結果、意外にもビニルアルコール系
ポリマーよりなる正に荷電した多孔性過膜が実
用上十分な機械的強度を有し、かつ蛋白質の分
離、分画性も高いという優れた性能を示す事を見
い出し本発明に至つた。 すなわち本発明はビニルアルコール残基を少な
くとも25モル%含み、かつ水中で陽イオンに電離
可能な基を0.3〜45モル%含む重合体よりなる体
液処理膜が、膜表面および膜内部に孔径0.01〜
0.6μの多数の微細孔を空孔率40〜85%の割合で有
する多孔構造であり、かつ透水性が20ml/mm
Hg・m2・hr以上を示し、血清アルブミンの阻止
率が85%以下を示すことを特徴とする陽イオン性
体液処理膜である。以下本発明をさらに詳しく説
明する。 本発明でいう体液とは血液、血漿、血清、リン
パ液、骨髄液、腹水およびこれらの液に何らかの
処理を施したもの、例えば白血球を除去したり、
コレステロールを除去したり、あるいは冷却(加
熱)して蛋白ゲルを生成させたり、ヒドロキシエ
チルスターチを添加したものなどの総称である。 本発明における膜の素材としては、ビニルアル
コール残基を少なくとも25モル%含む重合体を使
用することが必要である。このような重合体とし
てはポリビニルアルコール、またはビニルアルコ
ール共重合体、たとえばエチレン、プロピレンな
どのオレフイン、スチレン、塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸およびその誘導体のうち
の少なくとも1種と、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステルとの共重合物のケン化物などがあげられ
る。これらの重合体のうちエチレンビニルアルコ
ール系共重合体は抗血栓性が優れており、好まし
い。ここでエチレン−ビニルアルコール共重合体
中のエチレン残基は少なくとも10モル%、好まし
くは20〜50モル%である。 重合体中のビニルアルコール残基は少なくとも
25モル%であることが必要である。25モル%未満
の場合には血液との親和性が低下する。その理由
は明確ではないが、抗凝血性の重要な因子のひと
つである重合体の親水性と疎水性のバランスを、
水酸基の水和によつて緩やかに調整する効果を発
輝している事が考えられる。ビニルアルコール残
基の好ましい含有量は50〜95モル%である。ここ
でいうビニルアルコール残基の含有量とは膜を構
成するポリマーの単位モノマー(残基)数に対す
るビニルアルコールモノマー(残基)数の比率で
ある。 重合体中における、水中で陽イオンに電離可能
な基(以下陽イオン性基と記す。)の含有量は0.3
モル%〜45モル%である。ここでいう含有量は膜
を構成するポリマーの単位モノマー(残基)数に
対する陽イオン基のモル数の比率である。陽イオ
ン基の含有量が0.3モル%未満では血清アルブミ
ンと、他の中性〜塩基性蛋白質の分離、分画性を
向上させる効果がない。一方上限は45モル%であ
るが、これ以上では膜の膨潤が大きく、耐圧性が
著しく低くなるので、多くの架橋を行なう必要が
生じ、そのためかえつて過速度が低下し好まし
くない。 架橋反応には、公知の一般的方法を用いる事が
できるが、例えば、ジビニル化合物、ホルムアル
デヒド、ジアルデヒド、ジイソシアナート等の有
機系架橋剤や、硼素化合物等の無機架橋剤による
架橋や、γ線、電子線などの放射線や光による架
橋反応が挙げられる。架橋構造は予め架橋構造を
有する重合体との共重合によつて導入する事がで
きる。また重合時、製膜時に架橋反応を行なう事
もできる。特に架橋反応のみを行なわせる工程を
実施しても良い。必要なら製膜後に架橋反応を行
なう事もできる。またアセタール化、エステル
化、エーテル化を始めとする各種の反応も随時行
なうことができる。これらは架橋ではないが、膜
の親水性、疎水性を調節する上で意味がある。 イオン性基の例としてはアミノ基とその塩、ピ
リジン等の含窒素異環化合物およびそれ等の塩、
4級アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニ
ウム塩などのオニウム塩がある。これらの基な同
一残基中に2種以上あつても良いし、膜を形成す
る重合体中に2種以上であつても良い。 イオン性基はそれ等を含むビニルモノマーある
いはポリマー、多元共重体と他のモノマーとの共
重合によつて膜を形成する重合体中に導入する事
ができる。あるいは重合後、製膜中、製膜後、さ
らにはモジユール化後に導入しても良い。イオン
性基の導入には光反応や放射線を利用しても良い
し、アセタール化、エステル化、エーテル化、酸
化、還元、付加、置換、交換、グラフト等、公知
の反応を用いても良い。 本発明の体液処理膜は膜表面および膜内部に孔
径0.01〜0.6μの多数の微細孔を有する多孔構造で
あり、その空孔率は40%以上85%以下である。そ
して、この体液処理膜の透水性は20ml/mmHg・
m2・hr以上、好ましくは100ml/mmHg・m2・hr以
上、血清アルブミン(分子量67000)の阻止率は
85%以下好ましくは50%以下、さらに好ましくは
20%以下である。空孔率がこれより小さいと、あ
るいは透水性がこれより小さいと濃厚な蛋白溶液
である体液の過速度が小さく、かつ目詰まりに
よる過速度の経時的低下が大きい。また空孔率
が85%を越えると膜の機械的強度が極端に不足
し、モジユールに組み立てる事が困難である。ま
た血清アルブミン阻止率が85%を越えると陽荷電
による分画性のシヤープ化が不明瞭になる。孔径
でいえばほぼ0.01μ以上の陽イオン性多孔膜が好
適である。 次に本発明の体液処理膜の製膜法について、さ
らに詳細に説明する。膜を形成する重合体の平均
分子量は大略3万以上である。通常は3万5千〜
20万程度が用いられる。平均分子量の高い方が、
膜の機械的性質は優れている。重合体の溶媒は
水、あるいは有機溶剤のうちから、原料とする重
合体を完全に溶解し、かつ凝固浴に速やかに溶解
し得るものを選ぶ。例えばジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、ピロリドン、N−メチ
ルピロリドン、およびメタノール、エタノール、
イソプロパノール等の1価アルコール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール、フエノール、メタクレゾー
ル、蟻酸、水またはこれらの混合物が挙げられ
る。 本発明でいう多孔性膜を得る為にポリマーと溶
媒のみの溶液を製膜原液として用いる場合は凝固
温度は原液のゲル化温度より高い方が良い。また
孔を形成するために製膜原液に添加剤を加える場
合には添加剤として例えばホウ酸、芒硝、炭酸カ
ルシウム、塩化カルシウムなどの無機酸や無機塩
類をはじめ、有機酸やその塩類、アルカリ類、ポ
リエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ルあるいはアセトン、ヘキサン、ベンゼンなどの
非溶媒、コロイダルシリカ、微粉状シリカなどの
分散質を用いる事ができる。これらの物質の添加
量は対重合体比で10%以上300%以下、好ましく
は50%以上200%以下である。これ以下では血清
アルブミン阻止率が85%以下の膜を得る事が困難
であり、またこれ以上では空孔率が大きくなりす
ぎて、機械的強度が不足する。 製膜原液中の重合体の濃度は5〜50重量%、好
ましくは10〜35重量%の範囲にある。これより低
濃度では粘度が低すぎて、これより高濃度では粘
度が高すぎて均一な膜を安定に得る事が困難にな
る。 製膜原液の温度は0℃〜120℃、好適には5℃
〜95℃が良い。これより低温では粘度が高くなり
すぎて製膜が困難になり、これより高温では重合
体の分解、変質がおこる恐れがある。 この様にして得られる製膜原液を公知の種々の
湿式凝固法又は乾湿式凝固法によつて製膜する。
例えば、製膜原液を細長いスリツト状の孔をもつ
口金から押出し、凝固浴に接触あるいは浸漬させ
て固化、平膜を成膜する方法、円環状の孔をもつ
口金から製膜原液を押出し、管状や中空糸状の膜
を成膜する方法などが挙げられる。また製膜原液
を所望の形状に流延した後、あるいは流延しつつ
凝固浴に接触、あるいは浸漬して製膜しても良
い。いわゆるLoeb膜の製膜技術を応用し、非対
称膜を製膜しても良い。 凝固浴としては製膜原液の溶媒と相溶性が高
く、かつ膜を形成する成分に対する相溶性が実質
的にないものを用いる。一般的には水、メタノー
ル、エタノール等の一価アルコール類、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン
などの多価アルコール類、アセトンまたはそれら
の混合物を用いる。凝固速度を調節する為に、あ
るいはゲル化や相分離を制御する為に凝固浴に混
和性のある有機溶媒、茫硝、塩化カルシウム等の
無機塩類および酸、アルカリなどを添加する事も
ある。特殊な場合には、製膜は一面のみが凝固浴
に接し、反対側の一面は空気、窒素等のガスに、
あるいはベンゼン、トルエン、ヘキサン、水銀等
の製膜原液の溶媒とも、凝固浴とも非混和性の液
体に接触した状態で行なわれる。特開昭55−
148209号の様に、凝固浴に接触する直前に気相中
を通過させる場合もある。 凝固浴の温度は体液処理に適した性能の膜を得
る為の重要な因子であり、一般には−10℃〜50
℃、好適には10〜40℃の範囲にある。これより低
温では凝固が遅く、孔径が小さくなりすぎる。こ
れより高温では凝固速度が速すぎ、空孔率が過大
になつたり、斑を生じたりし易い。 凝固浴を出た膜は、さらに必要に応じて延伸、
熱処理、洗浄を行なうことができる。 また、本発明による膜は湿潤または乾燥膜とし
て使用できる。乾燥法としては気流、熱線、電磁
波等により直接乾燥する方法のほか、例えば膜に
含まれる水分を水混和性でかつポリマーを溶解し
ない有機溶媒(例えばアセトン、メタノール、テ
トラヒドロフラン等)で置換し、次いで有機溶媒
を減圧、加熱等により除去する方法や、製膜時あ
るいは製膜後にグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アル
コールで処理し、しかる後に乾燥する方法、さら
には含水膜を液体窒素や、炭酸ガスで凍結し、凍
結乾燥する方法等を用いることができる。 本発明の膜をモジユール化する場合、その形状
としては中空繊維型が最良であるが、その他に平
膜型、キール型、コイル型、スパイラル型、管状
型などの公知の形態を用いる事ができる。特に中
空繊維膜の形で利用する場合、内径は40〜
3000μ、好ましくは80〜800μ、膜厚は200μ以下の
範囲が好適である。 血漿処理に本発明の膜を用いる場合には、膜の
孔径は0.01μ以上0.6μ以下が好ましい。この範囲
において陽イオン性多孔膜の効果が最も顕著に認
められる理由は明らかではないが、血漿中の主成
分である血清アルブミンは負に荷電しているため
に一度膜に弱く吸着され濃縮された後過圧によ
り多孔膜を透過するのに対し、ほとんど荷電を有
さない免疫グロブリンなどはその様な電気的促進
作用を受けないために分画性がシヤープ化するも
のと推定される。いいかえれば孔径による物理的
選択性の効果と、電気的選択性の効果が上記の孔
径範囲で最も好適に重なりあうためと思われる。 本発明の中空糸膜を血液の体外循環時に使用す
る場合、まず動脈から取り出した血液を血漿分離
器(血球成分を阻止するが、血漿成分を透過させ
る膜、たとえば中空糸膜を備えたモジユール、ま
たは遠心分離器を備えた装置)により血球成分と
血漿成分に分け、分けられた血漿成分を本発明の
中空糸膜を備えた血漿処理装置に導入し、例えば
コレステロール、免疫複合体、免疫グロブリンな
どの物質を阻止し、透過したアルブミンなどを血
球成分とともに静脈に戻すようにすると効率よく
血漿処理が行なえる。この場合、必要に応じて補
液(たとえばアルブミン、ヒドロキシエチルスタ
ーチなど)を静脈に導入することもできる。また
体外循環において本発明の中空糸膜を用いて血漿
を処理する条件としては大旨血漿流量10〜500
ml/min、温度−2〜45℃、トランスメンブラン
プレツシヤー(TMP)0〜2Kg/cm2、好ましく
は10〜300mmHg、処理時間は通常2〜4時間であ
る。 このような血漿処理により、全身性エリテマト
ーデス、悪性関節リウマチ、グツドパスチア症候
群など各種の自己免疫疾患や、家族性高コレステ
ロール血症、などの治療を適切にかつ有効に行な
うことができる。 本発明の膜で血漿処理を行なう場合、以下にし
めすようなシステムを用いると極めて効果的であ
る。すなわち血漿分離膜を用いて血漿を分離し、
得られた血漿を陽イオン性血漿処理膜のモジユー
ルによつて処理する装置であつて、ポンプM1
そなえた血液流入回路と、その血液流入回路に連
結した遠心分離機または血漿分離膜モジユール
(第1の膜モジユール)と、それに接続している
血液流出回路と、該遠心分離機または膜モジユー
ルにより分離された血漿を陽イオン性多孔膜より
なる血漿処理モジユール(第2のモジユール)に
導入する回路と、その血漿導入回路に連結した陽
イオン性多孔膜よりなる血漿処理モジユールと、
該血漿処理モジユールに接続した処理済の血漿を
導出する回路と、第1の膜モジユールの渦圧
(TMP)が実質的に陰圧にならないように調整す
る少なくともポンプM2を供えた圧力調整装置と
よりなるシステムを用いると血漿分離と同時に血
漿中の不要成分を除去する事ができ、極めて効果
的である。この様なシステムの例として、第1図
〜第3図をあげる事ができる。図中Pは圧力計、
Mはポンプ、Vはバルブ、Fは流量計を表わす。
遠心分離機又は第1の血漿分離膜モジユールでの
渦圧が陰圧にならないように第1図では圧力計
P2とポンプM2が、第2図では流量計F1とポンプ
M2が、第3図ではバルブV1とポンプM2が連動制
御されている。 なお本願においては透水率、空隙率、および阻
止率は次のようにして測定した。 (1) 透水率は37℃、20〜100mmHg下て測定し、膜
透水性K′を求めた。 K′=V/A・t・ΔP(ml/m2・hr・mmHg) V:透過水量(ml)、A:透析膜面積(m2) t:透過時間(hr)、ΔP:測定圧(mmHg) (2) 空隙率は下記の式から算出した。 (1−PD/PW)×100(%) PD:乾燥膜の重量 PW:含水膜の重量(乾燥膜を水に浸漬し、微
細孔内に水を十分浸透させたのち引き上げ
て、膜表面の水分を取り除いた後の重量) (3) 阻止率はヘマトクリツト35%の牛血を用い、
37℃、TMP20mmHg、QB=100ml/min、膜面
積0.5m2の条件下で測定した。 次に実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 エチレン含有量32モル%、ケン化度99.8モル%
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をジメ
チルスルホキシドに80℃で溶解、脱泡してポリマ
ー濃度20%の溶液を調製した。この紡糸原液を環
状紡糸孔から吐出させ、その中央部にある内部凝
固剤の流出孔からは0.42ml/minのN2ガスを定量
的に流出させつつ、ジメチルスルホキシドの20%
水溶液(20℃)で中で凝固させた後、凝固剤を湯
洗、アセトン置換し、25℃で乾燥した。得られた
中空繊維は乾燥状態で内径220μ、外径320μ、膜
厚50μを有していた。 この中空繊維5680本を束ねて、その両端部をポ
リウレタン樹脂により円筒形のハウジングに固定
し、モジユール(有効膜面積0.8m2)作製した。
このモジユールの内部にp−ジメチルアミノベン
ズアルデヒドを2.5%、HCl6%、NaCl1.0%を含
む水溶液を導入し40℃で4時間反応させせた後、
温水で3時間洗浄した。 アミノ化されたエチレンビニルアルコール中空
繊維のアミノ基含量は6.6モル%、従つてビニル
アルコール残基含量は (100−32)×0.998−6.6×2=54.7モル% であり、またその内径は290μ、外径は413μ、空
孔率は72%であつた。 アミノ化前のモジユール(対照)と、アミノ化
後のモジユールを用いて牛血漿の処理試験を行な
つた。第1表に示した結果から陽イオン性体液処
理膜の効果が明らかである。
【表】 実施例 2 エチレン含量32モル%、ケン化度99.8モル%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のチツプ
をHCl6%、NaCl10%、アミノアセトアルデヒド
ジメチルアセタール5%の混合水溶液中に分散さ
せ、80℃で5.5時間アセタール化反応を行ない、
アミノ基を5.2モル%、ビニルアルコール残基を
57.5モル%含む平均分子量4万2千の重合体を得
た。十分に水洗、乾燥したのち、この重合体をジ
メチルスルホキシドに80℃で溶解し、さらにポリ
エチレングリコール600を添加してポリマー濃度
20%、ポリエチレングリコール濃度の製膜原液を
得た。この原液を、ノズルの孔径が650μm、ニ
ードル外径が250μm、ニードル内径が90μmの円
環状ノズルから吐出し、ニードルからは0.42ml/
minの窒素ガスを流出させつつ、20℃の水中で凝
固させた。以下実施例1と同様にして5000本の多
孔質中空繊維よりなる0.7m2のモジユールを作製
した。この中空繊維の内径は290μ、外径は460μ、
空孔率は67%、透水性は280ml/mmHg・m2・hrで
あつた。 またこのモジユールによる血漿処理試験結果は
第2表に示す通り良好であつた。
【表】 実施例 3 ケン化度96モル%、重合度2400のポリビニルア
ルコールと、ポリエチレングリコール、ホウ酸、
酢酸を加熱溶解してポリビニルアルコール濃度18
%の溶液を得た。この製膜原液を円環状ノズルよ
り吐出し、円環内芯からは希アルカリを注入しつ
つ、芒硝、苛性ソーダを含む凝固浴で固化し、次
いで酸性浴中でホウ酸架橋を行なつた後、グルタ
ルアルデヒドで分子間架橋した。これをさらに実
施例1と同様にしてアミノベンズアセタール化
し、内径390μ、膜厚120μ、空孔率64%、アミノ
化度3.9モル%、ビニルアルコール残基含量69.1
モル%、透水性460ml/mmHg・m2・hrの多孔質中
空繊維を得た。このアミノ化ポリビニルアルコー
ル多孔膜と、アミノ化前の膜(対照膜)とを常法
により内径規準面積0.5m2の円筒形モジユールに
形成し、これらの2種のモジユールを用いて牛血
漿の処理試験を行なつた。結果を第3表に示す。 アミノ基を有するポリビニルアルコール多孔膜
は対照膜にくらべ血漿処理速度は若干大きく、ア
ルブミンと免疫グロブリンGの分画性は大巾に向
上している。
【表】 実施例 4 実施例1で作製した0.8m2のモジユールを第1
図の装置にセツトし、牛血液の二重過プラズマ
フエレーシイスを行なつた。ポリビニルアルコー
ル系血漿分離膜への導入血液はヘマトクリツト35
%、総蛋白6.7g/dl、総コレステロール160mg/
dlであり、流量は100ml/minである。TMPを10
mmHgに制御しながら血漿を分離し、得られた血
漿を200ml/minで循環しつつ陽イオン性血漿処
理膜で過した。血漿処理膜のTMPは初期の30
mmHgから2時間後の450mmHgまで上昇したが、
血漿の総処理量は2.6と多く、2時間後の血清
アルブミン阻止率、免疫グロブミンGの阻止率は
それぞれ23%、56%であり、両者の分離性は高
く、また装置の圧力制御性、操作性共に良好であ
つた。 なお、陽イオン性血漿処理膜と組み合わせて用
いられる血漿分離膜としては通常用いられている
ものがいずれも使用可能であるが、陰イオン性基
(スルホン基、カルボキシル基等)を有するビニ
ルアルコール系多孔膜を用いることも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は本発明の陽イオ
ン性体液処理膜を用いて実施される血漿分離の例
を示す工程図である。 図中、P1,P1′,P2,P3……圧力計、M1,M2
M3……ポンプ、F1……流量計、V1,V2……バル
ブを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ビニルアルコール残基を少なくとも25モル%
    含み、かつ水中で陽イオンに電離可能な基を0.3
    〜45モル%含む重合体よりなる体液処理膜が、膜
    表面および膜内部に孔径0.01〜0.6μの多数の微細
    孔を空孔率40〜85%の割合で有する多孔構造であ
    り、かつ透水性が20ml/mmHg・m2・hr以上を示
    し、血清アルブミンの阻止率が85%以下を示すこ
    とを特徴とする陽イオン性体液処理膜。
JP58116537A 1983-06-27 1983-06-27 陽イオン性体液処理膜 Granted JPS607855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58116537A JPS607855A (ja) 1983-06-27 1983-06-27 陽イオン性体液処理膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58116537A JPS607855A (ja) 1983-06-27 1983-06-27 陽イオン性体液処理膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS607855A JPS607855A (ja) 1985-01-16
JPH0364151B2 true JPH0364151B2 (ja) 1991-10-04

Family

ID=14689574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58116537A Granted JPS607855A (ja) 1983-06-27 1983-06-27 陽イオン性体液処理膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS607855A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51145474A (en) * 1975-06-10 1976-12-14 Kuraray Co Ltd A blood dialysis membrane with outstanding dialysis performance and a process for producing it
JPS54132489A (en) * 1978-04-05 1979-10-15 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Production of alpha-olefin-vinyl alcohol copolymer dialytic membrane

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51145474A (en) * 1975-06-10 1976-12-14 Kuraray Co Ltd A blood dialysis membrane with outstanding dialysis performance and a process for producing it
JPS54132489A (en) * 1978-04-05 1979-10-15 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Production of alpha-olefin-vinyl alcohol copolymer dialytic membrane

Also Published As

Publication number Publication date
JPS607855A (ja) 1985-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4402940A (en) Method for treating blood plasma employing a hollow fiber membrane
CN100448516C (zh) 具有改进的分离性能的高通量渗析膜
US5009824A (en) Process for preparing an asymmetrical macroporous membrane polymer
EP0997182A1 (en) Polysulfone-base hollow-fiber hemocathartic membrane and processes for the production thereof
JPH0647262A (ja) 全血からの低密度リポタンパク質の高効率除去
JPH07278948A (ja) 非対称微孔性中空繊維
US20070163950A1 (en) High-flux dialysis membrane with improved separation behaviour
JP2003532746A (ja) 負電荷を持つ膜
JPH10108907A (ja) 血液浄化膜、その製造方法及び血液浄化用モジュール
JP3617194B2 (ja) 選択透過性分離膜及びその製造方法
JPH0757825B2 (ja) ポリスルホン系樹脂多孔膜
JP3216910B2 (ja) 多孔質中空糸膜
Lyman Membranes
JP4352709B2 (ja) ポリスルホン系半透膜およびそれを用いた人工腎臓
JPH0364151B2 (ja)
JPS6087803A (ja) ポリスルホン選択透過膜の製造方法
JPH0211263B2 (ja)
JP3770145B2 (ja) 半透膜の製造方法およびその半透膜を用いた透析器
JP3020016B2 (ja) 中空糸膜
JPH0364152B2 (ja)
JP4003982B2 (ja) ポリスルホン系選択透過性分離膜
JP2000210544A (ja) 半透膜の製造方法
JPS607854A (ja) 陰イオン性体液濾過膜
JPH07185278A (ja) 分離膜の製造方法
JPH035208B2 (ja)