JPH0363354B2 - - Google Patents

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JPH0363354B2
JPH0363354B2 JP57139588A JP13958882A JPH0363354B2 JP H0363354 B2 JPH0363354 B2 JP H0363354B2 JP 57139588 A JP57139588 A JP 57139588A JP 13958882 A JP13958882 A JP 13958882A JP H0363354 B2 JPH0363354 B2 JP H0363354B2
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JP
Japan
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enzyme
fibers
plasma
polymerization
monomer
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JP57139588A
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Yoshihito Osada
Toshihiro Yamamoto
Akio Nishino
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0363354B2 publication Critical patent/JPH0363354B2/ja
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    • D06MTREATMENT, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE IN CLASS D06, OF FIBRES, THREADS, YARNS, FABRICS, FEATHERS OR FIBROUS GOODS MADE FROM SUCH MATERIALS
    • D06M16/00Biochemical treatment of fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, e.g. enzymatic
    • D06M16/003Biochemical treatment of fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, e.g. enzymatic with enzymes or microorganisms
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06MTREATMENT, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE IN CLASS D06, OF FIBRES, THREADS, YARNS, FABRICS, FEATHERS OR FIBROUS GOODS MADE FROM SUCH MATERIALS
    • D06M15/00Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment
    • D06M15/19Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment with synthetic macromolecular compounds
    • D06M15/21Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D06M15/263Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds of unsaturated carboxylic acids; Salts or esters thereof
    • DTEXTILES; PAPER
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    • D06M15/19Treating fibres, threads, yarns, fabrics, or fibrous goods made from such materials, with macromolecular compounds; Such treatment combined with mechanical treatment with synthetic macromolecular compounds
    • D06M15/21Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • D06M15/285Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds of unsaturated carboxylic acid amides or imides

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は酵素固定化繊維及びその製造法に関す
るものであり、さらに詳しくは、多孔性繊維にビ
ニル系高分子架橋重合体により酵素を包括固定化
するに当たりグロー放電プラズマの存在下で重合
を行なうか、又はグロー放電プラズマの存在下で
重合を開始した後、該プラズマの不存在下で後重
合することを特徴とする酵素固定化繊維及びその
製造法に関する。 近年、医薬品工業、食品工業等に於いて、酵素
反応の基質特異性を利用した極めて有用な触媒と
して、酵素を工業プロセスに応用し、益々発展を
遂げつつある。従来の酵素反応は水に溶解して反
応を行なわしめ、反応終了後の酵素と反応生成物
との分離は容易ではない。そのため酵素を都度回
収して再利用することは困難である。したがつて
従来の工業プロセスではバツチ式を採用せざるを
えないため酵素の利用効率は悪く、非常に不経済
である。そこで固定化酵素の検討がさかんに行な
われ、例えば物理的吸着法、イオン結合法、共有
結合法により反応中に酵素が溶出しないよう基材
に結合させ固定化する方法、及び多孔性ゲルの中
に物理的にとじこめるか、又は高分子重合体で封
入する包括法等が研究されている。 工業的な規模として用いるには、長期間安定な
連続操作ができるような機械的強度を有し、かつ
処理速度が大きく、処理時間の経過とともに処理
速度が低下しないことが望ましい。従来の形態は
ゲル状、フイルム状、粒状又は粉末状でカラムに
充填して用いられているが、自重や通液抵抗に対
する機械的な強度が低くく、圧密化による通液速
度の低下などの欠点を有する。その欠点を解消す
るためゲル状、フイルム状、粒状又は粉末状の代
りに、繊維を支持体に用いた酵素固定化繊維さら
には酵素活性を有する菌体などの固定化にも繊維
を用いた検討がいくつかなされている。 例えば特公昭55−48791号公報、同57−17038号
公報、同57−20408号公報、特開昭54−11288号公
報、同55−84325号公報では酵素又は酵素活性を
有する菌体などを固定化した繊維又は製造法が提
案されている。これらの繊維は高級脂肪酸エステ
ル化セルロース系繊維、アミノアセタール化ポリ
ビニルアルコールの極細繊維、イオン交換繊維も
しくは活性エステル基を有するナイロン繊維であ
る。しかしながら繊維の製造において煩雑な工程
を必要とし、加えて酵素などの結合力は、繊維表
面の活性基の種類によつても非常に異なり、それ
ぞれ適した組合わせが必要である。酵素の脱離に
おいても例えばイオン結合法では緩衡液の種類あ
るいはPHの影響を受けやすく、反応をイオン強度
の高い状態で行うと酵素が担体から遊離すること
があり、酵素の失活に拘りなく固定化の反応条件
が限られてくる。又酵素の安定性は庶糖やグリセ
リン中で安定化させる為に、保護されていない酵
素は経時的に活性が低下しやすく、前記のような
繊維表面への固定では酵素は保護されていない
為、長期間活性を持続させるには困難である。 一方本発明者等は各種ビニル系単量体をプラズ
マ開始重合体により重合を行ない、従来のものに
比較して分子量が格段に大きい直鎖状の水溶性重
合体を得ており、これを繊維学会誌(繊維と工
業)の第37巻7号に発表した。ここでプラズマ開
始重合とは非平衡のグロー放電プラズマを用いて
重合を開始させ、かつ該プラズマの不存在下に重
合の大部分を完結させるものである。プラズマ開
始重合による酵素の固定化では、数秒〜1分程度
のプラズマ照射でよく、しかもプラズマは気相の
みに発生し、ガンマー線のようにモノマー中に透
過しないので、酵素のダメージはまつたくなく、
加えて大部分の重合は上記プラズマの不存在下、
低温〜室温で行なうことが特徴である。その為、
酵素固定化の際、酵素の失活は最小限にすること
が可能である。さらにプラズマ開始重合法により
得られた重合体の分子量が従来の重合法のものよ
り格段に大きいので、架橋密度が低くても架橋ゲ
ルの強度は大きく、酵素の包括性も優れており、
又酵素の活性及び安定性にも寄与しているものと
予想される。本発明者らはアクリルアミドとN,
N′−メチレンビスアクリルアミドなどでインベ
ルターゼをペレツト又はフイルム状にした固定化
酵素を検討し酵素の脱離がほとんどなくかつ大き
な活性を有するペレツト及びフイルム状固定化酵
素を得ることができ、これを日本化学会第44秋季
年会(1981)に発表した。更に鋭意検討した結
果、支持体に多孔性繊維を用いることで、活性が
高く、耐久性、機械的強度を向上せしめることが
でき本発明に到達したものである。 本発明の目的は酵素活性が高く、長期間安定で
かつ機械的強度を有する酵素固定化繊維及び製造
法を提供するにある。 即ち、本発明はグロー放電プラズマによるプラ
ズマ開始重合法により重合したビニル系高分子架
橋重合体により0.1cm3/g以上の空孔率を有する
多孔性繊維に酵素を包括固定化してなる酵素固定
化繊維であり、本発明方法は自己架橋性の水溶性
ビニル系単量体、又は水溶性ビニル系単量体と該
単量体に対して少なくとも0.01重量%の架橋性単
量体を含む水溶液に酵素を溶解した処理液を0.1
cm3/g以上の空孔率を有する多孔性繊維に付与
し、次いでグロー放電プラズマにより重合せし
め、多孔性繊維に酵素を包括固定化することを特
徴とする。 本発明の多孔性繊維としては、0.1μ以上の孔径
を有する空孔の含有率が少なくとも0.1cm3/gで
ある多孔性繊維であつて、好ましくは0.3cm3/g
以上、特に好ましくは0.5cm3/g以上の空孔率を
有する。空孔率が0.1cm3/g未満であると酵素の
含有量が少なく基質との反応が低下する。孔径は
酵素が容易に入り込める程度の大きさが必要であ
り基質の反応を行なわしめる際の通液性にも影響
するので、繊維の強度を保持しているかぎり大き
い方が好ましい。孔径が0.1μ未満では通液性を損
い酵素の活性が不充分であり、酵素の含有量も低
下する。 なお、多孔性繊維の全空孔率Vo(cm3/g)は繊
維と同一組成の十分に緻密に作成したフイルムの
密度ρ(g/cm3)を測定し、かつ写真法によつて
求めた繊維の空孔を含んだ平均断面積S(cm3)と
式より求めた繊維の空孔を含まない部分の真の
平均断面積So(cm3)とから式により求めてお
く。 So=De/900000×ρ …… 但しDeはデニールである Vo=1/ρ×S−So/So …… 更に、水銀ボロシメーターを用いて空孔分布曲
線を作成し、0.1μ以上の孔径を有する空孔の含有
率V(cm3/g)を式より算出し求められたもの
である。 但しαは多孔性繊維の全空孔率Voに対する、
0.1μ以上の孔径を有する空孔の含有率Vとの比率
である。 V=αVo …… 重合体はポリアミド、ポリエステル、ポリビニ
ル系、ポリオレフインなどの合成重合体である
が、特にポリビニル系が好適である。ポリビニル
系としては、例えばポリアクリロニトリル系、ポ
リビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系、ポリ
塩化ビニリデン系などである。また多孔性繊維を
形成する重合体もしくは多孔性繊維の表面に水酸
基、アミド基、第4級アンモニウム塩を含む基、
カルボン酸基或いはその塩、又はスルホン酸基或
いはその塩を有する単量体をグラフト重合などの
重合を行なうか、ポリブレンド又は化学的処理な
どで上記官能基を保有させても良い。 多孔性繊維の製造法に関して一例を挙げると、
ビニル系重合体と該重合体と相分離を生じ相互の
界面に主として空孔を形成する成分として酢酸セ
ルローズ又はポリビニルアルコール系誘導体とを
混合紡糸する。繊維中に於いて両者はその非相溶
性から相分離し、その相分離による空孔が発生し
多孔性繊維が得られる。 本発明に於いて酵素の包括固定化は多孔性繊維
の表面又は内部もしくは表面及び内部にて行な
い、繊維の利用形態はウエツブ状、スライバー状
又は単なる塊状の綿を用いてもよく、又糸、織
布、編布、不織布などの形態で用いても良く特に
限定されない。 本発明に適用されるビニル系高分子架橋重合体
はグロー放電プラズマによるプラズマ開始重合法
により重合したものであり、自己架橋性の水溶性
ビニル系単量体、又は水溶性ビニル系単量体と少
なくとも0.01重量%の架橋性単量体よりなる水不
溶性重合体である。水溶性ビニル系単量体は重合
可能な水溶性ビニル系単量体であれば良く特に限
定されなく、自己架橋性の水溶性単量体の場合、
例えば2−ヒドロキシアルキルアクリレート、2
−ヒドロキシアルキルメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、メチロールアクリル
アミド又はメチロールメタクリルアミドなどでは
特にその他の架橋性単量体を必要としない。それ
自身が架橋性単量体でない場合、少なくとも0.01
重量%の架橋性単量体を加えてもよく、一般には
アクリルアミド、メタクリルアミド、メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸、P−スチレンスルホン酸、2
−メタアクリロイルオキシエチルスルホン酸、3
−メタアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロ
ピルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸並びにこれらの酸のアンモニウム塩及び
アルカリ金属塩、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジ
エチルアミノエチルアクリレート、2−ビニルピ
リジン及び4−ビニルピリジン、並びにこれら塩
基の塩酸塩、硝酸塩、ジメチル硫酸塩、ジエチル
硫酸塩又は塩化エチルの4級化物などが挙げられ
る。 本発明に適用される架橋性単量体はビニル系高
分子架橋重合体の水膨潤性、酵素の離脱などを考
慮して適宜必要に応じて少なくとも0.01重量%加
えることが可能である。なお、一般の重合開始
法、例えばラジカル重合開始剤や紫外線を用いた
乳化重合、懸濁重合、又は溶液重合などでは得ら
れた樹脂の分子量が低いため0.1重量%以下にす
ると可溶化したり、水膨潤状態で形くずれを起こ
したりベトツク現象がみられる。しかし本発明重
合体は超高分子量であるため、架橋性単量体が少
なくとも0.01重量%であれば水膨潤状態でも強度
を有する。 架橋性単量体としてはジビニルベンゼン、N,
N′−メチレンビスアクリルアミド、ジアリルア
ミン、ジエチレングリコールジメタクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート等のジ
ビニル化合物、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、メチロールア
クリルアミド又はメチロールメタクリルアミドな
どが挙げられるがこれらに限定されることはな
い。非水溶性の架橋性単量体の場合適宜乳化剤を
使用してもよく、特に架橋性単量体としてN,
N′−メチレンビスアクリルアミドが好適である。 ビニル系高分子架橋重合体の付着量は多孔性繊
維に対して10重量%以上であり、好ましくは30〜
200重量%、特に好ましくは50〜150重量%以上で
ある。10重量%未満の場合、反応効率が低くな
る。一方、200重量%より多くなると、繊維の表
面や空孔内部に止まらず繊維間空隙にも充填さ
れ、酵素と反応物質との接触面積が減少しまた反
応生成物の反応系外への拡散が悪くなるなど好ま
しくない。ビニル系高分子架橋重合体の付着量は
酵素の含有量、使用条件、使用目的などを考慮し
て適宜調整するのが好ましく、又多孔性繊維の空
孔率およびビニル系高分子架橋重合体の架橋度、
膨潤度を適宜選択し調節できる。 本発明に使用できる酵素の種類は例えばインベ
ルターゼ、ウレアーゼ、グルコースイソメラー
ゼ、グルコースオキシターゼ、プロテアーゼ、ウ
リアーゼ、アシラーゼ、αアミラーゼ、βアミラ
ーゼ、コラゲナーゼ、アルギナーゼ、酸性プロテ
アーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、L−グルタミ
ン酸脱炭酸酵素、リパーゼ、D−アミノ酸オキシ
ターゼ、βグルコシダーゼ、グルコアミラーゼ、
など挙げることができるが特に限定されない。酵
素の含有量は固定化酵素繊維に対して0.1〜30重
量%、好ましくは0.2〜20重量%、特に好ましく
は0.4〜15重量%含有する。0.1重量%未満の場
合、酵素の反応効率が低いし、又30重量%を越え
ると得られた酵素固定化繊維の酵素の反応効率は
優れているが、連続使用時に酵素の溶出がおこ
る。 本発明に適用される重合方法はグロー放電プラ
ズマの存在下で重合を開始した後、該プラズマの
不存在下で後重合させるという所謂プラズマ開始
重合であり、酵素をビニル系高分子架橋重合体に
固定化せしめる際に用いる。一般に酵素は熱に不
安定であり、又、水中においては比較的安定であ
るが、有機溶媒中では不安定である。プラズマ開
始重合では、室温ないしそれ以下の温度で水を媒
体としてプラズマ照射を行ない重合開始した後、
該プラズマの不存在下室温で後重合をさせること
で、酵素へのダメージを最小限にすることができ
る。 その点X線やγ線などの放射線重合の場合は、
一般に物質透過性がよく酵素に与えるダメージは
大きい。又、本発明はビニル系高分子架橋重合体
により、酵素を物理的に固定化しているもので、
酵素の分子構造をそこなうことなく固定化でき
る。 プラズマ開始重合では、一般には高分子量で実
質的に線状のポリマーが生成されるが、本発明の
場合は例えばジビニル性単量体等の架橋成分を使
用すれば、架橋重合体が生成される。イオン化ガ
スプラズマの生成は、かかるプラズマを生成する
ための公知方法のいずれによつても行なうことが
できる。例えばJ・R・ホラハン(Hollahan)
とA.T.ベル(Bell)版“プラズマ化学の応用技
術”、ワイリー、ニユーヨーク1974及びM.シエン
(Shem)版“重合体のプラズマ化学”デツカー、
ニユーヨーク1976に記載されている。即ち高周波
発生器に連結された平行板電極の間にモノマーを
真空室下で入れ、真空室の外部又は内部のいずれ
かの平行板を用いてプラズマを生成させることが
できる。また外部誘導コイルによつて電場をつく
らせ、イオン化ガスのプラズマを発生させてもよ
く、また反対に荷電した電極に間隔をおいて直接
真空室に入れてプラズマを生成させてもよい。 本発明方法を更に詳述に説明すれば、水溶性ビ
ニル系単量体及び架橋性単量体を水に溶解しモノ
マー濃度が10〜60重量%のモノマー水溶液を調整
し、さらに酵素を溶解した処理液を作成する。該
処理液を多孔性繊維に塗布又は処理液中に浸漬す
るなどの処理をし、多孔性繊維に酵素を含有する
モノマー水溶液を付与する。しかる後、ドライア
イス−アセトンなどによる冷媒で冷却して凍結し
脱気を10-1〜10-4トールで行なう。凍結したモノ
マー水溶液を徐々に暖ため、液状の小滴が現われ
る状態に達するか、又はそれに相当する温度に達
した時上記方法にてプラズマ照射を行なう。通常
は20〜200ワツト、好ましくは40〜100ワツトでグ
ロー放電をさせ水及び/又はモノマーをプラズマ
化させる。照射時間は通常1〜3600秒、好ましく
は10〜60秒もあれば十分である。プラズマ照射を
行なつた後に上記繊維を一定の温度に保ち1時間
〜1日放置させ全重合率の90%以上の後重合を行
なわせる。プラズマ開始期間重合率は後重合に比
べて著しく小さく、通常1〜2%を超えない。後
重合温度及び時間は使用する単量体種類によつて
異なり特に限定されないが通常温度は50℃以下、
好しくは10〜30℃である。時間は1〜25時間で十
分である。単量体種類によつては60℃を超えると
熱重合を起こし低分子のポリマーも生成してくる
ことがあるので注意を要する。 またプラズマ開始重合では、得られた高分子架
橋重合体中に単量体成分よりなるポリマー以外は
何も含まないことが他の重合法と異なる大きな特
徴である。即ち他重合法ではラジカル開始剤、懸
濁剤、溶媒などが残存しやすく完全に除去するこ
とはむつかしいがプラズマ開始重合ではそれらの
添加剤を使用しないために必然的にポリマーのみ
である。 かくして得られた高分子架橋重合体は酵素の抱
括性がよく長期間安定で、ゲルの機械的強度も大
きい。しかも何の不純物をも含まないという従来
法では得られない画期的なものである。さらに繊
維を担体としているので、酵素の活性及び機械的
強度も極めて優れ、また、高分子架橋重合体と繊
維との接着性が良く、酵素を包括した高分子架橋
重合体は繊維から離れることはない。 以下実施例により本発明を説明する。なお各例
中における活性保持率は次のようにして求めた。 活性保持率(%)=V1/V0×100 酵素固定化繊維を充分洗浄し、次いで1回目に
酵素活性を測定した時の酵素活性をV0とししか
る後緩衝液に該繊維を10日間浸漬しておいた後の
酵素活性をV1とした。又、実施例中の空孔率は
0.1μ以上の孔径を有する空孔の含有率(cm3/g)
を表わし、酵素活性は基質の分解速度で表わし
た。 実施例 1 アクリロニトリル:アクリル酸=90:10(重量
%)の組成を有するアクリルニトリル系重合体の
20重量%ジメチルホルムアミド(以下DMFと略
称する)溶液100〜60部と平均重合度140の酢酸セ
ルローズの20重量%DMF溶液0〜40部を混合せ
しめた紡糸原液をDMF濃度40%水溶液、15℃の
凝固浴中に紡出し、1次延伸を5倍行ない、水洗
後風乾した。次いでアセトンに25℃、24時間浸漬
し酢酸セルローズを溶解除去し、水洗後90℃で乾
燥を行ない、織度が1デニールの種々の多孔性繊
維及び非多孔性繊維を得た。 これら多孔性繊維又は非多孔性繊維各1gを内
径50mm、長さ150mmのセパラブルフラスコに挿入
し、アクリルアミド3g、N,N′−メチレンビ
スアクリルアミド0.01gを蒸留水3mlに溶解した
後、インベルターゼ(活性;シヨ糖4g/ml、20
℃、30分PH4)4mlを加えた処理液を上記フラス
コと並列に連結したフラスコに入れ、これらフラ
スコ内を真空ポンプにより0.01torrに減圧した
後、該処理液を繊維に注入して、処理液を吸液又
は付着せしめた。 次にこの繊維を入れたままセパラブルフラスコ
をドライアイス−アセトンで冷却し、繊維を凍結
せしめ内部を0.1torrに減圧した。その後インタ
ーナシヨナル・プラズマ・コーポレーシヨン・モ
デル3001の高周波発生器を連結した一対の外部平
行電極間に上記フラスコを挿入し100Wの電力で
グロー放電プラズマを60秒間照射した。しかる後
グロー放電を停止させ、封管後25℃の恒温槽内に
24時間放置し後重合せしめ酵素固定化繊維を得
た。 該酵素固定化繊維を充分水洗した後、10重量%
のシヨ糖を含有する0.2M酢酸緩衝液(PH4.6)10
mlに浸漬し、25℃で90分間加水分解反応を行な
い、加水分解率を比施光度により定量し求めた。
又酵素固定化繊維の安定性を調べる為、この値に
対し上記緩衝液に酵素固定化繊維を10日間浸漬し
ておいた後の酵素活性の比を活性保持率として示
した。結果を第1表に示す。又比較例として、同
様の処理によつてモノマー酵素溶液を多孔性繊維
に吸着させた後、プラズマ開始重合を行なわなか
つたものを試料1−4に示す。
【表】 第1表より、多孔性繊維では酵素活性大きく、
活性保持率も高いことが判る。又プラズマ開始重
合を行なわなかつた場合ほとんど酵素活性を示さ
ない。 実施例 2 アクリルニトリル:アクリル酸メチル:メタリ
ルスルホン酸ソーダ=90.5:8.6:0.9(重量%)の
組成を有するアクリロニトリル系重合体の22.5重
量%DMF溶液80部と平均重合度140の酢酸セルロ
ースの20重量%DMF溶液20部を混合せしめた紡
糸原液をDMF濃度55%水溶液、15℃の凝固浴中
に紡出し、1次延伸を5倍行ない、水洗後風乾し
た。次いでアセトンに25℃、24時間浸漬し酢酸セ
ルローズを溶解除去し、水洗後90℃で乾燥を行な
い、繊度が14デニール、空孔率1.50cm3/gの多孔
性繊維を得た。 この多孔性繊維各1gを内径50mm、長さ150mm
のセパラブルフラスコに挿入し、種々のモノマー
50%水溶液6mlに実施例1のインペルターゼ3ml
を加えた処理液を上記フラスコと並列に連結した
フラスコに入れ、実施例1と同様の処理及び重合
を行ない酵素固定化繊維を得た。次いでこの酵素
固定化繊維を充分水洗し実施例1と同様の反応条
件で加水分解反応を行ない、結果を第2表に示
す。
【表】 表中の略称は以下の通りである。 AAM;アクリルアミド、2−HEMA;2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、AMPS:2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、MBAA;N,N′−メチレンビスアクリルア
ミド、IV;インペルターゼ 第2表より得られた重合体が水不溶の高分子架
橋重合体の場合に優れた活性を示し、得られた重
合体が水溶性の場合又は酵素のみの処理では活性
はほとんど認められない。 実施例 3 実施例2で使用した多孔性繊維を用いて、αア
ミラーゼ1gをアクリルアミド3g、N,N′−
メチレンビスアクリルアミド0.03gを蒸留水7ml
に溶解した水溶液に溶解した処理液で、実施例1
と同様の処理及び重合を行ない酵素固定化繊維を
得た。 該酵素固定化繊維を充分水洗した後、1重量%
デンプン水溶液10mlに浸漬し、30℃で24時間加水
分解反応を行ない、加水分解率を比施光度により
定量し求めた。結果を第3表に示す。
【表】 尚、付着量は繊維に対する酵素及び高分子架橋
重合体の重量%であり、反応率は30℃、24時間後
の反応率である。第3表のようにプラズマ開始重
合で生成する高分子で包括した場合には架橋密度
を小さくしても、超高分子量ポリマーである為に
酵素の溶出率を小さくでき、かつ高分子の基質
(デンプン)に対しても活性を発揮することがで
きる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 グロー放電プラズマによるプラズマ開始重合
    により重合したビニル系高分子架橋重合体により
    0.1cm3/g以上の空孔率を有する多孔性繊維に酵
    素を包括固定化してなる酵素固定化繊維。 2 自己架橋性の水溶性ビニル系単量体、又は水
    溶性ビニル系単量体と核単量体に対して少なくと
    も0.01重量%の架橋性単量体を含む水溶液に酵素
    を溶解した処理液を0.1cm3/g以上の空孔率を有
    する多孔性繊維に付与し、次いでグロー放電プラ
    ズマによるプラズマ開始重合により重合せしめ、
    多孔性繊維に酵素を包括固定化することを特徴と
    する酵素固定化繊維の製造法。
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