JPH036217B2 - - Google Patents
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- JPH036217B2 JPH036217B2 JP28176084A JP28176084A JPH036217B2 JP H036217 B2 JPH036217 B2 JP H036217B2 JP 28176084 A JP28176084 A JP 28176084A JP 28176084 A JP28176084 A JP 28176084A JP H036217 B2 JPH036217 B2 JP H036217B2
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- cast iron
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- wear resistance
- carbides
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Landscapes
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
Description
本発明は、内燃期間の吸排気弁を作動させるカ
ム軸など、過酷な摩耗環境で使用される部品に用
いることのできる優れた耐摩耗性を有する白鋳鉄
に関するものである。 一般に内燃機関に使用されるカム軸はFC20〜
FC30を用いて鋳造されることが多く、この場合
にカム面の耐摩耗性を確保するためにカム部を冷
し金によりチル硬化させている。 ところが、従来の鋳造法では、カム部の耐摩耗
性を向上させるべく合金元素を多量に添加する
と、後に機械加工を施す必要のあるカム部以外の
軸部分を硬化させてしまい、加工性に影響を与え
るという問題がある。 そこで従来は、予め耐摩耗性の優れた材料でカ
ム部材を製作しておき、このカム部材に低融点軽
合金を鋳込んで軸部を形成することにより、カム
部と軸部とを一体成形する方法や、軸部に鋼管を
用いカム部材を取り付け、軸部となる鋼管を液圧
でふくらませ、カム部と軸部を圧着させるバルジ
加工などの組立て工法が提案されている。 上述のような組立て工法に用いるカム部材とし
て従来、金型又は砂型鋳造により耐摩耗性に優れ
且つ、相手ロツカアームチツプへの攻撃性の少な
い耐摩耗性白鋳鉄が提案されているが、本発明は
それら白鋳鉄の耐摩耗性及び靭性をさらに改良し
た白鋳鉄を提供することを目的とするものであ
る。 本発明は上記の目的を達成させるため、化学成
分を、重量百分率で、Ｃ＝1.0〜2.5％、Si＝1.0〜
4.5％、Mn＝1.0％以下、Cr＝４〜15％、残部を
Fe及び小量の不純物で構成したことを特徴とす
る。 以下、本発明の一実施例に基づいて具体的に説
明する。 本発明に係る鋳鉄と、化学成分が本発明と異な
る参考用鋳鉄とを化学組成、硬さ、組織及び耐摩
耗性等について比較した結果を表１に示す。
ム軸など、過酷な摩耗環境で使用される部品に用
いることのできる優れた耐摩耗性を有する白鋳鉄
に関するものである。 一般に内燃機関に使用されるカム軸はFC20〜
FC30を用いて鋳造されることが多く、この場合
にカム面の耐摩耗性を確保するためにカム部を冷
し金によりチル硬化させている。 ところが、従来の鋳造法では、カム部の耐摩耗
性を向上させるべく合金元素を多量に添加する
と、後に機械加工を施す必要のあるカム部以外の
軸部分を硬化させてしまい、加工性に影響を与え
るという問題がある。 そこで従来は、予め耐摩耗性の優れた材料でカ
ム部材を製作しておき、このカム部材に低融点軽
合金を鋳込んで軸部を形成することにより、カム
部と軸部とを一体成形する方法や、軸部に鋼管を
用いカム部材を取り付け、軸部となる鋼管を液圧
でふくらませ、カム部と軸部を圧着させるバルジ
加工などの組立て工法が提案されている。 上述のような組立て工法に用いるカム部材とし
て従来、金型又は砂型鋳造により耐摩耗性に優れ
且つ、相手ロツカアームチツプへの攻撃性の少な
い耐摩耗性白鋳鉄が提案されているが、本発明は
それら白鋳鉄の耐摩耗性及び靭性をさらに改良し
た白鋳鉄を提供することを目的とするものであ
る。 本発明は上記の目的を達成させるため、化学成
分を、重量百分率で、Ｃ＝1.0〜2.5％、Si＝1.0〜
4.5％、Mn＝1.0％以下、Cr＝４〜15％、残部を
Fe及び小量の不純物で構成したことを特徴とす
る。 以下、本発明の一実施例に基づいて具体的に説
明する。 本発明に係る鋳鉄と、化学成分が本発明と異な
る参考用鋳鉄とを化学組成、硬さ、組織及び耐摩
耗性等について比較した結果を表１に示す。
【表】
【表】
表１において、供試材No.１〜No.８までが参考用
鋳鉄であり、供試材No.９〜No.15が本発明に係る鋳
鉄である。 表１からも明らかなように、前記した化学成分
中の小量の不純物として、Ti又はNbを単独に
0.01〜0.1％添加した鋳鉄或いはTi及びNbを合計
で0.01〜0.1％添加した鋳鉄も本発明に含まれる。 本発明に係る鋳鉄は炭化物形態が網状をしてお
り、これをカムに用いた場合には参考用鋳鉄と比
較して摩耗量が少ないばかりか、相手ロツカアー
ムチツプについての摩耗量も少なくできる効果が
あることが表１よりわかる。 ちなみに、第１図は表１における供試材No.13の
顕微鏡組織図（倍率400）を示し、本発明の特徴
である網状炭化物が明瞭に表わされている。 又、第２図は通常の炭化物を有する白鋳鉄であ
る供試材No.７の、第３図は網状炭化物を有するが
Cr含有量が少ない白鋳鉄である供試材No.４の顕
微鏡組織図（何れも倍率は400）をそれぞれ示す。 なお、表１に示すデータは、表に示す化学成分
を含む原材料を金型鋳造により鋳造・加工したカ
ムをアルミ合金で鋳ぐるみカム軸を作製し、モー
タリングによる摩耗加速試験（相手ロツカアーム
チツプは通常用いられている焼結合金を使用）を
行なうことにより得たものである。 次に、本発明において前記の如く化学成分を限
定したのは次の理由による。 (1) Ｃについては、炭化物の形態を決める重要な
元素であり、網状炭化物を生成するためには少
ない方が好ましいが、あまり少なくすると炭化
物の量が少なくなり十分な耐摩耗性が得られな
いため下限を１％とした。又、2.5％を超える
と炭化物は第２図に示すような通常のモル組織
を呈し、第１図に示す如き目的とする網状炭化
物が得られないため上限は2.5％とした。 (2) Siについては、鋳鉄に必須の元素であり、炭
化物の形状にはあまり影響がないが、あまり多
くなると遊離黒鉛を生成するためその上限を
4.5％とした。 (3) Mnについては、鋳鉄の性質を失わない範囲
として前記の通り限定した。 (4) Crについては、十分な耐摩耗性を得るため
に重要な元素であり、もしCrが必要量なれば
供試材No.３、No.４からもわかるように網状炭化
物を生成しても耐摩耗性は悪化する。十分な耐
摩耗性を確保するためその下限は４％とした。
又、Crが15％を超えると相手ロツカアームチ
ツプへの攻撃性が大となり悪影響が出るので上
限を15％とした。 (5) Tiについては、Crと同様に耐摩耗性を向上
させる元素であり、0.01未満では効果がないた
めこれを添加する場合には下限を0.01％とし
た。また、0.1％を超えると相手ロツカアーム
チツプへの攻撃性が大きくなるため上限を0.1
％とした。 (6) Nbについても、上記Tiと同様の理由によ
り、添加する場合には前記の通り成分限定する
こととした。 以上説明した如く、本発明に係る白鋳鉄によれ
ば優れた耐摩耗性を得ることができ、好都合であ
る。
鋳鉄であり、供試材No.９〜No.15が本発明に係る鋳
鉄である。 表１からも明らかなように、前記した化学成分
中の小量の不純物として、Ti又はNbを単独に
0.01〜0.1％添加した鋳鉄或いはTi及びNbを合計
で0.01〜0.1％添加した鋳鉄も本発明に含まれる。 本発明に係る鋳鉄は炭化物形態が網状をしてお
り、これをカムに用いた場合には参考用鋳鉄と比
較して摩耗量が少ないばかりか、相手ロツカアー
ムチツプについての摩耗量も少なくできる効果が
あることが表１よりわかる。 ちなみに、第１図は表１における供試材No.13の
顕微鏡組織図（倍率400）を示し、本発明の特徴
である網状炭化物が明瞭に表わされている。 又、第２図は通常の炭化物を有する白鋳鉄であ
る供試材No.７の、第３図は網状炭化物を有するが
Cr含有量が少ない白鋳鉄である供試材No.４の顕
微鏡組織図（何れも倍率は400）をそれぞれ示す。 なお、表１に示すデータは、表に示す化学成分
を含む原材料を金型鋳造により鋳造・加工したカ
ムをアルミ合金で鋳ぐるみカム軸を作製し、モー
タリングによる摩耗加速試験（相手ロツカアーム
チツプは通常用いられている焼結合金を使用）を
行なうことにより得たものである。 次に、本発明において前記の如く化学成分を限
定したのは次の理由による。 (1) Ｃについては、炭化物の形態を決める重要な
元素であり、網状炭化物を生成するためには少
ない方が好ましいが、あまり少なくすると炭化
物の量が少なくなり十分な耐摩耗性が得られな
いため下限を１％とした。又、2.5％を超える
と炭化物は第２図に示すような通常のモル組織
を呈し、第１図に示す如き目的とする網状炭化
物が得られないため上限は2.5％とした。 (2) Siについては、鋳鉄に必須の元素であり、炭
化物の形状にはあまり影響がないが、あまり多
くなると遊離黒鉛を生成するためその上限を
4.5％とした。 (3) Mnについては、鋳鉄の性質を失わない範囲
として前記の通り限定した。 (4) Crについては、十分な耐摩耗性を得るため
に重要な元素であり、もしCrが必要量なれば
供試材No.３、No.４からもわかるように網状炭化
物を生成しても耐摩耗性は悪化する。十分な耐
摩耗性を確保するためその下限は４％とした。
又、Crが15％を超えると相手ロツカアームチ
ツプへの攻撃性が大となり悪影響が出るので上
限を15％とした。 (5) Tiについては、Crと同様に耐摩耗性を向上
させる元素であり、0.01未満では効果がないた
めこれを添加する場合には下限を0.01％とし
た。また、0.1％を超えると相手ロツカアーム
チツプへの攻撃性が大きくなるため上限を0.1
％とした。 (6) Nbについても、上記Tiと同様の理由によ
り、添加する場合には前記の通り成分限定する
こととした。 以上説明した如く、本発明に係る白鋳鉄によれ
ば優れた耐摩耗性を得ることができ、好都合であ
る。
第１図は本発明に係る白鋳鉄の金属組織を示す
顕微鏡写真、第２図は通常の炭化物を有する白鋳
鉄の金属組織を示す顕微鏡写真、第３図は網状炭
化物を有するがCr含有量が少ない白鋳鉄の金属
組織を示す顕微鏡写真である。
顕微鏡写真、第２図は通常の炭化物を有する白鋳
鉄の金属組織を示す顕微鏡写真、第３図は網状炭
化物を有するがCr含有量が少ない白鋳鉄の金属
組織を示す顕微鏡写真である。
Claims (1)
- １ 網状炭化物を有する鋳鉄であつて、化学成分
が重量百分率で、Ｃ＝1.0〜2.5％、Si＝1.0〜4.5
％、Mn＝1.0％以下、Cr＝４〜15％、残部がFe
及び小量の不純物で構成されていることを特徴と
する耐摩耗性白鋳鉄。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28176084A JPS61157656A (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 耐摩耗性白鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28176084A JPS61157656A (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 耐摩耗性白鋳鉄 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61157656A JPS61157656A (ja) | 1986-07-17 |
| JPH036217B2 true JPH036217B2 (ja) | 1991-01-29 |
Family
ID=17643590
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28176084A Granted JPS61157656A (ja) | 1984-12-27 | 1984-12-27 | 耐摩耗性白鋳鉄 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61157656A (ja) |
-
1984
- 1984-12-27 JP JP28176084A patent/JPS61157656A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61157656A (ja) | 1986-07-17 |
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