JPH0361847B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロール間隙をその間に形成する少なく
とも２つのロールを備え、ロールシエルが圧力付
与部によつて負荷される静液圧支持部材によつ
て、ロールシエルを貫通し回転不能に保持される
キヤリヤに支持され半径方向にキヤリヤに対して
調整可能であり、１次支持部材がキヤリヤのロー
ル間隙側に、２次支持部材がキヤリヤの反対側に
設けられ、少なくとも１次支持部材は帯域的に可
変的に、特に少なくとも２つの周方向に偏位する
圧力付与部が係合する支持部材によつて圧力が供
給されるロールシステム用の変形制御ロールに関
する。

この種の公知の変形制御ロール（西ドイツ公開
特許第3325358号）においては、１次支持部材及
び２次支持部材は、その圧力付与部を含めて、互
いに同じ形に形成される。圧力付与部の圧力室に
は圧力制御可能な媒体が供給され、これは支持部
材の支持面の油溜りポケツトに絞りを介して連通
する。従つてロールシエル内面と支持部材の支持
面との間には圧力媒体の液膜が常に存在し潤滑作
用する。これは機械的に固体接触支持する場合よ
りも発生する摩擦抵抗を著しく小さくする。ロー
ルニツプ（ロール間隙）で処理されるウエブ
（紙、金属またはフラスチツクの帯状材）の品質
は、変形制御ロールの位置の制御の正確さにより
著しく影響される。１次および２次支持部材の圧
力を対応させて制御することにより所望のロール
シエルの形状および所望のロール長手方向の負荷
分布を得ることができる。支持部材はそれぞれ周
方向にずらせて配置され圧力付与部から圧力を付
与されているので、相互に実質的に直径対称に配
置された１次および２次支持部材はロールシエル
の横方向の運動に対して著しい安定性を示す。

本発明は従来技術の前記変形制御ロールに較べ
て、他の条件は同じにして低い温度上昇で作動す
る変形制御ロールをつくり出すことを課題とす
る。

この課題は、２次支持部材の少なくとも一部に
ついて支持面を１次支持部材の支持面より小さく
するという本発明の手段により解決される。

支持部材の支持面をこのように小さくすること
により、支持面の限界のランドとロールシエル内
面との間に形成される間隙を超えて油溜りから流
れる圧力媒体により摩擦抵抗は非常に小さくな
り、従つてまた熱の発生は少なくなる。

摩擦の小さいことは加熱作用を少なくするだけ
でなく、ロールを駆動する場合の所要の駆動力を
少なくする。支持面を小さくすることは油溜ポチ
ツトの圧力を上昇させることを前提としており、
それにより同じ支持力とすることができる。２次
支持部材は一般に１次支持部材よりも著しく小さ
い支持力が作動するので、この圧力上昇は通常の
運転圧力の範囲内で実施することに何等の困難性
はない。

加熱の減少によつて、温度水準及び局部的温度
最大値はより低く保持される。これは特に一方で
は熱放出を防止し他方では一定の温度限界値を超
えた際には役に立たなくなる弾性被覆、例えば紙
又は合成樹脂被覆を備えるロールシエルにおいて
有利である。

２次支持部材の区域における局部温度上昇は同
様に僅かであるので、温度依存の脹らみ性は小さ
くロール間隙の調整が達せられる。２次支持部材
がロールシエルの長さに亘つて均等に分割されて
いるとき、有害な部分加熱は防止される。

２次支持部材における圧力付与部の横断面が１
次支持部材におけるそれよりも小さいのが有利で
ある。

更にポケツトにより高い圧力を生ずるので縮小
した圧力付与部寸法の場合にも対応する高められ
た圧力を使用することが出来る。実際に２次支持
部材の支持面及び／又は圧力付与部横断面は１次
支持部材のほぼ半分にするのが有利である。

２次支持部材は更に１次支持部材より相互間の
間隙が大きい。より小さな２次支持部材の減少し
た数は、場合により供給圧力の上昇下に前部の必
要な負の力を生ずるのに、通常は充分である。こ
の場合摩擦は更に減少する。

２次支持部材がロールシエルから１次支持部材
よりも大きな間隔で配置されるのが好ましい。こ
れによつてロール端部における反りが防止され
る。他方において残りの２次支持部材が与える負
の力は、多くの場合、部材を全ての残りのロール
長さに亘つて均等に分割したときに、充分であ
る。

ロールシエルの端部をキヤリヤに半径方向に調
整可能であるが、調整過程の中間位置において抑
止装置によつて捕捉可能な支持リングに軸支する
のが、特に有利である。この抑止装置によつてロ
ールシエルの軸は選択可能な位置に固定される。
この固定によつて支持部材から発する力は全く実
質的に減少することが出来る。然しながらより小
さな支持力は一般に摩擦に依る熱発生を減少させ
る。与えられた使用例に対し、支持部材からロー
ルシエルに伝達されるすべての支持力を最少にす
ることが出来る。なかんずくロールシエルの近く
に２次支持部材を設けることは不必要である。抑
止装置は、遮断弁を経て液体源に結合する調整の
際に変化する容積を有する少なくとも１つの室を
有するのが好ましい。遮断によつて所望の捕捉が
得られる。

好ましい実施例において変形制御ロールは、そ
の他方の端部ロールが同様に変形制御ロールによ
つて形成されるロールシステムの端部ロールを形
成する。

これ等２つの相互に作用する変形制御ロール
は、一方及び他方のロールにおける軸受力の和を
更に減少させ、且つこれによつて摩擦を更に著し
く減少させることが出来る。軸受保持を簡単にす
るには、等しい変形ロールにするのが肝要であ
る。

２次支持部の必要な負の力を生ずるのに、通常
は十分である。この場合摩擦は更に減少する。

本発明を以下図面に示す、好ましい実施例を引
用して詳細に説明する。

第１図ないし第３図に示す変形制御ロール１
は、非回転の長い中芯のキヤリヤ３が貫通する円
筒形の回転可能なロールシエル２を有する。キヤ
リヤはその両端部４で夫々球状軸受５に回転しな
い様に保持される。ロールシエル２は加圧処理平
面（隣接ロールとのロール間隙とロール中心線を
通る平面）に作用する１次支持部材６及び対向位
置の２次支持部材７によつてキヤリヤ３上に支持
される。例えば最初の２つの１次支持部材６は共
通の１次圧力制御器によつて同一の圧力が供給さ
れ、第１ゾーンを形成し、次の１次支持部材６は
第２ゾーンを形成し以下同様である。２次支持部
材７に就いても同様である。ロールシエルの端部
はロール軸受８を介して回転不能に支持リング９
（以下リングということがある）に保持される、
それは圧力処理平面において半径方向に移動し得
る。

第２図に示す如く、１次支持部材は周方向に互
いに偏位した２つの圧力付与部１０及び１１を備
える。圧力付与部の形成の為に支持部材６は２つ
の円筒状のシリンダ孔１２及び１３を有し、この
シリンダ孔にキヤリヤ３に固定されたピストン１
４又は１５がはまり合う。斯くして形成された圧
力室１６又は１７に圧力流体が導路１８又は１９
から供給される。圧力室１６は絞り２０を介し
て、圧力室１７は絞り２２を介して１次支持部材
６の支持面２４において油溜まりポケツト２１及
び２３に接続される。導路１８，１９を介して圧
力流体が変化し得る圧力で供給されると、２つの
圧力室１６及び１７における１次支持部材６の負
荷並びにポケツト２１及び２３の区域における液
圧支持が生ずる。圧力流体は次いでポケツトから
支持面２４とシエル２の内面との間の間隙を通つ
て外部に流れる。

２次支持部材７は同様な構造で２つの周方向に
偏位した圧力付与部２５及び２６を有し、その圧
力室２７及び２８は絞りを介して支持部材７の支
持面３１においてポケツト２９及び３０と接続さ
れる。

圧力流体は可変圧力を以て導路３２及び３３を
介して供給される。２次支持部材７の支持面３１
は１次支持部材６の支持面２４より著しく小さ
い。圧力室１６及び１７と比較した圧力室２７及
び２８の横断面に関しても同様である。この２次
支持部材７の縮小の結果、同一の関係を維持する
為に供給圧力をより高くしなければならないが、
ロールシエル２とポケツト２９及び３０の外部に
ある支持面３１の縁との間隙における摩擦は小さ
いので、駆動動力は小さく僅かな摩擦熱しか生じ
ない。

支持面２４若しくは３１としては、ポケツト及
びこれを囲むランド部から構成される支持部材６
及び７のロールシエル２に対向する面からなる。
摩擦の減少は実質的に支持面の減少と共に周辺長
さ及びこれに伴い縁ランドの有効面が減少するこ
とに起因する。

第３図に示す様に抑止装置４５においては、支
持リング９と固定結合した２つのピストン３４及
び３５はキヤリヤ３の対応するシリンダ孔３６又
は３７にはまり合う。これによつて２つの室３８
及び３９が生じ、これらは図に示されないパツキ
ンによつてシールされる。室３８及び３９は流路
４０及び４１並びに締切り弁４２又は４３を介し
て流体源４４と連通し、支持リング９をその半径
方向の調整経路の夫々の中間位置において捕捉し
得る抑止装置４５を形成する。加えてピストン３
４及び３５は支持リング９の回転を阻止する。締
切り弁４２及び４３の解放時の支持リング９の偏
位がただ１次又は２次支持部材６及び７の作用の
みで起こる場合、流体源は非常に低圧力で充分で
ある。それは室３８及び３９を夫々充満状態に保
持するだけで充分である。然しながら流体源は支
持リング９をロールシエル２の端部と共に外部の
対抗圧力により圧され始める状態にあるときに、
より高い圧力を使用することが出来る。正しい位
置に達した時、締切り弁４２及び４３は閉じられ
る。これはロールシエル２の軸方向の両端におけ
る固定を生じ、それでなければただ一方の支持が
生ずる。

第３図において支持リング９とピストン３４及
び３５のハツチングは、この部分が機械的に互い
に結合されている事を意味する。実際にピストン
３４，３５は支持リング９と分離してつくられ
る。組立てのためそれらはシリンダ３８，３９に
入れられ、ここで支持リング９は軸方向にその上
を移動させられる。こうして該部分は多くのピス
トン軸に平行なねじによつて結合される。

第４図の実施態様において全ての部分は第１図
のそれに対応する。但し２次支持部材１０７は最
後の１次支持部材６に対して２次支持部材は最早
存在しない様に、ずれて配置されている。

第５図の実施態様は第１図のそれと２次支持部
材２０７が１次支持部材６よりも互いに実質的に
大きな軸方向の距離を有することによつて相違す
る。

第６図において、固定軸受４７を有する基礎ロ
ール４６及び、ロールシエルの外側に紙又は合成
樹脂から成る弾性被覆４８を有する変形制御ロー
ル１０１から成るロールシステムが示される。基
礎ロール４６が変形制御ロール１０１と類似の構
造であると支持リング９は抑止装置４５によつて
固定した中間位置に捕捉され又は上部シリンダ３
６の充填が機械的に形成された下部末端位置に保
持されることによつて、固定軸受４７が生ずる。

第７図の実施態様において多数の互いに重なつ
て配置されたロールが設けられたスーパーカレン
ダーが示される。最下部のロールは変形制御ロー
ル２０１である。最上部のロールは変形制御ロー
ル２０１′である。これ等の間に残りのロール４
９，５０及び５１があり、その内、例えば夫々２
番目のロールが弾性被覆を備えることが出来る。
２つの変形制御ロール２０１及び２０１′は互い
に同一とすることが出来る。この場合もロールシ
エルの端部は支持リングの捕捉によつて任意の中
間−若しくは末端位置において軸支される。

第６図及び第７図においてキヤリヤ３又は軸受
４７は運転位置に相当する固定位置にあるかの如
くに示される。然し、この軸受は通常の如く迅速
な降下又は種々のロール直径に適合することを可
能にすることは明らかである。キヤリヤ３は１次
支持部材６が隣接のロール間隙に面し２次支持部
材７がこのロール間隙に反対側を向く如く構成さ
れる。

バンド状材料をロール間隙で処理する為に一定
の大きさ及び分布の長手方向荷重及び一定の形態
のロール間隙が必要である。この条件はキヤリヤ
３に対する支持リング９の配置並びに１次支持部
材６及び２次支持部材７に対応する帯域圧力制御
によつて与えられる。支持部材６及び７により与
えられる力の和が最小値となる支持ロール９の位
置が夫々与えられる。これは試験によつて求めら
れる。

近代のロールシステムは対応する数値を予め与
える計算機を有する。２次支持部材７の小さな支
持力及び小さな支持面は摩擦を著しく減少する。

抑止装置４５は他の構造を有することも出来
る。液圧遮断装置は簡単に制御し得るので機械的
遮断装置よりも好ましい。図に示す室の代りに蛇
腹ソケツト、波形管部材等が考慮される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の変形制御ロールの部分断面
図、第２図は第１図の線Ａ−Ａに沿う断面図、第
３図は第１図の線Ｂ−Ｂに沿う断面図、第４図は
変更実施態様の部分縦断面図、第５図は更に他の
実施態様の部分縦断面図、第６図は本発明の変形
制御ロールを備えるロールシステムの略図及び第
７図は２つの変形制御ロールを有する他のロール
システムの略図である。 １，１０１，２０１，２０１′……変形制御ロ
ール、２……ロールシエル、３……キヤリヤ、４
……端部、５……球状軸受、６……１次支持部
材、７，１０７，２０７……２次支持部材、８…
…ロール軸受、９……支持リング、１０，１１…
…圧力付与部、１２，１３……シリンダ孔、１
４，１５……圧力室、１６，１７……圧力室、１
８，１９……導路、２０，２２……絞り、２１，
２３……ポケツト、２４……支持面、２５，２６
……圧力付与部、２７，２８……圧力室、２９，
３０……ポケツト、３１……支持面、３２，３３
……導路、３４，３５……ピストン、３６，３７
……シリンダ孔、３８，３９……室、４０，４１
……流路、４２，４３……締切り弁、４４……流
体源、４５……抑止装置、４６……基礎ロール、
４７……固定軸受、４８……弾性変形可能外表
面、４９，５０，５１……中間ロール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも２つのロールを備えその間にロー
   ル間隙を形成するロールシステム用の変形制御ロ
   ールとして、１つのロールシエルがロールシエル
   を貫通して回転不能に保持されているキヤリヤ上
   に圧力付与部によつて圧力負荷される列設静液圧
   支持部材によつて支持されかつキヤリヤに対し半
   径方向に移動調整可能であり、そして１次支持部
   部材列がロール間隙側に、２次支持部材列がキヤ
   リヤの反対側に設けられ、かつ少なくとも１次支
   持部材列が帯域的に異なる圧力を供給され、特に
   支持部材が周方向にずらされた少なくとも２つの
   圧力付与部に連繋するロールにおいて、摩擦条件
   による発生熱の軽減のため、少なくとも一部の２
   次支持部材７の静液圧支持面３１が１次支持部６
   の静液圧支持面２４より小さく、かつ面積が小さ
   くされた２次支持部材については、このロールに
   対し与えられる適用条件に際し、当該２次支持部
   材が面積縮小されていない２次支持部材と同じ液
   圧支持面を持つ場合に同じ支持力を発生させるの
   に必要な圧力より高められた圧力で稼動されるよ
   うになつていることを特徴とする変形制動ロー
   ル。 ２ ２次支持部材７における圧力付与部２５，２
   ６が１次支持部材６における圧力付与部１０，１
   １よりも小さいことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の変形制御ロール。 ３ ２次支持部材７の支持面および／または圧力
   付与部の横断面積が１次支持部材６のそれらの約
   半分の大きさであることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項又は第２項の１項に記載の変形制御ロ
   ール。 ４ ２次支持部材２０７が１次支持部材６よりも
   大きな軸方向の相互間隙を有することを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項ないし第３項の１項に記
   載の変形制御ロール。 ５ ２次支持部材１０７が１次支持部材６よりも
   ロールシエルの端部から大きい間隔に配置されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第４項の１項に記載の変形制御ロール。 ６ ロールシエル２の端部が、キヤリヤ３に対し
   半径方向に調整可能であるが調整過程の任意の中
   間位置に抑止可能である支持リング９上に支持さ
   れることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第５項の１項に記載の変形制御ロール。 ７ 抑止装置４５が、調整の際に容量が可変で遮
   断弁４２，４３を介し液体源４４と連通する少な
   くとも１つの室３８，３９であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第６項に記載の変形制御ロー
   ル。 ８ 変形制御ロールがロールシステムの端部ロー
   ル２０１を形成し、同様に他の端部ロール２０
   １′を形成することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項ないし第７項の１項に記載の変形制御ロー
   ル。