JPH03617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ガス漏れ等の異常事態が発生した場
合に、管路内のガスの流通を遮断するガス遮断弁
の改良に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種ガス遮断弁は、具体的に図示しな
いが、弁本体と電磁機構とから成り、弁本体は、
弁座と該弁座を開閉する弁体とを有し、且つ内部
に弁座を介してガス流通路を画成すると共に、弁
体をスプリングにより弁座の閉方向に付勢する構
成となつており、電磁機構は、上記弁体を下端部
に連結したプランジヤと、該プランジヤの同心外
側に電磁コイル・永久磁石等から構成される電磁
部とを有する構成となつている。

又、上記弁本体の流通路二次側に検知路を形成
して、該検知路にダイヤフラムから構成される圧
力センサーを設けて、二次側のガス圧を検知でき
る構成となつている。

そして、実際の動作は、電磁部の電磁コイルに
対する通電により発生する磁力線で、プランジヤ
を高位置に吸着した後、永久磁石の磁力でプラン
ジヤを高位置に維持して、弁体をスプリングに抗
して弁座から離反させることにより、正常時のガ
スの流通を許容し、逆にガス漏れ等の異常事態が
発生すると、該異常事態の発生を二次側のガス圧
の低下として上記圧力センサーが検知して、該検
知信号で制御装置を作動させることにより、電磁
部の電磁コイルに電流が流されて、永久磁石の磁
力と逆向きの磁力線を発生させて、プランジヤの
吸着状態を解除することにより、今度はスプリン
グの作用で弁体の降下を得て、弁座を閉塞して、
ガスの流通を直ちに遮断するものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） 然し乍ら、従来ガス遮断弁における圧力センサ
ーは、ダイヤフラムを弁本体の二次側に形成され
た検知路に一体的に設ける構成となつているの
で、ダイヤフラム自体のメンテナンスが頗る困難
となると共に、該ダイヤフラムは数多くの付属部
品を用いて弁本体に設けられるので、弁本体自体
もこれに応じて、当然に大型化する問題点を有し
ていた。

（問題点を解決するための手段） 而して、本考案は、上記従来ガス遮断弁の圧力
センサーの問題点を有効に解決するために開発さ
れたもので、弁本体内に画成されるガス流通路の
二次側に検知路を形成し、該検知路に二次側のガ
ス圧を検知する圧力センサーを設けたガス遮断弁
において、上記圧力センサーは弁本体と別体のハ
ウジングを備え、該ハウジング内に少なくともダ
イヤフラムと可動接点と固定接点とを収納すると
共に、ハウジングにガス導入筒部を設け、該ガス
導入筒部を上記検知路に着脱可能に連通させる構
成を採用した。

（作用） 依つて、本考案にあつては、圧力センサーを、
少なくともハウジングと該ハウジング内に収納さ
れるダイヤフラム・可動接点・固定接点で構成し
て、弁本体とは別体構造となしているので、ハウ
ジングのガス導入筒部を検知路に連通させるだけ
で、圧力センサーの取付けが可能となると共に、
検知路からハウジングの導入筒部を引き抜けば、
圧力センサーを取り外すことが可能となる結果、
圧力センサーの検知路に対する着脱が容易となる
ので、ダイヤフラムのメンテナンスをはじめ、使
用用途に応じてダイヤフラムの検知能力の微調整
も、極めて簡単に行なうことが可能となると共
に、弁本体の小型化にも大きく貢献できることと
なる。

（実施例） 以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳
述すれば、該実施例に係るガス遮断弁は、第１
図・第２図に示す如く、弁本体１Ａと電磁機構１
Ｂとから成り、弁本体１Ａは、弁座２と該弁座２
を開閉する弁体３とを有し、且つ内部に弁座２を
介してガス流通路を画成する構成となつている。

又、電磁機構１Ｂは、上記弁体３を下端部に連
結部材４を介して連結したプランジヤ５と、該プ
ランジヤ５の同心外側に電磁コイル６ａ・ソレノ
イドフレームストツパ６ｂ・永久磁石６ｃ・鉄板
６ｄ・枠体６ｅ等から構成される電磁部６を有す
る構成となつている。尚、プランジヤ５の下部に
固定された鍔部７と電磁部６間にはスプリング８
を装着して、該スプリング８のばね圧により、上
記弁体３を弁座２の閉方向に付勢する。

更に、電磁機構１Ｂの枠体１ｂとの関係で間隙
を画成する電磁部６の枠体６ｅ上面に、開閉検知
用リードスイツチ９を配設すると共に、プランジ
ヤ５の上端部にリング１０ａを有する手動操作軸
１０を連設し、該手動操作軸１０に蛍光塗料又は
赤色塗料等で着色されたマグネツト体１１を固設
して、プランジヤ５の昇降に伴う該着色マグネツ
ト体１１の接近・離反により、リードスイツチ９
をオン・オフ、又はオフ・オンする構成となし、
且つ電磁機構１Ｂの枠体１ｂ上部に、透明キヤツ
プ１３を着脱可能に取付けて、該キヤツプ１３内
に上記手動操作軸１０の上端部を収納して、停電
等の非常時に、該キヤツプ１３を取り外し、該リ
ング１０ａを介して操作軸１０を手動で昇降させ
ることにより、弁本体１Ａの弁座２を開閉できる
構成となすと共に、透明キヤツプ１３から上記着
色マグネツト体１１を容易に目視できる構成とす
る。

又、本実施例にあつては、弁本体１Ａと電磁機
構１Ｂ間をシールするために、該弁本体１Ａと電
磁機構１Ｂの連結部１４ａ，１４ｂと、プランジ
ヤ５の下端部にダイヤフラム１５を装着すると共
に、弁体１Ｂの上部に設けられているフランジ１
６とプランジヤ５の下端部にベロー１７を二重に
装着して、該ベロー１７と上記ダイヤフラム１５
の二重装着でシール構造を得る構成となす。尚、
フランジ１６と電磁機構１Ｂの連結部には、Ｏリ
ング等のガスケツト１８を別途装着することは言
うまでもない。

更に、弁本体１Ａの二次側に、電磁機構１Ｂの
対応壁部まで延在する検知路２０を形成すると共
に、該検知路２０の終端部に下記の別体型圧力セ
ンサー２１をカバー２２を介して着脱可能に設
け、該圧力センサー２１で二次側のガス圧の低下
を検知する構成となす。

圧力センサー２１は、特に第３図、第４図Ａ・
Ｂ・Ｃに示す如く、上ハウジング２１ａと下ハウ
ジング２１ｂを備え、該上下ハウジング２１ａ，
２１ｂは、境にダイヤフラム２４を挾持して１体
型に成型された４個のクリツプ２３で合体される
と共に、上ハウジング２１ａとダイヤフラム２４
で画成される内部に、弾性板２５・通孔２６ａを
有するストツパ２６・可動接点２７・固定接点２
８を夫々順に収納する構成と成つている。

更に、ハウジング２１ａは、図示する如く、可
動接点２７と固定接点２８の間隔を調整する調整
ボルト２９を有すると共に、制御装置に接続され
る一対の端子３０を有し、且つ電磁機構１Ｂに設
けられたフイルターカバー３１ａを有する窓３１
を介して外気と接触する開口３２が穿設されてい
る。又、下ハウジング２１ｂは、ガスの導入筒部
３３を一体に有し、該導入筒部３３を上記検知路
２０に連通させるだけで、圧力センサー２１の検
知路２０に対する取付けを可能とすると同時に、
二次側のガスを内部に導き、検知路２０から導入
筒部３３を引き抜けば、圧力センサー２１を取り
外せる構成となつている。３６はガス漏れ防止用
Ｏリングである。

尚、圧力センサー２１は、最終的には上下のハ
ウジング２１ａ，２１ｂの角隅部に形成されてい
るビス孔３４とビス３５を介して、電磁機構１Ｂ
の壁面に着脱可能に固着されるものである。

依つて、上記構成のガス遮断弁における正常状
態にあつては、第１図に示す如く、電磁部６の永
久磁石６ｃの磁力でプランジヤ５が高位置に吸着
し、弁体３をスプリリン８に抗して弁座２から離
反させて、ガスの流通を許容することとなる。

尚、斯る正常状態にあつては、ガス圧が190mm
H₂O以上となつているので、圧力センサー２１
内のダイヤフラム２４は、スペーサ２６の通孔２
６ａから膨出して、可動接点２７を固定接点２８
に押圧して、圧力センサー２１自体はオン状態と
なつている。

そして、正常状態において、ガス漏れ等の異常
事態が発生して、検知路２０内のガス圧が140mm
H₂O以下に低下すると、大気圧との関係で今度
はダイヤフラム２４が原形に復帰して、可動接点
２７に対する押圧を解除するので、圧力センサー
２１自体がオフとなる。

すると、圧力センサー２１のオフ状態を制御装
置が感知して、電磁部６の電磁コイル６ａに電流
を流して、永久磁石６ｃの磁力と逆向きの磁力線
を発生させるので、上記プランジヤ５の吸着が解
除されて、今度はスプリング８の作用でプランジ
ヤ５と一体に弁体３が降下して、第２図に示す如
く、弁座２を閉塞するので、ガスの流通が直ちに
遮断されることとなる。

次いで、異常事態が解明修復されて、ガスの流
通を再開する場合は、制御装置の作動で電磁部６
の電磁コイル６ａに電流が流されるので、発生す
る磁力線によりプランジヤ５がスプリング８のば
ね圧に打ち勝つて上昇して、ソレノイドフレーム
ストツパ６ｂに吸着すると共に、吸着後は永久磁
石６ｃの磁力によつて、第１図に示す開状態が維
持されることとなる。

又、この場合には、再び二次側のガス圧が190
mmH₂O以上となるので、圧力センサー２１内の
ダイヤフラム２４は、スペーサ２６の通孔２６ａ
から膨出して、可動接点２７を固定接点２８に押
圧して、圧力センサー２１自体はオン状態となる
ことは言うまでもない。

尚、圧力センサー２１によるガス圧の検知は、
遮断弁の開状態又は閉状態におけるガス圧の低下
を検知することは勿論のこと、復帰安全機構にも
応用できる。この復帰安全機構は、制御装置に設
けた押しボタン操作によつて、一旦遮断弁を閉じ
て、ガスを二次側に封入し、該封入ガス圧を検知
して、低下している場合には、遮断弁の閉状態を
維持し、低下していない場合には、遮断弁を開状
態にして、安全にガスの流通を許容するものであ
る。

（考案の効果） 以上の如く、本考案は、弁本体内に画成される
ガス流通路の二次側に検知路を形成し、該検知路
に二次側のガス圧を検知する圧力センサーを設け
たガス遮断弁において、圧力センサーは弁本体と
別体のハウジングを備え、該ハウジング内に少な
くともダイヤフラムと可動接点と固定接点とを収
納すると共に、ハウジングにガス導入筒部を設
け、該ガス導入筒部を検知路に着脱可能に連通す
るように構成したことを特徴とするものであるか
ら、ハウジングの導入筒部を検知路に連通させる
だけで、圧力センサーの取付けが可能となると共
に、検知路からハウジングの導入筒部を引き抜け
ば、圧力センサーを取り外すことが可能となる。

依つて、圧力センサーに検知路に対する着脱が
容易となるので、ダイヤフラムのメンテナンスを
はじめ、使用用途に応じてダイヤフラムの検知能
力を微調整することも、極めて簡単に行うことが
可能となると共に、弁本体の小型化にも大きく貢
献できることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るガス遮断弁の開
状態を示す断面図、第２図は同閉状態を示す断面
図、第３図は圧力センサーの分解斜視図、第４図
Ａは圧力センサーの断面図、同図Ｂは上ハウジン
グ側から示す側面図、同図Ｃは下ハウジング側か
ら示す側面図である。 １Ａ……弁本体、２０……検知路、２１……圧
力センサー、２１ａ……上ハウジング、２１ｂ…
…下ハウジング、２４……ダイヤフラム、２７…
…可動接点、２８……固定接点、３３……ガス導
入筒部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体内に画成されるガス流通路の二次側に検
   知路を形成し、該検知路に二次側のガス圧を検知
   する圧力センサーを設けたガス遮断弁において、
   上記圧力センサーは弁本体と別体のハウジングを
   備え、該ハウジング内に少なくともダイヤフラム
   と可動接点と固定接点とを収納すると共に、ハウ
   ジングにガス導入筒部を設け、該ガス導入筒部を
   上記検知路に着脱可能に連通するように構成した
   ことを特徴とするガス遮断弁。