JPH0361359A - プラズマ蒸着装置 - Google Patents

プラズマ蒸着装置

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JPH0361359A
JPH0361359A JP19675289A JP19675289A JPH0361359A JP H0361359 A JPH0361359 A JP H0361359A JP 19675289 A JP19675289 A JP 19675289A JP 19675289 A JP19675289 A JP 19675289A JP H0361359 A JPH0361359 A JP H0361359A
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JP
Japan
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fine powder
gas
low
chamber
hopper
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Application number
JP19675289A
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English (en)
Inventor
Naokichi Hosokawa
細川 直吉
Takeshi Yamazaki
猛 山崎
Atsushi Sekiguchi
敦 関口
Shinji Takagi
信二 高城
Hiroshi Arakawa
浩 荒川
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Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、プラズマを用いて薄膜を作成するプラズマ
蒸着装置に関し、特にプラズマ中に粉末原料を送り込ん
でこれを気化することによって薄膜を形成するプラズマ
蒸着装置に関する。
[従来の技術] 多元の酸化物で作られる高温超電導体のような複雑な複
合体や、化合物、合金などの薄膜を作る手段として、プ
ラズマ蒸着方法を利用することが知られている。たとえ
ば、次の文献にはプラズマ蒸着によって酸化物高温超電
導体の薄膜を高速で作成することが記載されている。
Appl、 Phys、 Lett、 52 (198
7)   p、  1274−1276Terashl
i+aら、 ”Preparation o[’ su
percon−ducLIng Y−Ba−Cu−Of
’1lis by a reactiveplasma
 evaporat、Ion method ”このよ
うな従来のプラズマ蒸着法と、そのいくつかの欠点を改
良したプラズマ蒸着法については、本願出願人の出願に
係る次の特許出願の明細書に詳細に述べられている。
特願平1−57699号 特願平1−66330号 特願平1−66331号 [発明が解決しようとする課題] Terashlmaらの前述の従来技術においては、大
気圧プラズマ放電を利用しているので、投入電力効率、
成膜速度、膜の組成と膜質等の点で高精度な制御が困難
であった。そこで、本願発明者らは、各挿の実験をおこ
なった結果、次のような開発成果を得た。
(1)石英ガラス管内で「低圧高温プラズマ」を発生さ
せてこれをプラズマ蒸着に利用することによってプラズ
マ蒸着法を改良した。
(2)石英ガラス管で構成される低圧高温プラズマ室の
内壁の損傷を防止する手段を開発した。
(3)損傷しやすい石英ガラス管を使用せずに金属製真
空容器内に低圧高温プラズマを発生させる手段を開発し
た。
(4)原料粉末が気化しなかった場合に基板の−Lに原
料粉末がそのまま落下する危険性のない工夫を開発した
これらの成果は、上述の3件の特許出願の明細書に開示
されている(なお、「低圧高温プラズマ」の定義につい
てはこれらの特許出願の明細書に説明されている)。し
かし、ここに述べられているいずれの方法においても、
原料粉末を自動的にかつ連続的に供給する方法について
は十分な考察がなされていなかった。粉末及び粒体原料
の自動供給方法としては例えばフラッシュ蒸着のための
微拉子原料供給機構が、オーム社が昭和58年12月1
0日に発行し、日本学術振興会薄膜第131委員会の編
集した「薄膜ハンドブック」の114頁に掲載の図2・
90に示されている。また別の例としては、粉末原料を
吹き付けながらこれを部分的に溶解して厚膜を形成する
プラズマスプレのトーチヘキャリアーガスと一賭に粉末
を送る方式が知られている。しかし前者の場合には、使
用する粉末原料の寸法は比較的大きくて、粉末原料は小
さくても0.1mm程度である。この場合、粉末あるい
はfI′L子が多数凝集せずに個別に重力に従い白い落
下をする性質を利用できるが、プラズマ蒸着の場合に使
用するのに適した粉末原料の寸法は大きくても10μm
程度であるから、前者の方式では連続して一定量づつ微
小粉末を搬送し供給することが困難である。一方、後者
の場合には、前者のフラッシュ蒸着で使用可能な粒径よ
りは小さな寸法の粉体まで取り扱うことはできるが、実
用的に制御可能な粉末の寸法は小さくても1μm程度で
あり、プラズマ蒸着で良好な薄膜を得るのに好ましいと
される原料微粉末の寸法が1μm以下であることを考え
ると、後者の方式も十分とはいえない。またプラズマス
プレーは元来高速度で厚い被覆処理をするために、粉末
のキャリアーガス流量が極めて多く、大気圧て使用する
場合には問題とならないが真空中で薄膜を高精度で制御
しながら作製するという目的には適さない。低圧高温プ
ラズマを利用してプラズマ蒸着により良質な薄膜を作成
するためには、粒径1μmあるいはそれ以下の微粉末を
使うことが望ましいが、このような微粉末を精度よく制
御できる搬送供給手段は従来知られていなかった。また
低圧高温プラズマを発生させるときの真空は0.1〜1
QTorr程度の範囲のある一定値の圧力を維持する必
要があるが、所定の圧力を維持するためのガス流量は、
薄膜を作製する真空室の排気口の実効排気コンダクタン
ス及び排気口に接続された真空ポンプの排気速度の大き
さで一義的に決まることになる。したがって、単位時間
当りの微粉末の搬送供給量とガス流量とは、実用的に許
容される範囲内でそれぞれ独立に制御する必要がある。
それにもかかわらず従来このような技術は知られていな
い。
一方、この発明に先行する上述の特願平1−66330
号では、粉末がプラズマ中で気化しない場合に基板上に
粉末がそのまま落下する危険性のないプラズマ蒸着装置
を開示17ているが、垂直下方から上方に向かって、あ
るいは水平横方向に、微粉末とガスとを充分制御しなが
ら搬送供給する手段については具体的に充分な実用性の
あるものがなかった。
さらにまた、低圧高温プラズマ壁の損傷を防止する手段
は上述の特願平1−663:31号に開示されていて、
それ以前の方式に比べて非常に大きな改善はされている
が、それでも低圧高温プラズマ室の内壁面に蒸着膜が付
着する量を皆無にすることはできず、長時間の使用後の
損傷は避けられなかった。
この発明の第1の目的は、粒径1oμm以下の微粉末を
自動的、連続的に低圧高温プラズマ室に供給できるプラ
ズマ蒸着装置を提供することである。
第2の目的は、供給する微粉末の量とガス流量とをそれ
ぞれ独立に制御しながらこれらを低圧高温プラズマ室に
供給できるプラズマ蒸着装置を提供することである。
第3の目的は、低圧高温プラズマ室への微粉末の導入方
向を真空容器の」二部からに限定せず、例えば鉛直下方
から、あるいは水平横方向から等々の任意のあらゆる方
向を選ぶことを可能とするプラズマ蒸着装置を提供する
ことである。
第4の目的は、微粉末とガスの低圧高温プラズマ室への
供給量を精密に制御するために微粉末供給フィードバッ
ク制御の可能なプラズマ蒸着装置を提供することである
第5の目的は、低圧高温プラズマ室の内壁の損傷を低減
することのできるプラズマ蒸着装置を提供することであ
る。
[課題を解決するための手段と作用〕 上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係るプ
ラズマ蒸着装置は、低圧高温プラズマ室と、微粉末を気
体中に浮遊させてこれを気体と共に搬送して前記低圧高
温プラズマ室に供給する微粉末浮遊気体供給機構と、前
記低圧高温プラズマ室に連結して基板上に薄膜を形成す
るための成膜室と、前記成膜室を真空に排気するための
排気系と、前記低圧高温プラズマ室に電力を供給して放
電を発生させるための電力供給系とを備えている。
すなわち、この発明では、低圧高温プラズマ室に微粉末
とガスを供給するにあたり、あらかじめ微粉末を気体中
に浮遊させてこれを気体と共に搬送して供給するように
した。なお、この明細書において「微粉末」とは、低圧
高温プラズマによって気化できるような粒径の小さい粉
末をいい、粒径が10μm以下のものを指す。好ましく
は粒径が171m以下の粉末を利用する。
この発明の詳細な説明すると、まず、成膜室と低圧高温
プラズマ室を排気系で真空に排気する。
次に、低圧高温プラズマ室に電力を印加して放電を発生
させ、ここに微粉末浮遊気体を供給する。
原料となる微粉末は低圧高温プラズマによって気化し、
気化した原料の流れが基板に到達して膜が形成される。
微粉末は気体に浮遊して搬送供給されるので、微粉末を
自動的かつ連続的に供給でき、供給量の制御も精度良く
できる。微粉末は気体に浮遊しているので、低圧高温プ
ラズマ室への微粉末供給方向は重力の影響を受けない。
したがって、下方から、上方から、水平方向からなど任
意の方向から微粉末を供給でき、装置設計上の自由度が
高まる。
請求項2の発明は、微粉末浮遊気体供給機構として、重
力によって底部に堆積した微粉末を下方から気体を吹き
出すことにより気体中に浮遊させる形式のホッパーを利
用している。微粉末が浮遊した気体は、循環機構によっ
てホッパーから吸い込み、再びホッパー底部から吹き出
すようにした。
ホッパーから低圧高温プラズマ室へはガス・微粉末供給
系を通して微粉末浮遊気体を送る。この発明の詳細な説
明すると、微粉末は循環機構の働きによって吹き」二げ
られるので、循環機構の流量を制御することによってホ
ッパー内の単位体積当たりの微粉末量を制御することが
できる。ホッパー内の気体は大部分は循環機構を経由し
て、微粉末を含みながら再びホッパーに戻ってくる。気
体に浮遊する微粉末は、粒径が充分小さくて質量が充分
小さいときには長時間ホッパー内に漂い、重力があって
も容易にはホッパー底部に落下しない。
たとえば10μm程度以下の微粉末をmい、ホッパー内
の圧力が1気圧としたときには、成膜時間1分から10
分程度の間は、浮遊した微粉末の大部分は空間を浮遊し
続ける。しかし、それ以上経過すると次第に落下してく
る。したがって、成膜している間は循環を継続すること
により微粉末浮遊量を一定に維持できる。一方でガス流
量については、ホッパー内圧力とガス・微粉末供給系の
コンダクタンスとを調整することによってガス流量を所
定の値に保つことが可能である。したがって、この発明
によれば、ガス流量と微粉末流量とを独立して制御する
ことが可能になる。
ホッパーの容積に比べてガス・微粉末供給系の配管のコ
ンダクタンスを充分小さく選ぶことにより、ホッパー内
の微粉末を含む気体の一部分が循環機構へは戻らずに低
圧高温プラズマ室に供給され消費される。ホッパーから
消費される気体を補給するために外部からガス導入系を
経てガスを供給する。このようにしてホッパー内では循
環機構によりガスを吹き出しながら所定の空間密度の微
粉末浮遊気体を作り維持することができ、ここからガス
・微粉末供給系の配管を経由して所定の流量のガスを供
給することができる。
請求項3〜5の発明は、ホッパーと循環機構を備えた微
粉末浮遊気体供給機構を利用するにあたり、粉末供給量
を制御するための制御方式を工夫したものである。請求
項3ではホッパー内部の浮遊微粉末の量を光学的に検出
してこれを循環機構にフィードバックしている。請求項
4ではプラズマの発光強度を検出してこれを循環機構に
フィトバックしている。請求項5ては膜付着速度を検出
してこれを循環機構にフィードバックしている。
これらの3種類の粉末供給制御機構を比較すると、フィ
ードバック系の応答速度は、浮遊微粉末量に基つくもの
が一番速く、膜付着速度に基つくものが一番遅く、発光
強度に基づくものはその中間である。また、基板上での
成膜速度を所望の値にホ制御する観点から比較すれば、
膜付着速度に基づくものが精度が一番優れており、浮遊
微粉末量に基づくものが精度が一番劣っており、発光強
度に基づくものはその中間である。
請求項6の発明は、微粉末浮遊気体を低圧高温プラズマ
室に供給する形式のプラズマ蒸着装置において、低圧高
温プラズマ室を成膜室の下側に設けている。これにより
、万が一1微粉末がプラズマによって気化されない場合
でも、成膜室の基板上に微粉末がそのまま落下する危険
がなくなる。
請求項7の発明は、微粉末浮遊気体を低圧高温プラズマ
室に供給する形式のプラズマ蒸着装置において、低圧高
温プラズマ室の内壁に沿って着脱可能な防着シールドを
設けている。防着シールドは耐熱絶縁材料で作るのが好
ましい。防着シールドに蒸着物質が付着してきたときは
これを新しいものと交換できるので、低圧高温プラズマ
室の汚染と損傷を抑制し長時間使用する上で実用的に有
効である。
請求項8の発明は、低圧高温プラズマ室の形状を工夫し
たものであり、微粉末が導入される側の端部から成膜室
に連結される側の端部に向かって低圧高温プラズマ室の
内部断面積が拡大するような形状としである。このよう
な形状の低圧高温プラズマ室で発生するプラズマは、成
膜室に向かって拡張していくので、プラズマ中で気化し
た原子は成膜室の方に効率良く入射し、気化原子がプラ
ズマ室の内壁に付着する割合を少なくできる。
請求項9の発明は、請求項8のような形状の低圧高温プ
ラズマ室の外側に、プラズマの形状を整えるための磁石
対を設けている。この磁石対は、狭い空間から拡大空間
に向かって拡張発散するような磁力線を発生するもので
、この磁力線により低圧高温プラズマの形状を整えるこ
とができる。
[実施例] 第1図はこの発明の第〜実施例の正面断面図であり、1
は微粉末浮遊気体供給機構、2は低圧高温プラズマ室、
3は成膜室、4は主排気系、5はRF電力系で゛ある。
微粉末浮遊気体供給機構1は微粉末浮遊機構10、循環
機構11、ガス導入系12、ガス・微粉末供給系13、
および微粉末補給系14から構成されている。
低圧高温プラズマ室2は全体として石英ガラスの二重管
でできており、導入管21、放電管22、冷却管23、
冷却水人口24及び冷却水出口25、フランジ29等か
ら構成されている。成膜室3は真空チャンバー31とそ
の中に収納された基板ホルダー32、基板交換用ロード
ロック機構34、ロードロック排気系35、排気口36
から構成されている。
RF電力系はRF電源51、整合回路52、コイル53
から構成されている。
微粉末浮遊気体供給機構1と低圧高温プラズマ室2はガ
ス微粉末供給系13によって気密連結され、低圧高温プ
ラズマ室2のフランジ29は成膜室3のボート37に付
いているフランジ38とフランジ組立39との間に接続
することにより低圧高温プラズマ室2と成膜室3もまた
気密連結されている。成膜室3は排気口36を経由して
主排気系4に接続し排気される。
次に、この発明の主要な特徴の一つである微粉末浮遊気
体供給機構の細部の構成と機能および動作について説明
する。微粉末浮遊機構10は逆円錐形状底部をもつ筒状
容器ホッパー101から成り、その内部に微粉末を放り
込むと重力によって底部に堆積102を形成するが、微
粉末が舞い上がるときには上部空間103に浮遊して漂
うことができる構造となっている。ホッパー101に付
属する循環機構11は、ホッパーの上部に設けられた吸
口105から出た吸込管111、ポンプ112、および
ホッパー底部に設けられたノズル104に接続する吹出
管113から構成される。
ポンプ112を動作するとホッパー101内の気体の大
部分はノズル104から吹き出し、矢印106.107
.108に示すようにホッパー内で乱流を生じながら流
れて吸口105から吸入されて循環機構11の中を矢印
114.115.116で示すような順序で送られる。
微粉末堆積102の量が充分多く、ノズル104の先端
が堆積102の下に埋められるような状態のときには、
ノズル104から吹田す気体は微粉末を舞いあげるので
ホッパー上部空間103には微粉末粒子が浮遊する。単
位体積当りの空間に浮遊する微粉末の量は一般にノズル
104から吹き出す気体の速度が大きいほど多いので、
ポンプ112の回転速度を変えることにより循環気体流
量を調整してもって空間浮遊微粉末債の制御が可能とな
る。
ガス導入系12は自動流量制御器121とバルブ122
から成り、一方の端はパイプ123を経山してホッパー
容器−に部のポート124に接続され、他の一方の端は
バイブ125を経山して図示されていないガスボンベに
接続されている。すぐ後に述べるようにホッパー101
内の微粉末浮遊気体の一部は低圧高温プラズマ室2に供
給されてホッパー101から消費されていくので、これ
を補給するためにガス導入系12によりホッパ101に
は外部から矢印126に示すようにガスを供給すること
が必要である。ガス・微粉末供給系13は、パイプ13
1、コンダクタンス調整器132、パイプ133、およ
びフィッテング135から構成され、一方の端はホッパ
ー101の上部のボート130に接続され、他方の端は
低圧高温プラズマ室2の導入管21に接続されている。
ホッパー101の上部空間103を占める微粉末浮遊気
体の一部はボート130から出て矢印109.136.
137に示す方向に流れて低圧高温プラズマ室2に供給
される。低圧高温プラズマ室2に供給される気体の流量
はホッパー1−01の容器内の圧力と低圧高温プラズマ
室2の圧力との差異及びガス・微粉末供給系13の実効
コンダクタンスによって定まることは、真空工学におけ
る気体運動部と排気技術の分野の専門知識をもっ技術者
にとっては容易に理解できるであろう。通常、低圧高温
プラズマ室2の圧力は1000Pa(約1QTorr)
以下であり、またホッパー101の内部圧力は約1気圧
(約10万Paまたは760Torr)であるので、流
量に及ぼす低圧高温プラズマ室2の圧力の影響は無視で
きて、ホッパー101の圧力とガス・微粉末供給系13
の実効コンダクタンスとを適切な値に選んで制御するこ
とによって流量を所定の値に設定することができる。流
量制御器132は、通常使用するようなガス専用の自動
流量制御器を用いることもできるが、もしホッパー10
1内の圧力の安定性が極めて良好であれば半固定のコン
ダクタンス調整用バルブを用いてもよい。なお、低圧高
温プラズマ室2を単独に排気する際に閉じることのでき
るカットバルブ138がバイブ131の途中に設けられ
ている。ホッパー101にはまた必要に応じて微粉末補
給系14を付属することもできる。微粉末補給系14は
、蓋140をもつタンク141と、バルブ143をはさ
んで配置されるバイブ142.144から構成される。
微粉末浮遊気体供給機構1を一定時間動作させてホッパ
ー101底部の堆積102の量が消費されて少なくなっ
た場合にはバルブ143を開けてホッパー101に微粉
末を補給することができる。
既に述べたようにこの実施例の微粉末浮遊気体供給機構
1は、ホッパー101底部のノズル104から吹き出す
気体の流速により単位体積空間に浮遊する微粉末の量を
制御して、さらにホッパー101内部圧力とガス・微粉
末供給系13の実効排気コンダクタンスとにより供給ガ
ス量とその中に含まれる供給微粉末搬送量を制御してい
る。
実際の装置の運転にあたっては適切な循環ガス量を与え
るようなポンプ112の回転速度と、適切なガス・微粉
末供給量を与えるような流量制御器132のコンダクタ
ンスおよびホッパー101の内部圧力とを知った上で、
これらをそれぞれ独立して単独に一定値をとるように調
整することができる。もしさらに−層精密な制御を行う
ことが望ましい場合には微粉末の浮遊量あるいは供給量
をモニタリングしながらそれらが一定値を維持するよう
な調整も可能であるが、それについては後に詳細に述べ
る。
次に、この発明の主要な構成要素のひとつである低圧高
温プラズマ室2の構成と構造および機能について述べる
が、これらについては既に本願出願人の出願に係る上述
の3件の特許出願の明細書で述べられているので、ここ
では比較的簡単に述べる。低圧高温プラズマ室2は、導
入管21につらなる放電管22とその外周の冷却管23
とから成る全体として石英ガラス二重管の形状をとって
おり、冷却管23には人口管24と出口管25が付いて
いて矢印26および27に示す方向に冷却水を流すこと
ができる。放電管22の導入管21とは反対側の管部2
8の端部にはフランジ29が設けられており、フランジ
38とフランジ39を介して成膜室3の上部ボート37
に気密に封止され連結されている。
後述する主排気系4を動作することによって成膜室3と
これに連結される低圧高温プラズマ室2を真空に排気す
ることができ、さらに同時に前述の微粉末浮遊気体供給
機構1を動作させることによって矢印201に示す方向
に微粉末浮遊気体を放電管22内部に導入してその圧力
をl Q Torr〜0.  ]、Torrの範囲の所
定の圧力に維持することができる。
成膜室3は、基板ホルダー32を内部に収容する真空チ
ャンバー31と、これに付属する基板交換用ロードロッ
ク機構34、ロードロック排気系35、チャンバー排気
口36、およびフランジ38の設けられた上部ポート3
7から構成される。基板ホルダー32の一端は基板載置
テーブル321を形成し基板33をその上に取り付ける
ことができ、一方他端は気密を保持したまま真空チャン
バー31の外部に延び、給電端子322につらなる基板
加熱用ヒーターを内蔵している。低圧高温プラズマ室2
の石英フランジ2つは2個のOリング381を介してフ
ランジ38とフランジ組立39およびネジ382により
成膜室」一部ボート37に連結され気密に固定される。
第4図(A)にはフランジ組立3つの詳細な平面図が、
第4図(B)には分割されたフランジ部品の平面図が、
第4図(C)には第4図(B)の矢視C−Cからみたフ
ランジ部品側面図が示されている。図において、フラン
ジ組立3つは一対の分割フランジ391.392から戊
り、それぞれの足393.394をビン395.396
でもう一方の分割フランジに固定することにより、円形
領域398の中に石英ガラス製の管28をおさめること
ができ、またネジ孔397にネジ382(第1図参照)
を通すことができる。足394にはビン孔3912が設
けられており、分割フランジの足は相互に相手の分割フ
ランジの凹部3913(この凹部にもビン孔3911が
設けられている。)に入れて一対として円形フランジ組
立となり、またビン395あるいはビン396をはずす
ことにより分解可能となる。
第1図に戻って、主排気系4はバルブ41、配管42、
メカニカルブースターポンプ43、配管44、および油
回転ポンプ45から構成されている。この排気系4を動
作させると矢印301の方向に気体を排気でき、低圧高
温プラズマ室2および成膜室3にガスを流入させない場
合は10−4〜10 ””Torrの圧力までこれら両
室を排気することができる。また1リツトル/ m i
 n〜10cc/min程度の適切な流量のガスを導入
する場合には10 Torr 〜0.  I Torr
の間のある一定の放電に適した圧力を維持することがで
きる。第1図の例で示した主排気系は限定的なものでは
なく、ここで述べたのとは異なる到達圧力および流量を
朋待する場合には別の真空ポンプの組合わせも使用可能
である。例えば高真空圧力を達成するためには、油拡散
ポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ等のうちい
ずれかを用いることができるし、メカニカルブースター
のかわりにスクロールポンプ等の機械ポンプを使用する
ことができることは真空工業分野の技術者にとっては容
易に理解できるであろう。
基板交換用ロードロック機構34は、この発明に必須の
構成要件ではないが、効率よく薄膜を形成するために実
用的には有益である。真空チャンバー31の側部に設け
られたゲートバルブ311に連結しかつ蓋341をもつ
ロードロック室342は、排気管351、バルブ352
を経てポンプ353に連結しており、独立して排気する
ことができる。
RF電力系5は発振周波数1.3.56MHzのRF電
源51、整合器52、および低圧高温プラズマ室2を取
り巻くようにして設けられたコイル53から戊る。図示
してないがコイルには必要に応じて冷却水を流すことも
できる。既に述べた方法に従って低圧高温プラズマ室2
の放電管の内部圧力を10 Torr −0,I To
rrの範囲内のある一定圧力に保つようにして、RF電
源51から電力を供給すると放電管内には低圧高温プラ
ズマ210を発生させることができる。
これまで説明してきた微粉末浮遊気体供給機構1、低圧
高温プラズマ室2、成膜質3、主排気系4、およびRF
電力系5を組合わせてプラズマ蒸着装置全体を動作する
ことにより次のような手順で薄膜を作製することができ
た。
<1)ホッパーへの微粉末の供給 粒径約1μmのY2O3、BaCO2、cu(の微粉末
をそれぞれ重量比でi : 3.65 : 1.48の
大会で混合して原料粉末として、タンク141に1蔵し
た。バルブ143および122を閉じて主υ気系4によ
りホッパー101を排気した後にバllブ122.13
8を閉じてバルブ143を開き思料微粉末をタンク14
1からホッパー101へ材し、ホッパー101の底部に
微粉末を約250CC堆積させた。そしてバルブ143
を閉じバルブ122を開きボンベからガス導入系12を
経てホッパー101の圧力が1気圧になるまで酸素ガス
を供給して、−度バルブ122を閉じた。
(2)低圧高温プラズマ室2と成膜室3の排気気密を保
持した状態で主排気系4により成膜室3とこれに連結し
た低圧高温プラズマ室2を排気して10 ’Torrの
圧力を示す真空にした。
(3)低圧高温プラズマ室2への微粉末とガスの供給 微粉末浮遊機構10と循環機構1〕を動作させてホッパ
ー101内の空間に微粉末を浮遊させた。
ポンプ112の回転を開始して約3分間でホッパ101
−内空間の微粉末浮遊量が一定値をとる平衡状態となっ
た。その後、バルブ122および138を同時に開いて
ホッパー101に外部から酸素ガスを導入すると共にガ
ス・微粉末供給系13を経由してホッパー101から低
圧高温プラズマ室2に微粉末を含む酸素ガスを流した。
2つの流量調整器121および132の調整をしてホッ
パー101へ導入されるガス流量と低圧高温プラズマ室
2に供給されるガス流量が完全に等しくなり、かつホッ
パー101内圧カが約1気圧、低圧高温プラズマ室2の
放電管22の内部汗カが約l Torrになるようにバ
ランスをとった。
(4)放電と微粉末の気化 冷却管23およびコイル53に冷却水を流した。
RF電#、51を励起させ整合回路52を経由してコイ
ル53にRF電圧を印加した。投入するRF電力を除々
に増加することにより放電管22の内部に誘導結合によ
るプラズマ210が発生した。
投入電力があまり大きくないときには放電の発光スペク
トルは酸素分子の励起に起因するものが主体をなしてお
り、またここに導入されてきた微粉末はそのままの形で
放電管22を通過して成膜室へ送り込まれた。しかし投
入RF電力がある一定値以上になった場合には放電の発
光スペクトルは酸素原子の励起に起因するものが主体を
なすようになり、またプラズマが高温になるために放電
管22を通過する微粉末の大部分は溶融して気化した。
したがって充分な大きなRF電力を投入して放電を行い
微粉末の気化を行うことにした。
(5)基板上への薄膜の形成 基板ホルダー32の加熱ヒーターに電力を投入し基板載
置テーブル321の温度を約450”Cに設定した。次
にロードロック室342の籠341を開いて基板をロー
ドロック室342に挿入した後、再びM341を閉じて
排気系35によりロードロック室342を排気した。そ
してゲートバルブ311を開いて図示されていない基板
移送機構を用いて基板33を図示されていないシャッタ
ーにより放電管の方向に対しては覆いが設けられた基板
載置テーブル321に移した。このあと短時間の後に基
板33は基板載置テーブル321と同じ温度にまで加熱
された。そして図示されていないシャッターを開き、基
板面を低圧高温プラズマ室210に対向させてそこから
発生する微粉末の気化した原子の流れ202にさらした
。所定の時間経過の後に、基板33上にはYIBa2 
Cu307□の組成をもつ斜方晶高温超電導相の薄膜が
形成された。得られた薄膜は臨界温度75にの超電導特
性を示した。
以下に、具体的な条件の一例をまとめて示す。
微粉末の粒径:        約1μmホッパーの圧
カニ       1気圧ホツパー内の微粉末の空間密
度: 1.08〜109個/cc プラズマ室の圧カニ       1Torrプラズマ
室に流入する酸素ガス流量: 200cc/分 基板上の成膜速度:0.i〜1μm/分第2図はこの発
明の別の実施例を示す正面断面図で、微粉末浮遊気体供
給機構は省略されている。
第1図と同じ部品には同じ符号が付けられている。
低圧高温プラズマ室2は第1図の実施例とは異なり成膜
室3の鉛直下方に設けられ、成膜室3の上方にロードロ
ック機構34が設けられている。基板ホルダー32はロ
ードロック室342から挿入されかつ矢印343の方向
に引出し成膜室3から取り去ることができる。ロードロ
ック室342にはゲートバルブ311が設けられ駆動機
構312により図のように開いた状態にしたり、また基
板ホルダー32を矢印343の方向に移動して成膜室3
から取り出したときには駆動機構312により矢印31
3の方向に動かしゲートバルブ311を閉じた状態にす
ることができる。第1図の実施例では蒸発気化しない微
粉末が基板上に堆積する危険性があったのに対して、第
2図の実施例では基板面が鉛直下方を向いているのでそ
の危険性が少なくなっている。また低圧高温プラズマ室
2には、放電管22の内壁に沿って支えられるような形
状の着脱自在の防着シールド220が設けられている。
防着シールド220は微粉末の蒸発物が石英管内壁へ付
着するのを防止する。この防着シールド220は、Si
C等の耐熱絶縁材料で作られている。
第3図はさらに別の実施例の低圧高温プラズマ室を示す
。図において放電管22は導入管21につながる側から
フランジ2つにつながる側に向かってその外周が次第に
拡大するような形状をとる。
そして放電管22の外周に設けられたコイル53の形状
もまたこれに従って周径が次第に拡大するような形状を
とる。このような放電管22とコイル53の組み合わせ
を用いるときに発生するプラズマ210は、図に示すよ
うに成膜室(図のL方に配置されている。)に向かって
拡張するような形状をとり、したがって低圧高温ブラズ
中で蒸発気化する原子は第1図および第2図の実施例の
場合にくらべてもっと効率よく成膜室の方へ入射して放
電管壁面に付着する分量を少なくすることができる。ま
た一対の磁石組立61.62から成る磁石対60を放電
管22の外周に設けることにより、下方の狭い空間から
上方の拡大する空間221に沿って拡張発散する磁力線
601を発生して、低圧高温プラズマ210の形状を調
整することをより容易にすることができる。第5図(A
)は磁石組立62の平面図、第5図(B)は半円環状の
カバー組立を第5図(A)の矢視B−Bから見た側面図
を、第5図(C)は半円環状磁石621の平面図を示す
。これらの図において一対のカバー組立620は足62
01をもち相互にその四部6203に足を収容しビン6
202で固定し円環状の磁石組立とすることができ、ま
た半円環状に分解することもできる。その構造は既に第
4図(A)(B)(C)で説明したところとよく似てい
る。第3図において、下側の磁石組立61は、2個の半
円環状永久磁石611を含み、上側の磁極面612がN
極、下側の磁極面613がS極となっている。同様に、
−1−側の磁石組立62は、2個の半円環状永久磁石6
21を含み、上側の磁極面622がN極、下側の磁極面
623がS Fjとなっている。
ここまで述べてきた第1図、第2図、第3図の実施例に
おいては基板と、蒸発源である低圧高温プラズマとの位
置関係は、いずれかが鉛直−L方で他方がその下方とな
るような配置について説明してきた。しかし、この発明
のように微粉末を浮遊させた気体を低圧高温プラズマ室
に導入する形式のプラズマ蒸着装置では、基板と低圧高
温プラズマの相対的位置を一定に保ちながら全体を乗直
に配置することも水平に配置することもあるいは水平面
に対して任意の角度で配置することも可能である。とい
うのは、微粉末浮遊気体は低圧高温プラズマに対して任
意の方向から供給できて、がっ、基板は現実的にはプラ
ズマ室の微粉末浮遊気体導入位置とは反対側に設置する
からである。これによって装置の組立配置に白山度が与
えられると共に、基板上へ未蒸発微粉末が堆積するのを
抑制するような配置の選択ができる。
第6図は、この発明の微粉末浮遊機構10における単位
空間体積内の浮遊微粉末の量を精度良く制御する方式の
例を示す。図においてホッパ101には発光源80とホ
ッパー101を通過する光811を検出する検出器81
が設けられている。この方式では、ホッパー101.の
上部の空間に浮遊する微粉末の量によって光が散乱され
ることを利用している。検出器81の出力信号は制御電
源83に送られ、信号線84を介してポンプ112の回
転速度が制御される。このような粉末供給制御系8を用
いることにより常に所定の微粉末量を浮遊させることが
極めて正確に行われる。
第7図はこの発明の別の高精度粉末供給制御方式の例を
示す。図においてホッパー101にはホッパー内圧力自
動制御系7が設けられている。ホッパー101の圧力は
圧力センサ71によって測定されその出力信号は信号線
72を経て制御電源73に入れられ信号線74を経て自
動流量制御器121にフィードバックされる。一方、成
膜室3の基板ホルダー32の傍には膜付着速度モニタ7
51が設けられ、その出力信号は検出器752に送られ
、さらに信号線753を経て制御電源754に入れられ
、信号線755を経てポンプ】12の回転速度を制御す
る。膜厚モニターによる粉末供給制御系75は、蒸着速
度が一定になるように微粉末の供給速度を制御してやる
ことができ、系の応答の時定数と回路のフィードバック
時定数とを充分注意して選んで調整することにより冷め
て安全な運転を長時間にわたって可能にするものである
第8図はこの発明によるさらに別の高精度粉末供給制御
方式の例を示す。第7図の制御系と異なり、ここではポ
ンプ112の回転速度を制御するために低圧高温プラズ
マ210から放射される微粉末原子に特有な波長の光2
11の強度を測定するための検出器91を用いている。
その出力信号は信号線92を経由して制御電源93に入
り所定の設定値と検出器9Jの出力とが等しくなるよう
に、信号線94を経由してポンプ]12の回転速度を制
御する。この粉末供給制御系9はプラズマ中における原
子の発光強度を一定にすることができ、系の応答速度は
第7図の場合より大きいが第6図の場合よりは小さい。
したがって制御のための調整に要する時間は第6図の場
合と第7図の場合の中間となる。また、センサの寿命の
点では、第6図と第8図の粉末供給制御方式は、第7図
の膜付着速度に基づく粉末供給制御方式よりもセンサの
繰り返し使用寿命が長い。
第9図は、石英管28とチャンバー31との接合部の他
の実施例の断面図である。この例では、石英管28に溶
着されている石英ガラス製のフランジ29は石英管28
の二市管の外管に溶着されている構造となっている。二
重管内部が水冷されているので、この構造ではフランジ
29が加熱されず、ゴム製のOリング381を用いた真
空シルの信頼性が向上する。401はゴム製のシートで
、金属製の半円環391.392をネジで締め付けた場
合に石英ガラス製のフランジ29に応力が生じて破損し
ないようにするためのクツションとして使用している。
[発明の効果] 請求項1の発明では、低圧高温プラズマ室に微粉末とガ
スを供給するにあたり、あらかじめ微粉末を気体中に浮
遊させてこれを気体と共に搬送して供給するようにした
ので、微粉末を自動的かつ連続的に供給でき、供給竜の
制御も精度良くできる効果がある。また、微粉末は気体
に浮遊しているので、低圧高温プラズマ室への微粉末供
給方向は重力の影響を受けない。したがって、下方から
、上方から、水平方向からなど任意の方向から微粉末を
供給でき、装置設計4−の自由度が高まる。
請求項2の発明では、微粉末浮遊気体供給機構として、
底部に堆積した微粉末をその下方から気体を吹き出すこ
とにより気体中に浮遊させる形式のホッパーと、ホッパ
ー内の微粉末浮遊気体を循環させる循環機構とを利用し
ているので、循環機構の流量を制御することによってホ
ッパー内の単位体積当たりの微粉末量を制御することが
できる。
これにより、ガス流量と微粉末流量とを独立して制御で
きる効果がある。
請求項3〜5の発明は、ホッパーと循環機構を備えた微
粉末浮遊気体供給機構を利用するにあたり、粉末供給量
を制御するための制御方式を工夫したものであって、請
求項3ではホッパー内部の浮遊微粉末の量を光学的に検
出してこれを循環機構にフィードバックしている。請求
項4ではプラズマの発光強度を検出してこれを循環機構
にフィトバックしている。請求項5では膜付着速度を検
出してこれを循環機構にフィードバックしている。これ
らの3種類の粉末供給制御機構を比較すると、浮遊微粉
末量に基づく制御は、フィードバック系の応答速度が一
番速い利点がある。膜付着速度に基づく制御は、蒸着速
度を一番正確に制御できる利点がある。発光強度に基づ
く制御は、フィードバック系の応答速度がそれほど遅く
もなく、また蒸着速度の制御性もそれほど劣っていない
ので、バランスの取れた制御方法であると言える。
請求項6゛の発明は、低圧高温プラズマ室を成膜室の下
側に設けているので、万が一1微粉末がプラズマによっ
て気化されない場合でも、成膜室の基板」二に微粉末が
そのまま落下する危険がなくなる。
請求項7の発明は、低圧高温プラズマ室の内壁に沿って
着脱可能な防着シールドを設けているので、防着シール
ドを新しいものと交換するだけで、低圧高温プラズマ室
の汚染と損傷を抑制することができる。
請求項8の発明は、低圧高温プラズマ室の形状を、微粉
末が導入される側の端部から成膜室に連結される側の端
部に向かって内部断面積が拡大するような形状としたの
で、プラズマ中で気化した原子は成膜室の方に効率良く
入射し、気化原子がプラズマ室の内壁に付着する割合を
少なくできる。
請求項9の発明は、請求項8のような形状の低圧高温プ
ラズマ室の外側に、プラズマの形状を整えるための磁石
対を設けたので、狭い空間から拡大空間に向かって拡張
発散するような磁力線を発生させて低圧高温プラズマの
形状を整えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の第1実施例の正面断面図、第2図
は、第2実施例の一部の正面断面図、第3図は、第3実
施例のプラズマ室の正面断面図、 第4図(A)(B)(C)は、第1実施例のフランジ組
立の平面図、一部平面図、C−C矢視側面図、 第5図(A)(B)(C)は、第3実施例の磁石組立の
平面図、B−B矢視側面図、一部平面図、第6図は、粉
末供給制御系のブロック図、第7図は、別の粉末供給制
御系のブロック図、第8図は、さらに別の粉末供給制御
系のブロック図、 第9図は、石英管のフランジ部の変更例の正面断面図で
ある。 1・・・微粉末浮遊気体供給機構 10・・・微粉末浮遊機構 101・・・ホッパー 11・・・循環機構 12・・・ガス導入系 13・・・ガス・微粉末供給系 2・・・低圧高温プラズマ室 220・・・防着シールド 221・・・プラズマ室の拡大空間 3・・・成膜室 4・・・主排気系 5・・・RF電力系 60・・・磁石対

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)低圧高温プラズマ室と、 微粉末を気体中に浮遊させてこれを気体と共に搬送して
    前記低圧高温プラズマ室に供給する微粉末浮遊気体供給
    機構と、 前記低圧高温プラズマ室に連結して基板上に薄膜を形成
    するための成膜室と、 前記成膜室を真空に排気するための排気系と、前記低圧
    高温プラズマ室に電力を供給して放電を発生させるため
    の電力供給系とを備えたプラズマ蒸着装置。
  2. (2)前記微粉末浮遊気体供給機構は、 重力によって底部に堆積した微粉末を下方から気体を吹
    き出すことにより気体中に浮遊させるホッパーと、 前記ホッパー内の気体を微粉末を浮遊させたままの状態
    で吸い込んで連続的にホッパー底部から吹き出す循環機
    構と、 前記ホッパーに外部から気体を供給するガス導入系と、 微粉末を浮遊させた気体を前記ホッパーから前記低圧高
    温プラズマ室に供給するガス・微粉末供給系とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマ蒸着装置。
  3. (3)前記ホッパーの内部の浮遊微粉末の量を光学的に
    検出しこれに基づいて前記循環機構を制御する粉末供給
    制御系を設けたことを特徴とする請求項2記載のプラズ
    マ蒸着装置。
  4. (4)前記低圧高温プラズマ室内のプラズマの発光強度
    を検出しこれに基づいて前記循環機構を制御する粉末供
    給制御系を設けたことを特徴とする請求項2記載のプラ
    ズマ蒸着装置。
  5. (5)前記基板の近傍で膜付着速度を検出しこれに基づ
    いて前記循環機構を制御する粉末供給制御系を設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載のプラズマ蒸着装置。
  6. (6)前記低圧高温プラズマ室は前記成膜室の下側に配
    置されたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ蒸着
    装置。
  7. (7)前記低圧高温プラズマ室の内壁に沿って着脱可能
    な防着シールドを備えたことを特徴とする請求項1記載
    のプラズマ蒸着装置。
  8. (8)前記低圧高温プラズマ室は、微粉末が導入される
    側の端部から成膜室に連結される側の端部に向かってそ
    の内部断面積が拡大するような形状にされていることを
    特徴とする請求項1記載のプラズマ蒸着装置。
  9. (9)低圧高温プラズマ室の外側に、プラズマの形状を
    整えるための磁石対を設けたことを特徴とする請求項8
    記載のプラズマ蒸着装置。
JP19675289A 1989-07-31 1989-07-31 プラズマ蒸着装置 Pending JPH0361359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1357200A1 (en) * 2002-04-25 2003-10-29 Eastman Kodak Company Thermal PVD apparatus with detachable vapor source(s)

Cited By (1)

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