JPH0360671B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、記録手段にインクを供給するインク
収容部に対して補給するインクの供給調整手段を
備えたインク供給装置に関する。

現在知られる各種記録方式の中でも、記録時に
騒音の発生がほとんどないノンインパクト記録方
式であつて、且つ、高速記録が可能であり、しか
も、普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記録
の行なえる所謂インクジエツト記録方式は、各種
プリンター、複写装置やワードプロセツサー等の
印字装置を実現する上で、極めて有用な方式であ
る。このインクジエツト記録方式に就いては、こ
れ迄にも様々な方式が提案され、改良が加えられ
て商品化されたものもあれば、現在もなお実用化
への努力が続けられているものもある。

インクジエツト記録方式は、記録液（本発明に
於ける説明では、インクと呼称する。）の小液滴
（droplet）を種々の作用原理で飛翔させ、それを
紙等の被記録材に付着させて記録を行うものであ
る。この様なインクジエツト記録方式に用いるイ
ンク滴発生装置、つまり、インクジエツト装置
は、一般に、インク滴を形成する為のインクジエ
ツトヘツドとこれに供給するインクの供給系から
成つている。

ところで、上記インクジエツトヘツドの第１の
形態として、１〜10個程度のインク吐出口を有す
る、一般に、シングルタイプ或は、セミマルチタ
イプと呼ばれるのがあるが、これ等のタイプのヘ
ツドに対するインク供給系は、（インク吐出口が
少なく、しかもインク消費量が少ないので、）カ
ートリツジ式の交換可能なインクタンクや単数の
インク供給パイプを利用して比較的、簡易に構成
することができる。

しかし、用紙の一行分を略同時に印字する目的
で用いられる、一般に、フルラインマルチタイプ
と呼ばれる別の形態のヘツドに対するインク供給
系は、（インク吐出口が極めて多数、設けられる
し、ヘツド全体のインク消費量も、叙上の場合と
は比較にならぬ程、多くなるので）その構造が複
雑にして大型化するとか、別途、インクの補給が
必要になる等、前者のインク供給系に較べて、か
なり技術的難度の高いものである。

従つて、この様なフルラインマルチタイプと呼
ばれるインクジエツト装置に係るインク供給系に
於て、実用性の高いものは未だ見出し得ない現状
である。

本発明は前述の課題を解決するために提案され
たものであつて、記録ヘツドに対するインクの供
給状態を極めて安定的に実用性高く行えるととも
に、その保守管理が容易な簡易構成のインク供給
装置を提供することを目的とする。

本発明者等は、前述の目的を達成せんものと鋭
意検討を重ねた結果、インク供給通路に縮径部と
球状弁とを有し、インクの吐出状態に応じてイン
ク供給を行うインク供給調整手段を備えること
で、実用性が高く良好なインク供給を達成できる
との知見を得るに至つた。

本発明は、前述の知見に基づき提案されたもの
であつて、インクを吐出して記録を行う記録手段
に供給されるインクを貯留する第１インク収容部
と、前記第１インク収容部に供給されるインクを
貯留した第２インク収容部と、前記第１インク収
容部と前記第２インク収容部とを連絡し前記第２
インク収容部から前記第１インク収容部に対して
インク供給を行うための円筒状インク通路と、前
記インク通路の一部に配設され、前記第２インク
収容部から前記第１インク収容部への流入インク
を規制する縮径部と球状弁とを有するインク供給
調整手段と、を備えており、インクの吐出による
前記第１インク収容部内インクの消費による前記
第２インク収容部から前記第１インク収容部への
インク流れの生起に基づき前記縮径部から前記球
状弁が離間することで解放状態とし、前記第１イ
ンク収容部へのインクの流れの解消によるインク
供給不要状態に基づき前記縮径部に前記球状弁が
当接することで閉鎖状態として前記流入インクを
規制することを特徴とする。

インク供給通路の一部に縮径部と球状弁とを備
えるという簡易な構成を採用し、かつインクの吐
出によるインクの流れに関連してインクの供給状
態を規制するため実用性が高く良好なインク供給
を達成できる。

以下、図面を用いて、本発明を具体化して説明
する。

第１図は、本発明の一実施例を示す概略図であ
る。第１図に於て、１００，２００，３００は全
く同一の構成の記録部であり、各記録部１００，
２００および３００は、記録手段である記録ヘツ
ド１１２，２１２および、３１２を有し、各記録
ヘツドはその記録要素として第１図の図面に垂直
な方向に直線状に並んだフルラインのインクジエ
ツトノズルを備えている。各記録ヘツド１１２，
２１２，３１２は、図示されていない情報源から
の電気信号に応じて駆動される。１１３，２１
３，３１３は記録ヘツドに対してインクを供給す
るインク収容部としての機能を備えたインク供給
装置であり、それぞれインク供給管１１５，２１
５，３１５により記録ヘツド１１２，２１２，３
１２と連通している。４００はインク供給装置に
対するインク補充のために供給されるインクを貯
留したインク収容部としてのインク補給用タンク
でこの中のインクが主導管４０１および枝管１１
６，２１６，３１６とを備えた円筒状インク通路
を介して、各インク供給装置１１３，２１３，３
１３内に補給される。尚、この様な記録部の個数
は、所望により、図示例から増減することができ
る。

因に、第１図中、１０１，２０１，３０１は記
録紙収納カセツト１１４，２１４，３１４に収納
されている記録紙、１０２，２０２，３０２は給
紙ローラ、１０３，２０３，３０３はガイド板、
１０４，２０４，３０４はレジスト・ローラ、１
０５，２０５，３０５は第１の搬送ローラ、１０
６，２０６，３０６は多数の細孔を有するプラテ
ン、１０７，２０７，３０７はフアン、１０８，
２０８，３０８は第２の搬送ローラ、１０９，２
０９，３０９は懸架ローラ、１１０，２１０，３
１０は搬送ベルト、１１１，２１１，３１１は排
紙トレイである。

次に上記構成における記録動作を説明するが、
記録部１００，２００，３００ではほヾ同一の記
録動作が行われるから記録部１００についてのみ
説明する。

紙カセツト１１４に収納されている記録紙１０
１は、給紙ローラ１０２の回転によりガイド板１
０３にそつて回転を停止しているレジスト・ロー
ラ１０４まで送られ適当なループを形成する。次
に記録紙はレジスト・ローラ１０４の回転に伴つ
て、レジスト・ローラ１０４と第１の搬送ローラ
１０５に挟持されて、記録ヘツド１１２方向へ移
送される。この時、記録ヘツド１１２の対向側に
は細孔を有するプラテン１０６及びフアン１０７
が設けられており、フアン１０７の回転により図
中Ｔ方向へ送風される。

従つて第１の搬送ローラ１０５を通過した記録
紙はフアン１０７により吸引されつつプラテン１
０６上を第２の搬送ローラ１０８方向へ移送され
る。

記録ヘツド１１２は複数の記録要素が図面の垂
直方向に直線状に並んだフルラインのインクジエ
ツトヘツドであり、これは図示されない情報源か
らの電気信号に応じて駆動され、記録紙にインク
ジエツト記録を行う。記録後、記録紙の先端が第
２の搬送ローラ１０８まで移送されると第２の搬
送ローラ１０８と搬送ベルト１１０により記録紙
は排紙トレイ１１１に排出される。

第２図は、第１図に示した記録部１００におけ
るインク供給装置の詳細構造例を示した分解図で
ある。第２図に於て、インクタンク１１３はイン
クタンク本体１１８、パツキング１１９、上蓋１
２０で構成されている。インクタンク本体１１８
には、フイルター１２１、及び、複数のチエツク
バルプ１２２、インク供給パイプ１２３，１２４
が付設されており、インクタンク本体１１８の前
側面にはパイプガイド１２５が、後側面にはシリ
ンダーブロツク１２６が付設されている。上蓋１
２０にはインク注入口１２７を設けると共に、通
気孔ブロツク１２８が設置されており、通気孔ブ
ロツク１２８にはフイルターブロツク１２９が装
着されている。

インクタンク本体１１８、パツキング１１９、
上蓋１２０はそれぞれネジ止め等して圧着され合
体される。また、インクタンク本体１１８と上蓋
１２０は、接合によつて一体化することも可能で
あり、その際には、パツキング２０３は必ずしも
必要としない。

１３０はマルチノズルインクジエツトヘツドで
これと同等のマルチノズルインクジエツトヘツド
を複数個、直線状に配置することにより、所謂、
フルラインマルチタイプのインクジエツトヘツド
が形成される。マルチノズルインクジエツトヘツ
ド１３０は、２本のインク供給チユーブ１３１お
よび１３２を介して、インク供給パイプ１２３お
よび１２４に接続されインクタンク１１３に連通
している。

インクタンク１１３からマルチノズルインクジ
エツトヘツド１３０へのインクの供給は次の様に
行う。先ず、インクタンク１１３から、マルチノ
ズルインクジエツトヘツド１３０に対してインク
の初期充填を行うに先立ち、インク補充用タンク
４００からインクタンク１１３にインクの初期充
填を行うときは例えば第３図に示す様な液面コン
トロール弁１３３を介してインク枝管１１６をイ
ンク注入口１２７に接続する。この際、必要に応
じて第１図のインク補充用タンク４００には、通
気孔を、又、枝管１１６には、開閉弁（不図示）
を設ける。

ここで、枝管１１６とインク供給装置との接続
部の構成を第３図に示す。

第３図で１３３はインク供給装置へのインクの
供給を調整するためのインク供給調整手段として
機能する枝管１１６の末端部分に設けられたイン
ク供給コントロール弁機構である。コントロール
弁機構１３３は、円筒状の枝管１１６の末端領域
の壁に複数のインク流出口１６５を備えるととも
に、そのインク流出口１６５の上流側の一部に構
成された縮径部と、インク流出口１６５と縮径部
との間の管内領域に縮径部の径より大きく、枝管
１１６の径より小さい球体を有して構成される。

この球体は、インクの吐出によつて生じるイン
クの流れにしたがつて容易に移動するものであ
る。例えば記録ヘツドへのインクの初期供給やイ
ンク吐出がなされることでインク供給装置内のイ
ンクが消費されると、インク供給用タンクからイ
ンク供給装置へのインクの流れが発生する。この
流れの発生によつて球体は縮径部から離れてコン
トロール弁機構１３３の解放状態を構成する。こ
れに対して、インク供給装置への十分なインク補
給がなされた後は、インク供給用タンクからイン
ク供給装置へのインクの流れが解消されインクの
補給不要状態となると球体が縮径部側に移動して
縮径部と当接してインク数路を閉鎖する。

具体的な一例を述べると次のようである。イン
クレベルがHoより下（例えばH〓）にあるときは
弁１３５が下降し、弁１３５と孔１３４の隙間か
らインクが落下する様になつている。インクが落
下することによるインクレベルの上昇に伴ない、
弁１３５も上昇し、インクレベルHoに達すると
孔１３４の断面は弁１３５によつて完全に閉じら
れ、インクの落下は停止する。

インクタンク１１３のインクレベルがHoに達
した状態でインクタンク１１３からインクジエツ
トヘツド１３０にインクの充填を行う。第４図は
インクの充填操作を説明するための第２図に示し
たインク供給装置の短辺に沿つた断面図である。
第４図に於て、インクタンク１１３はインクタン
ク本体１１８、パツキング１１９、上蓋１２０で
構成されている。インクタンク１１３内に設置さ
れているチエツクバルブ１２２は、主として、チ
エツクエルボー１３６とこの内にほヾ直角に配設
されてそれぞれ弁支持部１３９，１４０、弁１４
１，１４２、弁受け部１４３，１４４で構成され
る２つの逆流防止弁１３７，１３８とから成る。
シリンダーブロツク１２６に於ては、シリンダー
１４５内にバネ１４６，バネ受け１４７、ピスト
ン１４８が挿入された後、シリンダー蓋１４９に
よつて開放側端が閉じられている。ピストン１４
８には、Ｏリング１５０および着脱自在のロツド
１５１が付設されている。なお、前記チエツクバ
ルブ１２２およびシリンダー１４５は、フルライ
ンマルチを構成する所定のマルチノズルインクジ
エツトヘツド（不図示）に対応して設けられ、シ
リンダー１４５は機械的強度を増すために、一体
化されたシリンダーブロツク１２６内に設けられ
ている。シリンダー１４５は、継手１５２によつ
てチエツクバルブ内の２個の逆流防止弁１３７お
よび１３８の間のインク流路１５３と連通してお
り、継手１５２の接続部にはインク漏れ防止用の
パツキング１５７および、１５８が介在してい
る。

１２３は、チエツクバルブ１２２を図示してい
ないインク供給チユーブに接続するためのインク
供給パイプであり、支持部材１５９および１６０
によつてそれぞれチエツクバルブ１２２およびイ
ンクタンク本体１１８に固定されている。そし
て、パイプ１２３には、インク供給チユーブの着
脱により移動を防止するためにスリーブ１６１お
よび１６２が付設されている。パイプガイド１２
５は支持部材１６０の脱離を防止し、インク供給
パイプ１２３の固定を確実にするもので、パイプ
貫通用穴１６３にシール材等を注入することによ
つてインク供給パイプ１２３の周囲からのインク
漏れを完全に防止することができる。

インクタンク１１３にインクを満した状態でロ
ツド１５１によりピストン１４８を図面左方に押
すとシリンダー１４５内の空気が通路１５４，１
５３，１５５を通り、弁１４２を開放し、通路１
５６からインク供給パイプ１２３を通じて排除さ
れる。ピストン３１９の押圧を解除するとピスト
ン１４８は、バネ１４６によつて図面右方へ押し
戻されシリンダー１４５の吸入圧により、弁１４
２が閉鎖、弁１４１が開放されインクタンク１１
３内のインクがインク流路１６４，１５３，１５
４を通してシリンダー１４５内に吸入される。イ
ンクをシリンダー１４５内に吸入した後、再びピ
ストン１４８を図面左方へ押すと弁１４１が閉
鎖、弁１４２が開放され、シリンダー内に吸入さ
れたインクはインク通路１５４，１５３，１５
５，１５６を通り、インク供給パイプ１２３から
インク供給チユーブ１３１を介して不図示のイン
クジエツトヘツドに供給される。この様にして、
インクタンク１１３から第２図に示したインクジ
エツトヘツド１３０へのインクの初期充填は、イ
ンクがインク供給パイプ１２３、インク供給チユ
ーブ１３１、インクジエツトヘツド１３０を満た
し、さらにインク供給チユーブ１３２、インク供
給パイプ１２４内の気泡を排除し、インクタンク
１１３とインクジエツトヘツド１３０が、インク
で連通されるまで行う。

この際、逆流防止弁１３７および１３８の作動
を確実にし、逆圧によるリークを防止するために
弁受け部１４３および１４４の弁１４１および１
４２と接する部分は弁１４１および１４２と同一
面を形成するようにし、また、弁１４１および１
４２より面積を小さくしてある。

またピストン１４８の操作によつてシリンダー
１４５内に残留した空気が通路１５４内に流入し
ない様に、通路１５４は、シリンダー１４５の中
心より下部に設けてある。

第２図に示したインクジエツトヘツド１３０が
作動してインク滴を吐出しているときのインクの
供給は、それぞれ、インク供給パイプ１２３，１
２４およびインク供給チユーブ１３１，１３２を
介して、インクタンク１１３からインクジエツト
ヘツド１３０に至る２本の供給路を通じて毛管力
により行われる。従つて、逆流防止弁１３７およ
び１３８は、微小な順圧で開放される様になつて
おり、また逆流防止弁１３７または１３８が作動
不良を生じてもチエツクバルブ１２２を介さない
他の供給路によつてインクの供給は確保される。

各記録ヘツドの作動により、インクタンクのイ
ンクレベルが低下すると、第３図で説明した様に
液面コントロール弁１３３が開放され、インクレ
ベルは略々一定レベルHoに保たれる。

他の記録部２００，３００についても叙上の過
程と同様にインクの自動供給が行われるので、イ
ンク補給用タンク４００のみにインク残量検知手
段を設けておけば、各記録部毎にインク残量検知
手段およびその表示手段又は警告手段等を設ける
必要はない。

尚、本発明では、このインク補給用タンク、４
００内のインクが消費されてしまつたときには、
新たに、インクを充満させたタンクと置換する
か、又は、空になつたタンク４００内にインクの
補充を行う。

以上説明したように、本発明はインク供給通路
の一部に縮径部と球状弁とを備えるという簡易な
構成を採用し、かつインクの吐出によるインクの
流れに関連してインクの供給状態を規制するため
記録ヘツドに対するインクの供給状態を極めて安
定的に実用性高く行えるともに、その保守管理が
容易な簡易構成のインク供給装置を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す概略図、第２
図、第３図、第４図は、夫々第１図実施例の部分
詳細構造を説明するための、分解図又は断面図で
ある。 図に於て、１００，２００，３００……記録
部、１１２，２１２，３１２，１３０……インク
ジエツトヘツド、１１３，２１３，３１３……イ
ンクタンク、１１５，２１５，３１５……インク
供給路、１１６，２１６，３１６，４０１……イ
ンク導管、４００……インク補給用タンク、１１
８……インクタンク本体、１１９……パツキン
グ、１２０……インクタンク蓋、１２１……フイ
ルター、１２２……チエツクバルブ、１２３，１
２４……インク供給パイプ、１２５……パイプガ
イド、１２６……シリンダーブロツク、１２７…
…インク注入口、１２８……通気孔ブロツク、１
２９……フイルターブロツク、１３１，１３２…
…インク供給チユーブ、１３３……液面コントロ
ール弁、１３４……開口、１３５，１４１，１４
２……弁、１３６……チエツクエルボー、１３
７，１３８……逆流防止弁、１３９，１４０……
弁支持部、１４３，１４４……弁受け部、１４５
……シリンダー、１４６……バネ、１４７……バ
ネ受け、１４８……ピストン、１４９……シリン
ダー蓋、１５０……Ｏリング、１５１……ロツ
ド、１５２……継手、１５３，１５４，１５５，
１５６，１６４……インク通路、１５７，１５８
……パツキング、１５９，１６０……支持部材、
１６１，１６２……スリーブ、１６３……パイプ
貫通用穴である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インクを吐出して記録を行う記録手段に供給
   されるインクを貯留する第１インク収容部と、 前記第１インク収容部に供給されるインクを貯
   留した第２インク収容部と、 前記第１インク収容部と前記第２インク収容部
   とを連結し前記第２インク収容部から前記第１イ
   ンク収容部に対してインク供給を行うための円筒
   状インク通路と、 前記インク通路の一部に配設され、前記第２イ
   ンク収容部から前記第１インク収容部への流入イ
   ンクを規制する縮径部と球状弁とを有するインク
   供給調整手段と、 を備えており、 インクの吐出による前記第１インク収容部内イ
   ンクの消費による前記第２インク収容部から前記
   第１インク収容部へのインクの汚れの生起に基づ
   き前記縮径部から前記球状弁が離間することで解
   放状態とし、前記第１インク収容部へのインクの
   流れの解消によるインク供給不要状態に基づき前
   記縮径部に前記球状弁が当接することで閉鎖状態
   として前記流入インクを規制することを特徴とす
   るインク供給装置。