JPH0360313B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明はドツトプリンタの印字ヘツドに係
り、特に複数個の電磁装置と印字ワイヤを駆動す
るアーマチユアとの組付け構成に関するものであ
る。

従来技術 従来の印字ヘツドにおいては、電磁装置組立体
と印字ワイヤ組立体とがねじ締めあるいは複数個
の足を有する板ばねの挾着にて組付け固定されて
いた。ところが、この両組立体の組付けに際して
は、部品精度のバラツキや組付け誤差等により印
字ワイヤ組立体側の各アーマチユアと電磁装置組
立体側の各電磁装置のコアとの間隙が変化しやす
く、前述した従来の組付け構成ではこの間隙のバ
ラツキを調整することができないで、各印字ワイ
ヤ間あるいは各印字ヘツド間でインパクトが変動
し、適正なインパクト力を得ることができないと
いう欠陥があつた。

発明の目的 この発明は、前記のような従来技術における欠
陥を解消し、簡単な操作でアーマチユアと電磁装
置のコアとの間隙を容易に調整することができ、
印字ワイヤのインパクト力を適正に設定すること
ができる印字ヘツドを提供することを目的とす
る。

発明の構成 この発明は前記の目的を達成するため、複数個
の電磁装置と、各電磁装置と対応して配置された
複数個のアーマチユアと、そのアーマチユアによ
つて出没動作される複数個の印字ワイヤと、各ア
ーマチユアを復帰方向に付勢するばね手段と、前
記複数個のアーマチユアを前記電磁位置に装置す
るための組付体とを備える印字ヘツドにおいて、 前記組付体を、アーマチユアの後方を覆う蓋体
とその蓋体を前記電磁装置に固定するための組付
部材とより構成する一方、これら蓋体と組付部材
には両者を係合するための係止部と、前後方向に
係合位置が異なりその係止部と選択的に係合する
係合部とを設け、両者の係合位置を選択すること
により前記アーマチユアの復帰位置を変更してア
ーマチユアと前記電磁装置との間の〓間を調整可
能にしたものである。

実施例 以下、この発明の一実施例を図面に従つて詳細
に説明する。

さて、この実施例のドツトプリンタの印字ヘツ
ドは、電磁装置組立体１と、印字ワイヤ組立体２
と、その両者１，２を組付けるための組付体３と
３つのユニツトから構成されている。

前記電磁装置組立体１はほぼ円筒体のヨーク４
内に複数個（この実施例では24個）の電磁装置５
を円環状に配列して構成され、ヨーク４の外周一
側端には隔壁部４ａを残して各電磁装置５と対応
する複数個のスリツト４ｂが形成されている。各
電磁装置５は、ヨーク４と一体に形成されたコア
６と、そのコア６にボビン７を介して巻装された
コイル８とからそれぞれ構成され、コイル８の両
端子がボビン７に突設された一対の接続用ピン９
にそれぞれ接続されている。ヨーク４の他側面に
は絶縁板１０を有するプリント基板１１が固定さ
れ、このプリント基板１１に前記接続用ピン９が
貫通されてハンダ付けされている。そして、この
状態でプリント基板１１の側面が保護用ゴムシー
ト１２により覆われている。

前記印字ワイヤ組立体２は電磁装置組立体１内
に嵌挿配置される合成樹脂製のノーズ部材１３を
備え、その内部には３個のワイヤガイド１４，１
５，１６が所定間隔をおいて配設固定されるとと
もに、基端外周にはフランジ状の支持部材１７が
一体に形成されている。支持部材１７の側面には
複数個の保持溝１７ａが放射状に形成されるとと
もに、各保持溝１７ａに対応して支持部材１７の
外周には前記ヨーク４のスリツト４ｂに嵌合する
突片１７ｂがそれぞれ突設され、各突片１７ｂの
側面には支持凹部１７ｃが形成されている。

前記支持部材１７の各保持溝１７ａ内には板状
部材よりなるアーマチユア１８がその幅広の側面
を互いに隣接対応させた状態でそれぞれ収容配列
され、それらの一側外端に形成された突部１８ａ
を支持部材１７上の支持凹部１７ｃに係合させて
その支持部材１７上に回動可能に支持されてい
る。各アーマチユア１８の一側中央には支持部材
１７上の透孔を介して電磁装置５のコア６と対応
する突出部１９が形成されている。又、各アーマ
チユア１８の一端先端にはその幅広の側面と平行
に延びるように印字ワイヤ２１が突出固定され、
それらの印字ワイヤ２１は各ワイヤガイド１６，
１５，１４を通してプラテン２０側に延長されて
いる。

各アーマチユア１８に対応して支持部材１７の
各保持溝１７ａ内にはばね２２が設けられ、この
ばね２２の作用により各アーマチユア１８が印字
ワイヤ２１の没入方向に付勢されている。そし
て、前記電磁装置５の励磁に伴いアーマチユア１
８がばね２２の作用に抗してコア６側に吸着回動
され、印字ワイヤ２１がプラテン２０に向かつて
突出動作されるようになつている。

又、前記アーマチユア１８に対応して支持部材
１７の側部には合成樹脂製の保持部材２３が配設
されている。その保持部材２３の中央には支持部
材１７の側面中央部及び各アーマチユア１８の側
縁に係合するリング状の規制部２４が設けられ、
その外周には支持部材１７上の係合部２５に係合
する３個の係止爪２６が突出形成されている。そ
して、この保持部材２３の規制部２４により前記
ばね２２の作用に基づくアーマチユア１８の印字
ワイヤ没入方向への作動が規制され、各アーマチ
ユア１８が所定位置に位置決め保持されるように
なつている。又、規制部２４の外周には24個の弾
性を有する保持部２７が一体に突出形成され、各
アーマチユア１８の外端の突部１８ａを支持部材
１７の支持凹部１７ｃに向かつて押圧し、それら
のアーマチユア１８を支持部材１７上の所定位置
に保持している。

前記組付体３は、板ばね材よりなる組付部材２
８と、その組付部材２８の外面に組付けられた金
属製の蓋体２９とより構成されている。組付部材
２８の外周には３個の弾性を有する脚部３０が突
出形成され、それらの先端に形成された側面形ほ
ぼ横Ｔ字状の係止部３０ａにおいて前記電磁装置
組立体１のヨーク４外周に設けられた段差状の係
合部３１に係合し、印字ワイヤ組立体２を電磁装
置組立体１との間で挾着保持するようになつてい
る。又、組付部材２８の中央には円形部３２が設
けられている。

第４，５，７図に示すように前記円形部３２の
外周には３個の突出片３３が形成され、それらの
突出片３３の一側から円周方向に向かつてばね片
３４がそれぞれ延出されている。そして、各ばね
片３４は、常には第４，７図に鎖線で示すよう
に、前記脚部３０の突出方向と逆方向へ所定量斜
状に突出した状態にあり、組付部材２８に蓋体２
９を取付けた時には、その蓋体２９の内面との係
合により第４，７図に実線で示すように自身のば
ね作用に抗して変形されるようになつている。
又、前記各脚部３０の基端には側面形ほぼ横Ｕ字
状の係止部３５がそれぞれ折曲形成されている。

一方、第４〜７図に示すように前記蓋体２９の
外周には３個の凹所３６が形成されている。各凹
所３６の両側壁には前記組付部材２８の係止部３
５と選択的に係合する一対の係合片３７ａ，３７
ｂが突出形成され、それらの先端が組付部材２８
の脚部３０の幅より若干広い間隙をおいて対向配
置されている。そして、この実施例においては第
６図から明らかなように、一方の係合片３７ａが
他方の係合片３７ｂよりも肉厚でその後側面（第
４，７図において右側）が他方の係合片３７ｂの
それよりも後方側に位置するように形成されてい
る。

従つて、組付部材２８の各係止部３５が蓋体２
９の各係合片３７ａ，３７ｂ間の間隙に嵌合する
ように、組付部材２８と蓋体２９とを接合し、両
者２８，２９を一方向に相対回動させると、第４
〜６図に実線で示すように係止部３５が肉厚の係
合片３７ａに係合する。又、前記両者２８，２９
を他方向に相対回動させた場合には、第５，６図
に鎖線で示すとともに第７図にも示すように係止
部３５が肉薄の係合片３７ｂに係合する。

そのために、第４図の組付状態にある組付体３
を使用して、第１図に示すように電磁装置組立体
１と印字ワイヤ組立体２とを組付けた場合には、
係合片３７ａが厚肉であるために第１図に示すよ
うに蓋体２９の内面が電磁装置組立体１に接近配
置され、保持部材２３の規制部２４とフランジ１
７とをそのフランジ１７の材料自身の弾性に抗し
て押す。このためフランジ１７と保持部材２３と
がその中央において印字ワイヤ突出方向に変位設
定されて、アーマチユア１８とコア６との隙間が
狭い状態に調整される。

また、第７図の組付状態にある組付体３を使用
して前記両組立体１，２を組付けた場合には、係
合片３７が薄肉であるために、第８図に示すよう
に蓋体２９の内面が電磁装置組立体１から離隔配
置され、フランジ１７がその弾性作用でフランジ
自身の中央部を印字ワイヤ突出方向と反対方向に
変位させるとともに規制部２４を押して組付部材
２８の円形部３２を介して蓋体２９に当接させる
かまたは円形部３２の弾性とバランスしたところ
で止められる。（支持部材１７は自然状態におい
て、平面に対しαの角度をもつ円錐形面に形成さ
れている。）このため、その規制部２４の規制位
置が印字ワイヤ没入方向に変位設定されて、アー
マチユア１８とコア６との間隙Ｇが広い状態に調
整される。

なお、支持部材１７はその側面中央部において
保持部材２３の規制部２４に当接しているので、
規制部２４の左右動に伴いノーズ部材１３は突片
１７bbとヨーク４のスリツト４ｂとの係合部を
中心としたわずかな弾性変形を伴いつつ左右へ移
動される。従つて、保持溝１７ａの底部と規制部
２４の前面との間のの間隙が一定に保持され、ア
ーマチユア１８の回動のための空間は常に確保さ
れる。

以上のように、電磁装置組立体１と印字ワイヤ
組立体２との間の組付け上のバラツキ等を吸収し
て、両組立体１，２を強固に組付けることができ
るとともに、各アーマチユア１８と各電磁装置５
のコア６との間隙を容易に調整することができ
て、印字ワイヤ２１のインパクト力を適正に設定
することができる。

なお、この発明は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、例えば蓋体２９の凹所３６内に
その一側から他側に向かつて延びる１個の係合片
を突設し、その係合片外面に傾斜面を設けてその
係合片の肉厚が連続的に変化するように形成し、
この蓋体２９に組付部材２８を組付けた時、蓋体
２９の左右位置が連続的に変化するように構成す
ることもできる。このときその傾斜面の各位置が
本発明の係合部として作用し、このとき前記間隔
を無段階に調整できる。その他、この発明の趣旨
からら逸脱しない範囲で各部の構成を任意に変更
して具体化することも可能である。

発明の効果 以上詳述したようにこの発明は、蓋体と組付部
材とを相対回動させるだけでアーマチユアと電磁
装置との間の〓間を所定の間隔に設定でき、作業
の能率化が図れ、係合部と係止部との係止部によ
り確実に〓間を所望の間隔に維持できる。

このためネジ調整に比べ簡単且つ少ない工程数
で〓間間隔を設定できるという優れた効果が発揮
される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した印字ヘツドの縦
断面図、第２図は第１図のＡ―Ａ線における断面
図、第３図は部分分解斜視図、第４図は組付部材
と蓋体とよりなる組付体の縦断面図、第５図はそ
の組付体の側面図、第６図は第５図のＢ―Ｂ線に
おける部分断面図、第７図は第４図とは異なつた
組付け状態における組付体の縦断面図、第８図は
第７図の状態の組付体を使用して組付けた要部縦
断面図である。 １は電磁装置組立体、２は印字ワイヤ組立体、
３は組付体、５は電磁装置、６はコア、１３はノ
ーズ部材、１７は支持部材、１８はアーマチユ
ア、２１は印字ワイヤ、２３は保持部材、２８は
組付部材、２９は蓋体、３０は脚部、３４はばね
片、３５は係止部、３７ａ，３７ｂは係合片であ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数個の電磁装置５と、各電磁装置５と対応
   して配置された複数個のアーマチユア１８と、そ
   のアーマチユア１８によつて出没動作される複数
   個の印字ワイヤ２と、各アーマチユア１８を復帰
   方向に付勢するばね手段２２と、前記複数個のア
   ーマチユア１８を前記電磁装置５に装置するため
   の組付体３とを備える印字ヘツドにおいて、 前記組付体３を、アーマチユア１８の後方を覆
   う蓋体２９とその蓋体２９を前記電磁装置５に固
   定するための組付部材２８とより構成する一方、
   これら蓋体２９と組付部材２８には両者を係合す
   るための係止部３５と、前後方向に係合位置が異
   なりその係止部３５と選択的に係合する係合部３
   ７ａ，３７ｂとを設け、両者の係合位置を選択す
   ることにより前記アーマチユア１８の復帰位置を
   変更してアーマチユア１８と前記電磁装置５との
   間の〓間を調整可能にしたことを特徴とする印字
   ヘツド。