JPH0359820B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シート状の物体、例えばラベルをプ
ラスチツク製中空部材に取付ける方法に関する。

熱可塑性プラスチツクから成る中空部材、例え
ばびん、箱およびその他の物体を製造する際、表
面の型押しにより銘文を付けることは公知であ
る。そのため吹込成形用金型は適当な彫刻部を有
する。しかしこのような銘文は、明暗または色の
コントラストを持たないので、読みにくいという
欠点がある。この欠点を取除くため、多くの場合
中空部材は、製造後にプリントされる。しかしプ
リントに加えてこのことは、材料の性質のため特
殊な操作を必要とする。例えばプリントの前に容
器を加熱し、プリントインキを吸収するようにし
なければならない。プリント後に容器は、乾燥ト
ンネルを通過させねばならない。従つてプリント
は、比較的高価であり、かつさらに加熱により容
器の収縮が生じることがあるという欠点を有す
る。さらにこの操作のため多くの製造空間が必要
である。

吹込み作業または充てん操作の後に容器にラベ
ルを備えることも公知である。この場合容器のラ
ベル面の正確な形成に非常に高度な要求が課され
る。すでにこれらの要求のため容器の製造費用が
増加することがある。ラベル取付け機の場合によ
つては生じる機能障害により時間の無駄が生じる
ことは不利である。しばしばラベル取付けは充て
んの途中に行われるので、ラベル取付けに機能障
害があると、全製造ラインが停止することがあ
る。

吹込成形用金型内において容器ラベルまたは画
像を有するプラスチツクフイルムを取付けること
も公知であるが、このことは、型の構成に高度な
要求を課し、かつ比較的狭い範囲内、すなわち所
定のラベル面上でしか可能でない。なぜならラベ
ルを挿入するため、型に窓を設けなければならな
いからである。必要な機構のための空間も設けな
ければならない。さらにラベルの取付けにより吹
込みサイクルのため冷却時間が増加することも不
利である。冷却通路は、ラベル供給用の窓のた
め、最適には配置できない。従つて冷却サイクル
が長くなる。それにより製造コストが増加する。
ラベル用の窓を有する型のため工具のコストも増
加するので、製造コストが増加する。多数の型に
より経済的に製造できないことは不利である。

それ故に本発明の課題は、公知の方法の欠点を
除去し、かつ吹込みサイクル時間を増加すること
なくかつラベル面を限定されることなく、プラス
チツク製中空部材の製造の際にシート状の物体、
例えば紙またはプラスチツク製のラベルを取付け
る方法を提供することにある。

本発明によればこの課題は次のようにして解決
される。すなわち軟らかい素材であるプラスチツ
クを吹込成形用金型に挿入する前に、シート状物
体を素材に押付ける。

管片の形にして素材を押出す機械において本発
明は次のことを利用することができる。すなわち
押出し過程の開始から、押出された管片の長さが
容器製造に必要な長さになるまでに、数秒を要す
る。この時にまだ可塑状態の管壁にシート状物体
を軽く押付けるため、シート状物体と管片の間で
相対運動を行うことができる。このようにしてシ
ート状物体は管壁に取付けられる。押出した直後
に管は最高温度を有するので、シート状物体をま
だ粘着性の管表面に良好に取付ける最良の条件が
得られる。

しかし型構造により生じるラベル面の限定はな
いので、本発明による方法がシート状物体の取付
けの際に大きな自由度を提供するということは特
に重要である。型に窓はないので、ラベル面の限
定、冷却の限定、吹込成形用金型のコスト上昇の
ような窓の欠点は存在しない。シート状物体を取
付ける際の大きな自由度のため、例えば種々のラ
ベルを中空部材の種々の位置に取付けることもで
きる。例えばラベルをびんの反対側に取付けるこ
ともできる。

シート状物体について説明する場合、この記載
はラベルだけを表わすわけではない。例えば球形
のびんを作る場合にこれらのびんは、底部に圧
紙、プラスチツク等のリングを有し、このリング
はびんを直立させるために使われる。このような
リング等はプリントされていてもよい。球形のび
んは、大きな内部圧力に耐えることができ、かつ
例えばビールのような炭酸を含んだ飲料のために
使われる。

上記のようにシート状物体は、付加的にラベル
とは異つた機能を有することができる。中空部材
と壁とラベルの密な結合のため、この壁の補強も
行われる。それ故に本発明による方法によれば、
所定の状況において中空部材の壁の厚さは、シー
ト状物体を取付けた場合、シート状物体により補
強が行われるので薄くすることができるという利
点が得られる。このようにして材料が節約でき
る。

本発明の有利な実施形によれば、素材が内部に
ガス圧を受けている時にだけ、シート状物体が素
材に押付けられる。この場合中空部材は、押付け
の際管段階よりはもはや最終的な形に近いので、
シート状物体に大きな張力は加わらない。

なるべく素材が押出しノズルまたは保持装置に
つるされている時に、シート状物体は素材に押付
けられる。押出し装置の近くには通常、シート状
物体を保持しかつ素材に押付ける装置を設けるた
め十分な空間がある。この時素材の温度がいぜん
として最も良好にシート状物体に付着する程度に
高いことはさらに有利である。

シート状物体は、素材である管片の押出しの際
にこの素材に押付けることができる。この場合シ
ート状物体は、押付けの時管片と同じ方向に動く
ようにするだけでよい。この方法の利点は、ラベ
ル取付けのために付加的な時間が全く不要であ
り、かつラベル取付け装置が他の装置を決してじ
やましないという点にある。

多くの場合シート状の物体を管片に押付ける前
に、管の自由端を閉じ、かつ管片の表面がシート
状物体を取付けるのに適した寸法を有するように
なるまで、管片をふくらますと有利である。シー
ト状物体を素材の小さな面範囲だけに接続し、か
つ中空部材に対するシート状物体の完全な取付け
を、型内における次の吹込み作業の際だけに行う
ようにしてもよい。この時ラベルが過剰に引延ば
される危険はない。

多くの場合複数のシート状物体を中空部材に取
付けることは有利である。従来このことは、型に
多数の窓を設けることができなかつたので、実質
的に不可能であつた。

本発明は、この方法を実施する装置にも関す
る。この装置には、グリツパを有する少なくとも
１つの供給装置が設けられており、このグリツパ
が、素材を吹込成形用金型に供給する前に、シー
ト状物体を準備し、かつ供給装置と素材の間の相
対運動の間に、このシート状物体を素材に押付け
る。この装置は、簡単に製造でき、かつ簡単に既
存の吹込成形機に取付けることができる。グリツ
パが吸引ヘツドを有し、シート状物体をつかみか
つ保持すると有利である。吸引ヘツドは、非常に
信頼すべき動作を行う。

押出しノズルまたは保持装置にグリツパを配置
することは有利である。素材が押出しノズルから
離れる時、いぜんとして非常に熱く、かつ粘着力
を有し、それ故にラベルが確実に付着する。

グリツパが、押出しノズルの軸線に対して鋭角
をなしまたは平行に配置されており、それにより
シート状物体を素材に押付ける際に、押出しの間
に素材が動く方向と同じ方向にシート状物体を動
かすようにすることができる。この装置は、非常
に信頼できる点で優れており、かつそれによりラ
ベルを付けるために押出し時間を良好に利用でき
る。

本発明の実施例を以下図面によつて説明する。

第１図に、吹込成形機の管ヘツド１１、吹込み
ピン１３および吹込成形用金型１５が示されてい
る。符号１７によつて、概略的に示した平らな物
体、例えばラベルの取付け装置が示されている。
この装置は、基本的にシート状物体２３をつかみ
かつ保持する吸引ヘツド２１を有するグリツパ１
９から成る。符号２５は、単一のシート状物体２
３をつかむように負圧を供給する負圧ダクトを示
している。負圧は、ラベル２３が素材に接触する
まで維持されている。

素材２６は、ノズル２７から押出され、かつ底
を絞ることによつて閉じられている。ダクト２９
を介して素材２６は、ガス、例えば圧縮空気によ
つて直径がノズル２７の直径より大きい図示され
た形になるまでふくらまされている。

第１図において素材２６は、直前に吹込成形用
金型１５に挿入されており、かつ吹込みピンがち
ようどびん２６′の吹込みを開始したところであ
る。完全にふくらんだびんは第２図に示されてい
る。吹込み中にラベル２３は、吹込成形用金型に
内壁３１に押付けられる。このようにしてラベル
２３は、負圧を受けてびんの壁に至る所で強力に
接触する。従つて強力な接着が行われる。吹込成
形用金型１５は、いぜんとして熱いびん２６を冷
却する冷却ダクト３３を有する。

さらに第２図に示すように、びん２６′が吹込
成形用金型１５内でふくらまされる時間中に、グ
リツパ１９は、素材２６に向つて動かされ、ここ
にラベル２３を取付ける。それからグリツパ１９
は、再び初めに位置に戻されるので、型１５を開
きかつでき上つたびん２６′を取出した後に、新
たに成形される素材２６をラベル２３と共に吹込
成形用金型１５内に挿入できる。

第３図に示す実施例においてラベル２３は、管
片２６の押出しの間に取付けられる。そのためグ
リツパ１９は、押出しノズル２７の軸線に対して
鋭角をなして配置されている。その結果ラベル２
３は、素材２６に押付ける間に素材２６が押出し
中に動く方向と実質的に同一の方向に動く。その
他に吹込成形機は、前記のものと同様に動作す
る。しかし素材２６は吹込成形用金型１５に挿入
する前にふくらまされないので、ダクト２９を介
してガスは供給されない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、吹込成形機におけるびんの製造およ
びラベル取付けを示す図であり、その際ラベル取
付け装置は、ラベルを素材に押付ける準備をされ
ており、かつ同時にびんは吹込成形用金型内でふ
くらまされ、第２図は、ラベルを素材に取付けか
つ型内のびんが完成する時の第１図による吹込成
形機を示す図、第３図は、第２図と同様な吹込成
形機を示すが、その際ラベルが管状片の押出し中
に管状片に取付けられるところを示す図である。 １１……管ヘツド、１３……吹込みピン、１５
……吹込成形用金型、１７……取付け装置、１９
……グリツパ、２１……吸引ヘツド、２３……シ
ート状物体、２６……素材、２７……押出しノズ
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 軟らかい素材であるプラスチツクを吹込成形
   用金型に挿入する前に、シート状の物体２３を素
   材に押付けることを特徴とする、シート状の物体
   ２３をプラスチツク製中空部材２６′に取付ける
   方法。 ２ 素材２６が内部に作用するガス圧を受けてい
   る時に、この素材２６にシート状物体２３を押し
   付ける、特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 素材２６が押出しノズル２７または保持装置
   につるされている時に、この素材２６にシート状
   物体２３を押付ける、特許請求の範囲第１項また
   は第２項記載の方法。 ４ 素材２６となる管片を押出す際に、この素材
   ２６にシート状物体２３を押付ける、特許請求の
   範囲第３項記載の方法。 ５ 管片２６にシート状物体２３を押付ける前
   に、管２６の自由端２８を閉じ、かつ管片の表面
   がシート状物体２３を取付けるのに適した寸法を
   有するようになるまで、管片２６をふくらます、
   特許請求の範囲第１項ないし第４項の１つに記載
   の方法。 ６ シート状物体２３が、素材２６と小さな面範
   囲だけに接続されており、かつ中空部材２６′に
   対するシート状物体の完全な取付けが、型１５内
   における次の吹込み作業の際だけに行われる、特
   許請求の範囲第１項ないし第５項の１つに記載の
   方法。 ７ 複数のシート状物体２３を中空部材２６′に
   取付ける、特許請求の範囲第１項ないし第６項の
   １つに記載の方法。 ８ 軟らかい素材であるプラスチツクを吹込成形
   用金型に挿入する前に、シート状の物体を素材に
   押付ける、シート状の物体をプラスチツク製中空
   部材に取付ける方法を実施する装置において、グ
   リツパ１９を有する少なくとも１つの供給装置１
   ７が設けられており、このグリツパが、素材２６
   を吹込成形用金型１５に供給する前に、シート状
   物体２３を準備し、かつ供給装置１７と素材２６
   の間の相対運動の間に、このシート状物体を素材
   ２６に押付けることを特徴とする、シート状の物
   体をプラスチツク製中空部材に取付ける装置。 ９ グリツパ１９が、吸引ヘツド２１を有し、シ
   ート状物体２３をつかみかつ保持する、特許請求
   の範囲第８項記載の装置。 １０ グリツパ１９が、押出しノズル２７の近く
   または保持装置の近くに配置されている、特許請
   求の範囲第８項または第９項記載の装置。 １１ グリツパ１９が、押出しノズル２７の軸線
   に対して鋭角をなしまたは平行に配置されてお
   り、それによりシート状物体２３を素材２６に押
   付ける際に、押出しの間に素材２６が動く方向と
   同じ方向にシート状物体２３を動かすようにし
   た、特許請求の範囲第１０記載の装置。